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公開日 2023/10/20 19:06

ソナス・ファベール、ブランド40周年を記念したスピーカーシステム「Stradivari G2 Anniversary」。国内12ペア限定販売

11/10 10時から予約受付開始
編集部:松永達矢
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ノアは、ソナス・ファベールの40周年を記念して発表されたフロアスタンド型スピーカー「Stradivari G2 Anniversary」を、世界120ペア、日本国内12ペア(3仕上げ、各4ペア)の限定で発売する。11月10日(金)10時から予約受付を開始。価格は880万円(税込/ペア)。

「Stradivari G2 Anniversary」Red

本モデルのために開発した最先端の技術により、内部構造からユニット、キャビネットのデザインに至る全てが新設計。「創業40 年の歴史と哲学の真髄を体現している。伝統的な熟練の職人による徹底した手作業だからこそ実現できた」と訴えるアニバーサルモデルとなる。

高域再生を担う28mm径アローポイントDADを搭載したシルク・ソフトドーム・トゥイーターは、強靭なアルミニウム・ダイキャストのフレームに搭載されたソフトドーム・トゥイーターの頂点を部分的にダンピングさせ、ダイアフラムの逆相挙動を抑制している。

「28mm径アローポイントDAD搭載シルク・ソフトドーム・トゥイーター」の構造イメージ

高域の透明感、伸びやかさをより発揮させる独自の「DAD(Damped Apex Dome)テクノロジー」を採用したトライポッド構造のマテリアルを搭載することで、高域の音波拡散と大音量時の制御能力を大きく向上させた。

ドライバーは本機のための専用設計。背面に同社フラッグシップ・モデル「AidaII」にも採用される専用の木製チェンバーを搭載する。ドライバー駆動時に発生する気流を制御し、レーザーエッチング加工による複雑な音響迷路を形成する内部構造が、透明でありながら力感のある、高純度な高域再生を実現する。

ミッドレンジは、セルロース・パルプ、カポック、ケナフなどの天然繊維を調合し自然乾燥させた独自ダイアフラム150mm径ペーパーコーンを採用。強力なネオジム・マグネットが、銅クラッド・アルミニウム巻線(CCAW)で構成されたムービングコイルの高速かつ最短で正確なレスポンスを実現している。

中高域のニュアンスを余すところなく、分解能高く鮮やかに描き出し、後述するウーファーとの音色や繋がりも完全に調和。バスケットは強靭なアルミニウム・ダイキャスト・フレームにより、理想的なハイスピード駆動と高いコントロール性を兼ね備え、淀みのないナチュラルなサウンドを提供するという。

新設計のフェーズ・プラグは、独自のダンピング・リングを設け、コイルの動作に起因する音の乱れを最小限に抑え、ペーパーコーンの高周波数帯域における共振を物理的に修正し、音波拡散の最適化を図る。これにより、物理的な音響フィルターとして機能し、クロスオーバー回路のシンプル化に貢献したとアピールしている。

専用設計された260mmのウーファーユニットは、2つの超軽量CCAW ボイスコイルの超高速駆動を実現するため、カスタムメイドのネオジム・ドライバーを搭載。ボイスコイルの冷却を強化するアルミニウム製のエア・ギャップを備えた新たなドライバー構造も採用する。

専用設計された260mmのウーファーユニットを搭載する

新たに開発されたセンターキャップは、剛性に優れたABS樹脂で構成。F.E.M(Finite Element Method=有限要素法)に基づくコンピューターを用いた構造解析により、コーン部、ラバーエッジ、BIMAXスパイダーの素材や形状、厚みなどを解析して最適化。ダイアフラムを保持するフレーム・バスケットも新規設計となる。振幅のスムースネスと可動域の大幅な改善を実現し、「類をみないパワフルな低域再生は新たな音楽体験を提供する」とのこと。

