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公開日 2007/09/05 15:36
<IFA2007レポート:LG電子> LGパワーもアナドレナイ。BDコンパチ機のオリジナル
韓国パワーはサムスンに止まらない。LG電子ブースも凄い。面白いのは、あたかもサムスンのコピーのような展示となっていること。102型プラズマテレビに始まり、超大型テレビをたくさん並べ、薄型テレビ技術の比較展示、次世代光ディスクの再生機とドライブの新製品、携帯電話や MP3プレーヤーなどのモバイル機器を並べ、小間分けされたホームシアタースペースで来場者を楽しませる。ブランド名が違うだけで、サムスンとひじょうに似ている(まるでイベント代理店が同じかのよう!) 。
しかし、じっくり見ていくと当然違いはある。ある部分ではサムスンを越えるものも持っているかもしれない。LGのプラズマは102型、60型、50型、42型で微妙にサムスンと棲み分けされている。欧州向けということで、各国のデジタル放送の行方を分かりやすく説明しつつ、次世代デジタル放送テレビを展示している。
中でもデジタル放送の未来を担うかもしれない「MPEG4放送用フルHDテレビ」に最新技術をフル装備させていた。日本でのデジタル放送はMPEG2で行われているが、ケーブルテレビを含む、これからの放送事情からすると、MPEG4やH.264放送のメリットはある。その流れを先取りしたテレビということになる。装備された技術は「明るさ500cd/コントラスト比10,000 対1」「XDエンジン(映像処理回路のこと」「100Hz 倍速駆動」「視野角178×178度」「スイーベル機構スタンド」などである。
また、HDMIによるCEC機能はサムスンの「Anynet+」 (エニイネット・プラス)に対し、LGのそれは「SIMPLINK」(シンプリンク)と呼ぶ。日本メーカーのリンク機能がテレビの名前を付けているのに対して、操作性そのものを指している。考えてみれば、韓国メーカーの薄型テレビには愛称自体がない。
さて、MPEG4テレビの近くにあったのが100Hz倍速駆動(日本でいう120Hz)のプラズマテレビ。倍速駆動は液晶テレビの弱点を補うもので、もともと動画応答のよいプラズマテレビに搭載する意味自体が「?」なのだが、それ以上にデモ画像がそれほどよくなかったほうが気になる。(プラズマ明滅が追いついていない?)
一方で、「次世代フルHDテレビ」と紹介されていた1080/60p液晶テレビの画質は相当のものがある。ハイビジョン放送は1080/0 i、次世代ディスクの出力も1080/30pであるから、このテレビのプログレッシブは2倍の画像を処理する。デモ映像のモアレレスを、これまでのフルHD液晶テレビと比較していた。
ホームシアターシステムプランは4例をデモ。BDプレーヤーを中心としたデモを行っていた。BDといえば世界で初めて次世代ディスクのユニバーサル機を発売した同社のBH100は当然、大々的に展示されている。BH100を2台用意して、BDビデオとHD DVDビデオの同時再生をデモするのはサムソンと同様だが、このデモ方法は世界初のLGオリジナル。しかもすでに市場投入されている先行商品であるところが説得力を持つ。
さらに8月に発表されたばかりの第2世代コンパチドライブも展示。これは世界唯一のものであり、世界中からOEMないしはPC内蔵ドライブとしてひっぱりダコである。この第2世代ドライブを搭載したユニバーサルプレーヤーの登場を期待したが、残念ながらIFAでは見ることができなかった。
またDVDスーパーマルチも含めて展示され、「9年連続世界トップシェア(光ディスクドライブ)」という看板に改めて認識を新たにする。そういえばPCドライブは日本国内でもLG製が信頼性トップである。この技術力があってこそ、コンパチドライブも作れるというもの。やはり、どこかのハイエンドAV メーカーもこのドライブで、本気のユニバーサルプレーヤーを手がけてほしいものである。
さて、変り種としては「プラダの携帯電話」がショウケースに飾られていた。つまりムーブメント部分をLGが担当し、プラダが商品デザインを手がけたものである。価格は不明だったが、LG自身が手がけるケータイのシリーズもデザイン性を意識したものが多くなっており、ヨーロッパ人の憧れのケータイブランドになりつつある。AQUOSケータイとかBRAVIAケータイという技術PRとは一線を画するものだ。
最後にHDD内蔵の薄型テレビを紹介しよう。液晶が3モデル(32、37、42型)、プラズマ2モデル(42、50型) の計5モデルをラインナップする。160GBのハードディスクを内蔵し、「Pause &Play」という名前が付いている。
