公開日 2018/09/01 06:00
<IFA>ソニーの超弩級DAP「DMP-Z1」、8,500ユーロはむしろお買い得? 開発者が全貌を語る
バッテリー駆動する約2.5kgのポータブル機
IFA 2018に出展された製品のなかでも、”今のソニーはここまでやるのか”というレベルで度肝を抜かれた製品が、デジタルミュージックプレーヤー「DMP-Z1」(関連ニュース)だ。香港ハイエンドショーで先行披露されたが(関連ニュース)、このIFA 2018のプレスカンファレンスにて改めて発表された。欧州での販売価格は8,500ユーロ。
ソニーの最高峰となる”Signature”シリーズとして投入される、新コンセプトとなる超弩級のデジタル音楽プレイヤー「DMP-Z1」について、商品化に至るまでのポイントや高音質につながるこだわりを、企画・設計の担当者に直撃した。
IFA 2018会場でDMP-Z1の実物を改めて見ると、据え置き型ヘッドホンアンプかと見間違えるような大きさ。幅138mm×高さ68.1mm×奥行き278.7mm、本体重量2.49kgという巨大サイズだ。本体上部には筐体上部に3.1インチの画面を搭載し、ウォークマンと共通の音楽プレーヤーとしてのタッチ操作UIを搭載。「プラットフォームはウォークマンと共通ですが、画面もカスタムをしています」と田中氏は説明する。
本体には256GBのメモリとmicroSDスロット2基を搭載。対応フォーマットはDSD11.2MHz、WAV(384/32bit Integer/Float)、FLAC(384kHz/24bit)などで、MP3やAACにも対応する。
バッテリーも搭載しており、連続9時間の再生に対応(FLACの場合)。ポータブルプレーヤーとしても利用可能だが、「歩きながら聴くようなものではなく、デスクトップで置いて、ゆったりと試聴していただくことを想定している」(田中氏)と語るような異色のプレーヤーだ。
アンプ部はアナログ構成で、TI社製のヘッドホンアンプ素子「TA6120A」を2基用いている。この素子を選んだ理由は、これまでも採用実績があり、これまでの設計資産が活かせるからだという。
ソニーといえばウォークマンで一貫して採用するフルデジタルアンプ「S-Master」が有名だが(そしてDMP-Z1の設計は基本的にウォークマンの開発チームと共通している)、「ウォークマンではずっとS-Masterを使ってきましたが、今回はアナログアンプを使うということで、振り切ったものにしたかった」(佐藤氏)とし、周辺パーツを含めて贅を尽くした構成を用意している。
ヘッドホン出力については、4.4mmバランス(1,500mW/16Ω)、3.5mmステレオミニ(570mW/16Ω)といずれも高出力を実現。ちなみに1,500mWという出力は、「DC/DCコンバーターを使うのは避けたかったので、バッテリーセルからそのままで出せる最大出力」(佐藤氏)という設定値なのだという。
「ゼンハイザー HD800 やベイヤーダイナミック T1のようなヘッドホンも鳴らし切れます」(田中氏)「あらゆるヘッドホンを鳴らしたいというリクエストに応えるものを目指しました」(佐藤氏)と両氏は説明するように、マニアが好んで使うハイエンドヘッドホンを高音質に鳴らし切ることを前提に、アナログアンプを作り上げた。
DACには旭化成エレクトロニクス(AKM)のフラグシップ「AK4497EQ」(S/N 128dB)をL/R独立でデュアル搭載する。
そして、DMP-Z1が超弩級モデルであることを印象づけるのがアナログボリューム部で、アルプス製の現在入手可能な最高品質の4連ボリュームを搭載。音質・特性・品位のいずれにおいても最高レベルのボリュームだという。
ボリューム回路は音質に直結する部分だが、「開発途中でも、ボリュームの品質は一聴して分かるほどに音質の差が出た」と田中氏。
外見からも分かる通り、このボリュームを採用したことは規格外の投資といえる。「ボリュームだけでウォークマン『NW-WM1Z』と同じ重さ」(佐藤氏)というのも驚きだ。
