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公開日 2009/01/15 11:58
2009年は本質回帰の年に − 日本オーディオ協会が新春の集いを開催
A&Vフェスタ2009の詳細も発表
社団法人 日本オーディオ協会は14日、都内で新春の集いを開催した。校條亮治会長をはじめとする協会幹部が今年のテーマを述べるとともに、2月21日(土)から23日(月)までパシフィコ横浜で開催される「A&Vフェスタ2009」の詳細も発表された。
■横浜でのA&Vフェスタ開催は2009年が最後に
はじめに挨拶した校條会長は、「いくつかの年賀会の出席したが、どこも世界不況の話で持ちきりだ。金融に端を発した不況が、いよいよ実用界にも押し寄せてきており、相当深刻な状況であることは確かだ」と、現在の経済環境について言及。続けて校條会長は「ただし、この環境は『なるべくしてなった』と考えざるを得ず、これに埋没するわけにはいかない。2009年は常に前向きな発想を持って、視点を変えて物事を考えてみたい」とし、同氏が最近感銘を受けたという新聞の特集記事について紹介した。
特集記事では、「信頼が出発点であるという、自由主義経済の本質を忘れてはならない」ということと、「人間の生活にものごとの基盤がある」ということが述べられていたと説明し、この2つの基本的な枠組みが、同氏がこれまで行ってきた「経営品質」という視点とも合致するだけでなく、映像や音楽を楽しむためのオーディオビジュアル機器、またそれを製造するAV業界は、まさにこの中心にあると強調した。
2月21日から開催するA&Vフェスタ2009については、「新しいトライアルをいくつか用意している」とし、成功に自信を見せた。同時に、「横浜で開催するのは今回が最後になる。次の仕掛けも着々と構想を練っているところだが、詳細は来るべき次期に報告したい」とも述べ、イベントの開催場所や内容を刷新する考えを示した。
■生録会や流通各社とのタイアップなど新たな施策を実施
A&Vフェスタ2009の詳細については、日本オーディオ協会 副会長でA&Vフェスタ実行委員長も務める西國晴氏が説明を行った。
まず西氏は現在の参加予定社について「50社程度が決定しており、今後もう少し増える見込みだ」と説明。来場人数については、前年を上回る4万名を目標にしたい、とした。
会場は今年もパシフィコ横浜のカンファレンスセンターとなり、会場構成は大きく3つの要素に分けられるという。「3階の総合展示場では、メーカー各社の最新機器を展示し、実際に触れて、見て、聞いて体験することができる。さらに、より良い環境でじっくり視聴が行えるよう、3階と4階に個室を25室用意した」。
西氏は、もう一つの大きな要素であるイベントコーナーについても触れ、「毎年恒例の工作教室、各専門誌の協賛セミナー、サラウンド・サウンド体験コーナー、毎年多くのユニークなスピーカーが出展される自作オーディオ自慢大会、ファミリーシアターの5つのテーマを用意している」と説明した。
また、新たな試みとして、「生録」に焦点を当て、ライブレコーディングをポータブルレコーダーで録音できるイベントを開催することも説明。録音に参加する場合は、あらかじめチケットぴあで録音席(1,000円)を購入する必要がある。さらに、流通各社とのタイアップも実施。協賛販売店で配布するチャンスカードを会場へ持参すると、抽選でプレゼントが当たるキャンペーンを実施するという。
■経済産業省もオーディオビジュアル業界をバックアップ
来賓として招かれた経済産業省 商務情報政策局 情報通信機器課長の住田孝之氏も、壇上で挨拶を行った。住田氏もまず世界同時不況に触れ、「メーカーが危機的な環境にあることは理解している。我々としても、万が一ということが無いように様々な手段を取っている」と述べた。
