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公開日 2012/06/13 18:55

BCNがデジタル家電市場を分析 − TVは大型モデルが孤軍奮闘/レコーダーやデジカメも単価下落は止まる

メーカー別シェアなども明らかに
ファイル・ウェブ編集部
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BCNは、「デジタル家電デフレ脱却への道筋 − 変わる夏のボーナス商戦、安さの構造」と題した発表会を開催。薄型テレビやレコーダー、デジカメ市場の状況について、同社が行っているBCNランキングの2012年5月次データを基に解説した。

■薄型テレビは各社インチサイズ戦略に違い

薄型テレビ市場の概況については、30型台のリバウンドと大型モデルの拡大で単価が5万円台に迫ること、販売台数・金額は最低水準だがインチサイズ構造の変化で平均単価に変動が現れていることを紹介。

テレビ市場の概況

画面サイズ別では、全体的に勢いが鈍化するなかで50型以上モデルが前年比2割増と孤軍奮闘。30型台の価格が下げ止まりリバウンドしたことで、全体のインチ構成に大きな変化が出ているという。

画面サイズ別台数比率

画面サイズ帯別の前年同月比

メーカー別シェアでは、販売台数でシャープがトップ。パナソニック、東芝、ソニー、オリオンエレクトリック、日立の順に続いた。しかしシェアの数値で見ると安定して30%以上をキープしていたシャープが3割を切り、逆にパナソニックと東芝が上積みしてきたという。

メーカー別シェア

上位4社の画面サイズ別販売台数構成比で見ると、各社によって戦略が異なっていると分析。シャープでは50型以上の比率が15%台になり、意図的に大型に振った戦略が見て取れる。また、ソニーも同様の動きで、40型台を大きく伸ばしている。一方、東芝は30型台が中心。パナソニックは大型も伸ばしてきているが中心は30型台となった。

シェア上位4社別の画面サイズ構成

そのほか、バックライトはLEDが8割を突破しCFL(CCFL/HCFL)モデルからの世代交代が明確になった。また、録画機能搭載テレビも8割を超え、録画機能が一般化していることも改めて浮き彫りになった。

また、3D比率は18.7%と2割目前に。偏光方式も増えていて1割ほどの存在感になってきている。なお、レンチキュラー式の裸眼3D対応モデルについては「4Kなどになればそれだけで3D感が高くなるため、そういったところに収斂していくのではないか」と分析した。

加えて、パネル駆動速度で見ると、倍速、4倍速モデルの比率が高まっている。一時期は価格の安い等倍モデルの比率が高まったが、最近になり再び倍速や4倍速の割合が高まってきたという。インターネット機能についても同じような傾向にあり、「安売り合戦が終わり、機能が再び重要視されるようになっている」とした。

倍速/4倍速モデルの構成が再び高まる

そしてモデル別の売れ筋も紹介。東芝“REGZA”「32AC4」がトップで、以下“LED REGZA”「19B3」、シャープ“AQUOS”「LC-26E8」、ソニー“BRAVIA”「KDL-22CX400」、パナソニック“VIERA”「TH-L26X3」と続く。

モデル別シェア

この点について同社では「売れ筋は32型のCCFLが売れているが、上位20位までで見ると10万円を超えるものも入っている。かなり以前とは顔ぶれが変わりつつあると見てよいのではないか」(BCNアナリスト 道越一郎氏)とコメント。一方で「しかしモデルごとの差別化の要素があまりにも少ない状況は依然として続いている。ワクワク感をどう提供するかが重要になってくるだろう」とした。

道越一郎氏

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