HOME > ニュース > AV&ホームシアターニュース
公開日 2007/09/04 19:14
< IFA2007レポート:サムスン> IFAの華!サムスンの大ホール展示に圧倒される
欧州に来ると韓国系メーカーの勢いを目の当たりにする。いまやサムスンは来場者の目的ブースの代表であり、大ホールを丸々貸し切っての展示はいわば「サムスンショウ 2007」になっている。
今年のハイライトは、BD プレーヤー商品群である。まずは第3世代ブルーレイディスクプレーヤーBD-P2400 とBD-P1400だ。 24フレーム出力に対応し、映画のネイティブな再生をサポートする。映画以外は現行の薄型テレビの多くとマッチする 60フレーム出力する。当然HDMI1.3 も搭載し、HDオーディオをフルサポート。上位の BD-P2400とP1400 の大きな違いは、HQVの搭載/非搭載である。日本の AVファンにも良く知られたHQV は、米シリコンオプティクス社製のプロセッサー。特にレガシーDVDを再生する際により精度の高いアップコンバージョンを約束する。またオーディオ出力において P2400は 7.1chアナログ出力可。P1400 は5.1chアナログ出力までとなっている。
加えて、日本ではすでに標準的なスペックになりつつある HDMIによるCEC コントロール機能(たとえばビエラリンクや AQUOSファミリンク等) も搭載した。サムスンの呼び名は「Anynet+」 (エニイネット・プラス) という。P1400は今月発売、 P2400は来月10 月発売予定。価格未定だが北米では549〜 649ドルと報道されている(日本円で6〜7万円前後)。
次に紹介するのは、DUO HD プレーヤーのBD-UP5000 。「ついに来たか」という印象の次世代HDディスクユニバーサル機。本機は LGに先を越されたサムスンの巻き返しとなる、展示も2台を並べて、ブルーレイディスクと HD DVDディスクの両ディスクの再生を行った。こちらも第3 世代BDプレーヤーに準じたスペックを有する。年内発売予定で価格は未定。
BD-UP5000は、BDプレーヤーの上級 BD-P2400にHD DVD 再生機能が加わったと考えればよい。当然、HQVも内蔵している。 BD‐JAVA 、HDiの両方に対応していることも考えると、現時点で LGのユニバーサル機「BH100 」を越えたといえる。しかしながら、すでにLGは第2世代のスーパーマルチドライブを発表しており、これを使ったプレーヤーが出てくると仮定すれば、またまた LGが一歩先を行く。この LGドライブは日本のPC メーカー、PC周辺機器メーカーが採用を決定しており、信頼性は高い。韓国勢同士の開発競争は興味深い。
BDの最後を飾るのは、 HT-BD2。トータルホームシアターソリューションとして提供される。サラウンドアンプ内蔵の BDプレーヤーを格に7.1ch サラウンドスピーカーがセットとなるホームシアターシステムだ。トータル出力1,100Wで、 7.1chのHD オーディオすべてがデコードできる。サブウファーはアクティブ型。こちらはBDプレーヤーの D-P1400のスペックに近く、HQVは搭載していない。年内発売予定で、価格は未定である。
プロジェクターも新世代DLP モデルを発表した。フルHD 解像度(1920× 1080p)のDLP プロジェクターSP-A800Bだ。 24フレーム入力可能で、BD の出力に合わせて映画ソースをオリジナルのまま投射できる。米ホームシアターのカリスマであるJoe Kane Production のコンサルティングを受け、商品企画されたという。テレビ放送ソースに関 しては、SMPTE-C、 HDTV、EBU の各国の色フォーマットをサポートし、ユーザーはメニューで選ぶだけで、正確なカラーコンディションを得ることができる。HDMI は2系統装備した。
サムソンのDVD レコーダー/レコーダー群は、8機種をスペック別にラインナップした。写真をご覧いただきたい。左上からDVD-HR757(320GB HDD+DVD) 、DVD-R155(DVDシングル )、DVD-VR355(VHS とのコンボ)、 DVD-HD870(DVDプレーヤー) 。右上からDVD-HR855(250GB HDD+DVD)、 DVD-SR150(DVDシングル) 、DVD-VR350M(VHS とのコンボ)、 DVD-1080P7(DVDプレーヤー) である。最後のDVD‐ 1080P7は、アップコンハイパーDVD プレーヤーと呼ぶ。レガシーDVDを HD解像度にアップコンして出力してしまう。
