公開日 2017/01/07 15:31
<CES>テクニクスCTO 井谷氏に聞く「SL-1200GR」を約半額にした理由、できた理由
さらなる廉価機投入はあるのか?
今年のCESでも様々な展示や発表が行われているが、オーディオ関連で最大級のトピックの一つが、テクニクスの新製品群だろう。中でも「SL-1200GR」は、昨年の「SL-1200G」の約半額となる、約2,000ドルで販売される見込みだ。
SL-1200Gは米国での販売価格が約4,000ドルで、日本での価格は33万円だった。為替レートは日々変動しているものの、単純計算すると、SL-1200GRは約15〜17万円程度になると予想できる。
なぜテクニクスはさらなる廉価モデルの投入に踏み切ったのか、コストダウンは音質にどの程度影響を与えるのか。そして昨年末、テクニクスとベルリンフィルとの協業が正式に発表されたが、これはテクニクスの音づくりにどう関わるのか。テクニクス事業推進室CTOの井谷哲也氏に話を聞いた。
■「1200Gの音をキープしながら、どこまで安く出来るか」
井谷氏は「昨年のSL-1200Gは、テクニクスとしても、アナログプレーヤーをきちんと一から設計したのは何十年ぶりというモデルでした。ですので、音を良くするためにできる限りのことをやらせていただきました」と振り返る。
「そうやって開発していったら、やはりある程度の、勘どころのようなものが掴めてきました。そんな中でSL-1200Gを発売して、おかげさまで大変好評だったのですが、一方で『モノはいいのはわかるが手が届かない』というお声を頂いたのも事実です」。
「ですので今回のSL-1200GRでは、クオリティが落ちるのを最小限にとどめながら、つまりSL-1200Gの音をキープしながら、どこまで手が届きやすい価格帯にできるか、ということにチャレンジしました」。
具体的な変更点については、ニュースでお伝えした通りだ。井谷氏はそれぞれについて説明する。
「まず一番大きいのは、ダイレクトドライブモーターを合理化し、今回の1200GR用に新開発したことです。モーターをシングルローター仕様とすることでかなりのコストダウンにつながりました。ただしコアレスですし、コギングもないので、SL-1200Gのモーターの良いところは引き継いでいます。回転制御のロジックや回路もSL-1200Gと同じです」。
「プラッターを真鍮からアルミに変更したのも大きいですね。ゴムでデッドニングを行っています。ただしプラッターの裏側にリブを設け、軽くしても剛性を高める工夫を行っています」。
トーンアームの構造はSL-1200Gとほぼ同様だが、材質を変更した。SL-1200Gはマグネシウムだったが、SL-1200GRではアルミを採用している。井谷氏は「音場は若干狭くなりますが、マグネシウムは高価ですので、コストにはかなり効きます」と語る。
天板は、アルミダイキャストに塗装したものを採用。SL-1200Gはアルミをそのまま使用していたが、これを改めた格好だ。キャビネットもSL-1200Gの4層構造から、SL-1200GRでは2層構造とシンプルにした。
さらにインシュレーターも、構造こそSL-1200Gと同様だが、ハウジングを樹脂製とするなどコストダウンを図った。
SL-1200Gは米国での販売価格が約4,000ドルで、日本での価格は33万円だった。為替レートは日々変動しているものの、単純計算すると、SL-1200GRは約15〜17万円程度になると予想できる。
なぜテクニクスはさらなる廉価モデルの投入に踏み切ったのか、コストダウンは音質にどの程度影響を与えるのか。そして昨年末、テクニクスとベルリンフィルとの協業が正式に発表されたが、これはテクニクスの音づくりにどう関わるのか。テクニクス事業推進室CTOの井谷哲也氏に話を聞いた。
■「1200Gの音をキープしながら、どこまで安く出来るか」
井谷氏は「昨年のSL-1200Gは、テクニクスとしても、アナログプレーヤーをきちんと一から設計したのは何十年ぶりというモデルでした。ですので、音を良くするためにできる限りのことをやらせていただきました」と振り返る。
「そうやって開発していったら、やはりある程度の、勘どころのようなものが掴めてきました。そんな中でSL-1200Gを発売して、おかげさまで大変好評だったのですが、一方で『モノはいいのはわかるが手が届かない』というお声を頂いたのも事実です」。
「ですので今回のSL-1200GRでは、クオリティが落ちるのを最小限にとどめながら、つまりSL-1200Gの音をキープしながら、どこまで手が届きやすい価格帯にできるか、ということにチャレンジしました」。
具体的な変更点については、ニュースでお伝えした通りだ。井谷氏はそれぞれについて説明する。
「まず一番大きいのは、ダイレクトドライブモーターを合理化し、今回の1200GR用に新開発したことです。モーターをシングルローター仕様とすることでかなりのコストダウンにつながりました。ただしコアレスですし、コギングもないので、SL-1200Gのモーターの良いところは引き継いでいます。回転制御のロジックや回路もSL-1200Gと同じです」。
「プラッターを真鍮からアルミに変更したのも大きいですね。ゴムでデッドニングを行っています。ただしプラッターの裏側にリブを設け、軽くしても剛性を高める工夫を行っています」。
トーンアームの構造はSL-1200Gとほぼ同様だが、材質を変更した。SL-1200Gはマグネシウムだったが、SL-1200GRではアルミを採用している。井谷氏は「音場は若干狭くなりますが、マグネシウムは高価ですので、コストにはかなり効きます」と語る。
天板は、アルミダイキャストに塗装したものを採用。SL-1200Gはアルミをそのまま使用していたが、これを改めた格好だ。キャビネットもSL-1200Gの4層構造から、SL-1200GRでは2層構造とシンプルにした。
さらにインシュレーターも、構造こそSL-1200Gと同様だが、ハウジングを樹脂製とするなどコストダウンを図った。
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