HOME > ニュース > AV&ホームシアターニュース
公開日 2010/11/29 16:02
東芝、世界初のバッテリー搭載液晶テレビなどASEAN市場向け“REGZA”新商品を発表 − 事業戦略説明会を開催
欧米に先駆けて“CEAVO”搭載機をアジアで展開
(株)東芝は東南アジア諸国(ASEAN市場)を中心に、2010年末から展開する液晶テレビ“REGZA”の新製品と、同地域におけるテレビ事業の強化戦略を発表。シンガポールでの発表会開催に合わせて、国内でも記者向けの事業説明会を開催した。
今回同社が液晶テレビ新商品の展開をスタートするのはインドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの6カ国。同社では2010年4月にテレビ事業でシンガポールに「アジアヘッドクオーター」を設立し、ASEAN地域向けのマーケティング・販売を展開、地域に根ざした商品開発を進めてきた。
本日、国内で行われた記者会見には(株)東芝 執行役上席常務 ビジュアルプロダクツ社 社長の大角正明氏が出席し、ASEAN市場向けのテレビ事業戦略に関する説明を行った。
今回ASEAN市場向けの液晶テレビ“REGZA”として発表されたラインナップは大きく3つに分けられる。
「Power TV(パワーテレビ)シリーズ」は、電波の受信感度の弱い地域や、所々では大規模な停電もよく発生しがちな地域が偏在するというASEAN地域の特性に配慮しながら、ユーザーの使い勝手を高めたというモデル。シリーズ最上位の「PC1」ラインは32V/24V型がラインアップし、RFブースターを本体に内蔵したことにより、弱電界地域での電波受信性能を強化しつつ、本体にバッテリーを内蔵し、停電時にはAC/DC電源を自動でスイッチし、最大約2時間の視聴が内蔵電池で可能となっている。またLEDバックライトも採用し、低消費電力化を図っている。「PS1」ラインはRFブースターを内蔵し、エコモードとLEDバックライトを採用し、低消費電力化を実現。画面サイズは40V/32V/24V型。「PB1」ラインは32V/24V型を揃え、RFブースターの内蔵により電波受信性能を高めている。いずれのシリーズにも24V型のコンパクト機が揃う。現地での販売価格については「PB1の24V型は190ドル程度の価格設定を考えている。32V型は約300ドル。PC1はLEDとバッテリーチャージャーを搭載した分、それぞれの100ドルアップぐらいの価格設定を見込んでいる」(大角氏)という。
地域特性に合わせた機能、使い勝手をアピールする「Power TVシリーズ」のほかに、ASEAN地域でも高付加価値商品のラインナップが用意される。55V型の「55ZL800」は、“CELL REGZA”のコンセプトを受け継いだ最上位モデルとして訴求されるラインナップとなり、今年ドイツで開催された「IFA2010」の東芝ブースでも紹介された新開発の「CEVO ENGINE(シーボ・エンジン)」(関連ニュース)が搭載されるとともに、「メガLEDパネル」「4倍速駆動パネル」の採用による高画質映像、2D-3Dリアルタイム変換を含む3D対応を実現している。
スピーカー部はディスプレイ部と別筐体とし、高音質化を図った“サウンドバー”が採用されている。最上位「ZL800シリーズ」の展開は55V型のみとなり、現地販売価格は3,000ドル前後が見込まれる。
高付加価値系のラインナップとしては、著名デザインスタジオJACOB JENSEN DESIGN社とのコラボレーションモデルがASEAN地域にも展開される。日本国内では“REGZA”「F1シリーズ」が発売されているが、ASEAN地域では「WL700」シリーズとして、55V/46V型の2モデルが発売される。特徴は奥行きサイズが29mmという、薄型スタイリッシュなデザインの他に、高性能LSIを搭載する「メタブレイン・プレミアム」エンジンによる高画質化、LEDバックライトパネルによる低消費電力化を打ち出す。2D-3Dリアルタイム変換を含む3D対応も実現している。
各製品は11月中旬より、同社がインドネシア・ジャカルタに構える工場で生産がスタートしており、12月中旬には先述のASEAN 6ヶ国において順次販売が始まるという。今回のラインナップ構成について触れた大角氏は「ASEAN地域ではまだ弱電界地域が多く、停電もベトナムをはじめ諸国で頻繁に起こる環境であることがマーケティング調査等を通じて明らかになった。こうした地域にお住まいの方々にも、本来の映像クオリティでテレビを視聴いただくため、“Power TVシリーズ”を投入する。地域に密着したものづくりと、お客様とのコミュニケーションは東芝が数十年来得意としてきた事業戦略のひとつだ」と胸を張った。また高付加価値モデルの展開については「“CELL REGZA”の流れを組む“CEVO ENGINE”搭載のフラグシップモデルについては、欧米に先駆けてアジアに展開する運びとなるが、東芝の高画質処理技術、ソフトウェア技術、半導体技術の優位性をアピールしながら、ASEAN市場でもテレビのイノベーションをリードしていきたい」と意気込みを語った。