それぞれのユニットは、フラグシップ機AidaIIにも採用される「PARACROSS TOPOLOGY (位相幾何学)」と、新たに開発した「Interactive Fusion Filtering」に基づいて設計されたクロスオーバー・ネットワークで制御される。

フラグシップ機に採用する技術を投入したクロスオーバー回路

各ドライバー・ユニットの振幅・位相特性、空間・時間特性を最適化しつつ、低周波数のインピーダンスを最適に制御してアンプとのマッチングに配慮。さらに、高周波干渉を抑え、トランジェント特性を改善することで、本機のポテンシャルを存分に発揮すると説明する。

搭載するパーツも厳選する。Jantzen社製インダクター、Clarity Cap社とのカスタムメイドパーツ、MUNDORF社製高品位パーツを幾度もリスニングテストを重ねた上で厳選している。

これまでのスピーカーシステムにも搭載された超低域チューニング機構“LFA”も本モデルにも採用する。ドライバー・ユニットの共振ピークを補正し、信号経路に抵抗部品を実装することなく、低域レンジの効果的なダンピングを行い、可能な限り低域の浸潤性を向上させる。スピーカーターミナルに隣接するボードには4口の端子があり、1つがマイナス極、他の3つのいずれかにジャンパーで接続することで、それぞれ異なる低域レスポンスを得られるという。

エンクロージャーは、同ブランドの最新テクノロジーである「Intono Technology(イントノ・テクノロジー)」を用いて設計された。「Intono」はラテン語で「イントネーション(調音)」を意味する。密閉された高域・中域のチェンバー内で、綿密な調整が施された小孔を設けることで、ミッドレンジ・チェンバー内のインピーダンス・ピークを大幅に減少する。

「Intono Technology(イントノ・テクノロジー)」を採用したエンクロージャー

一方、トゥイーター部にはブランド伝統の木製チェンバーをドライバー背面に搭載することで、ミッドレンジ・ドライバーの影響は受けることなく、トゥイーターの純度を担保した高域再生を実現するとのことだ。

バスレフ部についても、新規開発された「Clepsydra Technology(クレプシドラ・テクノロジー)」を搭載。「Clepsydra」は「砂時計」を意味し、バスレフ・ダクト長を抑えながら最大の低域パフォーマンスを獲得する一方、底面方向への音波放射によって、スピーカー設置の自由度を最大限に高めたとしている。さらに、低域チェンバーの内部は平行面を排することで、定在波の発生を抑制に寄与している。

キャビネットは天然木を使用し、アルマイト処理とラウンド・エッジ処理を施したCNC 加工アルミニウムプレートを天地に取り付け、背面にもアルミニウムパーツを装着。強靭なパーツで挟み込む独自構造「エキソ・スケルトン・クランプ」で高い剛性を獲得した。

キャビネットをダンピングさせて振動成分を抑制するとともに、天然木ならではの豊かな鳴りと適度に引き締まった低域を再生するという。

「Stradivari G2 Anniversary」Wenge

「Stradivari G2 Anniversary」Graphite

床面からの振動伝播とキャビネット全体をデカップリングする手法として、同ブランドによる近年の優れた研究成果である“Z.V.T.”(ゼロ・ヴァイブレーション・トランスミッション)テクノロジーを踏襲。スパイクの取り付け部にエラストマー樹脂を挟み込む“サイレント・スパイク”を搭載する。

筐体仕上げは細かなテクスチャのアフリカ産広葉樹ウェンゲ材を使用した「Wenge」、ブランド伝統のウォルナット材にレッド・フィニッシュを施した「Red」、ウォルナット材にダーク・グレーの顔料を施した「Graphite」の3色を用意した。

周波数特性は25Hz - 35kHz(ステルス・ウルトラフレックス含む)、出力音圧レベルは、92dB SPL1(2.83V/1m)、公称インピーダンスは4Ω、クロスオーバー周波数は160Hz/220Hz/2,200Hz。外形寸法は715W×1,374H×428Dmm(本体部、突起部含む)、質量は63kg(本)。

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