HOME > ニュース > AV&ホームシアターニュース
公開日 2012/10/02 23:58
<CEATEC>型番の「7」に込めた特別な思い ー 東芝・本村氏/片岡氏が語る「新REGZAがスペシャルな理由」
開発者インタビュー
CEATEC JAPAN 2012に出展する東芝のブースで、注目を浴びるREGZA Z7/J7シリーズの開発に携わる、同社の本村裕史氏、片岡秀夫氏に新製品と新しいサービスの魅力をインタビューした。
REGZAの原点に戻って「こだわり抜いたZ7」
東芝は先月9月27日に、液晶テレビ“REGZA”の新しいラインナップとなる「Z7」「J7」の2シリーズを発表した。REGZAシリーズの商品企画を担当する(株)東芝 デジタルプロダクツ&サービス社の本村裕史氏は、進化した「タイムシフトマシン」機能をはじめとした最新モデルの魅力を、CEATEC会場や今後展示される店頭で、ぜひ体験して欲しいと語る。
新製品発表後の反響は上々という。「今回の“Z7シリーズ”はREGZAの開発チーム一堂“原点回帰”を強く認識しながら開発を進めました。本来のREGZAのあるべき姿とは何か。特にフラグシップのZシリーズは、テレビ製品のトップランナーとして、画質や様々な機能にこだわりぬいて、お客様に『ここまでやったか』と評価していただけるテレビであることを心がけてきた」と本村氏。
「7」というシリーズナンバーには、REGZAの開発チームの強い意志が表れていると本村氏は続ける。「Z7/J7の発表後、“なぜ型番が一気に7になったのか”というご質問を多くいただきます。これにはREGZAのブランドがデビューしてから“7年目”であるという理由もありますが、タイムシフトマシンや画質を進化させて、これまでと全く違うフラグシップのZシリーズが完成したという、私たち開発者の本気度を強くアピールしたいという思いもあって、特別なナンバーである“7”を付けました」。
今回は「ZG」「ZT」のように、フラグシップ「Zシリーズ」のサブカテゴリーとなるモデルも「 あえてつくらなかった」と本村氏。「タイムシフトマシンは従来、ZG/ZTをはじめとする高付加価値ゾーンのラインナップに搭載してきましたが、今回はメインモデルのZに搭載することで、何としてでも多くの方々にタイムシフトマシンの魅力を体験して欲しいと考えた」ことが理由としてあるという。
進化したタイムシフトマシンの完成度にも本村氏は胸を張る。「特にタイムシフトマシンの膨大なキャッシュ録画のコンテンツを、非常に快適に視聴できるようになる“ざんまいプレイ”がお勧めです。ひょっとしたら、もう過去番組表が要らなくなるぐらい、新しいタイムシフトマシンは“便利化”しています」。
Z7シリーズの発売に合わせ、東芝純正のタイムシフトマシン用外付USB-HDD「THD-250TI」も11月上旬に発売される。テレビの背面側には、USB-HDDを接続するために2基のUSB3.0端子が搭載されている。「やはりタイムシフトマシンを外部HDDで実現するためには、十分なアクセス速度が得られるUSB3.0の接続環境が必要」であるためだ。なお純正USB-HDDは一つの筐体に2基のHDDを内蔵し、USBケーブルを同時に2本テレビに接続する必要があるが、ユーザーが独自にUSB3.0対応の外付USB-HDDを購入し、1台で3チャンネル分のタイムシフトマシン録画を利用することもできる。
今後のREGZAシリーズの展開もきいた。「Z7は今回、42/47/55V型の3サイズを揃えました。お客様からは、もっと大型のZシリーズが欲しいという声もいただきますが、大画面化の展開につきましては、先日“4K REGZA”の商品計画の中で発表した50型台、60型台、そして84型の4K対応モデルにもぜひ期待して欲しい」と本村氏。小型モデルについては「フラグシップであるZ7シリーズの要素を受け継いだ、スタイリッシュなハイエンドモデルのJ7シリーズと、全体で幅広くサイズ展開している」とアピール。J7とZ7が非常に密接に関わり合っているラインナップであることを強調する。
3Dに関してはZ7シリーズがパッシブ方式の表示に対応。今後の採用について本村氏は、「REGZAは“映画を見るなら4K”というメッセージを発信してきたが、3Dについても映画を中心に、大画面テレビで楽しみたいという方が多くいらっしゃることを認識しています。84V型の4K REGZAも含めて、今後のモデルにどう反映していくかについては検討していきたいと思います」と述べた。
