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公開日 2014/07/01 18:13
家庭用「Dolby Atmos」をオンキヨーの新AVアンプで一足先に体験!
イネイブルド・スピーカーの効果も体感
本日オンキヨーは、「Gibson Brands Showroom TOKYO」のプレス発表会にあわせ、同ショールームがあるビル地下1階にある「マリンシアター」において、家庭用「Dolby Atmos」(ドルビーアトモス)のデモを行った。
■ドルビーアトモスとは?
ドルビーアトモスは、米Dolby Laboratoryが開発した新技術。すでに映画館向けには2012年から提供開始し、アメリカや中国はもちろん、日本においても、徐々に対応する映画館が増えつつある。
ドルビーアトモスの最大の特徴は、リスナーの頭上に音源を設置し、天井方向も含めた立体的な音場を展開すること。もちろん、天井にスピーカーが設置できれば、制作者の意図に近い再生が可能だが、ドルビーも「多くの場合は天井には設置できない」とし、天井へ音を放出し、その反射音で頭上からの音を再現する「Dolby Atmos-enabled speakers」が、多くのAVファンにとって現実的な選択肢になると説明している。
さらにドルビーは、ドルビーアトモス対応コンテンツについても言及。2014年秋にはドルビーアトモス制作した映画BDを発表し、さらに動画配信サービスも開始すると発表済み。2015年初めには、さらに多くの発表がある予定としている。なおDolby Atmos対応のBDは、一般的なBDプレーヤーで再生できる。
■いち早く対応AVアンプを発表したオンキヨー
このドルビーの発表を受け、AVアンプメーカー各社が続々と対応AVアンプの発売をアナウンス。中でも、最も動きが早かったのがオンキヨーで、ドルビーの発表と同日の6月23日に、ドルビーアトモスに対応したAVアンプ上位機「TX-NR1030/3030」を開発中であると発表。さらにこの春発売した「TX-NR838」「TX-NR636」においても、今年9月にアップデートでドルビーアトモスに対応させる予定であるとした。
今回のデモでは、開発途中の「TX-NR3030」を用い、5.1.2システム(通常の5.1chシステムに、2本の天井スピーカーを加えた状態)で行われた。再生されたのはDolby Atmosでエンコードした音声を収録したデモ用のBDソフトだ。
■上方で音がぐるぐる回る。オブジェクトベースならではの音のつながりにも驚嘆
まず、天井埋め込みスピーカーを使った状態でデモソースを再生する。視聴したデモソフトは、森の中を風がくぐり抜けたり、虫が周りを飛んだりするシーンで構成された、わずか数分のもの。一聴してすぐ、上方の音がシームレスに周りの音声とつながり、これまで家庭用ホームシアターシステムでは体験したことのない、包み込まれるような感覚に驚かされる。
頭上を虫がぐるぐると飛び交い、風が頭上を通り抜けたりする。映画館でのドルビーアトモスに近い体験が、ホームシアターシステムで得られるのは感激だ。
それだけではない。上方だけではなく、前後の音の移動感も極めてスムーズだ。聞けば、デモ用BDソフトに収録されたドルビーアトモス音声も、映画館と同じくオブジェクトベースのミキシングが行われているとのこと。従来のチャンネルベースのミキシングとは異なり、各オブジェクトの位置情報や動きを記録する仕組みだ。あとはスピーカーの位置や数、音響再生性能などの情報に基づき、最適なレンダリング方法をDSPで処理し、再生する。このため、音のつながりがこれまでのサラウンドフォーマットに比べ、格段によく感じられるのだ。
オンキヨーの説明員も、「上から音が鳴ることばかりがドルビーアトモスの特徴として語られますが、オブジェクトベースであるということの恩恵も、それに負けず劣らず大きいと思います」と語る。
■「イネイブルド・スピーカー」の威力は?
続いて、天井埋込スピーカーを使わず、フロントスピーカーの上に置いた「Dolby Atmos-enabled speakers」(イネイブルド・スピーカー)試作機を使用。天井の反射音で上方からのサウンドがどこまで再現できるかをデモした。enabled speakersは10mmのフルレンジユニットを搭載。外観などを含め、完全な試作機とのことだ。
なお、マリンシアターの天井は防音仕様のため吸音されてしまい、音が反射されない。このため、もともと部屋の天井に取り付けてあった樹脂パネルをめがけて音を放射し、反射音を実現していた。「一般家庭の天井は石膏ボードなので、こういった処置は必要ない」(オンキヨー)という。
さて、enabled speakersで再生してみると、もちろん音の明確さは天井埋込スピーカーに劣るものの、上から音が鳴る感覚はしっかり味わえ、これまでのハイトスピーカーなどとは別次元の体験が得られる。このenabled speakersでも、十分にドルビーアトモスならではの魅力が感じられるというのが率直な感想だ。
スピーカーの位置などは、マイクを使った自動音場補正で調整することが可能。上方からの音もしっかりと測定し、調整できるという。
なお、既存BDソフトをDSP処理し、ドルビーアトモス風にバーチャル処理して再生することもできるようだが、今日はまだアンプが未完成とのことで、デモは行われなかった。
◇
ハードメーカー各社からドルビーアトモス対応AVアンプがこの秋登場するというアナウンスが行われ、ソニー以外は情報がおおむね出揃った。あとは、ドルビーアトモスで制作されたパッケージソフトがどの程度出てくるかが気になるところだ。
■ドルビーアトモスとは?
