公開日 2018/02/06 19:15
エソテリック、新DAC回路採用のSACDプレーヤー「K-01Xs」。弟機「K-03Xs」も
従来機のアップグレードサービスも提供
エソテリックは、SACDプレーヤー「K-01Xs」と「K-03Xs」を3月上旬より発売する。価格はK-01Xsが1,600,000円(税抜)、K-03Xsが980,000円(税抜)となる。
いずれも一体型SACDプレーヤー「K-01X」「K-03X」の後継モデル。初号機「K-01」「K-03」から数えて第三世代に位置付けられる。K-01X/K-03Xを、それぞれK-01Xs/K-03Xs相当にバージョンアップするサービスも4月より提供予定で、価格はK-01X→K-01Xsが350,000円、K-03X→K-03Xsが280,000円となる(受け付けは本日6日より開始)。
同社の一体型SACDプレーヤーは、上から「Grandioso K1」「K-01X」「K-03X」「K-05X」「K-07X」というラインナップを用意していたが、2014年発売と最も時間が経過していた2機種が、今回刷新されたかたちだ。
いずれのモデルも従来機をベースとしつつ、旗艦SACDプレーヤー「Grandioso K1」やネットワークプレーヤーの最上位「N-01」に採用された新DACプラットフォームを新たに導入。最新のデジタル入力部、独自の伝送方式「ES-LINK Analog」の採用も実現した。
両モデル共に従来から引き続きUSB入力を備えるが、対応フォーマットを大幅に強化。従来が384kHz/32bit PCM、5.6MHz DSDまでの対応だったのに対して、今回は22.5MHz DSD、768kHz/32bit PCMまでの対応とした(ちなみに発売時期の関係もあり、従来ラインナップの中で下位にあたるK-05X/K-07Xは11.2MHz DSD対応をしていたが、K-01X/K-03Xは5.6MHz DSDまでの対応だった)。
K-01XsとK-03Xsとの大きな違いについては、K-01Xsが独自ドライブメカの最上位「VMK-3.5-20S」を搭載するのに対してK-03Xsが「VMK-3.5-10S」を搭載する点、K-01Xsが片chあたり8回路のパラレル/ディファレンシャル回路構成なのに対してK-03Xsが片chあたり4回路の同回路構成としている点などだ。以下にその詳細を紹介する。
■Grandioso K1などで培った新DACプラットフォームを採用
K-01Xsのドライブメカについては、K-01Xから引き続きエソテリック独自の“VRDS-NEO”「VMK-3.5-20S」を採用。VRDS-NEOはディスク回転にターンテーブルを使用して面振れをメカニカルに補正することで、読み取り精度を向上させることを特徴とする。VMK-3.5-20Sでは、ミクロン精度のジュラルミン・ターンテーブル、20mm厚スチール製ターンテーブル用ブリッジを搭載すると共に、スピンドルの軸受けに特別に選別された高精度ボールベアリングをペアで採用。質量はメカユニット単体で5.2kg(リジッドベースを含めて12kg)にもなる。
高磁束密度型マグネット駆動のコアレス3相ブラシレス・スピンドルモーター、高精度なサーボを実現するスピンドルサーボドライバー「VS-DD(VRDS Spindle Discrete Driver)」なども引き続き採用している。
トレー収納時にシャッターが閉まり、シャッター自体をフロントパネルにメカニカルにロックする機構も搭載。気密性を高め、外部からの音圧/振動等による音質への悪影響を軽減する。
K-03Xsのドライブメカは、K-03Xに引き続き“VRDS-NEO”「VMK-3.5-10」を搭載。ジュラルミン・ターンテーブル、10mm厚スチール製ターンテーブルブリッジなどで構成されたメカユニットの質量は、単体で4.4kg(リジッドベースを含めて11.2kg)となる。また本機も、スピンドルサーボドライバー「VS-DD」、高磁束密度型マグネット駆動のコアレス3相ブラシレス・スピンドルモーターなどを採用している。
K-01XsのD/Aコンバーター部は、Grandioso K1で採用された最新プラットフォームに基づいて構成。DACデバイスは、K-01Xが旭化成エレクトロニクス(AKM)の「AK4495S」を採用していたのに対して、本機はAKMの現在の旗艦デバイス「AK4497」を採用。オペアンプは引き続き「MUSES 02」を組み合わせて使用。2ch DACであるAK4497を合計8基用いて、チャンネルあたり8回路のパラレル/ディファレンシャル回路構成とした。これにより圧倒的なリニアリティと低歪み化を実現したとする。