音声信号が直接通過するボリューム部のパーツには、真鍮と低歪抵抗体による最高品質の部品が用いられている。このままでも極めて優れた特性を備えているのだが、DMP-Z1で用いられたボリュームでは、さらなる独自のカスタムが行われているという。
佐藤氏によれば、真鍮のパーツにおいて、下地に厚い銅メッキを施し、その上からさらに金メッキをするという処理を行っているとのこと。これが音質をさらに引き上げるのだという。こうした金メッキ処理のノウハウは、ウォークマンの旗艦モデル「NW-WM1Z」でも活用されたものだ。
DMP-Z1は、電源をバッテリー駆動としたところにも注目が集まる。本機はバッテリー駆動ながら上述のようにバランス駆動で1,500mW(16Ω)という大出力を確保しつつ、バッテリー駆動だからこそ可能な音質向上を実現させたという。
「バッテリー駆動のメリットとして、DC入力でクリーンな電源が供給できることが挙げられます。バッテリーは3パック、合計5セルの独立バッテリーを搭載していていますが、アナログのプラス側に2セル分、マイナス側に2セル分と、反転回路も不要の構成としています。さらににデジタル回路専用のバッテリー回路を1セル分を割り振っており、デジタルとアナログ完全分離回路を実現しています」と田中氏は説明する。なお、こうした電源の構成には、過去のソニーのハイエンドオーディオ製品のノウハウも投入されているのだという。
さらに電源部には、大容量かつ低ESRの電気二重層キャパシターを採用。アナログ回路に4個投入している。このキャパシターは、端子の材質やめっきを改善して、抵抗値を低減したことも特徴だ。また、ヘッドホンアンプやDACなどのアナログ部の電源には新開発の高分子コンデンサーも搭載している。
ソニーのHi-Fiオーディオで採用実績のある、オーディオグレード電解コンデンサのUFGシリーズ(ニチコン製)も採用する。電源用ICも高性能のものを用意した。
なお、充電しながら音楽を聴くことも可能。動作モードとしてはAC駆動モード(充電&給電)と、バッテリー駆動モードを用意しておりGUIで手動で切替できる(再生状況、電池残量でも切り替わる)。ただし、「あくまでバッテリーで聴いてほしい」というのがソニーの見解だという。
なお、アナログ出力はヘッドホン端子(バランス、アンバランス)のみで、ライン出力端子は搭載していない(USB出力のみは可能)。「ライン出力を付けないことについてはいろいろな方面から怒られましたが、ヘッドホン出力の音質を優先しました」(佐藤氏)と、音質にこだわった故の仕様だ。
高音質の追求を目的としたシャーシの高剛性化もすさまじい。ボディはフレームを一体化させたH型アルミシャーシで、モノコックボディを実現。また、アンプ基板とメイン基板をH型シャーシの上下面に配置して両者を物理的にアイソレートしている。
さらに金メッキをほどこした無酸素銅(純度99.96%以上)のバスプレートを搭載することでセパレーションを徹底している。メイン基板には12層基板を用いているが、これまでのウォークマンでも8層が最高で、前例のない設計なのだという。
「DMP-Z1」の筐体内で引き回すオーディオケーブルにも、ハイエンドのオーディオケーブルで知られるKIMBER KABLE製を採用。「先日、KIMBER KABLEさんにDMP-Z1で使ってよいかとお願いに伺ったら、“お前たちはクレイジーだな”と言われながらも快諾してもらえた」(田中氏)という代物だ。ソニーはヘッドホン用にも純正品としてKIMBER KABLEのリケーブルをラインナップしており、純正組み合わせではアンプの根本からすべてのケーブルをKIMBER KABLE製にすることも可能になるということだ。
2.49kgという質量にも注目が集まっている。歩きながらのリスニングは当然難しいだろう。「バッテリー駆動なのでルームtoルームの移動や長期の出張などでの持ち出しを想定して、楽器をイメージした専用キャリングケースを付属させています」と田中氏。
