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公開日 2006/12/07 18:54
地デジ全国放送の開始に録画市場拡大の予感 − RWPPIが第40回定例会議を開催
RWプロダクツ・プロモーション・イニシアティブ(略称 RWPPI)は、2006年最後の開催となる第40回定例会議をシャープ(株)幕張ビルにおいて開催した。
はじめにRWPPI代表のパイオニア(株)相澤氏が登壇し、挨拶を行った。相澤氏は2006年の活動を振り返りながら「今年はRWPPIの活動の軸を、大規模なイベントへの出展によるフォーマットのプロモーション活動から、RWPPIが主催するラウンドロビンテストの活動強化へシフトさせてきた。この成果が結実し、DVD-RW/DVD-Rフォーマットにおける互換性への認識を世界規模で高めることができた。今後もユーザーにとって、より信頼性の高い商品が提供できるよう、RWPPIとしても努力を重ねていきたい」とコメントし、今後の抱負を明らかにした。
相澤氏に続き、RWPPI副代表のシャープ(株)千葉氏が登壇した。千葉氏は12月1日から全国放送がスタートした地上デジタル放送への期待を示しながら、「全国放送の開始により、当社の研究施設でもフルにデジタル放送を受信しながら商品開発や研究を行える環境が整った。今後もさらにハイビジョンレコーダー関連、薄型テレビ関連のパフォーマンスを高めながら、業界の発展に尽くしていきたい」と抱負を語った。
また、この度RWPPIに新たな会員として加わった、ノア・テクノロジーズ・インターナショナル(株)高梨氏が紹介された。高梨氏は光ディスク関連の技術コンサルティングをはじめとした同社のビジネス概要を説明するとともに、今後メンバーとしてRWPPIの活動に意欲的に関わっていきたいとし、意気込みを語った。
続いてラウンドロビンテストのヘッドチェアマンである、パイオニア(株)石井氏が登壇し、テストの近況報告を行った。
今年もラウンドロビンテストの参加メンバーが順調に増え、現在53社を数えるに至った。互換性検証活動については、現在進められている「Stage 6」では、8倍速DVD-R DLやビデオカメラ用8cm DVD等の新しいフォーマットの互換性検証に取り組むとともに、新製品とレガシー製品との間の互換性検証も行われている。「Stage 6」については本年内にテストを終了し、次回の全体ミーティングが開催される1月19日に検証結果の最終承認が行われる予定だ。RWPPIでは、2007年の年明けとともに記録型DVD会議(略称:RDVDC)との共同開催によるJRTのセミナーを東京で開催を予定しており、この場でも「Stage 6」の活動報告が行われる見込みだ。さらに海外でのプロモーション活動についても、今年の2月にも開催された「台湾セミナー」を、来年春にも台湾メーカーを集めて開催する計画が石井氏により発表された。
今回のミーティングには台湾記録メディア工業会(略称 TRIA)からのゲストとして、事務局長のJohn Wu氏が招かれ、TRIAの活動紹介を行った。2005年初頭に活動を開始したというTRIAは、これまでにも台湾の記録メディアメーカーどうしの情報交換を目的に、2回のミーティングを開催してきた。現在は国際活動も活発化させており、日本記録メディア工業会(JRIA)や、RWPPIやRDVDCとも関係を深めている。「日本と台湾、それぞれ製造されている製品どうしの互換性を確認することが、これからはとても重要であると考えている」とWu氏は語る。殊にRWPPIとの連携に関しては、本年2月にジョイントセミナーが開催されたほか、台湾で開催されるミーティングにRWPPI関係者を招くなど、積極的な交流が図られているという。今後、日本と台湾との間により活発なコミュニケーションを築き上げていきたいとWu氏は語った。
