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公開日 2016/04/27 10:41
CROSSZONE、DSP非使用で頭外定位実現のヘッドホン「CZ-1」。“スピーカー音場をヘッドホンで再現”
元大手AVメーカーエンジニアらが開発
CROSSZONEは、音楽の自然な頭外定位/前方定位をヘッドホンで実現することを目指した「CZ-1」を6月下旬に発売する。価格は250,000円(税抜)。販売は(株)トライオードが担当する。
CROSSZONE社は、国内大手音響機器メーカー元エンジニアの協力のもと、台湾大手EMSメーカーが設立した音響機器開発会社。部品は大手EMSで作り、組立や調整は長野県岡谷市の工場で行っている。
その第一弾製品となるCZ-1は、「スピーカー再生したときのような自然な音」を目指して開発されたという密閉型ヘッドホン。ヘッドホンでありながら、音楽を鳴らすときに頭外定位と前方定位を実現するため、特別な構造を投入している。
開発時には、3種類の自然さをテーマにしたという。1つ目は「広がりのある自然な音」で、DSPに頼らず、後述するアコースティックな方法で頭外定位を実現した。
2つ目は「精度感のある自然な装着感」で、長時間つけていても疲れにくいヘッドバンドの機構をデザインした。
3つ目は「音を表す品位あるデザイン」で、自然な音場再現を実現するために“必然的な”ヘッドホン形状を採用している。
また、スピーカー再生時の自然な音場を作りつつ、同時に微細な音まで再現できるヘッドホン再生の良さも両立できるように狙ったという。
■音の再現思想
ふだんヘッドホンで聴く2chの音楽ソフトは、主にステレオ配置のスピーカーで聴くことを前提として作られているものが多い。CZ-1では、そんな音源の魅力をヘッドホンでより良く再現できるように狙った。同社によれば、そのためにキーポイントとなるのが音の「独自伝達特性」だという。
例えばスピーカー再生時の場合、リスナーの右耳には「Rchスピーカーから出てダイレクトに右耳に届く直接音」「Lchスピーカーから出て右耳側に回り込んでくる音」「Rchスピーカーから出て左右の壁に反射して右耳に届く音」が聞こえる。これが独自伝達特性。この大きく3つの音の経路を、ヘッドホンで再現することで、あたかもスピーカーで再生されたような音を作るというのがCZ-1の試みだ。簡単に言うと、エンジニアがスピーカー開発で培ったノウハウ等を投入し、ヘッドホン再生に適した頭部伝達関数(HRTF)を求めている。
■ドライバーユニット・内部構造について
上述の独自伝達特性を実現するため、ハウジング内部は「ハウジングにモニタールームを作る」というコンセプトの特別な構造としている。CROSSZONE社では、これをART(Acoustic Resonance Technology)技術と呼んでいる。
ドライバー構成は、23mmのメインHFドライバー、40mmのCFドライバー、40mmのメインLFドライバーを搭載。それら3基のユニットと音響フィルター、電気フィルターで、スピーカー再生時のような3つの音の経路を再現する。
Rchを例に挙げると、HFドライバーとLFドライバーでRchスピーカーから右耳へ届く直接音を作る。また、同2基のドライバーの背面の音を内部のパイプで最適な位置に配置し、壁への反射音を作る。さらに、CFドライバーでLchから右耳へ回り込んでくる音を作る。
ポイントはLch側から回り込んでくる音の作成で、ヘッドホンのハウジング内に音導管を配置して、CFドライバーの音がそのパイプを伝わって鳴らされる仕組みとしている。DSPを使わず、物理的にLchからRchへ回り込む音のタイムアライメントを作っている。同社ではこの技術にADC(Acoustic Delay Chamber)という名称を設けている。
なお、LFドライバーには真鍮削り出しのフレームを採用しており、深みがありクリアで音崩れのない自然な音色の再現を図っている。加えて、LFドライバーとHFドライバーの振動版には、ベリリウムを高分子薄膜材料に真空蒸着し特殊なものを採用。これにより、音抜けが良く透明感のある音質再現を目指した。
特徴的な三角形のハウジング形状は、これらの内部構造にあわせたものとなる。
■独立8線式構造の専用ケーブルを開発
付属ケーブルは、本機特有のCFドライバーを含む4系統の信号線をそれぞれL/R完全分離した、独立8線式構造の専用ケーブルを開発した。内部にはツイスト構造のOFCリッツ線を使用している。ケーブルは1.5m(モバイル用)、3.5m(リスニングルーム用)の2本が標準で付属する。