なお、外見についても天板は鏡面仕上げでガラスかアクリルのように見えるデザインだが、実際はアルミ素材をラップ研磨したもの。「デザイナーからはガラス天板というリクエストがあったのですが、ガラスは音質が良くないのでアルミを指定すると、ピカピカにするためにラップ研磨をすることになりました。量産品でラップ研磨にするというのは、通常の製品ではありえないレベルの手のかけ方です」と佐藤氏は語る。
そしてDMP-Z1のサウンドだが、一聴してわかる高S/N、見通しの良さを備えた、極めて純度の高いサウンドだ。特筆すべき音場表現も備えており、奥行きだけでなく高さまで引き出している。その一方で、アナログアンプ搭載、DACもAKMと、これまでのウォークマンとは全く構成が異なりながら、音調としては想像以上にNW-WM1Zの延長線上にあるようなサウンドとも表現できる。
開発陣にその感想を伝えると「“ウォークマンの音はS-Masterの音”、と思っている方が多いかもしれませんが、実は違うということです。DMP-Z1はSignatureシリーズとして投入しましたが、同じソニーの伝統の系譜として、目指す音の方向は一貫しているのです」と田中氏。DMP-Z1は様々な新しい取り組みを行いつつ、あくまでソニーが理想とするサウンドの最高峰を目指していることを改めて実感させられた。
IFA 2018で発表されたDMP-Z1の欧州での販売価格は8,500ユーロ。日本では100万円近い価格が予想される。金メッキのボリュームが強調されたデザイン、香港のオーディオショウで先行発表されたという経緯から見ると、やはり中国市場をある程度意識したものと考えて良いだろう。
ただし高価な製品ではあるが、「あまりに原価がかかっていて、むしろお買い得なのでは、という価格になっているのではないでしょうか」(佐藤氏)とのことだった。
ちなみに、香港で先行して発表した際には「他のハイエンドプレーヤーやメーカーから、ソニーがこういうものを作ってくれたことは嬉しいという声をたくさんいただいた」(佐藤氏)とのこと。やはり反響が大きかったようだ。
ポータブル・オーディオ(ここで呼ぶポータブルとは”可搬性”の領域、あるいはヘッドホンで音楽を聴くということ)で実現できる、最高音質としてソニーが提示したDMP-Z1。今回日本での発売ついてのアナウンスはなかったが、国内導入にもぜひ期待したい。
ソニーの最高峰となる”Signature”シリーズとして投入される、新コンセプトとなる超弩級のデジタル音楽プレイヤー「DMP-Z1」について、商品化に至るまでのポイントや高音質につながるこだわりを、企画・設計の担当者に直撃した。
IFA 2018会場でDMP-Z1の実物を改めて見ると、据え置き型ヘッドホンアンプかと見間違えるような大きさ。幅138mm×高さ68.1mm×奥行き278.7mm、本体重量2.49kgという巨大サイズだ。本体上部には筐体上部に3.1インチの画面を搭載し、ウォークマンと共通の音楽プレーヤーとしてのタッチ操作UIを搭載。「プラットフォームはウォークマンと共通ですが、画面もカスタムをしています」と田中氏は説明する。
本体には256GBのメモリとmicroSDスロット2基を搭載。対応フォーマットはDSD11.2MHz、WAV(384/32bit Integer/Float)、FLAC(384kHz/24bit)などで、MP3やAACにも対応する。
バッテリーも搭載しており、連続9時間の再生に対応(FLACの場合)。ポータブルプレーヤーとしても利用可能だが、「歩きながら聴くようなものではなく、デスクトップで置いて、ゆったりと試聴していただくことを想定している」(田中氏)と語るような異色のプレーヤーだ。
アンプ部はアナログ構成で、TI社製のヘッドホンアンプ素子「TA6120A」を2基用いている。この素子を選んだ理由は、これまでも採用実績があり、これまでの設計資産が活かせるからだという。
