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公開日 2012/12/20 17:31

ドワンゴ、ニコニコ関連コンテンツのリコメンド機能「ニコメンド」を発表

ブロマガの機能アップデートも発表
ファイル・ウェブ編集部
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(株)ドワンゴは、ニコニコ動画のサービスに関する記者発表会を開催した。会見では「ニコニコ動画」のユーザーによるレコメンド機能「ニコメンド」の新設や、「ニコニコ動画:Q」の動画視聴ページに関する機能向上などが発表された。


(株)ドワンゴ 代表取締役会長 川上量生氏

(株)ドワンゴ 取締役 夏野剛氏
記者発表会には(株)ドワンゴ 代表取締役会長 川上量生氏、取締役 夏野剛氏が出席した。記者会見ではブロマガの新機能追加、ならびにニコニコニュースの方針宣言についての発表も行われている。本項で順に紹介していこう。

お気に入り動画の関連コンテンツを横断的に見つけられる「ニコメンド」機能を新設

はじめに「ニコニコ動画」サービスに関連する新機能が紹介された。名称は「ニコメンド」。投稿されている動画や生放送などのコンテンツに、関連動画のURLやニコニコ静画のイラスト/電子書籍、マイリストやタグなど、ニコニコ内のコンテンツを貼り付けて推薦できるリコメンド機能になる。対応バージョンは「ニコニコ動画:Q」および「ニコニコ動画(原宿)」。


「ニコメンド」機能を新設

ニコニコ内の様々なコンテンツをリコメンドできる
「ニコメンド」枠は動画プレーヤー画面の左パネル、および下側に設けられ、視聴ユーザー、または投稿者自身を含むニコニコアカウントを所有する全ユーザーがコメントを書き込める。ニコメンドの削除はプレミア会員に限られるが、動画投稿者は一般会員でも削除できる。


コメントは手軽に付けられる
レコメンドできるのはニコニコ動画、ニコニコ生放送(公式/ユーザーともに)、ニコニコ静画のイラストや漫画/電子書籍、ニコニコチャンネル、ニコニコニュース、マイリスト、タグなどニコニコ内のコンテンツ。ニコメンドの設定時には全120種類のニコニコオリジナルの“ニコキャラ”を同時に付けられる。

動画の投稿者は自分のニコメンドやお気に入りのニコメンドを最大2件まで「投稿者イチオシ!」として設定でき、イチオシのニコメンドは最上部に優先して表示されるようになる。

1件の動画につき、最大16件のニコメンドが表示可能。動画や期間ごとに設定されたニコポイントを使うことで、自分のニコメンドを指定期間中、優先表示することもできる。

本機能の活用例として、夏野氏は「例えばメインの動画に関連する“続編”を紹介したり、動画を元につくった二次創作のコンテンツを宣伝するのもよいと思う」と説明した。

niconico内のコンテンツ回遊率が高まることを期待する

また「ニコニコ動画:Q」の視聴ページ「Qwatch」もバージョンアップが図られた。動画を見ながら次に視聴したい動画が探せる「動画選択画面」を用意するほか、動画情報の全てをページ上部に表示できるようにもなる。さらにパフォーマンス優先設定を設けることで、一部機能を簡略化して動作負担を軽減、動画をより快適に楽しめるようになる。なお非ログイン時や新規アカウントは最初から「Q」バージョンが選択されるが、「原宿」のサービスについても現在使用するユーザーは継続して使うことができる。

ブロマガに広告モデルを採用/来年1月はユーザー開放

ニコニコの記事コンテンツプラットフォーム「ブロマガ」にも新機能が追加される。

はじめに夏野氏はこれまでの「ブロマガ」サービスの概要について、「ブログ/メールマガジンなどを通して、登録ユーザーに記事を届けられるプラットフォームとして8月21日からスタートした。テキストベースからスタートした後、有料・無料の記事を選んで配信可能にし、電子書籍でも記事閲覧可能としてきた。ブロマガは発信者が自由に意見を発信・報道できる場所。発信者が収益を得られるプラットフォームにもなっている」と説明。本年12月時点での総ブロマガ開設数は228、有料登録者会員が3万人を突破したことも発表した。

今年の8月からスタートした「ブロマガ」のサービス

ブロマガのコンセプト


今年12月に有料登録会員数が3万人を突破した
ブロマガサービスの特徴について、夏野氏は「毎月約800万人が集まり、平均滞在時間はおよそ100分というニコニコの集客力を活かして、回遊しているユーザーにコンテンツの魅力を呼びかけられるのがメリット。発信者の中はネームやブランド、Twitterのフォロワー数が特に無くても、ニコニコ内で人気を獲得していく成功事例も出てきている。運営する私たちとしては、非常に歓迎すべきトレンドだ」とした。今後はタレントをはじめ、ブロマガの新規ラインナップが続々と加わる予定だという。


