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公開日 2008/05/27 20:43
iVDRプレーヤーやシリコンiVDRなどプロトタイプモデルが登場 − iVDRセミナー2008
リムーバブル型のHDDメディア「iVDR」の標準化を目指して活動を行うiVDRコンソーシアムが、メディアの最新動向やビジネス展開など、諸活動を紹介するための「iVDRセミナー2008」を都内で開催した。
始めにiVDRの最新動向について語った三洋電機(株)泰間健司氏のセミナーは別項でご紹介している。本項では各企業の代表者が説明を行ったiVDRの現状と可能性の内容や、会場に展示されていた試作機を紹介しよう。
(株)日立製作所の助田裕史氏からは、iVDR用の著作権保護技術であるSAFIAの最新状況が報告された。
SAFIAライセンスグループは、新たに「PDS-1(Protocol and Data Structure)」、インターフェース、ストレージデバイス、およびテレビとオーディオ機器など録画再生対応機器(RPD:Recording and Playback Device)の規格アップデートを今年の2月に実施している。
改定の主なポイントは、これまでiVDRに録画したデジタルコンテンツの「孫コピー」を禁止するために設けていた「ジェネレーションカウント」という機能に加えて、「コピーカウント」という新たなカウンター機能を定義し、ダビング10への対応が行われた。また「コネクションログ」機能を新たに設定し、機器間認証の高速化も図られている。
新たにiVDR市場へ参入を図る日本シーゲート(株)の渡辺 亮氏は今秋される「iVDR Xtreme」について詳しい説明を行った。
「iVDR Xtreme」は、放送機器会社のワークフロー用途として発売されるiVDRの新規格で、本体が30,000円前後、UDB&Firewire対応のアダプターが15,000円前後で販売される見込み。容量は250GBモデルの発売が決定しているほか、将来的には320GBモデルの発売も検討されているという。
iVDR Xtremeの特長は、耐衝撃性を強化したことと、HDDスプラッタが3枚入る大容量化を実現したこと。これまでのiVDRで使われていなかったUSBのインターフェースを活用して、地デジチューナーやワイヤレスユニットなど機器本体の機能拡張が可能な点もポイントとして挙げられる。
渡辺氏はさらにiVDR Xtremeの実用性を強調した。「ビデオカメラで撮影した映像をメモリーカードに記録している映像制作の現場において、iVDR Xtremeを使用すればメモリーカード内のデータをファイルごとUSBを通してiVDR Xtremeに移し替えることができる。またデータの移動を簡単に行えるため、編集やアーカイブなど様々な作業で活躍できる。この利便性がプロの現場で評価を獲得できる」と述べた。
(株)シネマプラスの松尾秀城氏は、長年コンテンツビジネスに携わってきた経験から、iVDRを使用したコンテンツビジネスの可能性を紹介。iVDR規格がビデオセル、レンタル、ESTに参入した場合に想定される問題を説明した。
松尾氏は「iVDRの特徴を活かし、“貯めて揃える”ことで価値が出るような趣味・娯楽型のコンテンツを収録するビジネスならば成功の可能性がある」としたうえで「しかし映像ビジネスを成功させるためにはまずiVDRの認知度を高めることが先決。さらにパーソナルなメディアに脱皮する必要がある」と今後の課題を示唆していた。
iVDR Xtreme同様、新規格として今回提案された「シリコンiVDR」を開発した(株)TDKからは、寺崎幸夫氏が登壇して試作機の説明を行った。
シリコンiVDRは、フラッシュメモリーを搭載したことで耐衝撃性や高温などの環境に強いのが特徴。現在のところ64GBまでの容量で開発を実現しているという。課題は高額な点で、現時点で64GBを製品化した場合、価格は数百ドルになる見込み。「今後はメインであるHDDタイプのiVDRと最適な棲み分けが実現できるよう、マーケティングを入念に行った上で見合った分野を探していきたい」という。