ソニーといえばウォークマンで一貫して採用するフルデジタルアンプ「S-Master」が有名だが(そしてDMP-Z1の設計は基本的にウォークマンの開発チームと共通している)、「ウォークマンではずっとS-Masterを使ってきましたが、今回はアナログアンプを使うということで、振り切ったものにしたかった」(佐藤氏)とし、周辺パーツを含めて贅を尽くした構成を用意している。
ヘッドホン出力については、4.4mmバランス(1,500mW/16Ω)、3.5mmステレオミニ(570mW/16Ω)といずれも高出力を実現。ちなみに1,500mWという出力は、「DC/DCコンバーターを使うのは避けたかったので、バッテリーセルからそのままで出せる最大出力」(佐藤氏)という設定値なのだという。
「ゼンハイザー HD800 やベイヤーダイナミック T1のようなヘッドホンも鳴らし切れます」(田中氏)「あらゆるヘッドホンを鳴らしたいというリクエストに応えるものを目指しました」(佐藤氏)と両氏は説明するように、マニアが好んで使うハイエンドヘッドホンを高音質に鳴らし切ることを前提に、アナログアンプを作り上げた。
DACには旭化成エレクトロニクス(AKM)のフラグシップ「AK4497EQ」(S/N 128dB)をL/R独立でデュアル搭載する。
そして、DMP-Z1が超弩級モデルであることを印象づけるのがアナログボリューム部で、アルプス製の現在入手可能な最高品質の4連ボリュームを搭載。音質・特性・品位のいずれにおいても最高レベルのボリュームだという。
ボリューム回路は音質に直結する部分だが、「開発途中でも、ボリュームの品質は一聴して分かるほどに音質の差が出た」と田中氏。
外見からも分かる通り、このボリュームを採用したことは規格外の投資といえる。「ボリュームだけでウォークマン『NW-WM1Z』と同じ重さ」(佐藤氏)というのも驚きだ。
音声信号が直接通過するボリューム部のパーツには、真鍮と低歪抵抗体による最高品質の部品が用いられている。このままでも極めて優れた特性を備えているのだが、DMP-Z1で用いられたボリュームでは、さらなる独自のカスタムが行われているという。
佐藤氏によれば、真鍮のパーツにおいて、下地に厚い銅メッキを施し、その上からさらに金メッキをするという処理を行っているとのこと。これが音質をさらに引き上げるのだという。こうした金メッキ処理のノウハウは、ウォークマンの旗艦モデル「NW-WM1Z」でも活用されたものだ。
DMP-Z1は、電源をバッテリー駆動としたところにも注目が集まる。本機はバッテリー駆動ながら上述のようにバランス駆動で1,500mW(16Ω)という大出力を確保しつつ、バッテリー駆動だからこそ可能な音質向上を実現させたという。
「バッテリー駆動のメリットとして、DC入力でクリーンな電源が供給できることが挙げられます。バッテリーは3パック、合計5セルの独立バッテリーを搭載していていますが、アナログのプラス側に2セル分、マイナス側に2セル分と、反転回路も不要の構成としています。さらににデジタル回路専用のバッテリー回路を1セル分を割り振っており、デジタルとアナログ完全分離回路を実現しています」と田中氏は説明する。なお、こうした電源の構成には、過去のソニーのハイエンドオーディオ製品のノウハウも投入されているのだという。
さらに電源部には、大容量かつ低ESRの電気二重層キャパシターを採用。アナログ回路に4個投入している。このキャパシターは、端子の材質やめっきを改善して、抵抗値を低減したことも特徴だ。また、ヘッドホンアンプやDACなどのアナログ部の電源には新開発の高分子コンデンサーも搭載している。
ソニーのHi-Fiオーディオで採用実績のある、オーディオグレード電解コンデンサのUFGシリーズ(ニチコン製)も採用する。電源用ICも高性能のものを用意した。
なお、充電しながら音楽を聴くことも可能。動作モードとしてはAC駆動モード(充電&給電)と、バッテリー駆動モードを用意しておりGUIで手動で切替できる(再生状況、電池残量でも切り替わる)。ただし、「あくまでバッテリーで聴いてほしい」というのがソニーの見解だという。