テレビと人と人をつなぐ、クラウドサービス「TimeOn」
新しいREGZA Z7/J7シリーズのもう一つのポイントが、東芝が新製品の発売に合わせてスタートさせるクラウドサービス「TimeOn(タイムオン)」を使ったテレビの新たな視聴機能が利用できることだ。
(株)東芝 デジタルプロダクツ&サービス社で、「TimeOn」や「レグザAppsコネクト」をはじめとしたネットワーク系サービス、アプリケーションの開発を指揮する片岡秀夫氏に、新しいクラウドサービスのコンセプトを訊ねた。
「TimeOn」を基軸にしたクラウドサービスは、REGZAの録画機能の延長線上にとどまるものではなく、全体像が非常に広大なもの、と片岡氏は説く。最も重要なコンセプトは「テレビと人、あるいは人と人とをつなぐための起点のサービスであること」。「テレビを中心に、ユーザーの皆様がテレビを視ることの楽しさを再発見できるサービスにしたいと考えて、“TimeOn”を開発してきました。家族や友人、仲間とテレビ番組に関連する“話題”を便利に共有できる機能を提供することで、コミュニケーションツールとしてのテレビの価値が高まり、またテレビが面白くなってくると確信しています」と語る。
今回、CEATECのブースでは10月下旬から本スタートが予定されている「TimeOn」の、サービスの一部が体験できる。
「みどころシーン再生」は、タイムシフトマシン/通常録画した地上デジタル放送の番組一覧から放送局をまたいで、“見たいシーン”をクラウド情報を活用しながらキーワードから簡単に探し出せる機能。これまで番組単位で録画内容を確認し、見たい登場人物やシーンは番組の頭から再生して探すといったテレビの視聴スタイルが、このサービスによって「シーン単位」でアクセスして楽しむライフスタイルが生まれてくる可能性がある。見たいシーンを探すための検索機能については、検索キーワードを入力して探す方法を採る。「将来はAND/OR/NOTなど、キーワードの条件検索も追加できるよう検討も進めています。ローンチ後も、サービスをより進化させられることもクラウドの良いところだと思います」(片岡氏)。
シーン再生に関連するサービスとしては、「TimeOn」のプラットフォームを利用して、友人などに「おすすめシーン」をリコメンドできる機能も用意する。「他のユーザーとつながることのできる、コミュニケーションツールをTimeOnに数多く揃えます。例えば、友達から“おすすめシーン”が送られてきたとします。するとメッセージを選択するだけで、タイムシフトマシンを搭載するREGZAのユーザー同士なら、キャッシュされている録画番組から該当シーンをすぐさま再生して楽しめます。今後は、“番組予約の段階”からリコメンド、シェアできる機能も追加したいと考えています」と片岡氏は説明を加える。
番組再生中にリモコンの「気になる!」ボタンを押すと、録画番組の見所を“シーン単位”で区切った「シーンリスト」が表示され、シーンを選びながら番組を視聴することもできる。「TimeOn」のサーバーから提供される東芝の公式シーンリストが利用できるほか、「レグザAppsコネクト」アプリ、「RZタグラー」などでユーザーが作成した“タグリスト”も活用できる。視聴者が互いにおすすめ情報を共有しながらテレビを楽しめる仕掛けが、ここにも用意されている。片岡氏は「シーン再生をスタートした後に、リモコンの左右キーで前後のシーンに移動したり、上下キーでシーン一覧に戻ることができます。このあたりの使い勝手は特に工夫したところです」と魅力をアピールする。
その他、今回のブース展示ではクラウドアルバム/伝言ボード/カレンダーサービスなど、様々な機能について実演を交えた紹介が行われている。
片岡氏は「“TimeOn”のサービスインも間近ですが、今後さらにサービスの完成度を高めていきたいと考えています。クラウド情報を利用した録画機能「おまかせ録画」などもその一つです。本機能については、間もなく詳細をご案内できると考えています。サービスのインターフェースはHTML 5ベースで作成されているので、柔軟で自由度の高いデザインが実現できる点も特徴です」という。ブースではAndroidタブレットで利用できる「RZ番組ナビ」「RZクラウド」といったアプリ連携サービスも紹介されていた。「テレビと外部機器との連携についても様々な可能性を探求しながら、これまでにない機能や使い勝手を提案します」という。