続いて、本ミーティングの最初の特別講演として、オリンパス イメージング(株)より林寿一氏が登壇し、「デジタル写真保存ソリューションの現状」について講演を行った。
林氏によれば、昨今はブログやSNSの流行など、デジタル写真をより積極的に楽しもうとするユーザーが拡大し、銀塩時代のピークを既にデジタルフォトが追い越したのだという。同社の独自調査からも、カメラの画素数や記録メディアの容量が上がったことにより、写真データのアーカイブの必要性が高まりつつあると林氏は説明する。
林氏は「今、デジカメを使っているユーザーは保存に困っている」と語り、その上で、DVDをはじめとする光ディスクが、デジタル写真の保存に有効な記録媒体として、ユーザーに最適なソリューションを提供していくことができるだろうとする。林氏は「高解像度の写真を撮影し、積極的にアーカイブするプロレベルのユーザーから、ブログやSNS用に写真をインフォメーションとして活用するユーザーまで、それぞれにデジタル写真保存の要求はレベル、内容が異なる。これら様々なユーザーのリクエストに対して、光ディスクが新しい可能性を見いだし、特にデータベース構造を標準化したソリューションや、互換性をさらに高めることによって、市場のさらなる発展を牽引する商材になり得るだろう」とし、期待を寄せた。
続いてRWPPIの参加メーカーより、新製品紹介が行われた。はじめに(株)ジャングルから竹本氏が登壇し、同社の映像編集アプリケーション「VR Bridge」の紹介を行った。同社は本製品をはじめとする映像編集ソフトや、ホームページ作成、携帯電話データ管理、セキュリティの各分野に多彩な商品ラインナップを揃える。今回竹本氏により紹介された「VR Bridge」には、DVD-RWをはじめとした書き換え型ディスクを介して、パソコンでキャプチャーしたテレビ番組の映像を、DVD録画再生機でも楽しめる機能などが搭載されている。異なるアプリケーション間において、DVD再生の高い互換性を実現しているアプリケーションについて、今回はその機能の一部が竹本氏による実演を交えて紹介された。
シャープ(株)を代表し、登壇した岩崎氏からはAQUOSハイビジョンレコーダーの最新機種が紹介された。同社では800GBのHDDを搭載した「DV-ACW38」をはじめとする新製品4機種を今年の秋に発売した。岩崎氏は「地上デジタル放送の拡大に合わせて、高画質放送の魅力をユーザーに満喫してもらえるよう、時代のニーズに合致した録画機をつくることが今回の新製品の課題だった」と振り返る。新製品の大きな魅力の一つは、全機種においてデジタル放送の2番組同時録画機能を実現していることだ。また薄型テレビAQUOSを中心とした、レコーダーやサラウンドシステムとの連動を実現する「AQUOSファミリンク」の展開にも市場からの注目が集まる。AQUOSファミリンクによる簡単操作を、実機によるデモを交えながら紹介した岩崎氏は「これからもシャープはホームシアターの楽しみ方を広げる機能を充実させていきたい」と意気込みを語った。
定期ミーティングの最後には、ふじわらロスチャイルドリミテッドの上甲明広氏が“光ストレージ業界の現状と将来展望”をテーマに特別講演を行った。上甲氏は2000年以降の光ストレージ市場の現状や次世代系ストレージ機器市場の将来予測を示しながら、光ストレージ市場の長期的な課題についての分析を加えた。
今後も光ストレージが長期的に市場価値を維持していくためには「インターネットを軸としたコンテンツ・ディストリビューションの形態が変わってきた時に、ユーザーはコンテンツの保存方法にあらためて目を向けるようになるだろう。例えば、ダウンロードにより、マスタークオリティのオリジナルを手元のレコーダーのHDDや光ディスクにアーカイブするようになった場合、画質はもちろんのこと、記録容量・速度、耐久性や信頼性、互換性といった部分について、ユーザーの要求がより高度なものに変化していく可能性がある」と指摘する。さらに「光ディスクの可能性を貪欲に追求し、クオリティをさらに高めることができれば、ユーザーの未知なるニーズを掘り起こせるメディアとして、今以上に成長ができるだろう」と期待を語った。