なお、アナログ出力はヘッドホン端子(バランス、アンバランス)のみで、ライン出力端子は搭載していない(USB出力のみは可能)。「ライン出力を付けないことについてはいろいろな方面から怒られましたが、ヘッドホン出力の音質を優先しました」(佐藤氏)と、音質にこだわった故の仕様だ。
高音質の追求を目的としたシャーシの高剛性化もすさまじい。ボディはフレームを一体化させたH型アルミシャーシで、モノコックボディを実現。また、アンプ基板とメイン基板をH型シャーシの上下面に配置して両者を物理的にアイソレートしている。
さらに金メッキをほどこした無酸素銅(純度99.96%以上)のバスプレートを搭載することでセパレーションを徹底している。メイン基板には12層基板を用いているが、これまでのウォークマンでも8層が最高で、前例のない設計なのだという。
「DMP-Z1」の筐体内で引き回すオーディオケーブルにも、ハイエンドのオーディオケーブルで知られるKIMBER KABLE製を採用。「先日、KIMBER KABLEさんにDMP-Z1で使ってよいかとお願いに伺ったら、“お前たちはクレイジーだな”と言われながらも快諾してもらえた」(田中氏)という代物だ。ソニーはヘッドホン用にも純正品としてKIMBER KABLEのリケーブルをラインナップしており、純正組み合わせではアンプの根本からすべてのケーブルをKIMBER KABLE製にすることも可能になるということだ。
2.49kgという質量にも注目が集まっている。歩きながらのリスニングは当然難しいだろう。「バッテリー駆動なのでルームtoルームの移動や長期の出張などでの持ち出しを想定して、楽器をイメージした専用キャリングケースを付属させています」と田中氏。
なお、外見についても天板は鏡面仕上げでガラスかアクリルのように見えるデザインだが、実際はアルミ素材をラップ研磨したもの。「デザイナーからはガラス天板というリクエストがあったのですが、ガラスは音質が良くないのでアルミを指定すると、ピカピカにするためにラップ研磨をすることになりました。量産品でラップ研磨にするというのは、通常の製品ではありえないレベルの手のかけ方です」と佐藤氏は語る。
そしてDMP-Z1のサウンドだが、一聴してわかる高S/N、見通しの良さを備えた、極めて純度の高いサウンドだ。特筆すべき音場表現も備えており、奥行きだけでなく高さまで引き出している。その一方で、アナログアンプ搭載、DACもAKMと、これまでのウォークマンとは全く構成が異なりながら、音調としては想像以上にNW-WM1Zの延長線上にあるようなサウンドとも表現できる。
開発陣にその感想を伝えると「“ウォークマンの音はS-Masterの音”、と思っている方が多いかもしれませんが、実は違うということです。DMP-Z1はSignatureシリーズとして投入しましたが、同じソニーの伝統の系譜として、目指す音の方向は一貫しているのです」と田中氏。DMP-Z1は様々な新しい取り組みを行いつつ、あくまでソニーが理想とするサウンドの最高峰を目指していることを改めて実感させられた。
IFA 2018で発表されたDMP-Z1の欧州での販売価格は8,500ユーロ。日本では100万円近い価格が予想される。金メッキのボリュームが強調されたデザイン、香港のオーディオショウで先行発表されたという経緯から見ると、やはり中国市場をある程度意識したものと考えて良いだろう。
ただし高価な製品ではあるが、「あまりに原価がかかっていて、むしろお買い得なのでは、という価格になっているのではないでしょうか」(佐藤氏)とのことだった。
ちなみに、香港で先行して発表した際には「他のハイエンドプレーヤーやメーカーから、ソニーがこういうものを作ってくれたことは嬉しいという声をたくさんいただいた」(佐藤氏)とのこと。やはり反響が大きかったようだ。
ポータブル・オーディオ(ここで呼ぶポータブルとは”可搬性”の領域、あるいはヘッドホンで音楽を聴くということ)で実現できる、最高音質としてソニーが提示したDMP-Z1。今回日本での発売ついてのアナウンスはなかったが、国内導入にもぜひ期待したい。