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公開日 2012/02/24 19:51
DTS 、注目のサウンド技術を紹介する「パートナーセミナー」を開催 − 3月2日(金)は大阪で実施
11.1ch「DTS Neo:X」デモも実施
dts Japan(株)は、マルチデバイスにおける「動画配信時代」を見据えた同社の最新サウンド技術と、それらを踏まえた新たな用途提案を打ち出すB to B向けのパートナーセミナーを東京で開催した。
2012 International CESにてDTSは、様々な視聴デバイスに拡充していくエンターテイメントシーンをサポートする最新技術と、それを実現する高いポテンシャルを披露した(関連ニュース)。今回のパートナーセミナーは、同社がこのCESで発表した内容を、国内のB to Bパートナーに向けて改めて詳しく紹介する貴重な場となった。本記事では、2月23日に行われた東京会場のセミナーの模様をお届けする。
セミナーでは、今後到来するであろう「動画配信時代」に向けたいわゆる“デジタルデリバリー用音声技術”の概要や、PCやスマートフォン/タブレットなどのデバイスへ提供されるポストプロセッシング技術などの詳細が語られたほか、それら音声技術の高品位なクオリティをその場で体験できるデモコーナーが設置された。
なおデモコーナーでは、同社の最新サラウンドフォーマット「DTS Neo:X」の11.1chマルチ再生を体験できるコーナーも設けられた。デモ会場では『ジュラシック・パーク』や『トロン:レガシー』のBDソフトをリファレンスにした11.1ch再生が行われた。なお、3月2日に開催を予定している大阪会場でも、同じデモ環境が用意される予定であるという。
映像コンテンツがフレキシブルに動く時代に、多くの製品の品質を高める
セミナーの冒頭では、dts Japan代表取締役副社長 仁戸田一之氏が挨拶を行い、1993年の映画『ジュラシック・パーク』への採用から始まった同社の高音質技術の歩みを説明。現在、インストールベースで8,000万以上ものホームシアターでDTSの技術が採用されていることや、米国における全Blu-rayソフトのタイトルで86%のシェアを獲得している実績などを紹介した。
さらにDTSは、マルチデバイスにおける動画配信時代を見据え、“ホームシアターの音響技術”に留まらない“トータル・サウンドソリューションプロバイダー思想”を掲げ、活動を展開している。
実際に同社の技術はホームシアター製品のみならず、LG社やPANTECH社といった韓国メーカーのスマートフォン/タブレットや、富士通、オンキヨーなど国内メーカーのPCなどに搭載されている。またテレビについても、パナソニックが欧州向け製品に、シャープが中国向け製品などにDTSデコーダーを組み込んでいる。さらにマルチデバイスに対応する新たなコンテンツ配信規格「UltraViolet」のオーディオフォーマットにも、DTSのサラウンドフォーマットが採用された。
仁戸田氏は「“配信”といった形をとり、映像コンテンツが様々なデバイスに対してフレキシブルに動く時代が来た」とし、「既にDTS技術はコンテンツの多くに採用されているが、こうした時代により多くのメーカー様やサービスプロバイダー様と手を取り合って、様々な製品の品質を高めていきたい」と意気込みを語った。
単一デコーダーで幅広いコンテンツシーンに対応する「統合デコーダー」思想
セミナーの第1セクションには、同社のFAE Manager 堀江誠一氏が登壇。「Digital Delivery時代へのDTS新技術」と題し、マルチデバイスによる様々な視聴環境に対応する「統合デコーダー」と、次世代の高品位なコンテンツに対応する「次世代視聴環境のためのオーディオ環境」について紹介した。
堀江氏は、映画からテレビへ、テレビからパッケージメディアへといった“オーディオビデオコンテンツの配布”の歴史を振り返り、「新しいメディアが現れると、必ず古いメディアは衰退してきた。現在は、“配信コンテンツ”いわゆるデジタルデリバリーが新しいメディアとして登場している」とし、新しいメディアが出てくることによって、これまで実現できなかった多くの機能が、コンテンツシーンに求められていくであろうと述べた。
さらに、「映像における3D化はほぼ網羅され、時代は4K2Kの超解像度コンテンツ、およびその先へ進んでいる」とし、コンテンツ自体のクオリティも常に進化していることを強調した。