ドルビーアトモスは、米Dolby Laboratoryが開発した新技術。すでに映画館向けには2012年から提供開始し、アメリカや中国はもちろん、日本においても、徐々に対応する映画館が増えつつある。
ドルビーアトモスの最大の特徴は、リスナーの頭上に音源を設置し、天井方向も含めた立体的な音場を展開すること。もちろん、天井にスピーカーが設置できれば、制作者の意図に近い再生が可能だが、ドルビーも「多くの場合は天井には設置できない」とし、天井へ音を放出し、その反射音で頭上からの音を再現する「Dolby Atmos-enabled speakers」が、多くのAVファンにとって現実的な選択肢になると説明している。
さらにドルビーは、ドルビーアトモス対応コンテンツについても言及。2014年秋にはドルビーアトモス制作した映画BDを発表し、さらに動画配信サービスも開始すると発表済み。2015年初めには、さらに多くの発表がある予定としている。なおDolby Atmos対応のBDは、一般的なBDプレーヤーで再生できる。
■いち早く対応AVアンプを発表したオンキヨー
このドルビーの発表を受け、AVアンプメーカー各社が続々と対応AVアンプの発売をアナウンス。中でも、最も動きが早かったのがオンキヨーで、ドルビーの発表と同日の6月23日に、ドルビーアトモスに対応したAVアンプ上位機「TX-NR1030/3030」を開発中であると発表。さらにこの春発売した「TX-NR838」「TX-NR636」においても、今年9月にアップデートでドルビーアトモスに対応させる予定であるとした。
今回のデモでは、開発途中の「TX-NR3030」を用い、5.1.2システム(通常の5.1chシステムに、2本の天井スピーカーを加えた状態)で行われた。再生されたのはDolby Atmosでエンコードした音声を収録したデモ用のBDソフトだ。
■上方で音がぐるぐる回る。オブジェクトベースならではの音のつながりにも驚嘆
まず、天井埋め込みスピーカーを使った状態でデモソースを再生する。視聴したデモソフトは、森の中を風がくぐり抜けたり、虫が周りを飛んだりするシーンで構成された、わずか数分のもの。一聴してすぐ、上方の音がシームレスに周りの音声とつながり、これまで家庭用ホームシアターシステムでは体験したことのない、包み込まれるような感覚に驚かされる。
頭上を虫がぐるぐると飛び交い、風が頭上を通り抜けたりする。映画館でのドルビーアトモスに近い体験が、ホームシアターシステムで得られるのは感激だ。
それだけではない。上方だけではなく、前後の音の移動感も極めてスムーズだ。聞けば、デモ用BDソフトに収録されたドルビーアトモス音声も、映画館と同じくオブジェクトベースのミキシングが行われているとのこと。従来のチャンネルベースのミキシングとは異なり、各オブジェクトの位置情報や動きを記録する仕組みだ。あとはスピーカーの位置や数、音響再生性能などの情報に基づき、最適なレンダリング方法をDSPで処理し、再生する。このため、音のつながりがこれまでのサラウンドフォーマットに比べ、格段によく感じられるのだ。
オンキヨーの説明員も、「上から音が鳴ることばかりがドルビーアトモスの特徴として語られますが、オブジェクトベースであるということの恩恵も、それに負けず劣らず大きいと思います」と語る。
■「イネイブルド・スピーカー」の威力は?
続いて、天井埋込スピーカーを使わず、フロントスピーカーの上に置いた「Dolby Atmos-enabled speakers」(イネイブルド・スピーカー)試作機を使用。天井の反射音で上方からのサウンドがどこまで再現できるかをデモした。enabled speakersは10mmのフルレンジユニットを搭載。外観などを含め、完全な試作機とのことだ。
なお、マリンシアターの天井は防音仕様のため吸音されてしまい、音が反射されない。このため、もともと部屋の天井に取り付けてあった樹脂パネルをめがけて音を放射し、反射音を実現していた。「一般家庭の天井は石膏ボードなので、こういった処置は必要ない」(オンキヨー)という。
さて、enabled speakersで再生してみると、もちろん音の明確さは天井埋込スピーカーに劣るものの、上から音が鳴る感覚はしっかり味わえ、これまでのハイトスピーカーなどとは別次元の体験が得られる。このenabled speakersでも、十分にドルビーアトモスならではの魅力が感じられるというのが率直な感想だ。
スピーカーの位置などは、マイクを使った自動音場補正で調整することが可能。上方からの音もしっかりと測定し、調整できるという。
なお、既存BDソフトをDSP処理し、ドルビーアトモス風にバーチャル処理して再生することもできるようだが、今日はまだアンプが未完成とのことで、デモは行われなかった。
ハードメーカー各社からドルビーアトモス対応AVアンプがこの秋登場するというアナウンスが行われ、ソニー以外は情報がおおむね出揃った。あとは、ドルビーアトモスで制作されたパッケージソフトがどの程度出てくるかが気になるところだ。