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公開日 2006/09/05 17:51
<IFA2006レポート:サムスン>怒涛の技術展示、欧州でのパワーを見せ付ける
サムスンはホールひとつを丸々貸し切り、現行商品ラインナップから最新モデル、将来技術までをズラリと並べた。欧州におけるポジションはすでに確固たるものがあり、日本製品と肩をならべるどころか、一歩先を行こうとしている姿勢には圧倒的な凄みがある。では写真で見ていこう。
華やかに液晶テレビが迎える入口からすぐの場所に、展示会ではすでにお馴染みになった102インチ液晶テレビが鎮座する。その横にBlu-rayディスクプレーヤー「BD-P1000」が置かれる。「Full HD 1080p Collection」という看板の下、フルHD解像度の液晶テレビが勢ぞろいする。
まずはマルチファンクション・カムコーダー。多機能ビデオカメラと呼べばいいだろうか。非常に小型なボディに6つの機能を標準装備する。「(1)ビデオ撮影」「(2)静止画撮影」までは当たり前、「(3)MP3プレーヤー」「(4)ボイスレコーダー」に加え、2GBの内蔵メモリーを持ち「(5)データストレージ」として使え、さらに「(6)WEB(PC)カメラ」機能を持つ。「VP-MM12」は光学10倍(デジタル100倍)、80万画素CCD、MPEG4 ASP動画(726×576・25フレーム/秒)を内蔵メモリーで記録できる(標準画質で68分)。メモリーカードスロットにSD/MMCを持つ。前記の機能に加えて、「VP-X220WL」はワイヤレスの外部拡張カメラを装備する。「SDC-MS61」はヨコ型で、光学3倍(デジタル5倍)になるがポケットサイズが魅力だ。
カムコーダーで注目は、DVDカムコーダーの「VP-DC165WB」。8cmDVD+Rにデュアルレイヤー記録して60分(2.6GB)の撮影を可能にしている。また「VP-DC163」は世界最高の光学33倍(デジタル1200倍)の超ズーム機能を搭載する。4つフラッシュメディアカードにも対応する。
欧州のモバイル向けデジタル放送に対応した携帯電話が2種類並ぶ。「SGH-P910」はDVB-H対応機。DVB-Hは欧州の地デジDVB-Tのサブ規格で、日本のワンセグのようなポジションになるものだが、すでに標準化されおり約50カ国で展開する予定だ。
また「SGH-P900」はT-DMB対応機。L-Band(1.5GHz帯)を使用するがこちらも欧州標準化済み。デジタルラジオ放送(DAB)の発展形として動画コンテンツも放送できる。つまり欧州には2種類の携帯電話向け放送方式が存在する。このあたりは国、放送局、携帯電話メーカーの思惑が複雑に絡み合っている。モバイルテレビという意味でもうひとつ、ウルトラモバイルPC「Samsung Q1」だ。重さ779g、7インチ液晶の小型Windows XPタブレットPCで、ロッドアンテナがついており、テレビ視聴機能、ナビゲーション機能も搭載している。
デジタルHD放送向けソリューションとして2つの製品があった。ひとつはHD-IPセットトップボックス「DIB-H570N」。MPEG4/H.264圧縮でHD画質のIP放送を受信する。CASスロット×1、インターフェースは10/100Base-T、USB2.0×2系統、HDMI、コンポーネント端子、コンポジット同軸を装備している。また、世界初の非圧縮HD光無線の送受信機がデモされていた。レートは2.5Gbps、0.5m〜13mの送信が可能だという。
ほかにも家庭内デジタル伝送技術がいくつか紹介された。ひとつはDLNAに関するもの。こちらはすでに日本メーカーも含めて製品発売しているので割愛する。もうひとつは「HANA(High-Definition Audio-Video Network Alliance)」というHD動画をIEEE1394ケーブル1本(=Firewire=i.LINKケーブル)で家庭内伝送するというもので、日本ビクター、三菱電機、サン・マイクロシステムズ、テキサス・インストゥルメンツ、ワーナーブラザースなどが賛同している。TV nodeという伝送装置を介してリビングから書斎、マルチルームにHD動画とリモコン操作のコマンド情報を送受信する。メインモニターには操作メニュー画面が現れ、一括操作が可能となる。
さて本命である液晶テレビ、プラズマテレビの展示には特に力を入れていた。日本のメーカーお得意の他社比較展示を積極的に取り入れ、すべての解説において2画面で実画像デモを行った。しかも液晶やプラズマそれぞれの弱点をあからさまにしつつ、そのソリューション技術を打ち出すという丁寧さだ。もちろん日立などの日本メーカーも行っていたが、これだけの規模で展開することにより、欧州のユーザーのこだわり層にもしっかり杭を打ち込んだ格好になった。
そのほか、1日に会場発表されたばかりのMP3プレーヤー「YP-K5」は大きなスペースをとり、定期的にステージ形式のショウで盛り上げていた。YP-K5はスピーカー部がスライドして斜めに飛び出してくるポータブルプレーヤー。ヘッドホンでの楽しみだけでなく、本体をポータブルコンポとして自己完結させている。ホームシアターゾーンでは5.1chサラウンドシステムやDLPプロジェクターによるシアタールームデモも行われた。