続けて住田氏は、「マスコミは悪い話ばかり伝えるが、指標を見ていると、悲観的な話ばかりではない。いくつか元気が出る話をしたい」とし、1月1日以降、家電製品の売上高が昨年比で伸びていることを紹介。「昨年末は悪いニュースばかりで消費者心理も冷え込んだが、新年を迎えて正月の明るい雰囲気の中、一般消費者も我を取り戻したのではないか」と分析した。
さらに「昨年10月の携帯電話の出荷台数は100万台程度と、過去最低だった200万台を大幅に下回った。これは本当に危機的な数値だが、先頃まとまった11月の数値では、350万台前後に戻った。対前年比では依然として10〜20%下回っているが、10月ほどの状況ではない。これらのことからパニック的な下り坂は脱したと言えるのではないか」と、現状に対する認識を示した。
また住田氏は、1月20日に予定されている米オバマ新大統領の就任式についても、「ワシントンには過去最大の人数が集まることが予想される。オバマ氏の演説も多くの人に元気を与えるだろう」と、新大統領の指導力にも期待を寄せた。
さらに住田氏は、「現在、経済の原理原則が見直されている。分からないものを、分かった顔をして取引してきた『情報としてのお金』に対する疑問が生まれ、今後は『実物』や『実感』の意義が見直されるようになるだろう。人間の心に理解できるものが復権するという流れの中で、追い風がオーディオビジュアル業界に吹いているのではないか」と述べ、これまでの経済活動の常識がリセットされる段階にあるとの考えを示した。
また「経済産業省では、日本の感性価値を世界に認めてもらうという活動も行っている。ミシュランのガイドでも、東京の星の数は世界一で、感性レベルが高いことが世界に認知されてきている。また、オタクにも認められる品質を実現しようと、日本の商品は日々その感性価値を高めている」と、日本のものづくりのクオリティの高さを強調した。
住田氏はさらに、「世界不況に対する日本とアメリカとの反応の違いということも実感する。これは、基本的に日本人が農耕民族で、アメリカ人が狩猟民族であることとも関係があるのではないか。農耕民族は季節や天候などちょっとした変化に敏感だが、狩猟民族は獲物がなければ次の場所に移動する。このような時には、普段以上に政策当局の役割が求められるが、実際に多くの企業から様々なリクエストが寄せられている。我々は『何でもあり』の準備を整えているので、ぜひ門戸を叩いて欲しい。いずれにせよ今年は大きな転換点となるだろうが、それが良い転換となるよう、民間の方々と団結して政策にあたっていきたい」と述べた。
■横浜でのA&Vフェスタ開催は2009年が最後に
はじめに挨拶した校條会長は、「いくつかの年賀会の出席したが、どこも世界不況の話で持ちきりだ。金融に端を発した不況が、いよいよ実用界にも押し寄せてきており、相当深刻な状況であることは確かだ」と、現在の経済環境について言及。続けて校條会長は「ただし、この環境は『なるべくしてなった』と考えざるを得ず、これに埋没するわけにはいかない。2009年は常に前向きな発想を持って、視点を変えて物事を考えてみたい」とし、同氏が最近感銘を受けたという新聞の特集記事について紹介した。
特集記事では、「信頼が出発点であるという、自由主義経済の本質を忘れてはならない」ということと、「人間の生活にものごとの基盤がある」ということが述べられていたと説明し、この2つの基本的な枠組みが、同氏がこれまで行ってきた「経営品質」という視点とも合致するだけでなく、映像や音楽を楽しむためのオーディオビジュアル機器、またそれを製造するAV業界は、まさにこの中心にあると強調した。
2月21日から開催するA&Vフェスタ2009については、「新しいトライアルをいくつか用意している」とし、成功に自信を見せた。同時に、「横浜で開催するのは今回が最後になる。次の仕掛けも着々と構想を練っているところだが、詳細は来るべき次期に報告したい」とも述べ、イベントの開催場所や内容を刷新する考えを示した。
■生録会や流通各社とのタイアップなど新たな施策を実施
