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公開日 2015/11/25 15:57

ソニーPCL、8K対応編集室を披露。同社取り組み紹介や8K/4K HDRデモを実施

「Pablo Rio 8K」導入の208編集室内覧会を実施
編集部:小野佳希
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ソニーPCLは、8K/60pでの映像制作が行えるスネル・アドバンスト・メディア社「Quantel Rio 8K」を導入した208編集室の内覧会を開催。同システム導入の狙いや同社の取り組みについて紹介するとともに、8K映像や4K HDRのデモ上映を披露した。


「Quantel Rio 8K」の導入は今年6月に発表され、その後9月から実際にサービスを開始していたもの(関連ニュース)。同システムは8K/60Pまでのカラーグレーディング・編集・リアルタイムプレビューをサポートし、8Kのキャンバスを活用した8K×2K、8K×1Kなどの編集・加工処理と、リアルタイムでの視聴・確認が可能となるだけでなく、4K映像制作の効率も向上するという。なお、本件発表当時はQuantel(クォンテル)社による「Pablo Rio 8K」という名称だったが、その後に社名およびシステム名の変更があった。

編集室内部

なお、この208編集室は2009年春に4Kと3D編集用に起ち上げられた部屋で、その後、4K/60p対応、そして8K対応へとシステムが更新されてきている。現在は8K/60fpsまでの解像度/フレームレートの編集に対応し、システムにはコンテンツの保存領域として108TBを用意。7,680×4,320/60fpsのコンテンツの場合5.5時間を保存しておけるという。なお、別途でサーバーも用意しており、これに収まりきらないコンテンツを一時的にそちらへ保存しておくといったことも可能。

もちろんソニー製業務機器以外のRAWデータにも対応

当然ながら色域ではBT.709に加えてBT.2020、およびDCI-P3に対応。4K HDRの編集作業ではPQガンマとHybrid Log Gamma(HLG)の両方に対応し、次回システム更新でのVer.3.0からは32bit Floating Renderingにも対応する予定。なお、206編集室も4Kハイフレームレート編集に対応するほか、301編集室も4K作業に対応している。

同社コンテンツサービス事業部ビジュアルソリューション部シニアテクノロジーマネージャーの諏佐佳紀氏は、こうした環境について「多様化する映像フォーマットへ対応するべくこうした部屋を用意している」と説明。「横長など自由なアスペクトに対応するためにRioを導入した。最近では大型のドーム映像も注目されているが、そうしたものにも対応できるようになっている」と続けた。

様々なフォーマットでの制作に対応

ソニーPCL 諏佐氏

諏佐氏はまた、コンテンツの高画質化について「HDR」「高精細化」「ハイフレームレート」「色深度(多階調表現」「表色系(広色域化)」と5つの点が重要だとコメント。「これらの技術要求はどんどん高くなってきて、パワフルなマシンも必要になる」として、新システムを導入した背景を語った。

それぞれ高度化する5つの軸に対応するべくシステム更新を行っている

そして、映画や放送だけでなく、博物館での展示映像、テーマパークでの映像アトラクション、さらに医療等でも4Kや8Kを活用できると説明。その一例として、岡三証券グループが三重県津市で運営するデジタルドームシアター「神楽洞夢」で実際に上映されている全天周映像「NORTHERN LIGHTS」のデモ上映も行った。

全天周映像「NORTHERN LIGHTS」の予告編を上映。α7R 5台に魚眼レンズつけてタイムラプス撮影を行い、それをなめらかに動くように編集している。「縦8K、横8Kなので8K 2面分の大きなデータだがちゃんとRio 8Kで編集できる」(諏佐氏)という

幅広い分野で4Kや8Kが活用できることを紹介

また、UHD BDとして発売を目指しているという「4Kリラクシーズ 宮古島〜癒しのビーチ〜」の一部を8K現像したコンテンツも上映。今回の内覧会用に用意したシャープの85型8K対応モニター「LV-85001」を通してのデモを披露した。

宮古島の風景を収めたコンテンツも上映

宮古島の映像は4K HDRでも上映。同社の4Kデジタル映像ライブラリーからの映像とともに、HDR対応の有機ELモニター「BVM-X300」を3台並べ、PQガンマでのHDR、SDR、HLGでのHDR映像を一度に比較できるようにしていた。

左からPQガンマでのHDR、SDR、ハイブリッドログガンマでのHDR

デモコンテンツの詳細

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