同社の独自調査によれば、アジア地域(インドネシア/マレーシア/フィリピン/シンガポール/タイ/ベトナム)では薄型テレビと比較して、ブラウン管テレビの所有構成比が「63%」とまだ高く、大角氏は「2011年以降、ブラウン管テレビの買い換えニーズが一気に高まるとみている」としながら、アジア地域のポテンシャルについては「2012年度のアジア地域での予測値は700万台前後と見積もっている。これでもまだコンサバティブな予測。うまく勢いづけば1,000万台規模の成長も考えられるとみている」と考えを述べた。
東芝では今回発表のラインナップを12月中旬頃から市場に投入後も、シンガポールの「アジアヘッドクオーター」を拠点に、アジア諸地域の多様なニーズに合わせた柔軟、かつ豊富なラインナップ拡充を図りながら、新興国市場のニーズに応えていく考えであるという。具体的には2010年に展開する「5シリーズ/10モデル(うち32V・24V型は4モデル)」を、2011年には「9シリーズ/17モデル(うち32V・24V型は10モデル)」に持ち上げる方針が示された。設備投資については、現在アジアではジャカルタ工場にて6ライン体制の拠点が敷かれているが「これを8ライン体制に増強し、パネルモジュールとテレビの一体生産も図りながら製造効率を高めていく」(大角氏)という。生産ラインの増強スケジュールについては、次のターニングポイントは来年3月頃とみているという。
流通網の整備について大角氏は、「ASEAN地域の流通はメーカー主導型の流通モデルが多く、一部都市にはパワーリテーラーが存在するが、田舎に行くほどに地域密着型のメーカー販売店が上手にビジネスを展開しているという現状だ。欧米日で展開する量販シフトなビジネスモデルでなく、地域点密着型の営業体制を強化することがポイントになるだろう。一方で、都市部には欧米のパワーリテーラーが進出してくる可能性もあるので、これに対してグローバルな関係強化を進めていきたい」とした。
以上のように、同社では液晶テレビ“REGZA”の新シリーズ追加、ラインナップ拡大と生産・販売体制の強化を着実に実現し、「2011年度にASEAN地域で120万台、20%シェア」を目指す考えが大角氏より示された。地域別では120万台のうち、約6割をインドネシアとベトナムの各々で、ほかをタイ、マレーシアをはじめとした各地域で達成し、目標シェア達成を目指す。
また、本日一部新聞などで報道された、エジプト企業との液晶テレビ合弁生産におけるパートナーシップの締結、および工場設立の内容について、大角氏は「中近東、アフリカ地域の新しい生産拠点として、エジプトでパートナーとの合弁の会社を立ち上げられればと考え、具体的な合弁の交渉を進めていることは確かだが、最終的な契約が取り交わされたわけではないので、今の時点で詳細は申し上げられない」と述べた。
今回同社が液晶テレビ新商品の展開をスタートするのはインドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの6カ国。同社では2010年4月にテレビ事業でシンガポールに「アジアヘッドクオーター」を設立し、ASEAN地域向けのマーケティング・販売を展開、地域に根ざした商品開発を進めてきた。
本日、国内で行われた記者会見には(株)東芝 執行役上席常務 ビジュアルプロダクツ社 社長の大角正明氏が出席し、ASEAN市場向けのテレビ事業戦略に関する説明を行った。
今回ASEAN市場向けの液晶テレビ“REGZA”として発表されたラインナップは大きく3つに分けられる。
「Power TV(パワーテレビ)シリーズ」は、電波の受信感度の弱い地域や、所々では大規模な停電もよく発生しがちな地域が偏在するというASEAN地域の特性に配慮しながら、ユーザーの使い勝手を高めたというモデル。シリーズ最上位の「PC1」ラインは32V/24V型がラインアップし、RFブースターを本体に内蔵したことにより、弱電界地域での電波受信性能を強化しつつ、本体にバッテリーを内蔵し、停電時にはAC/DC電源を自動でスイッチし、最大約2時間の視聴が内蔵電池で可能となっている。またLEDバックライトも採用し、低消費電力化を図っている。「PS1」ラインはRFブースターを内蔵し、エコモードとLEDバックライトを採用し、低消費電力化を実現。画面サイズは40V/32V/24V型。「PB1」ラインは32V/24V型を揃え、RFブースターの内蔵により電波受信性能を高めている。いずれのシリーズにも24V型のコンパクト機が揃う。現地での販売価格については「PB1の24V型は190ドル程度の価格設定を考えている。32V型は約300ドル。PC1はLEDとバッテリーチャージャーを搭載した分、それぞれの100ドルアップぐらいの価格設定を見込んでいる」(大角氏)という。