(Phile-web編集部)
はじめにRWPPI代表のパイオニア(株)相澤氏が登壇し、挨拶を行った。相澤氏は2006年の活動を振り返りながら「今年はRWPPIの活動の軸を、大規模なイベントへの出展によるフォーマットのプロモーション活動から、RWPPIが主催するラウンドロビンテストの活動強化へシフトさせてきた。この成果が結実し、DVD-RW/DVD-Rフォーマットにおける互換性への認識を世界規模で高めることができた。今後もユーザーにとって、より信頼性の高い商品が提供できるよう、RWPPIとしても努力を重ねていきたい」とコメントし、今後の抱負を明らかにした。
相澤氏に続き、RWPPI副代表のシャープ(株)千葉氏が登壇した。千葉氏は12月1日から全国放送がスタートした地上デジタル放送への期待を示しながら、「全国放送の開始により、当社の研究施設でもフルにデジタル放送を受信しながら商品開発や研究を行える環境が整った。今後もさらにハイビジョンレコーダー関連、薄型テレビ関連のパフォーマンスを高めながら、業界の発展に尽くしていきたい」と抱負を語った。
また、この度RWPPIに新たな会員として加わった、ノア・テクノロジーズ・インターナショナル(株)高梨氏が紹介された。高梨氏は光ディスク関連の技術コンサルティングをはじめとした同社のビジネス概要を説明するとともに、今後メンバーとしてRWPPIの活動に意欲的に関わっていきたいとし、意気込みを語った。
続いてラウンドロビンテストのヘッドチェアマンである、パイオニア(株)石井氏が登壇し、テストの近況報告を行った。
今年もラウンドロビンテストの参加メンバーが順調に増え、現在53社を数えるに至った。互換性検証活動については、現在進められている「Stage 6」では、8倍速DVD-R DLやビデオカメラ用8cm DVD等の新しいフォーマットの互換性検証に取り組むとともに、新製品とレガシー製品との間の互換性検証も行われている。「Stage 6」については本年内にテストを終了し、次回の全体ミーティングが開催される1月19日に検証結果の最終承認が行われる予定だ。RWPPIでは、2007年の年明けとともに記録型DVD会議(略称:RDVDC)との共同開催によるJRTのセミナーを東京で開催を予定しており、この場でも「Stage 6」の活動報告が行われる見込みだ。さらに海外でのプロモーション活動についても、今年の2月にも開催された「台湾セミナー」を、来年春にも台湾メーカーを集めて開催する計画が石井氏により発表された。
今回のミーティングには台湾記録メディア工業会(略称 TRIA)からのゲストとして、事務局長のJohn Wu氏が招かれ、TRIAの活動紹介を行った。2005年初頭に活動を開始したというTRIAは、これまでにも台湾の記録メディアメーカーどうしの情報交換を目的に、2回のミーティングを開催してきた。現在は国際活動も活発化させており、日本記録メディア工業会(JRIA)や、RWPPIやRDVDCとも関係を深めている。「日本と台湾、それぞれ製造されている製品どうしの互換性を確認することが、これからはとても重要であると考えている」とWu氏は語る。殊にRWPPIとの連携に関しては、本年2月にジョイントセミナーが開催されたほか、台湾で開催されるミーティングにRWPPI関係者を招くなど、積極的な交流が図られているという。今後、日本と台湾との間により活発なコミュニケーションを築き上げていきたいとWu氏は語った。
続いて、本ミーティングの最初の特別講演として、オリンパス イメージング(株)より林寿一氏が登壇し、「デジタル写真保存ソリューションの現状」について講演を行った。
