公開日 2019/05/11 13:14
<HIGH END>AIR TIGHT、最上位フォノイコ「ATE-3011」と211搭載モノパワー「ATM-2211」など発表
大きな話題を呼んでいる2つの最新モデル
(株)エイ・アンド・エムは、ドイツ・ミュンヘンにて5月12日まで開催中のMunich HIGH END 2019にて、AIR TIGHTブランドの新製品群を発表した。
今回発表されたのは、同社の新たなレファレンスフォノイコライザーとして発表された「ATE-3011」、大型三極管の211を搭載したモノラルパワーアンプ「ATM-2211」、そしてKT-88によるプッシュプル構成を採用するステレオパワーアンプ「ATM-2Plus」(日本未発売予定)の3モデル。
AIR TIGHTは、その丁寧なものづくりで世界的にも高い人気があることは周知の通りだが、今回のHIGH ENDの会場にも、そのサウンドを聴こうと多くの来場者が訪れている。本項では、日本での発売が予定されている2モデルを中心に紹介したい。
フォノイコライザー「ATE-3011」
ATE-3011は、AIR TIGHTとして初めてイコライザーカーブの切り替えに対応するフォノイコライザー。一昨年、昨年とそのプロトタイプが出展され(関連ニュース)、正式発売に高い関心が寄せられてきたが、いよいよこの夏に発売される。
同社らしく、ATE-3011の入力はMMにのみ対応。そうしたAIR TIGHTらしさに加え、ATE-3011には昨今大きなトレンドとなっているイコライザーカーブ切り替えへの対応や、「MONO OUT」出力の装備など、ユニークな機能も盛り込んでいる。1986年創業と、CDが登場してからその歴史をスタートさせたAIR TIHGTだが、同社は頑なに「アナログ」にこだわり続けたものづくりを行って来た。ATM-3011は、そんなAIR TIGHTならではのアイデアが高いレベルで盛り込まれたフォノイコライザーに仕上がっていると言っていいだろう。
フロントパネルに用意された2つの大型のインジケーターは、それぞれターンオーバー、ロールオフを表示。共にRIAA/NAB/AES/FFRR/Flatの5つが設定されたパラメーターも組み合わせることで、さまざまなイコライザーカーブへの対応を可能としている。
また内部のワイヤリングも、同社らしいこだわりを盛り込んだもので、非磁性体となるステンレスパイプを使用して優れたクロストーク性能を確保するなどしている。さらに電源も、徹底して磁束漏れを抑制した2つのトロイダルトランスを搭載。ひとつはヒーターコイル用として、もうひとつはB電源として割り当てている。
内部には真空管12AX7×3本をアンプ部に搭載。メインシャーシとは完全に分離させることで、外部振動や電源ノイズからの影響を最小限に抑え込む構造を採用している。
モノラルパワーアンプ「ATM-2211」
今回のMunich HIGH END 2019が初披露となった、AIR TIGHTの最新真空管パワーアンプとなるATM-2211。本機は18年前に登場したATM-211、そして2017年にそのさらなる可能性を追求し、120Wという大出力を実現したATM-3211に続く大型三極管211採用モデルとして登場したモノラルパワーアンプとなる。
本機はそのサウンドから「他にはない魅力を備えた球」と言われる211から、最大かつ安定した出力を取り出すことを目指したモノラルパワーアンプ。外観こそかつてのATM-211を踏襲しているが、その回路には大きな変更が加えられている点が特徴だ。
電源部には低電圧用と高電圧用にそれぞれ独立したトランスを用意し、安定した電源供給を確保すると共に、相互干渉の抑制を実現。また、一般的には出力トランスの2次側でNFBをかけるが、ATM-2211では211のプレートからNFBをかける仕組みを採用。すでに世界的に高い評価を獲得しているATM-300Rで採用したいくつかのアイデアを盛り込んだアプローチを採った結果、より細かなディテール表現や奥行きのあるサウンドステージの再生を可能とした。
こうした構造を採用するため、内部に使用するパーツの厳選や、より精密なエンジニアリングが必要となるが、その結果として、ATM-2211は32Wの出力を誇る全く新しいパワーアンプへと生まれ変わっている。
またスピーカー出力には新たに4Ω、8Ωを装備したほか、RCA入力に加えてXLR入力も装備。バイアスメーターも一新した。真空管には、より高電圧なUV-211やVT-4Cを仕様することも可能となっている。
2つの部屋で異なるシステムを用いてデモ
AIR TIGHTは、今年は2つの部屋で異なるシステムを用いてデモンストレーションを行っている。ひとつが、フォノイコライザー搭載のプリアンプATC-5とステレオパワーアンプATM-300Rを中心に構築した、比較的コンパクトなアナログシステム。そしてもうひとつが、前述のATE-3011やATM-2211、そして発売以来多くのオーディオファイルから絶大な支持を獲得しているATM-3211を用いたアナログシステムだ。
AIR TIGHTの特徴は、正統派真空管アンプブランドとしては広い価格帯で製品バリエーションを揃えていること。一貫したポリシーを持って設計していることに加え、AIR TIGHTならではの豊かなサウンドが、その高い評価の理由となっている。全て大阪府高槻市の本社工場で丁寧にアセンブルされるAIR TIGHT製品は、メイド・イン・ジャパンの信頼性とサウンドで、日本を代表する真空管アンプブランドという地位を確固たるものにしている。