地域特性に合わせた機能、使い勝手をアピールする「Power TVシリーズ」のほかに、ASEAN地域でも高付加価値商品のラインナップが用意される。55V型の「55ZL800」は、“CELL REGZA”のコンセプトを受け継いだ最上位モデルとして訴求されるラインナップとなり、今年ドイツで開催された「IFA2010」の東芝ブースでも紹介された新開発の「CEVO ENGINE(シーボ・エンジン)」(関連ニュース)が搭載されるとともに、「メガLEDパネル」「4倍速駆動パネル」の採用による高画質映像、2D-3Dリアルタイム変換を含む3D対応を実現している。
スピーカー部はディスプレイ部と別筐体とし、高音質化を図った“サウンドバー”が採用されている。最上位「ZL800シリーズ」の展開は55V型のみとなり、現地販売価格は3,000ドル前後が見込まれる。
高付加価値系のラインナップとしては、著名デザインスタジオJACOB JENSEN DESIGN社とのコラボレーションモデルがASEAN地域にも展開される。日本国内では“REGZA”「F1シリーズ」が発売されているが、ASEAN地域では「WL700」シリーズとして、55V/46V型の2モデルが発売される。特徴は奥行きサイズが29mmという、薄型スタイリッシュなデザインの他に、高性能LSIを搭載する「メタブレイン・プレミアム」エンジンによる高画質化、LEDバックライトパネルによる低消費電力化を打ち出す。2D-3Dリアルタイム変換を含む3D対応も実現している。
各製品は11月中旬より、同社がインドネシア・ジャカルタに構える工場で生産がスタートしており、12月中旬には先述のASEAN 6ヶ国において順次販売が始まるという。今回のラインナップ構成について触れた大角氏は「ASEAN地域ではまだ弱電界地域が多く、停電もベトナムをはじめ諸国で頻繁に起こる環境であることがマーケティング調査等を通じて明らかになった。こうした地域にお住まいの方々にも、本来の映像クオリティでテレビを視聴いただくため、“Power TVシリーズ”を投入する。地域に密着したものづくりと、お客様とのコミュニケーションは東芝が数十年来得意としてきた事業戦略のひとつだ」と胸を張った。また高付加価値モデルの展開については「“CELL REGZA”の流れを組む“CEVO ENGINE”搭載のフラグシップモデルについては、欧米に先駆けてアジアに展開する運びとなるが、東芝の高画質処理技術、ソフトウェア技術、半導体技術の優位性をアピールしながら、ASEAN市場でもテレビのイノベーションをリードしていきたい」と意気込みを語った。
同社の独自調査によれば、アジア地域(インドネシア/マレーシア/フィリピン/シンガポール/タイ/ベトナム)では薄型テレビと比較して、ブラウン管テレビの所有構成比が「63%」とまだ高く、大角氏は「2011年以降、ブラウン管テレビの買い換えニーズが一気に高まるとみている」としながら、アジア地域のポテンシャルについては「2012年度のアジア地域での予測値は700万台前後と見積もっている。これでもまだコンサバティブな予測。うまく勢いづけば1,000万台規模の成長も考えられるとみている」と考えを述べた。
東芝では今回発表のラインナップを12月中旬頃から市場に投入後も、シンガポールの「アジアヘッドクオーター」を拠点に、アジア諸地域の多様なニーズに合わせた柔軟、かつ豊富なラインナップ拡充を図りながら、新興国市場のニーズに応えていく考えであるという。具体的には2010年に展開する「5シリーズ/10モデル(うち32V・24V型は4モデル)」を、2011年には「9シリーズ/17モデル(うち32V・24V型は10モデル)」に持ち上げる方針が示された。設備投資については、現在アジアではジャカルタ工場にて6ライン体制の拠点が敷かれているが「これを8ライン体制に増強し、パネルモジュールとテレビの一体生産も図りながら製造効率を高めていく」(大角氏)という。生産ラインの増強スケジュールについては、次のターニングポイントは来年3月頃とみているという。
流通網の整備について大角氏は、「ASEAN地域の流通はメーカー主導型の流通モデルが多く、一部都市にはパワーリテーラーが存在するが、田舎に行くほどに地域密着型のメーカー販売店が上手にビジネスを展開しているという現状だ。欧米日で展開する量販シフトなビジネスモデルでなく、地域点密着型の営業体制を強化することがポイントになるだろう。一方で、都市部には欧米のパワーリテーラーが進出してくる可能性もあるので、これに対してグローバルな関係強化を進めていきたい」とした。
以上のように、同社では液晶テレビ“REGZA”の新シリーズ追加、ラインナップ拡大と生産・販売体制の強化を着実に実現し、「2011年度にASEAN地域で120万台、20%シェア」を目指す考えが大角氏より示された。地域別では120万台のうち、約6割をインドネシアとベトナムの各々で、ほかをタイ、マレーシアをはじめとした各地域で達成し、目標シェア達成を目指す。
また、本日一部新聞などで報道された、エジプト企業との液晶テレビ合弁生産におけるパートナーシップの締結、および工場設立の内容について、大角氏は「中近東、アフリカ地域の新しい生産拠点として、エジプトでパートナーとの合弁の会社を立ち上げられればと考え、具体的な合弁の交渉を進めていることは確かだが、最終的な契約が取り交わされたわけではないので、今の時点で詳細は申し上げられない」と述べた。