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公開日 2006/03/09 19:26
「2011年問題」の認知度を50%以上に− D-PAが第7回総会を開催
(社)地上デジタル放送推進協会(略称:D-PA)は、本日第7回の総会を開催した。
総会では2006年の事業計画案や予算案などが発表され、各議題はその全てが全会一致で承認された。
総会の冒頭、挨拶したD-PAの理事長を務める福島テレビ社長の中村氏は、「地上デジタルの普及は順調に進んでいるが、アナログ放送が終了する2011年に向け、国民や視聴者の理解と賛同をさらに得る必要があり、課題は多い。今後D-PAの役割がさらに重要になるはずだ。会員各社の協力のもと、テレビを使ったPRなどで受信機シフトのための正しい情報を伝えていきたい」と抱負を述べた。また、メーカーに対しては「価格やサイズなど、国民の要望に応える受信機を開発して欲しい」と要望した。
事務局が行った予算案に関する説明の中では、「アナログ放送を2011年に終了することを決めたのが2001年のこと。今年はアナログ→デジタル移行期間の折り返し地点にあたる重要な年だ」と説明。「2006年12月には3,850万世帯が地上デジタルを視聴可能になり、受信機器も普及が順調に進むと予想されるが、今後国民の理解をさらに進める必要がある」とし、具体的には、2006年度中に「2011年にアナログ放送が終了する認知度を50%以上に引き上げる」ほか、「地上デジタルテレビ放送受信機を2,000万台普及させる」ことを目標として掲げた。なお、昨年はじめに行ったアナログ放送終了時期に関する調査では、終了時期を「2011年」と正確に答えられた回答者は9.2%だったという。
この目標を達成するため、放送やメーカー、流通などで統一的に使用できるロゴやキャッチコピーを新たに開発。NHKと民放で共通のスポットCMを大量に投入する。また、アナログ放送終了5年前にあたる7月24日や12月1日の開局記念日、さらにワールドカップや夏冬のボーナス時など、好機を捉えて周知の徹底を図るとした。
同時に、今年4月1日に本放送を開始するワンセグ放送についても、「ワンセグ連絡会」を設置し、普及促進を図る。本日の総会では、会場にKDDIの「W41H」や「W33SA」、NTTドコモの「P901iTV」、ボーダフォンの試作機などが展示され、試験放送の表示デモが行われていた。
また総会の後半では、TBSの竹内香苗アナウンサーと、同局でワンセグ編集長を務める清水氏が登壇。TBSが現在検討しているワンセグのデータ放送サービス案が紹介された。災害情報の配信、番組内で紹介したプレゼントへの応募、クイズへの参加のほか、レシピ情報などの携帯電話への保存、着メロや着うたのダウンロード、番組へのメッセージ送信などの具体的なサービス例が明らかにされた。
総会の中では、総務省 情報通信担当 政策統括官の清水英雄氏が「放送を取り巻く最近の情勢について」と題した講演を行った。清水氏は冒頭、1994年2月に朝日新聞が報じた「寝耳に水、『デジタル騒動』」という記事を見せ、「当時は放送のデジタル化といってもほとんど誰も理解してくれなかった。デジタル化という言葉はタブーだったと言っても良い。NHKの川口会長は『デジタル化は必要ない』というスタンスだったし、ソニーの大賀さんも『デジタル対応カメラは無いし、機器対応もできない』と語っていた。民放では辛うじてフジテレビの日枝さんと日テレの氏家さんが賛同してくれたが、それにしたって『外国がやってるから取り残されちゃいけない』というニュアンス。とても現在のような状況は想像できなかった」と振り返った。
また、現在総務省が進めている「通信・放送の在り方に関する懇談会」の内容についても報告。「国民が素朴に感じているだろう、『どうしてネットでテレビが見られないのか』『タイムワーナーのようなメディア複合企業体が存在しないのは何故か』『事業を規制する省庁と振興する省庁が同じでよいのか』などの様々な議題について話し合っている。NHKに関する問題ではガバナンスや公共放送の範囲などを取り決める必要があるだろう。また著作権の問題など、ハードやソフトに関する課題も多い」と説明し、今年6月までに論点を出し尽くし、整理するとした。
清水氏はアナログ放送の終了時期についても触れ、「2011年7月24日まではアナログ放送が見られると思っている方が多いようだが、イギリスの例のように、地域ごとに徐々に放送を終了していくことも考えられる。実はどうやって止めるか決まっていないのが現状で、実務が詰め切れていない。これは総務省としても反省している」と説明。「各家庭に1台デジタルテレビがある、という状況では十分ではない。いまある全てのアナログテレビをデジタルテレビに置き換えねばならない」との考えを述べた。