A&Vフェスタ2009の詳細については、日本オーディオ協会 副会長でA&Vフェスタ実行委員長も務める西國晴氏が説明を行った。
まず西氏は現在の参加予定社について「50社程度が決定しており、今後もう少し増える見込みだ」と説明。来場人数については、前年を上回る4万名を目標にしたい、とした。
会場は今年もパシフィコ横浜のカンファレンスセンターとなり、会場構成は大きく3つの要素に分けられるという。「3階の総合展示場では、メーカー各社の最新機器を展示し、実際に触れて、見て、聞いて体験することができる。さらに、より良い環境でじっくり視聴が行えるよう、3階と4階に個室を25室用意した」。
西氏は、もう一つの大きな要素であるイベントコーナーについても触れ、「毎年恒例の工作教室、各専門誌の協賛セミナー、サラウンド・サウンド体験コーナー、毎年多くのユニークなスピーカーが出展される自作オーディオ自慢大会、ファミリーシアターの5つのテーマを用意している」と説明した。
また、新たな試みとして、「生録」に焦点を当て、ライブレコーディングをポータブルレコーダーで録音できるイベントを開催することも説明。録音に参加する場合は、あらかじめチケットぴあで録音席(1,000円)を購入する必要がある。さらに、流通各社とのタイアップも実施。協賛販売店で配布するチャンスカードを会場へ持参すると、抽選でプレゼントが当たるキャンペーンを実施するという。
■経済産業省もオーディオビジュアル業界をバックアップ
来賓として招かれた経済産業省 商務情報政策局 情報通信機器課長の住田孝之氏も、壇上で挨拶を行った。住田氏もまず世界同時不況に触れ、「メーカーが危機的な環境にあることは理解している。我々としても、万が一ということが無いように様々な手段を取っている」と述べた。
さらに「昨年10月の携帯電話の出荷台数は100万台程度と、過去最低だった200万台を大幅に下回った。これは本当に危機的な数値だが、先頃まとまった11月の数値では、350万台前後に戻った。対前年比では依然として10〜20%下回っているが、10月ほどの状況ではない。これらのことからパニック的な下り坂は脱したと言えるのではないか」と、現状に対する認識を示した。
また住田氏は、1月20日に予定されている米オバマ新大統領の就任式についても、「ワシントンには過去最大の人数が集まることが予想される。オバマ氏の演説も多くの人に元気を与えるだろう」と、新大統領の指導力にも期待を寄せた。
さらに住田氏は、「現在、経済の原理原則が見直されている。分からないものを、分かった顔をして取引してきた『情報としてのお金』に対する疑問が生まれ、今後は『実物』や『実感』の意義が見直されるようになるだろう。人間の心に理解できるものが復権するという流れの中で、追い風がオーディオビジュアル業界に吹いているのではないか」と述べ、これまでの経済活動の常識がリセットされる段階にあるとの考えを示した。
また「経済産業省では、日本の感性価値を世界に認めてもらうという活動も行っている。ミシュランのガイドでも、東京の星の数は世界一で、感性レベルが高いことが世界に認知されてきている。また、オタクにも認められる品質を実現しようと、日本の商品は日々その感性価値を高めている」と、日本のものづくりのクオリティの高さを強調した。
住田氏はさらに、「世界不況に対する日本とアメリカとの反応の違いということも実感する。これは、基本的に日本人が農耕民族で、アメリカ人が狩猟民族であることとも関係があるのではないか。農耕民族は季節や天候などちょっとした変化に敏感だが、狩猟民族は獲物がなければ次の場所に移動する。このような時には、普段以上に政策当局の役割が求められるが、実際に多くの企業から様々なリクエストが寄せられている。我々は『何でもあり』の準備を整えているので、ぜひ門戸を叩いて欲しい。いずれにせよ今年は大きな転換点となるだろうが、それが良い転換となるよう、民間の方々と団結して政策にあたっていきたい」と述べた。