堀江氏は、「デジタルデリバリー時代は、このように機能とクオリティが両面から進化し、分野の垣根を超えて幅広くコンテンツの応用がスタートした、煩雑な時代と言える。そこにDTSは、デジタルデリバリー時代の音声技術に単一デコーダーで対応する“統合デコーダー”思想を打ち出している」と説明。様々なシーンに適応するDTSの各音声ストリームに、単一デコーダーで完結に対応する「統合デコーダー」の技術概要と用途提案を示した。
また、「4Kといった超解像度の次世代映像には、オーディオ環境の刷新が望まれるだろう。平面から立体へ、そして自由な視聴環境への対応がポイントなる」としながら、会場でデモを行った「DTS Neo:X」を筆頭に、次世代のエンドユーザーの視聴環境とニーズにフィットする音声技術の概要を解説した。セミナー修了後には、別会場に設けられた「DTS Neo:X」のデモブースに多くの来場者が詰めかけていた。
ポストプロセッシング技術 − 様々なデバイスを高音質化
続いて第2セクションには、フィールドアプリケーションエンジニア 津村茂彦氏が登壇。津村氏は「貧弱な音の特効薬DTSポストプロセッシング技術」と題して、PCやスマートフォン/タブレット、車載デバイスといったあらゆるエンターテイメントデバイスの音質クオリティを向上させるDTSソリューションをアピール。「DTS Surround Sensation」や「DTS Envelo」といったバーチャルサラウンド技術などを筆頭に、マルチデバイスにフレキシブルに対応する同社のポストプロセッシング技術を紹介した。
なおセミナー会場には、DTSの様々なポスプロ技術をパッケージ化した「DTS Ultra PC II Plus」を搭載した富士通のPCや、「DTS Envelo」を採用した韓国LG製のスマートフォンなどが用意されており、セミナー後には多くの来場者が各技術の効果を体験していた。こちらのデモブースも、大阪会場で同じ環境が用意される予定だ。
配信向けコンテンツに広がるDTS ー プラットフォーム「Adobe AIR 3」や配信規格「UltraViolet」も
セミナーの最後には、Director,Business Development 松本進氏によって、配信向けDTS採用コンテンツの制作ツールと事例が紹介された。
松本氏は、テレビやBDレコーダーなどのAV機器のほか、PCやiOS/Androidデバイスなどに向けた国内の多様な配信サービス、「UltraViolet」などの配信規格を含めた動画配信シーンの現状を示しながら、「DTSの最新技術は、フォーマットの異なるコンテンツプロバイダーの各サービス、また、ユーザーによって異なる視聴環境に対応している」とアピールする。またRoviやDigital Rapidsなどのサードパーティから、DTS対応コンテンツ制作ツールが続々リリースされていることについても、採用エンコーダーでのワークフローなどを交えながら具体的に紹介した。
「そのほか、Adobe AIR 3のランタイムにも採用されている。ユーザーはFlashベースのアプリケーションで高音質のDTS-HD Master Audioや、高効率のDTS Expressなどを最大7.1chで楽しむことができるようになった。具体的に今後何が起こるかといえば、例えば、Adobe AIR 3対応のAV機器とFlashベースの配信アプリを組み合わせると、DTSの高音質コーデックを使用した映画や音楽を楽しめるようになる。実際に、サムスンのテレビではAdobe AIRに対応している製品が登場している」(松本氏)
また、マルチデバイスに対応する新たなコンテンツ配信規格「UltraViolet」のオーディオにも、DTSのサラウンドフォーマットが採用されている旨を改めてアピールした。
松本氏は最後に、DTSの掲げる「SOUND CHANGES THE WAY WE SEE」のモットーを示し、「音が良ければコンテンツの観え方も変わってくる。例えば『スター・ウォーズ』の戦闘シーンや、『ニュー・シネマ・パラダイス』のラストシーンなどを思い出してみると、音楽があるからこそエンターテイメント体験の感動が深くなる。映画からテレビ、配信に変わっても、“音”がユーザー体験を深めることは変わらないだろう。DTSはこのモットーを掲げながら、到来するデジタルデリバリー時代に、多くの皆さまのビジネスを“音”の側面から支えていきたい」と締めくくった。
3月2日(金)大阪にてパートナーセミナーを開催
上述の通り、DTSは今回行われたパートナーセミナーを3月2日(金)に大阪で開催する。東京会場で行われた内容と同じく、CESでの発表を国内のB to Bパートナーに向けて改めて詳しく紹介する貴重な場である。最新サラウンドフォーマット「DTS Neo:X」の11.1chマルチ再生など、東京会場で披露された際と同じ、DTS技術のクオリティを体験できるデモブースが用意される予定となっている。