薄型テレビコーナーは圧倒的な数とラインナップで構成する。昨年同様、技術展示に大きく割いており、「通常の薄型テレビ」と「新技術搭載テレビ」を並べて解説している。比較項目を挙げると、「 Natural True Color」「 Real Motion Studio」「Deepest Black & High Contrast Even Intense Light (Ultra Filter Bright) 」「Wide Color Enhancer 」「Super Clear Panel」「 100Hz Motion Plus」・・・どこかで聞いた名前の技術が並ぶ。そう、日本のテレビメーカーが得意としている技術をすべてカバーリングしているのだ。これは LGの展示でも共通のものがあるが、何も知らない来場者はすべて同社の開発技術だと勘違いしてしまうかも (日本メーカーはオリジナリティを主張すべき) 。
フルHD のプラズマテレビも用意。サムスンはソニーとの合弁から、液晶テレビばかりが目立つが、プラズマのラインナップも50 型、58 型、63型、 102型を用意。加えてLED バックライト液晶テレビの新技術も発表した。F9シリーズに搭載した「 LED SmartLighting技術」がそれで、52 インチと70 インチのフルHDタイプをラインナップする。 LED特有の激しく鮮やかな色は新鮮で、バックライトのオンオフを最適駆動させることにより、50 万対1のコントラスト比を実現するという。
ホームシアターブースも充実。多くの来場者を楽しませていた。 7.1chホームシアターシステム体感スペースは、HT-TX500 というシステム。新ブルーレイプレーヤー「BDP-S1400」を中心に、オーソドックスな 7.1chで構成される。スタンドコントローラーが印象的だ。スタイリッシュ・デュアルレイアウトホームシネマシステム「 HT-X250」はPS3 のように縦置き/横置きができるセンター部を持つ。こちらもBDP-S1400で構成されるシアター展開をしていた。
世界最小のハイビジョン(HD) ムービー「VP-HMX10C 」も初登場。1.6メガの CMOS採用、10 倍ズーム(デジタル 20倍) で、内蔵の8GBフラッシュメモリーに H.264で2時間記録する。SDカードスロットも装備しているので記録時間を気にしなくても大丈夫だ。液晶モニターは 2.7インチである。
ほかにも一眼レフデジタルカメラや携帯電話、 MP3プレーヤーなど、すべてのエンターテインメントがサムスンで一揃いできる。IFA に来るかぎり、サムスンは昔のソニー、パナソニックのように輝いて見える。日本メーカーはドイツを捨てたのだろうか。日本国内にいる人にはまったく伝わらないかもしれないが、「アレはアレですから」では済まされない。
(月刊 AVレビュー編集部 永井)
[IFA2007REPORT]
今年のハイライトは、BD プレーヤー商品群である。まずは第3世代ブルーレイディスクプレーヤーBD-P2400 とBD-P1400だ。 24フレーム出力に対応し、映画のネイティブな再生をサポートする。映画以外は現行の薄型テレビの多くとマッチする 60フレーム出力する。当然HDMI1.3 も搭載し、HDオーディオをフルサポート。上位の BD-P2400とP1400 の大きな違いは、HQVの搭載/非搭載である。日本の AVファンにも良く知られたHQV は、米シリコンオプティクス社製のプロセッサー。特にレガシーDVDを再生する際により精度の高いアップコンバージョンを約束する。またオーディオ出力において P2400は 7.1chアナログ出力可。P1400 は5.1chアナログ出力までとなっている。
加えて、日本ではすでに標準的なスペックになりつつある HDMIによるCEC コントロール機能(たとえばビエラリンクや AQUOSファミリンク等) も搭載した。サムスンの呼び名は「Anynet+」 (エニイネット・プラス) という。P1400は今月発売、 P2400は来月10 月発売予定。価格未定だが北米では549〜 649ドルと報道されている(日本円で6〜7万円前後)。
次に紹介するのは、DUO HD プレーヤーのBD-UP5000 。「ついに来たか」という印象の次世代HDディスクユニバーサル機。本機は LGに先を越されたサムスンの巻き返しとなる、展示も2台を並べて、ブルーレイディスクと HD DVDディスクの両ディスクの再生を行った。こちらも第3 世代BDプレーヤーに準じたスペックを有する。年内発売予定で価格は未定。
BD-UP5000は、BDプレーヤーの上級 BD-P2400にHD DVD 再生機能が加わったと考えればよい。当然、HQVも内蔵している。 BD‐JAVA 、HDiの両方に対応していることも考えると、現時点で LGのユニバーサル機「BH100 」を越えたといえる。しかしながら、すでにLGは第2世代のスーパーマルチドライブを発表しており、これを使ったプレーヤーが出てくると仮定すれば、またまた LGが一歩先を行く。この LGドライブは日本のPC メーカー、PC周辺機器メーカーが採用を決定しており、信頼性は高い。韓国勢同士の開発競争は興味深い。
