公開日 2016/01/15 10:00
デノン、ディスク再生特化のSACDプレーヤー「DCD-2500NE」 - 上位機からドライブメカを継承
ハイレゾ収録のデータディスク再生に対応
デノンは、新たなミドルクラスHi-Fi“2500NEシリーズ”のSACDプレーヤー「DCD-2500NE」を2月中旬より発売する。価格は180,000円(税抜)。
“2500シリーズ”として同時に発表されたネットワークプレーヤー/USB-DAC「DNP-2500NE」の詳細記事はこちら。プリメインアンプ「PMA-2500NE」の詳細記事はこちら。
本機は、2012年10月発売のSACDプレーヤー「DCD-1650RE」の後継モデル。しかし、DCD-1650REに搭載されていたUSB-DACやUSB-A入力、同軸/光デジタル入力を全て省略し、ディスク再生専用機とした。出力はアナログRCAおよび同軸/光デジタルを搭載する。
再生ディスクはCD/SACDに加えて、5.6MHz DSDや192kHz/24bit PCMのファイルを保存したデータディスク(DVD)の再生が可能となる。新開発ドライブメカや超低位相雑音クリスタル、音質部品など、上位機「DCD-SX11」で開発された要素を多数継承した。以下にその詳細を説明していく。
■平行して開発された上位機「DCD-SX11」からドライブメカなどを継承
発表会では本機の開発を手がけた出口氏がプレゼンテーションを実施。出口氏はフラグシップSACDプレーヤー「DCD-SX1」(開発者インタビュー)、および昨年10月に発売された「DCD-SX11」(開発者インタビュー)の開発も手がけた人物だ。
「DCD-2500NEでは、DCD-SX1とDCD-SX11の開発思想を完全に継承することで音質を徹底的に追求しました。目指したのは“究極のディスクプレーヤー”です」と出口氏はそのコンセプトを説明する。DCD-SX11の開発が始まったのは2014年11月だったが、それに少し遅れるかたちで、平行して本機の開発を行っていたこともあり、「DCD-SX11のエッセンスはほぼ全てDCD-2500REに入っていると言ってよいでしょう」とのことだった。
ドライブメカは、デノンが自社開発した「Advanced S.V.H. Mechanism」を搭載する。これはDCD-SX11に搭載されたものとまったく同一。DCD-SX11の開発時に新たに設計され、ピックアップ制御やデコードを担う回路が新たに開発された。また回路を最短・最小化させ、余計なノイズや電流を発生させない設計としている。
ステンレスと銅板を組み合わせて剛性を強化した振動抑制トップパネル、アルミダイカスト製トレイ、2mm厚スチールメカブラケットなど、異種素材の各パーツで構成。高質量化と共振点の分散化によって高い制振性を実現したという。メカの低重心化も実施して、ディスク回転に生じる振動を排除。これによりサーボ系の動作を最小にとどめ、高精度な読み出しを可能とした。
データディスクについては、DVD-R/-RWまたはDVD+R/+Rに記録した2.8/5.6MHz DSD、192kHz/24bitまでのWAV・AIFF・FLAC、96kHz/24bitまでのALAC、320kbpsまでのAAC・MP3・WMAが再生可能。CD-R/-RWについては、48kHzまでのファイルを再生できる。
■「Advanced AL32 Prossesing Plus」採用。クロック周辺も改善
デノン独自のアナログ波形再現技術“Alphaプロセッシング”の最新バージョンとなる「Advanced AL32 Prossesing Plus」もDCD-SX11から継承。44.1/48kHzの入力は16倍、88.2/96kHzの入力は8倍、176.4/192kHzの入力は4倍のオーバーサンプリングで処理を行う。「“Plus”に進化するにあたってはアルゴリズムに修正を加え、自然界に存在するアナログ波形により近いかたちに補間できるようになりました」(出口氏)。
DCD-SX1およびSX11で培われた「DACマスタークロックデザイン」も採用。マスタークロックをDACの近傍に配置することで、ジッターの発生を抑制。さらに同じマスタークロックによってDAC以外のICも同期させることで、より正確なD/A変換が可能になる。また、DACの近くに強力な電源コンデンサーを配置することで、DACの性能を存分に引き出しているという。なおDACデバイスについては、DCD-SX1やDCD-SX11と同一の32bit DACを採用する。
クロックを生成する発振器には、周波数の変位である位相雑音を大幅に低減した“超低位相雑音クリスタル”を、44.1kHz系と48kHz系で計2基搭載。さらにクロックの電源回路には、高周波インピーダンス特性に優れたデノンカスタムの誘導性高分子コンデンサーを採用することで、クロック回路から生じる高周波が後段のアナログ領域に影響することを防いでいる。
加えてクロック近傍には超小型フィルムコンデンサーを配置した。「通常、この部分には小さな積層セラミックコンデンサーを用いるのですが、これは音を詰まらせたり、高域にノイズが乗るといった悪影響もあります。そこで超小型フィルムコンデンサーを用いることで、音質劣化を防ぎつつ、電源が要求するスペックもしっかり満たしています」(出口氏)。