<DTS Partner Seminar 2012・大阪会場>
日時:2012年 3月2日(金) 13:00開場 13:30開演
会場:OBPクリスタルタワー
定員:100名
※事前申込制
詳細・申込はこちら
2012 International CESにてDTSは、様々な視聴デバイスに拡充していくエンターテイメントシーンをサポートする最新技術と、それを実現する高いポテンシャルを披露した(関連ニュース)。今回のパートナーセミナーは、同社がこのCESで発表した内容を、国内のB to Bパートナーに向けて改めて詳しく紹介する貴重な場となった。本記事では、2月23日に行われた東京会場のセミナーの模様をお届けする。
セミナーでは、今後到来するであろう「動画配信時代」に向けたいわゆる“デジタルデリバリー用音声技術”の概要や、PCやスマートフォン/タブレットなどのデバイスへ提供されるポストプロセッシング技術などの詳細が語られたほか、それら音声技術の高品位なクオリティをその場で体験できるデモコーナーが設置された。
なおデモコーナーでは、同社の最新サラウンドフォーマット「DTS Neo:X」の11.1chマルチ再生を体験できるコーナーも設けられた。デモ会場では『ジュラシック・パーク』や『トロン:レガシー』のBDソフトをリファレンスにした11.1ch再生が行われた。なお、3月2日に開催を予定している大阪会場でも、同じデモ環境が用意される予定であるという。
映像コンテンツがフレキシブルに動く時代に、多くの製品の品質を高める
セミナーの冒頭では、dts Japan代表取締役副社長 仁戸田一之氏が挨拶を行い、1993年の映画『ジュラシック・パーク』への採用から始まった同社の高音質技術の歩みを説明。現在、インストールベースで8,000万以上ものホームシアターでDTSの技術が採用されていることや、米国における全Blu-rayソフトのタイトルで86%のシェアを獲得している実績などを紹介した。
さらにDTSは、マルチデバイスにおける動画配信時代を見据え、“ホームシアターの音響技術”に留まらない“トータル・サウンドソリューションプロバイダー思想”を掲げ、活動を展開している。
実際に同社の技術はホームシアター製品のみならず、LG社やPANTECH社といった韓国メーカーのスマートフォン/タブレットや、富士通、オンキヨーなど国内メーカーのPCなどに搭載されている。またテレビについても、パナソニックが欧州向け製品に、シャープが中国向け製品などにDTSデコーダーを組み込んでいる。さらにマルチデバイスに対応する新たなコンテンツ配信規格「UltraViolet」のオーディオフォーマットにも、DTSのサラウンドフォーマットが採用された。
仁戸田氏は「“配信”といった形をとり、映像コンテンツが様々なデバイスに対してフレキシブルに動く時代が来た」とし、「既にDTS技術はコンテンツの多くに採用されているが、こうした時代により多くのメーカー様やサービスプロバイダー様と手を取り合って、様々な製品の品質を高めていきたい」と意気込みを語った。
単一デコーダーで幅広いコンテンツシーンに対応する「統合デコーダー」思想
セミナーの第1セクションには、同社のFAE Manager 堀江誠一氏が登壇。「Digital Delivery時代へのDTS新技術」と題し、マルチデバイスによる様々な視聴環境に対応する「統合デコーダー」と、次世代の高品位なコンテンツに対応する「次世代視聴環境のためのオーディオ環境」について紹介した。
堀江氏は、映画からテレビへ、テレビからパッケージメディアへといった“オーディオビデオコンテンツの配布”の歴史を振り返り、「新しいメディアが現れると、必ず古いメディアは衰退してきた。現在は、“配信コンテンツ”いわゆるデジタルデリバリーが新しいメディアとして登場している」とし、新しいメディアが出てくることによって、これまで実現できなかった多くの機能が、コンテンツシーンに求められていくであろうと述べた。
さらに、「映像における3D化はほぼ網羅され、時代は4K2Kの超解像度コンテンツ、およびその先へ進んでいる」とし、コンテンツ自体のクオリティも常に進化していることを強調した。
堀江氏は、「デジタルデリバリー時代は、このように機能とクオリティが両面から進化し、分野の垣根を超えて幅広くコンテンツの応用がスタートした、煩雑な時代と言える。そこにDTSは、デジタルデリバリー時代の音声技術に単一デコーダーで対応する“統合デコーダー”思想を打ち出している」と説明。様々なシーンに適応するDTSの各音声ストリームに、単一デコーダーで完結に対応する「統合デコーダー」の技術概要と用途提案を示した。