REGZAのフラグシップモデル「Zシリーズ」は、これまでにも製品発売後にソフトウェアアップデートを提供しながら、ユーザーに魅力ある機能やサービスを追加してきた。最新のZ7/J7シリーズも今後の進化に注目が集まりそうだ。
REGZAの原点に戻って「こだわり抜いたZ7」
東芝は先月9月27日に、液晶テレビ“REGZA”の新しいラインナップとなる「Z7」「J7」の2シリーズを発表した。REGZAシリーズの商品企画を担当する(株)東芝 デジタルプロダクツ&サービス社の本村裕史氏は、進化した「タイムシフトマシン」機能をはじめとした最新モデルの魅力を、CEATEC会場や今後展示される店頭で、ぜひ体験して欲しいと語る。
新製品発表後の反響は上々という。「今回の“Z7シリーズ”はREGZAの開発チーム一堂“原点回帰”を強く認識しながら開発を進めました。本来のREGZAのあるべき姿とは何か。特にフラグシップのZシリーズは、テレビ製品のトップランナーとして、画質や様々な機能にこだわりぬいて、お客様に『ここまでやったか』と評価していただけるテレビであることを心がけてきた」と本村氏。
「7」というシリーズナンバーには、REGZAの開発チームの強い意志が表れていると本村氏は続ける。「Z7/J7の発表後、“なぜ型番が一気に7になったのか”というご質問を多くいただきます。これにはREGZAのブランドがデビューしてから“7年目”であるという理由もありますが、タイムシフトマシンや画質を進化させて、これまでと全く違うフラグシップのZシリーズが完成したという、私たち開発者の本気度を強くアピールしたいという思いもあって、特別なナンバーである“7”を付けました」。
今回は「ZG」「ZT」のように、フラグシップ「Zシリーズ」のサブカテゴリーとなるモデルも「 あえてつくらなかった」と本村氏。「タイムシフトマシンは従来、ZG/ZTをはじめとする高付加価値ゾーンのラインナップに搭載してきましたが、今回はメインモデルのZに搭載することで、何としてでも多くの方々にタイムシフトマシンの魅力を体験して欲しいと考えた」ことが理由としてあるという。
進化したタイムシフトマシンの完成度にも本村氏は胸を張る。「特にタイムシフトマシンの膨大なキャッシュ録画のコンテンツを、非常に快適に視聴できるようになる“ざんまいプレイ”がお勧めです。ひょっとしたら、もう過去番組表が要らなくなるぐらい、新しいタイムシフトマシンは“便利化”しています」。
Z7シリーズの発売に合わせ、東芝純正のタイムシフトマシン用外付USB-HDD「THD-250TI」も11月上旬に発売される。テレビの背面側には、USB-HDDを接続するために2基のUSB3.0端子が搭載されている。「やはりタイムシフトマシンを外部HDDで実現するためには、十分なアクセス速度が得られるUSB3.0の接続環境が必要」であるためだ。なお純正USB-HDDは一つの筐体に2基のHDDを内蔵し、USBケーブルを同時に2本テレビに接続する必要があるが、ユーザーが独自にUSB3.0対応の外付USB-HDDを購入し、1台で3チャンネル分のタイムシフトマシン録画を利用することもできる。
今後のREGZAシリーズの展開もきいた。「Z7は今回、42/47/55V型の3サイズを揃えました。お客様からは、もっと大型のZシリーズが欲しいという声もいただきますが、大画面化の展開につきましては、先日“4K REGZA”の商品計画の中で発表した50型台、60型台、そして84型の4K対応モデルにもぜひ期待して欲しい」と本村氏。小型モデルについては「フラグシップであるZ7シリーズの要素を受け継いだ、スタイリッシュなハイエンドモデルのJ7シリーズと、全体で幅広くサイズ展開している」とアピール。J7とZ7が非常に密接に関わり合っているラインナップであることを強調する。
3Dに関してはZ7シリーズがパッシブ方式の表示に対応。今後の採用について本村氏は、「REGZAは“映画を見るなら4K”というメッセージを発信してきたが、3Dについても映画を中心に、大画面テレビで楽しみたいという方が多くいらっしゃることを認識しています。84V型の4K REGZAも含めて、今後のモデルにどう反映していくかについては検討していきたいと思います」と述べた。
テレビと人と人をつなぐ、クラウドサービス「TimeOn」
新しいREGZA Z7/J7シリーズのもう一つのポイントが、東芝が新製品の発売に合わせてスタートさせるクラウドサービス「TimeOn(タイムオン)」を使ったテレビの新たな視聴機能が利用できることだ。