ブロマガの新規ラインナップも加わる予定
このブロマガに加わる新機能は2つ。1つ目が「広告課金モデルへの対応」になる。これまでブロマガ開設者の収益手段は記事の有料設定による課金モデルで、1記事単位の都度価格設定、もしくは1ヶ月間単位の月額価格設定を選ぶことができた。今回新たに広告モデルを採用したブロマガがスタートする。

広告課金モデルを追加する

ユーザーは従来の有料課金モデル版か、ニコニコとの収益シェアにより運営される広告モデル版のいずれかを選択してブロマガ開設ができるようになる。広告はGoogle AdsenseやAmazonアフィリエイトなどの貼り付けに対応し、ブロマガページをHTML/css/JavaScriptでフルカスタマイズすることも可能だ。大規模なトラフィックをさばけるサーバーも用意される。


プラットフォームの整備と柔軟なカスタマイズ性を用意
夏野氏はブロマガユーザーへの収益還元の方法について「現在細かな部分を検討している。ある一定の閾値まではニコニコポイントによる還元もあり得ると思うし、現金での支払いも含めて詳細を詰めていきたい」とした。

もう一つの新規機能が「ブロマガのユーザー開放」だ。これまでブロマガは有名人やメディアなどが中心に開設してきたが、2013年1月から全てのニコニコユーザーがブロマガを配信できるようになる。川上氏は「動画/生放送/静画と同様、ユーザーが文章の才能をもとに自分だけのコンテンツを発信できるようになる」と、新規サービスの魅力をアピールした。


ブロマガの一般開放を13年1月に実施
ユーザー開放はβ版として先行リリースされ、バージョンアップにより課金対応とする。課金開始時にはユーザードメインを付与する。夏野氏は「ニコニコの様々なコンテンツフォーマットに将来対応したいと考えているし、課金の選択肢も用意する。最強のブログプラットフォームをニコニコが提供していく。ブロマガの登場により、動画や生放送のクオリティがさらに上がっていくことにも期待したい」と述べた。

ユーザードメインの付与も進める

またブロマガの発行者がヤフオクと共同でオークションに出品する、本年末限定のプロジェクトについても明らかにされた。ブロマガの発行者が出品する品をヤフオクから競り落とせるイベントとなり、12月20日16時から「入札編」を開始、24日24時から落札編を公開する。夏野氏は「ブロマガ購読者の人数を増やしていくため、このようなイベントを今後も定期的に開催していきたい」とした。

ヤフオクと共同で「ニコニコオークション」を実施

著名なブロマガ筆者も参加する


「ニコニコニュース・ポリシー宣言」を発表 − 「ニコニコはジャーナリズムではなく、情報プラットフォームだ」

(株)ドワンゴと(株)ニワンゴは、動画サービス「niconico」の「ニコニコニュース」に関するポリシー宣言を公開した。発表会の壇上に登壇した夏野氏は「近年、niconicoそのものが政治・論壇関係を含めて大きな役割を担いつつある。ここでニコニコニュースの方針を改めて宣言しておきたい」とし、今回のポリシーを発表した背景について述べた。


09年9月に岡田外務大臣がニコニコ生放送のオープン記者会見を行ったことがブレイクのきっかけになったという
川上氏はニコニコニュースの歴史を紹介。「niconicoがネット上のニュースメディアとして注目されるようになったきっかけは、09年に民主党の岡田克也氏が、外務省のオープン記者会見を行ったことがきっかけ。また10年11月の小沢一郎氏によるネット会見や、11年3月の大震災発生後の報道コンテンツが大きなターニングポイントになった」と説明を続けた。

川上氏はニコニコニュースの方針について、「我々はジャーナリズムではなく、ネット上の新しいメディアとして、発信者を支援する情報プラットフォームである」とし、niconico自身が意見を持って情報を発信していくことは今後ないと強調した。「ネットにおける個人・団体・企業、およびメディアの自由な発信を様々なツールで支援していくことが私たちの役割。原則としてニコニコニュース独自の情報発信は行わないが、マスメディアが取り上げないトピックスを例外として、独自取材でニュース化することはあり得るだろう」と述べた。また「中継や会見など生放送のコンテンツは一切編集せず、全てありのままに伝えてユーザーと共有していく」との考えを表明した。

ニコニコニュースはジャーナリズムではないと宣言

情報プラットフォームとしての役割がメインであることを改めて宣言した

ネットを使った世論調査は定期的に行っていくという。川上氏は世論の意識や動向を調査公表する「ニコ割アンケート」の実施も宣言。「ネットのアンケートには、“工作員”が何度も投票してしまうことで結果の信頼性が落ちるものもある。私たちはログイン会員を集めて、同時にアンケートを行う手法を採り入れていくことで、本音に近いネットの声を取り出せる仕組みをつくった。定期的に色々な重要なトピックスについて調査し、データを公表できるようにしていく」と説明した。

ネット調査も積極的に展開していく

ドワンゴでは2013年1月1日付で報道部を廃止し、代わりに「ニュースプラットフォーム部」を新設する。

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