また、「4Kといった超解像度の次世代映像には、オーディオ環境の刷新が望まれるだろう。平面から立体へ、そして自由な視聴環境への対応がポイントなる」としながら、会場でデモを行った「DTS Neo:X」を筆頭に、次世代のエンドユーザーの視聴環境とニーズにフィットする音声技術の概要を解説した。セミナー修了後には、別会場に設けられた「DTS Neo:X」のデモブースに多くの来場者が詰めかけていた。
ポストプロセッシング技術 − 様々なデバイスを高音質化
続いて第2セクションには、フィールドアプリケーションエンジニア 津村茂彦氏が登壇。津村氏は「貧弱な音の特効薬DTSポストプロセッシング技術」と題して、PCやスマートフォン/タブレット、車載デバイスといったあらゆるエンターテイメントデバイスの音質クオリティを向上させるDTSソリューションをアピール。「DTS Surround Sensation」や「DTS Envelo」といったバーチャルサラウンド技術などを筆頭に、マルチデバイスにフレキシブルに対応する同社のポストプロセッシング技術を紹介した。
なおセミナー会場には、DTSの様々なポスプロ技術をパッケージ化した「DTS Ultra PC II Plus」を搭載した富士通のPCや、「DTS Envelo」を採用した韓国LG製のスマートフォンなどが用意されており、セミナー後には多くの来場者が各技術の効果を体験していた。こちらのデモブースも、大阪会場で同じ環境が用意される予定だ。
配信向けコンテンツに広がるDTS ー プラットフォーム「Adobe AIR 3」や配信規格「UltraViolet」も
セミナーの最後には、Director,Business Development 松本進氏によって、配信向けDTS採用コンテンツの制作ツールと事例が紹介された。
松本氏は、テレビやBDレコーダーなどのAV機器のほか、PCやiOS/Androidデバイスなどに向けた国内の多様な配信サービス、「UltraViolet」などの配信規格を含めた動画配信シーンの現状を示しながら、「DTSの最新技術は、フォーマットの異なるコンテンツプロバイダーの各サービス、また、ユーザーによって異なる視聴環境に対応している」とアピールする。またRoviやDigital Rapidsなどのサードパーティから、DTS対応コンテンツ制作ツールが続々リリースされていることについても、採用エンコーダーでのワークフローなどを交えながら具体的に紹介した。
「そのほか、Adobe AIR 3のランタイムにも採用されている。ユーザーはFlashベースのアプリケーションで高音質のDTS-HD Master Audioや、高効率のDTS Expressなどを最大7.1chで楽しむことができるようになった。具体的に今後何が起こるかといえば、例えば、Adobe AIR 3対応のAV機器とFlashベースの配信アプリを組み合わせると、DTSの高音質コーデックを使用した映画や音楽を楽しめるようになる。実際に、サムスンのテレビではAdobe AIRに対応している製品が登場している」(松本氏)
また、マルチデバイスに対応する新たなコンテンツ配信規格「UltraViolet」のオーディオにも、DTSのサラウンドフォーマットが採用されている旨を改めてアピールした。
松本氏は最後に、DTSの掲げる「SOUND CHANGES THE WAY WE SEE」のモットーを示し、「音が良ければコンテンツの観え方も変わってくる。例えば『スター・ウォーズ』の戦闘シーンや、『ニュー・シネマ・パラダイス』のラストシーンなどを思い出してみると、音楽があるからこそエンターテイメント体験の感動が深くなる。映画からテレビ、配信に変わっても、“音”がユーザー体験を深めることは変わらないだろう。DTSはこのモットーを掲げながら、到来するデジタルデリバリー時代に、多くの皆さまのビジネスを“音”の側面から支えていきたい」と締めくくった。
3月2日(金)大阪にてパートナーセミナーを開催
上述の通り、DTSは今回行われたパートナーセミナーを3月2日(金)に大阪で開催する。東京会場で行われた内容と同じく、CESでの発表を国内のB to Bパートナーに向けて改めて詳しく紹介する貴重な場である。最新サラウンドフォーマット「DTS Neo:X」の11.1chマルチ再生など、東京会場で披露された際と同じ、DTS技術のクオリティを体験できるデモブースが用意される予定となっている。
<DTS Partner Seminar 2012・大阪会場>
日時:2012年 3月2日(金) 13:00開場 13:30開演
会場:OBPクリスタルタワー
定員:100名
※事前申込制
詳細・申込はこちら