(Phile-web編集部)
総会では2006年の事業計画案や予算案などが発表され、各議題はその全てが全会一致で承認された。
総会の冒頭、挨拶したD-PAの理事長を務める福島テレビ社長の中村氏は、「地上デジタルの普及は順調に進んでいるが、アナログ放送が終了する2011年に向け、国民や視聴者の理解と賛同をさらに得る必要があり、課題は多い。今後D-PAの役割がさらに重要になるはずだ。会員各社の協力のもと、テレビを使ったPRなどで受信機シフトのための正しい情報を伝えていきたい」と抱負を述べた。また、メーカーに対しては「価格やサイズなど、国民の要望に応える受信機を開発して欲しい」と要望した。
事務局が行った予算案に関する説明の中では、「アナログ放送を2011年に終了することを決めたのが2001年のこと。今年はアナログ→デジタル移行期間の折り返し地点にあたる重要な年だ」と説明。「2006年12月には3,850万世帯が地上デジタルを視聴可能になり、受信機器も普及が順調に進むと予想されるが、今後国民の理解をさらに進める必要がある」とし、具体的には、2006年度中に「2011年にアナログ放送が終了する認知度を50%以上に引き上げる」ほか、「地上デジタルテレビ放送受信機を2,000万台普及させる」ことを目標として掲げた。なお、昨年はじめに行ったアナログ放送終了時期に関する調査では、終了時期を「2011年」と正確に答えられた回答者は9.2%だったという。
この目標を達成するため、放送やメーカー、流通などで統一的に使用できるロゴやキャッチコピーを新たに開発。NHKと民放で共通のスポットCMを大量に投入する。また、アナログ放送終了5年前にあたる7月24日や12月1日の開局記念日、さらにワールドカップや夏冬のボーナス時など、好機を捉えて周知の徹底を図るとした。
同時に、今年4月1日に本放送を開始するワンセグ放送についても、「ワンセグ連絡会」を設置し、普及促進を図る。本日の総会では、会場にKDDIの「W41H」や「W33SA」、NTTドコモの「P901iTV」、ボーダフォンの試作機などが展示され、試験放送の表示デモが行われていた。
また総会の後半では、TBSの竹内香苗アナウンサーと、同局でワンセグ編集長を務める清水氏が登壇。TBSが現在検討しているワンセグのデータ放送サービス案が紹介された。災害情報の配信、番組内で紹介したプレゼントへの応募、クイズへの参加のほか、レシピ情報などの携帯電話への保存、着メロや着うたのダウンロード、番組へのメッセージ送信などの具体的なサービス例が明らかにされた。
総会の中では、総務省 情報通信担当 政策統括官の清水英雄氏が「放送を取り巻く最近の情勢について」と題した講演を行った。清水氏は冒頭、1994年2月に朝日新聞が報じた「寝耳に水、『デジタル騒動』」という記事を見せ、「当時は放送のデジタル化といってもほとんど誰も理解してくれなかった。デジタル化という言葉はタブーだったと言っても良い。NHKの川口会長は『デジタル化は必要ない』というスタンスだったし、ソニーの大賀さんも『デジタル対応カメラは無いし、機器対応もできない』と語っていた。民放では辛うじてフジテレビの日枝さんと日テレの氏家さんが賛同してくれたが、それにしたって『外国がやってるから取り残されちゃいけない』というニュアンス。とても現在のような状況は想像できなかった」と振り返った。
また、現在総務省が進めている「通信・放送の在り方に関する懇談会」の内容についても報告。「国民が素朴に感じているだろう、『どうしてネットでテレビが見られないのか』『タイムワーナーのようなメディア複合企業体が存在しないのは何故か』『事業を規制する省庁と振興する省庁が同じでよいのか』などの様々な議題について話し合っている。NHKに関する問題ではガバナンスや公共放送の範囲などを取り決める必要があるだろう。また著作権の問題など、ハードやソフトに関する課題も多い」と説明し、今年6月までに論点を出し尽くし、整理するとした。
清水氏はアナログ放送の終了時期についても触れ、「2011年7月24日まではアナログ放送が見られると思っている方が多いようだが、イギリスの例のように、地域ごとに徐々に放送を終了していくことも考えられる。実はどうやって止めるか決まっていないのが現状で、実務が詰め切れていない。これは総務省としても反省している」と説明。「各家庭に1台デジタルテレビがある、という状況では十分ではない。いまある全てのアナログテレビをデジタルテレビに置き換えねばならない」との考えを述べた。
(Phile-web編集部)