今回発表されたのは、同社の新たなレファレンスフォノイコライザーとして発表された「ATE-3011」、大型三極管の211を搭載したモノラルパワーアンプ「ATM-2211」、そしてKT-88によるプッシュプル構成を採用するステレオパワーアンプ「ATM-2Plus」(日本未発売予定)の3モデル。
AIR TIGHTは、その丁寧なものづくりで世界的にも高い人気があることは周知の通りだが、今回のHIGH ENDの会場にも、そのサウンドを聴こうと多くの来場者が訪れている。本項では、日本での発売が予定されている2モデルを中心に紹介したい。
フォノイコライザー「ATE-3011」
ATE-3011は、AIR TIGHTとして初めてイコライザーカーブの切り替えに対応するフォノイコライザー。一昨年、昨年とそのプロトタイプが出展され(関連ニュース)、正式発売に高い関心が寄せられてきたが、いよいよこの夏に発売される。
同社らしく、ATE-3011の入力はMMにのみ対応。そうしたAIR TIGHTらしさに加え、ATE-3011には昨今大きなトレンドとなっているイコライザーカーブ切り替えへの対応や、「MONO OUT」出力の装備など、ユニークな機能も盛り込んでいる。1986年創業と、CDが登場してからその歴史をスタートさせたAIR TIHGTだが、同社は頑なに「アナログ」にこだわり続けたものづくりを行って来た。ATM-3011は、そんなAIR TIGHTならではのアイデアが高いレベルで盛り込まれたフォノイコライザーに仕上がっていると言っていいだろう。
フロントパネルに用意された2つの大型のインジケーターは、それぞれターンオーバー、ロールオフを表示。共にRIAA/NAB/AES/FFRR/Flatの5つが設定されたパラメーターも組み合わせることで、さまざまなイコライザーカーブへの対応を可能としている。
また内部のワイヤリングも、同社らしいこだわりを盛り込んだもので、非磁性体となるステンレスパイプを使用して優れたクロストーク性能を確保するなどしている。さらに電源も、徹底して磁束漏れを抑制した2つのトロイダルトランスを搭載。ひとつはヒーターコイル用として、もうひとつはB電源として割り当てている。
内部には真空管12AX7×3本をアンプ部に搭載。メインシャーシとは完全に分離させることで、外部振動や電源ノイズからの影響を最小限に抑え込む構造を採用している。
モノラルパワーアンプ「ATM-2211」
今回のMunich HIGH END 2019が初披露となった、AIR TIGHTの最新真空管パワーアンプとなるATM-2211。本機は18年前に登場したATM-211、そして2017年にそのさらなる可能性を追求し、120Wという大出力を実現したATM-3211に続く大型三極管211採用モデルとして登場したモノラルパワーアンプとなる。
本機はそのサウンドから「他にはない魅力を備えた球」と言われる211から、最大かつ安定した出力を取り出すことを目指したモノラルパワーアンプ。外観こそかつてのATM-211を踏襲しているが、その回路には大きな変更が加えられている点が特徴だ。
電源部には低電圧用と高電圧用にそれぞれ独立したトランスを用意し、安定した電源供給を確保すると共に、相互干渉の抑制を実現。また、一般的には出力トランスの2次側でNFBをかけるが、ATM-2211では211のプレートからNFBをかける仕組みを採用。すでに世界的に高い評価を獲得しているATM-300Rで採用したいくつかのアイデアを盛り込んだアプローチを採った結果、より細かなディテール表現や奥行きのあるサウンドステージの再生を可能とした。
こうした構造を採用するため、内部に使用するパーツの厳選や、より精密なエンジニアリングが必要となるが、その結果として、ATM-2211は32Wの出力を誇る全く新しいパワーアンプへと生まれ変わっている。
またスピーカー出力には新たに4Ω、8Ωを装備したほか、RCA入力に加えてXLR入力も装備。バイアスメーターも一新した。真空管には、より高電圧なUV-211やVT-4Cを仕様することも可能となっている。
2つの部屋で異なるシステムを用いてデモ
AIR TIGHTは、今年は2つの部屋で異なるシステムを用いてデモンストレーションを行っている。ひとつが、フォノイコライザー搭載のプリアンプATC-5とステレオパワーアンプATM-300Rを中心に構築した、比較的コンパクトなアナログシステム。そしてもうひとつが、前述のATE-3011やATM-2211、そして発売以来多くのオーディオファイルから絶大な支持を獲得しているATM-3211を用いたアナログシステムだ。
AIR TIGHTの特徴は、正統派真空管アンプブランドとしては広い価格帯で製品バリエーションを揃えていること。一貫したポリシーを持って設計していることに加え、AIR TIGHTならではの豊かなサウンドが、その高い評価の理由となっている。全て大阪府高槻市の本社工場で丁寧にアセンブルされるAIR TIGHT製品は、メイド・イン・ジャパンの信頼性とサウンドで、日本を代表する真空管アンプブランドという地位を確固たるものにしている。