林氏によれば、昨今はブログやSNSの流行など、デジタル写真をより積極的に楽しもうとするユーザーが拡大し、銀塩時代のピークを既にデジタルフォトが追い越したのだという。同社の独自調査からも、カメラの画素数や記録メディアの容量が上がったことにより、写真データのアーカイブの必要性が高まりつつあると林氏は説明する。
林氏は「今、デジカメを使っているユーザーは保存に困っている」と語り、その上で、DVDをはじめとする光ディスクが、デジタル写真の保存に有効な記録媒体として、ユーザーに最適なソリューションを提供していくことができるだろうとする。林氏は「高解像度の写真を撮影し、積極的にアーカイブするプロレベルのユーザーから、ブログやSNS用に写真をインフォメーションとして活用するユーザーまで、それぞれにデジタル写真保存の要求はレベル、内容が異なる。これら様々なユーザーのリクエストに対して、光ディスクが新しい可能性を見いだし、特にデータベース構造を標準化したソリューションや、互換性をさらに高めることによって、市場のさらなる発展を牽引する商材になり得るだろう」とし、期待を寄せた。
続いてRWPPIの参加メーカーより、新製品紹介が行われた。はじめに(株)ジャングルから竹本氏が登壇し、同社の映像編集アプリケーション「VR Bridge」の紹介を行った。同社は本製品をはじめとする映像編集ソフトや、ホームページ作成、携帯電話データ管理、セキュリティの各分野に多彩な商品ラインナップを揃える。今回竹本氏により紹介された「VR Bridge」には、DVD-RWをはじめとした書き換え型ディスクを介して、パソコンでキャプチャーしたテレビ番組の映像を、DVD録画再生機でも楽しめる機能などが搭載されている。異なるアプリケーション間において、DVD再生の高い互換性を実現しているアプリケーションについて、今回はその機能の一部が竹本氏による実演を交えて紹介された。
シャープ(株)を代表し、登壇した岩崎氏からはAQUOSハイビジョンレコーダーの最新機種が紹介された。同社では800GBのHDDを搭載した「DV-ACW38」をはじめとする新製品4機種を今年の秋に発売した。岩崎氏は「地上デジタル放送の拡大に合わせて、高画質放送の魅力をユーザーに満喫してもらえるよう、時代のニーズに合致した録画機をつくることが今回の新製品の課題だった」と振り返る。新製品の大きな魅力の一つは、全機種においてデジタル放送の2番組同時録画機能を実現していることだ。また薄型テレビAQUOSを中心とした、レコーダーやサラウンドシステムとの連動を実現する「AQUOSファミリンク」の展開にも市場からの注目が集まる。AQUOSファミリンクによる簡単操作を、実機によるデモを交えながら紹介した岩崎氏は「これからもシャープはホームシアターの楽しみ方を広げる機能を充実させていきたい」と意気込みを語った。
定期ミーティングの最後には、ふじわらロスチャイルドリミテッドの上甲明広氏が“光ストレージ業界の現状と将来展望”をテーマに特別講演を行った。上甲氏は2000年以降の光ストレージ市場の現状や次世代系ストレージ機器市場の将来予測を示しながら、光ストレージ市場の長期的な課題についての分析を加えた。
今後も光ストレージが長期的に市場価値を維持していくためには「インターネットを軸としたコンテンツ・ディストリビューションの形態が変わってきた時に、ユーザーはコンテンツの保存方法にあらためて目を向けるようになるだろう。例えば、ダウンロードにより、マスタークオリティのオリジナルを手元のレコーダーのHDDや光ディスクにアーカイブするようになった場合、画質はもちろんのこと、記録容量・速度、耐久性や信頼性、互換性といった部分について、ユーザーの要求がより高度なものに変化していく可能性がある」と指摘する。さらに「光ディスクの可能性を貪欲に追求し、クオリティをさらに高めることができれば、ユーザーの未知なるニーズを掘り起こせるメディアとして、今以上に成長ができるだろう」と期待を語った。
(Phile-web編集部)