(株)東芝 デジタルプロダクツ&サービス社で、「TimeOn」や「レグザAppsコネクト」をはじめとしたネットワーク系サービス、アプリケーションの開発を指揮する片岡秀夫氏に、新しいクラウドサービスのコンセプトを訊ねた。
「TimeOn」を基軸にしたクラウドサービスは、REGZAの録画機能の延長線上にとどまるものではなく、全体像が非常に広大なもの、と片岡氏は説く。最も重要なコンセプトは「テレビと人、あるいは人と人とをつなぐための起点のサービスであること」。「テレビを中心に、ユーザーの皆様がテレビを視ることの楽しさを再発見できるサービスにしたいと考えて、“TimeOn”を開発してきました。家族や友人、仲間とテレビ番組に関連する“話題”を便利に共有できる機能を提供することで、コミュニケーションツールとしてのテレビの価値が高まり、またテレビが面白くなってくると確信しています」と語る。
今回、CEATECのブースでは10月下旬から本スタートが予定されている「TimeOn」の、サービスの一部が体験できる。
「みどころシーン再生」は、タイムシフトマシン/通常録画した地上デジタル放送の番組一覧から放送局をまたいで、“見たいシーン”をクラウド情報を活用しながらキーワードから簡単に探し出せる機能。これまで番組単位で録画内容を確認し、見たい登場人物やシーンは番組の頭から再生して探すといったテレビの視聴スタイルが、このサービスによって「シーン単位」でアクセスして楽しむライフスタイルが生まれてくる可能性がある。見たいシーンを探すための検索機能については、検索キーワードを入力して探す方法を採る。「将来はAND/OR/NOTなど、キーワードの条件検索も追加できるよう検討も進めています。ローンチ後も、サービスをより進化させられることもクラウドの良いところだと思います」(片岡氏)。
シーン再生に関連するサービスとしては、「TimeOn」のプラットフォームを利用して、友人などに「おすすめシーン」をリコメンドできる機能も用意する。「他のユーザーとつながることのできる、コミュニケーションツールをTimeOnに数多く揃えます。例えば、友達から“おすすめシーン”が送られてきたとします。するとメッセージを選択するだけで、タイムシフトマシンを搭載するREGZAのユーザー同士なら、キャッシュされている録画番組から該当シーンをすぐさま再生して楽しめます。今後は、“番組予約の段階”からリコメンド、シェアできる機能も追加したいと考えています」と片岡氏は説明を加える。
番組再生中にリモコンの「気になる!」ボタンを押すと、録画番組の見所を“シーン単位”で区切った「シーンリスト」が表示され、シーンを選びながら番組を視聴することもできる。「TimeOn」のサーバーから提供される東芝の公式シーンリストが利用できるほか、「レグザAppsコネクト」アプリ、「RZタグラー」などでユーザーが作成した“タグリスト”も活用できる。視聴者が互いにおすすめ情報を共有しながらテレビを楽しめる仕掛けが、ここにも用意されている。片岡氏は「シーン再生をスタートした後に、リモコンの左右キーで前後のシーンに移動したり、上下キーでシーン一覧に戻ることができます。このあたりの使い勝手は特に工夫したところです」と魅力をアピールする。
その他、今回のブース展示ではクラウドアルバム/伝言ボード/カレンダーサービスなど、様々な機能について実演を交えた紹介が行われている。
片岡氏は「“TimeOn”のサービスインも間近ですが、今後さらにサービスの完成度を高めていきたいと考えています。クラウド情報を利用した録画機能「おまかせ録画」などもその一つです。本機能については、間もなく詳細をご案内できると考えています。サービスのインターフェースはHTML 5ベースで作成されているので、柔軟で自由度の高いデザインが実現できる点も特徴です」という。ブースではAndroidタブレットで利用できる「RZ番組ナビ」「RZクラウド」といったアプリ連携サービスも紹介されていた。「テレビと外部機器との連携についても様々な可能性を探求しながら、これまでにない機能や使い勝手を提案します」という。
REGZAのフラグシップモデル「Zシリーズ」は、これまでにも製品発売後にソフトウェアアップデートを提供しながら、ユーザーに魅力ある機能やサービスを追加してきた。最新のZ7/J7シリーズも今後の進化に注目が集まりそうだ。