K-03XsもGrandioso K1で採用された最新プラットフォームに基づいて新設計された。こちらは「AK4497」4基にオペアンプ「MUSES 8820」を組み合わせた、ャンネルあたり4回路のパラレル/ディファレンシャル回路構成としている。
両モデル共にDAC電源部の回路パターンがさらに改良され、電源トランスも左右で独立。クリーンかつ安定性の高い電源供給能力を獲得したとする。デジタル回路・アナログ回路のアイソレーションも従来モデル以上に徹底させている。
32bit DACデバイスを複数個組み合わせ、32bitを超える解像度でPCM信号をアナログ信号へ変換する35bit D/Aプロセッシング・アルゴリズムを、K-01Xs/K-03Xsで採用。デジタル領域における演算誤差を最小にとどめ、忠実なアナログ変換を行うことが可能だという。
トップエンドとしてシャーシも贅を尽くしている。VRDS-NEOメカニズムはセンター配置とし、5mm厚のスチール製ボトムシャーシに固定して独自のピンポイントフットで3点支持。振動を効果的に抑制する。シャーシ内部はダブルデッキ(2階建て)構造とし、主にオーディオ基板を上層、電源回路やトランス類を下層に配置して、振動などの影響を防ぐとともに電源供給の配線を最短化している。
電源については、K-01Xsが左右のD/Aコンバーター、デジタル回路、スピンドルサーボドライバー「VS-DD」専用に合計4つの大容量トロイダルトランスを搭載。K-03Xsはアナログ回路専用、およびデジタル/メカニズム駆動回路用に合計2つの大容量トロイダルトランスを搭載。各回路ブロックへの理想的な電源供給能力を行う。
■「ESOTERIC-HCLD」による電流伝送方式アナログ出力に対応
以下は、K-01Xs/K-03X共通の特徴を紹介していく。
音楽信号に含まれる広大なダイナミックレンジを不足なく下流まで伝えるためには、アナログ出力回路に電流伝送能力の高さとスピードが求められると同社。K-01Xs/K-03Xsは、電流出力能力が高く、スルーレート(応答速度)が2,000V/μsというハイスピードを誇る高性能素子を採用したバッファー回路「ESOTERIC-HCLD」を採用。このバッファー回路をチャンネルあたり2回路搭載する。XLR出力の場合はディファレンシャル(差動)、RCA出力の場合はパラレル(並列)駆動させることで、瞬間的な電流供給能力を最大に高めている。
アナログ・ライン接続は一般的なXLR/RCAの通常のライン接続のほか、独自の伝送方式「ES-LINK Analog」を新採用。HCLDバッファー回路による電流伝送方式により、信号経路のインピーダンスの影響を受けにくい、より純度の高い伝送が可能になるとする。なお、ES-LINK Analogを用いるのはアンプ側も本方式に対応している必要がある。
USB入力は22.5MHz DSD、768kHz/32bit PCMに新たに対応。アシンクロナス伝送に対応する。また、従来のアイソクロナス伝送方式に加え、新たにBulk Pet(バルク ペット)伝送方式にも対応した。
USB入力については、オリジナルの周波数での再生に加え、PCMデジタル信号を2/4/8/16倍(最大768kHz)にアップコンバートする機能を装備。さらに独自のアルゴリズムによるPCM - DSD変換機能も搭載。DSD変換については22.5MHzにアップコンバートを行う。また、DSDデジタルフィルターのON/OFFも選択できる。
USBに加えて、同軸/光デジタルを1系統ずつ装備。同軸/光入力は、192kHz/24bitまでのPCM、DSD2.8MHz(DoP)入力に対応する。
クロック回路は、Grandioso用にカスタムされたVCXO(電圧制御型水晶発振器)を採用。大型の水晶片を内蔵しており、位相雑音が極めて少なく、±0.5ppmという優れた中心精度を誇る。
G-01X/G-02Xなどの外部マスタークロックジェネレーターと接続して、本機の動作を外部からのクロック信号と同期させることも可能。10MHzサイン波にも対応し、USB入力時にも、外部クロックとの同期再生が可能となっている。対応する入力周波数は44.1kHz、48kHz、88.2kHz、96kHz、176.4kHz、192kHz、10MHz、22.5792MHz、24.576MHz。
XLRのピンアサインは、2番HOT/3番HOTの選択が可能。デジタル領域で位相反転を行うため、無接点方式で音質の劣化がないとしている。また、デジタル出力を使用しない場合は回路OFFも可能となる。
