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公開日 2008/09/30 20:21

<CEATEC2008:日立>Wooo UT“レイアウト自由型” − 2010年以降実用化の超解像デモも

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日立製作所のブースの中心は、最薄部3.5cmを実現した超薄型液晶テレビWooo UTシリーズだ。

■様々なデザイン提案でレイアウトフリーをさらに推進

ブースの外壁にはおびただしい数のWooo UTシリーズが並べられ、さらにメインステージでも技術者が開発の裏側を語る「Wooo UTシリーズの秘密」というビデオが繰り返し上映されている。ブース内部に入ると、Wooo UTの分解モデルが展示されており、内部構造を見ることができるほか、超薄型を成し遂げた技術についても詳細なパネル展示が行われている。

日立ブースに大量に展示されたWooo UTシリーズ

UTシリーズの分解モデル

ただし、単に超薄型テレビということならば、各社も取り組みを強化しており、Wooo UTシリーズより薄いモデルも登場してきた。このため同社では、いち早く超薄型モデルを発売したメリットを活かし、超薄型ならではの特性を活かした設置オプションやデザイン面の新たな提案を大量に展示し、テレビの新たな楽しみ方を提案している。Wooo UTシリーズのコンセプトは「レイアウトフリー」。これを徹底して行うことで、Wooo UTの魅力をさらに強めるという戦略だろう。

参考出品として展示されたスタンドでは、ポール型のスタンドの中央にラックが用意された「ミニラックスタンド」や、「回転式ポールスタンド」、キャスター付きの真っ赤なスタンド、円弧型のスタンド、さらにコーナースタンドタイプのラック、和風の壁寄せスタンドなど、多彩なラインナップを紹介。

真っ赤なキャスター付きスタンド

円弧型のスタンド。ユニークなフォルムだ


ディスプレイ部が浮いているような演出ができるコーナースタンド

雑誌やリモコンなどを手軽に置けそうなミニラックスタンド

またWooo UTのディスプレイ部についても、ベゼル部に金箔を貼ったものや木目調の「ウッディー」タイプ、ホログラム調のタイプ、またインド風の「マハラジャII」などバラエティー豊か。同社調査では、ブラックモデルだけでなく、ホワイトなど他のカラーバリエーションも人気とのことなので、ぜひこれらの個性的なモデルの市販にも期待したいところだ。

ベゼル部が金箔(!)のWooo UTシリーズも展示された

■2010年以降の商品化を目指す超解像技術

同社は数年前からCEATECで超解像技術の技術展示を行っていた。製品化では東芝が先行したが、同社では独自アルゴリズムによる超解像技術のデモを今回のCEATECでも実施している。

今回展示していたのは、独自の信号処理技術によって入力映像の解像度を推定し、さまざまな解像度の映像を適切に高精細化できるというもの。例えば同一画面上で複数の解像度の映像が混在するような番組でも、解像度の異なる領域ごとに最適な倍率でアップスケーリングを行うことが可能。

また、エリアごとに適応型の処理が行えるため、映像のボヤケ度合いを判定し、そこだけに超解像処理を行うことなどもできる。デモの効果を見ると、その効果は一目瞭然。もとのSD映像ではまったく判別できないテクスチャーを、超解像処理した映像ではクッキリと描き出している。

超解像のデモ。左がもとのSD映像、右が処理後の映像。驚くほど精細感が上がっている

同じく超解像のデモ。ディテールを克明に引き出している

同社説明員によると、今後専用LSIを開発し、リアルタイムを可能にするという。実用化は2010年以降に予定しているとのことだ。

■日立のハンドジェスチャーUIは画像認識タイプ

今回のCEATECでは、身振り手振りで操作できる「ハンドジェスチャーUI」のデモをあちこちで見ることができるが、日立製作所も同技術のデモを行っている。

同社が開発した技術はカメラで撮影した映像を分析する画像認識タイプ。テレビに向かって手を振ると電源が入り、チャンネルを切り替える際は、横に手を振ってメニューを表示した後、手を回してチャンネルを選択する。音量を変える場合は縦に手を振って音量メニューを出した後、チャンネルと同じように手を回して調節する。記者も試してみたが、多少慣れが必要と感じたものの、数分でかんたんな操作なら行えるようになった。今後、手を認識するアルゴリズムの強化などを行えば、十分実用化が期待できる技術だろう。

ジェスチャーUIのデモ。ディスプレイ下のカメラで人物を撮影し、画像認識する

手を回すとボリュームを調整できる

照明やエアコンの操作も行えるようにしたい、という

■Yahoo!動画対応テレビが近々登場か

同社はテレビのネットワーク化を積極的に進めており、これに関連した参考技術展示も数多く見ることができた。

まずは、今年12月から開始予定のアクトビラ ビデオのダウンロードサービスに対応した試作機を展示。まだGUIは英語だが、ポータル画面の表示も行っていた。ダウンロードが可能になれば、あまりスルーレートが出ていない家庭でも、高画質のビデオを視聴可能になる。また、高速インターネット環境が整っている家庭なら、ダウンロードしながら同時再生を行うこともできる。利便性の高いサービスだけに期待が高まる。

アクトビラ ビデオのダウンロードサービスのポータル画面

また、Yahoo!動画サービスをテレビ画面で視聴できる機能もデモ。数字キーを押すとチャンネルを選択できるほか、スキップボタンを押せば次のコンテンツに切り替わるなど、テレビと同様の直感的なUIを採用し、操作性を高めている。同社説明員によれば、「サービスをYahoo!さんが始めたらテレビの方でも対応したい」とのことなので、近い将来、WoooでYahoo!動画を視聴できる可能性は高い。

Yahoo!動画の表示デモ

■DLNA対応無線ビデオカメラも登場


DLNAに対応した無線ビデオカメラ試作機
また、これも試作機ながら目を引いたのが、DLNAに対応した無線LAN内蔵ビデオカメラ。無線LANにはIEEE802.11gを使用し、無線LANカードはSDカードタイプのものが用いられていた。ネットワーク対応のハイビジョンテレビ Wooo UT770シリーズなどから、本機で撮影した映像を、LAN経由で視聴することができる。無線送信時のバッファリングなどを最適化することなどで実現したという。実現したら非常に便利だと思われるが、商品化は未定という。

このほか、iVDRについての展示も充実したが、こちらについては別項でまとめてお伝えする予定だ。

(Phile-web編集部)

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