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公開日 2005/05/05 12:48

GW特別企画:薄型テレビの最新トレンドを追う(4)SED/有機EL編

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薄型テレビの技術トレンドをお伝えする本企画、最終回はSEDや有機ELなど、「次々世代」とも言うべき最新テクノロジーの可能性についてご紹介する。

「SED」は、Surface-conduction Electron-emitter Displayの略で、表面伝導型電子放出素子ディスプレイの意味。キヤノンが86年から研究を行っていた技術だ。

表示原理はブラウン管と同様、電子を蛍光体に衝突させて発光する自発光型で、ブラウン管の電子銃に相当する電子放出部が画素の数だけ設けられている。高輝度、高精細、高速応答性、高コントラスト、高い色再現性など画質に優れ、さらに消費電力に優れるという特性を備えている。

さらに、長年の研究開発の成果として、低コストでの製造にも目途がついている。キヤノンでは、2010年段階での薄型テレビの平均パネル単価を8万円程度と推定しており、年々下落を続けるパネル価格にも十分ついていける、としている。

このように、SEDは薄型テレビに求められる要件をほとんど満たしているとあって、昨年9月の正式発表以来、非常に大きな注目を集めている。

製品の開発は、キヤノンと東芝が手を組み、東芝は主に画作りや生産技術を提供する。

昨年秋のCEATEC、今年4月の「Display2005〜第1回国際フラットパネル ディスプレイ展」などで、36インチの試作機が公開された。

SEDパネルの生産は本年8月より開始される。生産開始するパネルは解像度1920×1080ドットフルHDの50インチだ。生産数は段階を追って増やしていき、06年中には月産3000台の生産能力に引き上げる。本格的な量産体制は当初の発表通り07年の予定だ。

実際の最終製品は、05年度中の発売が予定されている。現在のところ、サイズは50インチモデルのみの予定で、それ以外のサイズはまだ企画段階であるという。また、製品はTOSHIBA、CANONの両ブランドから発売される見込み。なおCANONブランド製品に関しては、御手洗社長が以前行った発表通り、当初は東芝からOEM供給を受けることになりそうだ。

続いて有機ELについてお伝えする。一時は、プラズマ・液晶に続く、薄型テレビ用パネルの本命と目された有機ELだが、大型化が非常に困難なため、なかなか実際の商品が登場しない。

有機ELの大型化で先行しているのはセイコーエプソンだ。昨年5月には、世界初の40インチサイズの試作機を公開。2007年に向けた有機EL事業の本格展開を宣言した。この大型化は、プリンタで培ってきた独自のインクジェット技術を応用することにより実現した。大型基板に有機層を、同社のインクジェット技術を使用して一括形成することにより、40インチを実現している。同社は「40インチ以下の商品は有機ELで、40インチ以上はリアプロジェクションでそれぞれカバーする」という戦略内容も明らかにしており、今後の動向が注目される。

(Phile-web編集部)

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