K-01Xsの消費電力は35W、外形寸法は445W×162H×438Dmm、質量は約31kg。K-03Xsの消費電力は29W、外形寸法は445W×162H×438Dmm、質量は約28kg。
いずれも一体型SACDプレーヤー「K-01X」「K-03X」の後継モデル。初号機「K-01」「K-03」から数えて第三世代に位置付けられる。K-01X/K-03Xを、それぞれK-01Xs/K-03Xs相当にバージョンアップするサービスも4月より提供予定で、価格はK-01X→K-01Xsが350,000円、K-03X→K-03Xsが280,000円となる(受け付けは本日6日より開始)。
同社の一体型SACDプレーヤーは、上から「Grandioso K1」「K-01X」「K-03X」「K-05X」「K-07X」というラインナップを用意していたが、2014年発売と最も時間が経過していた2機種が、今回刷新されたかたちだ。
いずれのモデルも従来機をベースとしつつ、旗艦SACDプレーヤー「Grandioso K1」やネットワークプレーヤーの最上位「N-01」に採用された新DACプラットフォームを新たに導入。最新のデジタル入力部、独自の伝送方式「ES-LINK Analog」の採用も実現した。
両モデル共に従来から引き続きUSB入力を備えるが、対応フォーマットを大幅に強化。従来が384kHz/32bit PCM、5.6MHz DSDまでの対応だったのに対して、今回は22.5MHz DSD、768kHz/32bit PCMまでの対応とした(ちなみに発売時期の関係もあり、従来ラインナップの中で下位にあたるK-05X/K-07Xは11.2MHz DSD対応をしていたが、K-01X/K-03Xは5.6MHz DSDまでの対応だった)。
K-01XsとK-03Xsとの大きな違いについては、K-01Xsが独自ドライブメカの最上位「VMK-3.5-20S」を搭載するのに対してK-03Xsが「VMK-3.5-10S」を搭載する点、K-01Xsが片chあたり8回路のパラレル/ディファレンシャル回路構成なのに対してK-03Xsが片chあたり4回路の同回路構成としている点などだ。以下にその詳細を紹介する。
■Grandioso K1などで培った新DACプラットフォームを採用
K-01Xsのドライブメカについては、K-01Xから引き続きエソテリック独自の“VRDS-NEO”「VMK-3.5-20S」を採用。VRDS-NEOはディスク回転にターンテーブルを使用して面振れをメカニカルに補正することで、読み取り精度を向上させることを特徴とする。VMK-3.5-20Sでは、ミクロン精度のジュラルミン・ターンテーブル、20mm厚スチール製ターンテーブル用ブリッジを搭載すると共に、スピンドルの軸受けに特別に選別された高精度ボールベアリングをペアで採用。質量はメカユニット単体で5.2kg(リジッドベースを含めて12kg)にもなる。
高磁束密度型マグネット駆動のコアレス3相ブラシレス・スピンドルモーター、高精度なサーボを実現するスピンドルサーボドライバー「VS-DD(VRDS Spindle Discrete Driver)」なども引き続き採用している。
トレー収納時にシャッターが閉まり、シャッター自体をフロントパネルにメカニカルにロックする機構も搭載。気密性を高め、外部からの音圧/振動等による音質への悪影響を軽減する。
K-03Xsのドライブメカは、K-03Xに引き続き“VRDS-NEO”「VMK-3.5-10」を搭載。ジュラルミン・ターンテーブル、10mm厚スチール製ターンテーブルブリッジなどで構成されたメカユニットの質量は、単体で4.4kg(リジッドベースを含めて11.2kg)となる。また本機も、スピンドルサーボドライバー「VS-DD」、高磁束密度型マグネット駆動のコアレス3相ブラシレス・スピンドルモーターなどを採用している。
K-01XsのD/Aコンバーター部は、Grandioso K1で採用された最新プラットフォームに基づいて構成。DACデバイスは、K-01Xが旭化成エレクトロニクス(AKM)の「AK4495S」を採用していたのに対して、本機はAKMの現在の旗艦デバイス「AK4497」を採用。オペアンプは引き続き「MUSES 02」を組み合わせて使用。2ch DACであるAK4497を合計8基用いて、チャンネルあたり8回路のパラレル/ディファレンシャル回路構成とした。これにより圧倒的なリニアリティと低歪み化を実現したとする。
K-03XsもGrandioso K1で採用された最新プラットフォームに基づいて新設計された。こちらは「AK4497」4基にオペアンプ「MUSES 8820」を組み合わせた、ャンネルあたり4回路のパラレル/ディファレンシャル回路構成としている。
