HOME > ニュース > AV&ホームシアターニュース
公開日 2002/10/02 19:59
Dynaudio25周年記念モデル「Dynaudio Special Twenty-Five」
Dynaudio Special Twenty-Fiveの前面部、背面部 |
この先進的なサウンドクオリティは、ユニークな組み合わせで成し遂げられた。先進的な高性能のコンパクトスピーカーを設計してきた伝統の流れを踏まえながら、レファレンススピーカーEvidenceと革新的な新Confidenceの技術とを結合。さらにDynaudio Special One、Dynaudio Crafft、Dynaudio Contour 1.3SE、Dynaudio Confidence 3などのコンパクト・スピーカーで確立された高品質を作りこむ伝統を最高度に発揮させたのが、新Dynaudio Special Twenty-Fiveである。Special Twenty-Five は、25年にわたる Dynaudio Authentic Fidelityのエッセンスなのである。
ウ-ファーは、中低域の再生のためEvidenceモデル用に開発したドライバーを基礎とする200mmウーファーを採用。このウーファーは、強力なネオジウム製マグネットを装着しているので、伝統的なフェライト製マグネット構造に比して、感度(出力音圧レベル)が劇的に向上する。75mmの大口径・軽量のアルミニウム・ワイヤー・ボイスコイルを特徴としており、能率とコーン・コントロールを大幅に改善した。ムービング・システム(振動系)は、堅牢なダイカストシャーシ(6角ネジでキャビネットにしっかりと取り付けられている)に装着。このムービング・システムは、厳密な一体成型マグネシウムポリマー(MSP)コーンから構成されてり、超軽量・高強度のKaptonボイスコイル・フォーマーに固着されている。Kaptonフォーマーは、ウーファーの損失をなくし、高い耐熱性と長い動作範囲を保証する。
ソフトドームトゥイーターは、DynaudioがC2/C4のため新たに開発したESOTAR2 に基づく。ファブリックドームは、新しいコーテイング法で処理。3段階に分けて処理したことで、滑らかな周波数特性と卓越した過渡特性を実現した。強力なネオジウムマグネットを、通気孔つき極片とともにトゥイーターに使用しており、 ボイスコイル・ギャップ内での磁界を一定に維持する。このようにエネルギー界が一定であることから、歪みが極めて小さいという特質が得られる。ボイスコイル・ギャップには独自の磁気冷却・減衰油を注入して、耐入力を改善し、ボイスコイルの過熱によるパワー・コンプレッションを抑制した。また、音波反射と歪みをなくすため、減衰性リア・チェンバーを組み込む構造とした。現在のデジタルレコーディングフォーマットを最大限に考慮しており、周波数特性は25kHz以上の範囲でのピークは全くないという。
クロスオーバーは、キャビネット内部からスピーカー外部への熱伝達を可能にする新しい手法を取り入れた。高音圧レベルでスピーカーを長時間鳴らした場合、抵抗器の温度が上昇し、内部が過熱状態となる。これを防止するため、ヒートシンクの作用をするアルミニウム板上にPCB(印刷回路基板)を装着した。このような設計を採用したことで、PCBの片側に抵抗器を、他の側面(位置は、PCBとプレートとの間)上にコンデンサーと誘導子を装着できる。コンポーネントはすべて、極厚のカッパー・トレースとカッパー・ケーブルで接続し、高品質のバインデイング・ポストも、このプレート上に接続されている。クロスオーバーフィルター自体は1段階ハイ/ローパス・スロープを使用しており、位相は正確で、インパルス応答はリニア。インピーダンス補正しており、どういうアンプでも駆動負荷が軽減される。
パーツは、ゼロ・コンプレッション巻線抵抗器、低誘電損の超高速金属化ポリプロピレン・コンデンサー、空心誘導子といった公差の小さい最高品質のコンポーネントだけを使用している。
さらにカスタム・メイドの補強材つき減衰性木質キャビネットが特徴で、Dynaudioの熟達したマスター・クラフツマンが、デンマークで家具グレードのキャビネットをハンドメイドしている。
スピーカーは、組み合わせナンバーをつけたペアとして製作し、他に例のないクロス・グレイン・バーチ材(木目の不規則な、かば材)で仕上げている。このクロス・グレインのバーチ材は希少品であり、これを板材に仕上げるには格別慎重な取り扱いが必要となる。
スピーカーの壁面材は、厚さ20mmのMDF(中密度繊維版)から製作する。この材料は内部減衰性がよく、堅牢なので、キャビネットの共鳴による悪影響をなくす。キャビネットには内部補強材を使用し、10mm厚の減衰板を、共鳴防止接着剤でキャビネット壁面に固着。低音は、空気力学的設計によるポートを通じて増強される。低音用として調整するため両端ともトランペット状とすることで、ベントからのノイズをなくすとともに、70mm径を使用することで空気流速上昇によるノイズ発生を防止した。
25周年記念モデルということで、最高品質のものを提供したいというサービスも充実である。たとえば、保証期間は25年。Special Twenty-Fiveの意義と格別の高品質を考慮し、ひじょうにユニークな品質保証を用意した。またデンマークのDynaudio本社に登録すれば、オーナーにはSpecial Twenty-Five保証書(warranty certificate)が送られるという。
Special Twenty-Fiveは手作りのため生産量に制限がある。そして、スピーカー・キャビネットのバック・パネルに製品連続番号(serial number)も彫り込まれる。(AV REVIEW編集部)
関連リンク
- ブランドDynaudio
- 型番Dynaudio Special Twenty-Five
- 発売日2002年11月下旬
- 価格予価58万円前後
【SPEC】●能率:88dB (2.83V/1m) ●許容入力:200W ●インビーダンス:4Ω ●再生周波数帯域:35Hz〜25kHz(+/- 3dB) ●エンクロジャー容量:17.5litres ●外形寸法:222W×423H×349Dmm ●質量:13kg