BDの最後を飾るのは、 HT-BD2。トータルホームシアターソリューションとして提供される。サラウンドアンプ内蔵の BDプレーヤーを格に7.1ch サラウンドスピーカーがセットとなるホームシアターシステムだ。トータル出力1,100Wで、 7.1chのHD オーディオすべてがデコードできる。サブウファーはアクティブ型。こちらはBDプレーヤーの D-P1400のスペックに近く、HQVは搭載していない。年内発売予定で、価格は未定である。
プロジェクターも新世代DLP モデルを発表した。フルHD 解像度(1920× 1080p)のDLP プロジェクターSP-A800Bだ。 24フレーム入力可能で、BD の出力に合わせて映画ソースをオリジナルのまま投射できる。米ホームシアターのカリスマであるJoe Kane Production のコンサルティングを受け、商品企画されたという。テレビ放送ソースに関 しては、SMPTE-C、 HDTV、EBU の各国の色フォーマットをサポートし、ユーザーはメニューで選ぶだけで、正確なカラーコンディションを得ることができる。HDMI は2系統装備した。
サムソンのDVD レコーダー/レコーダー群は、8機種をスペック別にラインナップした。写真をご覧いただきたい。左上からDVD-HR757(320GB HDD+DVD) 、DVD-R155(DVDシングル )、DVD-VR355(VHS とのコンボ)、 DVD-HD870(DVDプレーヤー) 。右上からDVD-HR855(250GB HDD+DVD)、 DVD-SR150(DVDシングル) 、DVD-VR350M(VHS とのコンボ)、 DVD-1080P7(DVDプレーヤー) である。最後のDVD‐ 1080P7は、アップコンハイパーDVD プレーヤーと呼ぶ。レガシーDVDを HD解像度にアップコンして出力してしまう。
薄型テレビコーナーは圧倒的な数とラインナップで構成する。昨年同様、技術展示に大きく割いており、「通常の薄型テレビ」と「新技術搭載テレビ」を並べて解説している。比較項目を挙げると、「 Natural True Color」「 Real Motion Studio」「Deepest Black & High Contrast Even Intense Light (Ultra Filter Bright) 」「Wide Color Enhancer 」「Super Clear Panel」「 100Hz Motion Plus」・・・どこかで聞いた名前の技術が並ぶ。そう、日本のテレビメーカーが得意としている技術をすべてカバーリングしているのだ。これは LGの展示でも共通のものがあるが、何も知らない来場者はすべて同社の開発技術だと勘違いしてしまうかも (日本メーカーはオリジナリティを主張すべき) 。
フルHD のプラズマテレビも用意。サムスンはソニーとの合弁から、液晶テレビばかりが目立つが、プラズマのラインナップも50 型、58 型、63型、 102型を用意。加えてLED バックライト液晶テレビの新技術も発表した。F9シリーズに搭載した「 LED SmartLighting技術」がそれで、52 インチと70 インチのフルHDタイプをラインナップする。 LED特有の激しく鮮やかな色は新鮮で、バックライトのオンオフを最適駆動させることにより、50 万対1のコントラスト比を実現するという。
ホームシアターブースも充実。多くの来場者を楽しませていた。 7.1chホームシアターシステム体感スペースは、HT-TX500 というシステム。新ブルーレイプレーヤー「BDP-S1400」を中心に、オーソドックスな 7.1chで構成される。スタンドコントローラーが印象的だ。スタイリッシュ・デュアルレイアウトホームシネマシステム「 HT-X250」はPS3 のように縦置き/横置きができるセンター部を持つ。こちらもBDP-S1400で構成されるシアター展開をしていた。
世界最小のハイビジョン(HD) ムービー「VP-HMX10C 」も初登場。1.6メガの CMOS採用、10 倍ズーム(デジタル 20倍) で、内蔵の8GBフラッシュメモリーに H.264で2時間記録する。SDカードスロットも装備しているので記録時間を気にしなくても大丈夫だ。液晶モニターは 2.7インチである。
ほかにも一眼レフデジタルカメラや携帯電話、 MP3プレーヤーなど、すべてのエンターテインメントがサムスンで一揃いできる。IFA に来るかぎり、サムスンは昔のソニー、パナソニックのように輝いて見える。日本メーカーはドイツを捨てたのだろうか。日本国内にいる人にはまったく伝わらないかもしれないが、「アレはアレですから」では済まされない。
(月刊 AVレビュー編集部 永井)
[IFA2007REPORT]