両モデル共にDAC電源部の回路パターンがさらに改良され、電源トランスも左右で独立。クリーンかつ安定性の高い電源供給能力を獲得したとする。デジタル回路・アナログ回路のアイソレーションも従来モデル以上に徹底させている。
32bit DACデバイスを複数個組み合わせ、32bitを超える解像度でPCM信号をアナログ信号へ変換する35bit D/Aプロセッシング・アルゴリズムを、K-01Xs/K-03Xsで採用。デジタル領域における演算誤差を最小にとどめ、忠実なアナログ変換を行うことが可能だという。
トップエンドとしてシャーシも贅を尽くしている。VRDS-NEOメカニズムはセンター配置とし、5mm厚のスチール製ボトムシャーシに固定して独自のピンポイントフットで3点支持。振動を効果的に抑制する。シャーシ内部はダブルデッキ(2階建て)構造とし、主にオーディオ基板を上層、電源回路やトランス類を下層に配置して、振動などの影響を防ぐとともに電源供給の配線を最短化している。
電源については、K-01Xsが左右のD/Aコンバーター、デジタル回路、スピンドルサーボドライバー「VS-DD」専用に合計4つの大容量トロイダルトランスを搭載。K-03Xsはアナログ回路専用、およびデジタル/メカニズム駆動回路用に合計2つの大容量トロイダルトランスを搭載。各回路ブロックへの理想的な電源供給能力を行う。
■「ESOTERIC-HCLD」による電流伝送方式アナログ出力に対応
以下は、K-01Xs/K-03X共通の特徴を紹介していく。
音楽信号に含まれる広大なダイナミックレンジを不足なく下流まで伝えるためには、アナログ出力回路に電流伝送能力の高さとスピードが求められると同社。K-01Xs/K-03Xsは、電流出力能力が高く、スルーレート(応答速度)が2,000V/μsというハイスピードを誇る高性能素子を採用したバッファー回路「ESOTERIC-HCLD」を採用。このバッファー回路をチャンネルあたり2回路搭載する。XLR出力の場合はディファレンシャル(差動)、RCA出力の場合はパラレル(並列)駆動させることで、瞬間的な電流供給能力を最大に高めている。
アナログ・ライン接続は一般的なXLR/RCAの通常のライン接続のほか、独自の伝送方式「ES-LINK Analog」を新採用。HCLDバッファー回路による電流伝送方式により、信号経路のインピーダンスの影響を受けにくい、より純度の高い伝送が可能になるとする。なお、ES-LINK Analogを用いるのはアンプ側も本方式に対応している必要がある。
USB入力は22.5MHz DSD、768kHz/32bit PCMに新たに対応。アシンクロナス伝送に対応する。また、従来のアイソクロナス伝送方式に加え、新たにBulk Pet(バルク ペット)伝送方式にも対応した。
USB入力については、オリジナルの周波数での再生に加え、PCMデジタル信号を2/4/8/16倍(最大768kHz)にアップコンバートする機能を装備。さらに独自のアルゴリズムによるPCM - DSD変換機能も搭載。DSD変換については22.5MHzにアップコンバートを行う。また、DSDデジタルフィルターのON/OFFも選択できる。
USBに加えて、同軸/光デジタルを1系統ずつ装備。同軸/光入力は、192kHz/24bitまでのPCM、DSD2.8MHz(DoP)入力に対応する。
クロック回路は、Grandioso用にカスタムされたVCXO(電圧制御型水晶発振器)を採用。大型の水晶片を内蔵しており、位相雑音が極めて少なく、±0.5ppmという優れた中心精度を誇る。
G-01X/G-02Xなどの外部マスタークロックジェネレーターと接続して、本機の動作を外部からのクロック信号と同期させることも可能。10MHzサイン波にも対応し、USB入力時にも、外部クロックとの同期再生が可能となっている。対応する入力周波数は44.1kHz、48kHz、88.2kHz、96kHz、176.4kHz、192kHz、10MHz、22.5792MHz、24.576MHz。
XLRのピンアサインは、2番HOT/3番HOTの選択が可能。デジタル領域で位相反転を行うため、無接点方式で音質の劣化がないとしている。また、デジタル出力を使用しない場合は回路OFFも可能となる。
K-01Xsの消費電力は35W、外形寸法は445W×162H×438Dmm、質量は約31kg。K-03Xsの消費電力は29W、外形寸法は445W×162H×438Dmm、質量は約28kg。