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「もうシルバーバージョンには戻れない」

音質にさらなる磨きをかけた「micro iDSD BL」― 旧バージョンの愛用者、高橋健太郎氏がレポート

公開日 2017/06/15 13:21 高橋健太郎
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2年くらい前から僕はiFI-Audioの「micro iDSD」を愛用している。

自宅やプライべートスタジオに所有しているDACは何種類もあるが、ポータブルタイプは二種類だけだ。ひとつはPCを使ったDJ用でNative Instulments社のステレオアウトが二系統あるタイプ。が、これはTraktorというDJ用のソフトウェアとの組み合わせで使うので、特殊用途とも言える。

もう一つがiFI-Audioのmicro iDSDで、これはさまざまなシチュエーションで使いまわしてきた。デスクトップ用の据え置きのDACとして使っていたこともあるし、iPadとの組み合わせで持ち歩いて使うこともあった。イべントなどでiPhoneやiPadから音源を再生する時にも、micro iDSDを持参すれば、ヘッドフォンアウトから出力するよりもはるかに高音質のサウンドを聴衆に聴かせることができる。

音楽評論家でありプロデューサー/レコーディングエンジニアでもある高橋健太郎氏。旧バージョンの愛用者である同氏がmicro iDSD BLの進化を聴く

日々、僕は自宅と少し離れたプライベートスタジオの間を往復しながら仕事している。どちらにも複数のオーディオセットがあり、それぞれ違うDACを使っていたりもするのだが、micro iDSDなら簡単に持ち運べる。プライべートスタジオでミックスダウンした音源をmicro iDSDで確認。その後、音源ファイルを持ち帰る時にmicro iDSDも持ち帰ってくれば、自宅の環境でも同じDACでミックスの確認ができる。

加えて、micro iDSDは再生できるフォーマットが非常に幅広い。PCMは768kHzまで、DSDは24.6MHzまで対応。スタジオで使っているProTools用のオーディオインターフェイスはPCMも192kHzまでだし、DSDに非対応だ。だから、スタジオでDSD音源を聴くためにmicro iDSDを使用することも多くなった。ポータブルでありながら、そんなハイスペックを誇り、音質的にも据え置きの高級DACに比肩する音質を誇るmicro iDSDは、いつしか手放すことのできないオーディオギアーになっていたと言っていい。

2016年の暮れ、そのmicro iDSDのニューバージョンがiFI-Audioから発売された。その名は「micro iDSD BL」。ルックスは? と思って見てみると、シルバーだったボディが黒くなっただけだ。これは単なるカラー違いなんじゃないかと最初は思っていた。ところが、音質的にかなりの変化があるという。そこでmicro iDSD BLをお借りして、シルバーのオリジナルバージョンとも比較しつつ、テストしてみることにした。

次ページ手元に到着したmicro iDSD BLの第一印象

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