サムスンも含め、これだけの実力機を受け入れられない日本市場は幸福なのか不幸なのか、分からなくなると同時に、日本メーカーの奮起を期待したい。「IFA出展は現地(ドイツ)法人が判断するものですから」なんて言っているようじゃ、お粗末なようです。
(月刊 AVレビュー編集部 永井)
[IFA2007REPORT]
しかし、じっくり見ていくと当然違いはある。ある部分ではサムスンを越えるものも持っているかもしれない。LGのプラズマは102型、60型、50型、42型で微妙にサムスンと棲み分けされている。欧州向けということで、各国のデジタル放送の行方を分かりやすく説明しつつ、次世代デジタル放送テレビを展示している。
中でもデジタル放送の未来を担うかもしれない「MPEG4放送用フルHDテレビ」に最新技術をフル装備させていた。日本でのデジタル放送はMPEG2で行われているが、ケーブルテレビを含む、これからの放送事情からすると、MPEG4やH.264放送のメリットはある。その流れを先取りしたテレビということになる。装備された技術は「明るさ500cd/コントラスト比10,000 対1」「XDエンジン(映像処理回路のこと」「100Hz 倍速駆動」「視野角178×178度」「スイーベル機構スタンド」などである。
また、HDMIによるCEC機能はサムスンの「Anynet+」 (エニイネット・プラス)に対し、LGのそれは「SIMPLINK」(シンプリンク)と呼ぶ。日本メーカーのリンク機能がテレビの名前を付けているのに対して、操作性そのものを指している。考えてみれば、韓国メーカーの薄型テレビには愛称自体がない。
さて、MPEG4テレビの近くにあったのが100Hz倍速駆動(日本でいう120Hz)のプラズマテレビ。倍速駆動は液晶テレビの弱点を補うもので、もともと動画応答のよいプラズマテレビに搭載する意味自体が「?」なのだが、それ以上にデモ画像がそれほどよくなかったほうが気になる。(プラズマ明滅が追いついていない?)
一方で、「次世代フルHDテレビ」と紹介されていた1080/60p液晶テレビの画質は相当のものがある。ハイビジョン放送は1080/0 i、次世代ディスクの出力も1080/30pであるから、このテレビのプログレッシブは2倍の画像を処理する。デモ映像のモアレレスを、これまでのフルHD液晶テレビと比較していた。
ホームシアターシステムプランは4例をデモ。BDプレーヤーを中心としたデモを行っていた。BDといえば世界で初めて次世代ディスクのユニバーサル機を発売した同社のBH100は当然、大々的に展示されている。BH100を2台用意して、BDビデオとHD DVDビデオの同時再生をデモするのはサムソンと同様だが、このデモ方法は世界初のLGオリジナル。しかもすでに市場投入されている先行商品であるところが説得力を持つ。
さらに8月に発表されたばかりの第2世代コンパチドライブも展示。これは世界唯一のものであり、世界中からOEMないしはPC内蔵ドライブとしてひっぱりダコである。この第2世代ドライブを搭載したユニバーサルプレーヤーの登場を期待したが、残念ながらIFAでは見ることができなかった。
またDVDスーパーマルチも含めて展示され、「9年連続世界トップシェア(光ディスクドライブ)」という看板に改めて認識を新たにする。そういえばPCドライブは日本国内でもLG製が信頼性トップである。この技術力があってこそ、コンパチドライブも作れるというもの。やはり、どこかのハイエンドAV メーカーもこのドライブで、本気のユニバーサルプレーヤーを手がけてほしいものである。
さて、変り種としては「プラダの携帯電話」がショウケースに飾られていた。つまりムーブメント部分をLGが担当し、プラダが商品デザインを手がけたものである。価格は不明だったが、LG自身が手がけるケータイのシリーズもデザイン性を意識したものが多くなっており、ヨーロッパ人の憧れのケータイブランドになりつつある。AQUOSケータイとかBRAVIAケータイという技術PRとは一線を画するものだ。
最後にHDD内蔵の薄型テレビを紹介しよう。液晶が3モデル(32、37、42型)、プラズマ2モデル(42、50型) の計5モデルをラインナップする。160GBのハードディスクを内蔵し、「Pause &Play」という名前が付いている。
サムスンも含め、これだけの実力機を受け入れられない日本市場は幸福なのか不幸なのか、分からなくなると同時に、日本メーカーの奮起を期待したい。「IFA出展は現地(ドイツ)法人が判断するものですから」なんて言っているようじゃ、お粗末なようです。
(月刊 AVレビュー編集部 永井)
[IFA2007REPORT]