iVDRの国際標準化への取り組みについては、経済産業省の和泉 章氏が説明を行った。
民間の国際標準化制定機関であるISO/IECは、IECが電気・電子分野、ISOがそれ以外の分野を担当している。iVDRの領域は両機関にまたがっているため、ISOとIECから許可をもらう必要がある。iVDRの国際標準化については、現在国内の委員会で議論中だ。和泉氏はiVDRが国際標準化することの利点として「技術、仕様がオープンになることで世界中の企業がiVDR関連製品をつくるきっかけになる」と期待を述べた。
セミナーの最後にはiVDRハードディスクドライブ・コンソーシアム会長の釘屋文雄氏が登壇し挨拶を行った。釘屋氏は「国際標準化の意図はワールドワイドに活動しく必要があると考えたため。国際標準をクリアしiVDRを爆発的に広めていきたい」と強い意気込みを語った。
以下に本日のセミナー会場に展示された試作機を含む、iVDR対応機器を紹介する。
【問い合わせ先】
iVDRコンソーシアム 事務局
TEL/0584-64-4580
(Phile-web編集部)
始めにiVDRの最新動向について語った三洋電機(株)泰間健司氏のセミナーは別項でご紹介している。本項では各企業の代表者が説明を行ったiVDRの現状と可能性の内容や、会場に展示されていた試作機を紹介しよう。
(株)日立製作所の助田裕史氏からは、iVDR用の著作権保護技術であるSAFIAの最新状況が報告された。
改定の主なポイントは、これまでiVDRに録画したデジタルコンテンツの「孫コピー」を禁止するために設けていた「ジェネレーションカウント」という機能に加えて、「コピーカウント」という新たなカウンター機能を定義し、ダビング10への対応が行われた。また「コネクションログ」機能を新たに設定し、機器間認証の高速化も図られている。
新たにiVDR市場へ参入を図る日本シーゲート(株)の渡辺 亮氏は今秋される「iVDR Xtreme」について詳しい説明を行った。
iVDR Xtremeの特長は、耐衝撃性を強化したことと、HDDスプラッタが3枚入る大容量化を実現したこと。これまでのiVDRで使われていなかったUSBのインターフェースを活用して、地デジチューナーやワイヤレスユニットなど機器本体の機能拡張が可能な点もポイントとして挙げられる。
渡辺氏はさらにiVDR Xtremeの実用性を強調した。「ビデオカメラで撮影した映像をメモリーカードに記録している映像制作の現場において、iVDR Xtremeを使用すればメモリーカード内のデータをファイルごとUSBを通してiVDR Xtremeに移し替えることができる。またデータの移動を簡単に行えるため、編集やアーカイブなど様々な作業で活躍できる。この利便性がプロの現場で評価を獲得できる」と述べた。
松尾氏は「iVDRの特徴を活かし、“貯めて揃える”ことで価値が出るような趣味・娯楽型のコンテンツを収録するビジネスならば成功の可能性がある」としたうえで「しかし映像ビジネスを成功させるためにはまずiVDRの認知度を高めることが先決。さらにパーソナルなメディアに脱皮する必要がある」と今後の課題を示唆していた。
iVDR Xtreme同様、新規格として今回提案された「シリコンiVDR」を開発した(株)TDKからは、寺崎幸夫氏が登壇して試作機の説明を行った。
シリコンiVDRは、フラッシュメモリーを搭載したことで耐衝撃性や高温などの環境に強いのが特徴。現在のところ64GBまでの容量で開発を実現しているという。課題は高額な点で、現時点で64GBを製品化した場合、価格は数百ドルになる見込み。「今後はメインであるHDDタイプのiVDRと最適な棲み分けが実現できるよう、マーケティングを入念に行った上で見合った分野を探していきたい」という。
iVDRの国際標準化への取り組みについては、経済産業省の和泉 章氏が説明を行った。
以下に本日のセミナー会場に展示された試作機を含む、iVDR対応機器を紹介する。
【問い合わせ先】
iVDRコンソーシアム 事務局
TEL/0584-64-4580
(Phile-web編集部)