(AVレビュー編集部・永井)
[IFA2006REPORT]
華やかに液晶テレビが迎える入口からすぐの場所に、展示会ではすでにお馴染みになった102インチ液晶テレビが鎮座する。その横にBlu-rayディスクプレーヤー「BD-P1000」が置かれる。「Full HD 1080p Collection」という看板の下、フルHD解像度の液晶テレビが勢ぞろいする。
まずはマルチファンクション・カムコーダー。多機能ビデオカメラと呼べばいいだろうか。非常に小型なボディに6つの機能を標準装備する。「(1)ビデオ撮影」「(2)静止画撮影」までは当たり前、「(3)MP3プレーヤー」「(4)ボイスレコーダー」に加え、2GBの内蔵メモリーを持ち「(5)データストレージ」として使え、さらに「(6)WEB(PC)カメラ」機能を持つ。「VP-MM12」は光学10倍(デジタル100倍)、80万画素CCD、MPEG4 ASP動画(726×576・25フレーム/秒)を内蔵メモリーで記録できる(標準画質で68分)。メモリーカードスロットにSD/MMCを持つ。前記の機能に加えて、「VP-X220WL」はワイヤレスの外部拡張カメラを装備する。「SDC-MS61」はヨコ型で、光学3倍(デジタル5倍)になるがポケットサイズが魅力だ。
カムコーダーで注目は、DVDカムコーダーの「VP-DC165WB」。8cmDVD+Rにデュアルレイヤー記録して60分(2.6GB)の撮影を可能にしている。また「VP-DC163」は世界最高の光学33倍(デジタル1200倍)の超ズーム機能を搭載する。4つフラッシュメディアカードにも対応する。
欧州のモバイル向けデジタル放送に対応した携帯電話が2種類並ぶ。「SGH-P910」はDVB-H対応機。DVB-Hは欧州の地デジDVB-Tのサブ規格で、日本のワンセグのようなポジションになるものだが、すでに標準化されおり約50カ国で展開する予定だ。
また「SGH-P900」はT-DMB対応機。L-Band(1.5GHz帯)を使用するがこちらも欧州標準化済み。デジタルラジオ放送(DAB)の発展形として動画コンテンツも放送できる。つまり欧州には2種類の携帯電話向け放送方式が存在する。このあたりは国、放送局、携帯電話メーカーの思惑が複雑に絡み合っている。モバイルテレビという意味でもうひとつ、ウルトラモバイルPC「Samsung Q1」だ。重さ779g、7インチ液晶の小型Windows XPタブレットPCで、ロッドアンテナがついており、テレビ視聴機能、ナビゲーション機能も搭載している。
デジタルHD放送向けソリューションとして2つの製品があった。ひとつはHD-IPセットトップボックス「DIB-H570N」。MPEG4/H.264圧縮でHD画質のIP放送を受信する。CASスロット×1、インターフェースは10/100Base-T、USB2.0×2系統、HDMI、コンポーネント端子、コンポジット同軸を装備している。また、世界初の非圧縮HD光無線の送受信機がデモされていた。レートは2.5Gbps、0.5m〜13mの送信が可能だという。
ほかにも家庭内デジタル伝送技術がいくつか紹介された。ひとつはDLNAに関するもの。こちらはすでに日本メーカーも含めて製品発売しているので割愛する。もうひとつは「HANA(High-Definition Audio-Video Network Alliance)」というHD動画をIEEE1394ケーブル1本(=Firewire=i.LINKケーブル)で家庭内伝送するというもので、日本ビクター、三菱電機、サン・マイクロシステムズ、テキサス・インストゥルメンツ、ワーナーブラザースなどが賛同している。TV nodeという伝送装置を介してリビングから書斎、マルチルームにHD動画とリモコン操作のコマンド情報を送受信する。メインモニターには操作メニュー画面が現れ、一括操作が可能となる。
さて本命である液晶テレビ、プラズマテレビの展示には特に力を入れていた。日本のメーカーお得意の他社比較展示を積極的に取り入れ、すべての解説において2画面で実画像デモを行った。しかも液晶やプラズマそれぞれの弱点をあからさまにしつつ、そのソリューション技術を打ち出すという丁寧さだ。もちろん日立などの日本メーカーも行っていたが、これだけの規模で展開することにより、欧州のユーザーのこだわり層にもしっかり杭を打ち込んだ格好になった。
そのほか、1日に会場発表されたばかりのMP3プレーヤー「YP-K5」は大きなスペースをとり、定期的にステージ形式のショウで盛り上げていた。YP-K5はスピーカー部がスライドして斜めに飛び出してくるポータブルプレーヤー。ヘッドホンでの楽しみだけでなく、本体をポータブルコンポとして自己完結させている。ホームシアターゾーンでは5.1chサラウンドシステムやDLPプロジェクターによるシアタールームデモも行われた。
(AVレビュー編集部・永井)
[IFA2006REPORT]