また、装着性にもこだわっており、ヘッドバンド部の付け根にバネ機構を採用。このバネ機構で頭にかかる圧力を分散させることで、側圧を抑えている。また、頭部補助パッドによる重量分散を行うことでイヤーパッドの側圧を抑制している。
周波数帯域は20Hz〜40kHz、感度は97dB、インピーダンスは75Ω。
CROSSZONE社は、国内大手音響機器メーカー元エンジニアの協力のもと、台湾大手EMSメーカーが設立した音響機器開発会社。部品は大手EMSで作り、組立や調整は長野県岡谷市の工場で行っている。
その第一弾製品となるCZ-1は、「スピーカー再生したときのような自然な音」を目指して開発されたという密閉型ヘッドホン。ヘッドホンでありながら、音楽を鳴らすときに頭外定位と前方定位を実現するため、特別な構造を投入している。
開発時には、3種類の自然さをテーマにしたという。1つ目は「広がりのある自然な音」で、DSPに頼らず、後述するアコースティックな方法で頭外定位を実現した。
2つ目は「精度感のある自然な装着感」で、長時間つけていても疲れにくいヘッドバンドの機構をデザインした。
3つ目は「音を表す品位あるデザイン」で、自然な音場再現を実現するために“必然的な”ヘッドホン形状を採用している。
また、スピーカー再生時の自然な音場を作りつつ、同時に微細な音まで再現できるヘッドホン再生の良さも両立できるように狙ったという。
■音の再現思想
ふだんヘッドホンで聴く2chの音楽ソフトは、主にステレオ配置のスピーカーで聴くことを前提として作られているものが多い。CZ-1では、そんな音源の魅力をヘッドホンでより良く再現できるように狙った。同社によれば、そのためにキーポイントとなるのが音の「独自伝達特性」だという。
例えばスピーカー再生時の場合、リスナーの右耳には「Rchスピーカーから出てダイレクトに右耳に届く直接音」「Lchスピーカーから出て右耳側に回り込んでくる音」「Rchスピーカーから出て左右の壁に反射して右耳に届く音」が聞こえる。これが独自伝達特性。この大きく3つの音の経路を、ヘッドホンで再現することで、あたかもスピーカーで再生されたような音を作るというのがCZ-1の試みだ。簡単に言うと、エンジニアがスピーカー開発で培ったノウハウ等を投入し、ヘッドホン再生に適した頭部伝達関数(HRTF)を求めている。
■ドライバーユニット・内部構造について
上述の独自伝達特性を実現するため、ハウジング内部は「ハウジングにモニタールームを作る」というコンセプトの特別な構造としている。CROSSZONE社では、これをART(Acoustic Resonance Technology)技術と呼んでいる。
ドライバー構成は、23mmのメインHFドライバー、40mmのCFドライバー、40mmのメインLFドライバーを搭載。それら3基のユニットと音響フィルター、電気フィルターで、スピーカー再生時のような3つの音の経路を再現する。
Rchを例に挙げると、HFドライバーとLFドライバーでRchスピーカーから右耳へ届く直接音を作る。また、同2基のドライバーの背面の音を内部のパイプで最適な位置に配置し、壁への反射音を作る。さらに、CFドライバーでLchから右耳へ回り込んでくる音を作る。
ポイントはLch側から回り込んでくる音の作成で、ヘッドホンのハウジング内に音導管を配置して、CFドライバーの音がそのパイプを伝わって鳴らされる仕組みとしている。DSPを使わず、物理的にLchからRchへ回り込む音のタイムアライメントを作っている。同社ではこの技術にADC(Acoustic Delay Chamber)という名称を設けている。
なお、LFドライバーには真鍮削り出しのフレームを採用しており、深みがありクリアで音崩れのない自然な音色の再現を図っている。加えて、LFドライバーとHFドライバーの振動版には、ベリリウムを高分子薄膜材料に真空蒸着し特殊なものを採用。これにより、音抜けが良く透明感のある音質再現を目指した。
特徴的な三角形のハウジング形状は、これらの内部構造にあわせたものとなる。
■独立8線式構造の専用ケーブルを開発
付属ケーブルは、本機特有のCFドライバーを含む4系統の信号線をそれぞれL/R完全分離した、独立8線式構造の専用ケーブルを開発した。内部にはツイスト構造のOFCリッツ線を使用している。ケーブルは1.5m(モバイル用)、3.5m(リスニングルーム用)の2本が標準で付属する。
また、装着性にもこだわっており、ヘッドバンド部の付け根にバネ機構を採用。このバネ機構で頭にかかる圧力を分散させることで、側圧を抑えている。また、頭部補助パッドによる重量分散を行うことでイヤーパッドの側圧を抑制している。
周波数帯域は20Hz〜40kHz、感度は97dB、インピーダンスは75Ω。