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公開日 2015/04/28 20:33

パナソニック、'14年は大幅増益1,795億円の黒字。'15年は成長路線へシフト

'15年度通期で営業利益4,300億円見込む
編集部:杉浦 みな子
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パナソニックは、2014年度通期(2014年4月1日〜2015年3月31日)の連結決算概要を発表した。売上高は7兆7,150億円で前年並み、営業利益は3,819億円で増益、純利益は前年度から591億円増の1,795億円となり、2年連続で黒字を計上した。

2014年度連結決算概要

営業外損益等


津賀一宏社長
連結売上高は、国内では住宅関連事業や家電事業を中心に消費税増税による反動影響を受けたことで減収となったものの、海外で車載関連事業が好調に推移したことや円安による押し上げ効果もあり増収したことで、トータルでは前年並みの数字を確保した。

地域別 売上高分析

前年比125%となった営業利益については、事業構造改革の効果も含む課題事業の収益改善や、固定費圧縮および材料合理化の取り組みなどが寄与したことで、大幅な増益に繋がったと同社では説明している。中期計画目標の営業利益率5%を達成した。

要因別 営業利益分析

営業外損益には、事業譲渡および固定資産売却に伴う収益を計上した一方で、固定資産減損損失を含む事業構造改革費用のほか、訴訟関連費用、家庭用ヒートポンプ給湯機の市場対策費用などを計上したことにより、税引前利益は1,825億円となった。当期純利益は、連結決算上のパナソニック(株)の繰延税金資産を再計上した結果、法人税等が現象した影響などによって上述の通り1,795億円となり、大幅な増益を達成したとしている。

セグメント別では、テレビ事業を含むAVCネットワークスにおいて、売上高は前年並みの1兆1,543億円、営業利益は前年から161億円増の518億円となった。売上高については、前年度来の事業構造改革に伴う販売減少を、堅調な企業向け事業の販売増加と円安による増収効果で補った。一方で増益した営業利益については、事業構造改革の効果に加え、企業向け事業の販売増加に伴う利益改善が寄与したとしている。

セグメント別実績

2014年度主要課題事業の実績

■'15年は成長路線へ転換する年。さらに増益目指す

本日パナソニックは記者発表会を開催し、同社 代表取締役社長 津賀一宏氏と経理・財務担当の代表取締役専務 河井英明氏が、本件および2015年度の業績見通しについて説明を行った。

津賀一宏氏

河井英明氏

津賀氏は、営業利益率5%を達成したことについて「売上を追わずに利益率5%を目指してきたが、2014年はそこそこ満足できる結果だと思う」とコメントした。

パナソニックグループでは、2014年を中期経営計画「Cross-Value Innovation 2015(CV2015)」の2年目として事業部基軸の経営を推進し、2018年の売上高目標10兆円達成に向けた成長戦略を仕込むために取り組んできた。上述の通り2014年度の営業利益が大幅増益したことによって、「CV2015」で掲げていた営業利益および累計フリーキャッシュ・フローの経営目標数値を、1年前倒しで達成したという。

2015年度はさらに増益を見込んでおり、通期の連結業績見通しは売上高8兆円(前年比104%)、営業利益4,300億円(同比113%)、税引前利益3,000億円(同比164%)、純利益1,800億円(同比100%)としている。なお、営業外損益1,300億円の損失には、事業構造改革費用400億円を含む。

2015年度 連結業績見通し

AVCネットワークスの2015年度見通し

なお本日の発表会にて「2018年を見据える中で2015年をどのような年に位置づけるか」と問われ、津賀氏は「成長路線へ転換する年」と語った。「これまでの利益優先の取り組みから、2015年は持続的な成長に向けて舵を切る。2014年に営業利益率5%を達成したことで、2015年をスタートできて良かった」とコメントした。

具体的には、事業構造改革や固定費の削減によって支えられた過去2年間の収益構造から、新しく売上成長が増益を牽引する構造へと転換する。特に全社の売上増・増益への貢献度が大きい、エアコン、ライティング、ハウジングシステム、インフォテインメントシステム、二次電池、パナホームの6事業部を中心として、売上高と収益性の改善に注力していく。

また、2014年度はテレビ事業のAVCネットワークスを含めた「主要赤字事業」を収益開示事業としていたが、これを変更し、2015年はアプライアンス、オートモーティブ&インダストリアルシステムズなどセグメント別で営業利益率5%未満となっている大規模事業部を収益開示事業に位置づけていく。なおAVCネットワークスは含まれていない。同セグメントの2015年は、映像イメージングやモビリティ事業を中心に販売が伸長し、増販効果で増益になるとしており、売上高は1兆2,360億円、営業利益は675億円とそれぞれ増収増益を見込んでいる。

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