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公開日 2006/06/06 19:19
TDKがBlu-ray Discセミナーを開催 − 次世代商品を含む事業戦略を説明
本日のセミナーではTDKの商品や技術に関する最新動向が紹介されるとともに、ソニー(株)のVAIO事業部からも同社の事業戦略が発表された。
セミナーの開催にあたりTDKマーケティングの代表取締役社長、牧野利彦氏が挨拶を行った。牧野氏は、「昨今は次世代光ディスクに対する世の中の期待が高まるばかりだ。TDKはBlu-rayに関しては早期からBDAに加盟し、いち早く最新のディスクを商品化してきた。今回のセミナーにより、新しい映像メディアの可能性をご理解いただき、ビジネスの糧としていただきたい」と語った。
続いてTDK(株)よりレコーディングメディアビジネスグループ オプティカルプロダクト商品部 企画課主事の木越匠氏より、「TDKのBlu-ray Disc事業戦略と独自技術の紹介」と題した発表が行われた。
TDKは2007年に8,200億円の総売上高、うち10%となる820億円の総営業利益を見込んでいる。2006年3月の発表時の同社年間部門総売上高比率は「記録メディア合計が13.5%」であるとともに、2005年にはワールドワイドでDVDのブランド別出荷比率が業界2位となり、「TDKの記録メディア事業が元気である」ことを木越氏は強調した。
木越氏はTDKからの「3つの主張」として、はじめに「TDKは記録メディアにこだわる」ことを宣言した。記録メディアのスペシャリストとして、さらにはBDAのボードメンバーとしてのプライドを持ちつつ、「今後もR&Dに積極的に先行投資していく」とした。4月19日にはBD-R/-REのベアディスクを発売したが、今後は2007年に高速記録対応のBD-Rを、以降には100GBの高速対応BD-RE、200GBのBD-Rをそれぞれ商品化に向けて準備を進めているとし、ロードマップを明らかにした。
今後は「Blu-rayディスクを記録メディアに採用するアプリケーションがさらに数を増していくだろう」とする木越氏は、同社の予測として「記録タイプのBlu-rayディスクは2013年には、ワールドワイドで12億枚の需要規模に成長するだろう」と語り、「その立ち上がるスピードはDVDよりもさらに早いだろう」と予想した。市場成長の過程で、「今後も独自技術のDURABIS 2や、千曲川テクノ工場を基地とした『100% Made in Japan』の高品質にこだわりながら、『Blu-rayはTDK』というイメージを市場に確立していきたい」と木越氏は意気込みを語った。会場に集まった業界関係者に向けては「BD市場早期共同開拓を目指し、BDAのボードメンバーとして正しい情報を伝えていくことを心がけつつ、一方で商品の高品質を守りながら記録メディアのスペシャリストとしてエンドユーザーをしっかりサポートして行きたい」と宣言した。
引き続いてソニ−(株)のVAIO事業部門 3部 統括部長の森辰夫氏より、「VAIOのBD戦略と今後のビジョン」に関する講演が行われた。
同社は今夏よりBDドライブを搭載したVAIO新シリーズを市場に投入する。森氏からは「VAIO type A」「VAIO type R」シリーズを中心とした新製品の紹介が行われた。今後は「大きなVAIOから小さなVAIOまで全部をBD化」していくことが同社の事業戦略であるとし、具体的な基本戦略としては「今後ワールドカップの開催やWindows Vistaの登場、北京五輪など外部経済要因とリンクしながら相乗効果でBD関連商品を盛り上げていきたい。その過程の中でビデオカメラやテレビ、ゲーム機など総合的なハイビジョン関連の商品提案へソニーとして結びつけていく」と語った。
本日の会場にはBlu-rayディスク関連製品の展示コーナーも設けられ、PC/AVハードメーカーや業務機器のメーカーらが出展を行った。パイオニア(株)はBlu-rayディスクの記録・再生に対応したPC内蔵型のBD/DVDドライブ「BDR-101A」を出品し、ハイビジョン映像の出画デモを行っていた。同社はまた、このドライブの応用例としてBDレコーダーのプロトタイプも参考出品していた。
(Phile-web編集部)