“2500シリーズ”として同時に発表されたネットワークプレーヤー/USB-DAC「DNP-2500NE」の詳細記事はこちら。プリメインアンプ「PMA-2500NE」の詳細記事はこちら。
本機は、2012年10月発売のSACDプレーヤー「DCD-1650RE」の後継モデル。しかし、DCD-1650REに搭載されていたUSB-DACやUSB-A入力、同軸/光デジタル入力を全て省略し、ディスク再生専用機とした。出力はアナログRCAおよび同軸/光デジタルを搭載する。
再生ディスクはCD/SACDに加えて、5.6MHz DSDや192kHz/24bit PCMのファイルを保存したデータディスク(DVD)の再生が可能となる。新開発ドライブメカや超低位相雑音クリスタル、音質部品など、上位機「DCD-SX11」で開発された要素を多数継承した。以下にその詳細を説明していく。
■平行して開発された上位機「DCD-SX11」からドライブメカなどを継承
発表会では本機の開発を手がけた出口氏がプレゼンテーションを実施。出口氏はフラグシップSACDプレーヤー「DCD-SX1」(開発者インタビュー)、および昨年10月に発売された「DCD-SX11」(開発者インタビュー)の開発も手がけた人物だ。
「DCD-2500NEでは、DCD-SX1とDCD-SX11の開発思想を完全に継承することで音質を徹底的に追求しました。目指したのは“究極のディスクプレーヤー”です」と出口氏はそのコンセプトを説明する。DCD-SX11の開発が始まったのは2014年11月だったが、それに少し遅れるかたちで、平行して本機の開発を行っていたこともあり、「DCD-SX11のエッセンスはほぼ全てDCD-2500REに入っていると言ってよいでしょう」とのことだった。
ドライブメカは、デノンが自社開発した「Advanced S.V.H. Mechanism」を搭載する。これはDCD-SX11に搭載されたものとまったく同一。DCD-SX11の開発時に新たに設計され、ピックアップ制御やデコードを担う回路が新たに開発された。また回路を最短・最小化させ、余計なノイズや電流を発生させない設計としている。
ステンレスと銅板を組み合わせて剛性を強化した振動抑制トップパネル、アルミダイカスト製トレイ、2mm厚スチールメカブラケットなど、異種素材の各パーツで構成。高質量化と共振点の分散化によって高い制振性を実現したという。メカの低重心化も実施して、ディスク回転に生じる振動を排除。これによりサーボ系の動作を最小にとどめ、高精度な読み出しを可能とした。
データディスクについては、DVD-R/-RWまたはDVD+R/+Rに記録した2.8/5.6MHz DSD、192kHz/24bitまでのWAV・AIFF・FLAC、96kHz/24bitまでのALAC、320kbpsまでのAAC・MP3・WMAが再生可能。CD-R/-RWについては、48kHzまでのファイルを再生できる。
■「Advanced AL32 Prossesing Plus」採用。クロック周辺も改善
デノン独自のアナログ波形再現技術“Alphaプロセッシング”の最新バージョンとなる「Advanced AL32 Prossesing Plus」もDCD-SX11から継承。44.1/48kHzの入力は16倍、88.2/96kHzの入力は8倍、176.4/192kHzの入力は4倍のオーバーサンプリングで処理を行う。「“Plus”に進化するにあたってはアルゴリズムに修正を加え、自然界に存在するアナログ波形により近いかたちに補間できるようになりました」(出口氏)。
DCD-SX1およびSX11で培われた「DACマスタークロックデザイン」も採用。マスタークロックをDACの近傍に配置することで、ジッターの発生を抑制。さらに同じマスタークロックによってDAC以外のICも同期させることで、より正確なD/A変換が可能になる。また、DACの近くに強力な電源コンデンサーを配置することで、DACの性能を存分に引き出しているという。なおDACデバイスについては、DCD-SX1やDCD-SX11と同一の32bit DACを採用する。
クロックを生成する発振器には、周波数の変位である位相雑音を大幅に低減した“超低位相雑音クリスタル”を、44.1kHz系と48kHz系で計2基搭載。さらにクロックの電源回路には、高周波インピーダンス特性に優れたデノンカスタムの誘導性高分子コンデンサーを採用することで、クロック回路から生じる高周波が後段のアナログ領域に影響することを防いでいる。
加えてクロック近傍には超小型フィルムコンデンサーを配置した。「通常、この部分には小さな積層セラミックコンデンサーを用いるのですが、これは音を詰まらせたり、高域にノイズが乗るといった悪影響もあります。そこで超小型フィルムコンデンサーを用いることで、音質劣化を防ぎつつ、電源が要求するスペックもしっかり満たしています」(出口氏)。
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