• ブランド
    特設サイト
公開日 2017/01/07 10:49

<CES>ソニーのアトモス対応サウンドバー「HT-ST5000」を試聴レポ ー 開発者の詳細解説も

バーチャル技術とアトモスをブレンド活用
折原一也
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
ソニーはCES 2017のプレスカンファレンスにて、サウンドバー「HT-ST5000」を発表した。本機は同社サウンドバーの最上位モデルとなるだけでなく、同社として初めてドルビーアトモスに対応。カンファレンスでも、HDRによる映像体験と共に本機の紹介に力が入れられていた。

ソニーブースの試聴スペースに設置された「HT-ST5000」(写真中央)

CESのソニーブースでは、同時発表されたUHD-BDプレーヤー「UBP-X800」と組み合わせて、HT-ST5000のドルビーアトモス再生を体験することができた。また、本機を手がけたソニーのホームエンタテインメント&サウンド事業本部の鈴木氏、簗氏にもお話を伺うことができたので、その詳細とサウンドのファーストインプレッションについてお伝えしたい。

インタビューに応じていただいたソニーのホームエンタテインメント&サウンド事業本部の鈴木氏(写真左)、簗氏(写真中央)。写真右は別記事で「UBP-X800」の話を伺った植木氏

HT-ST5000は、7.1.2chのドルビーアトモス再生に対応したことが最大の特徴だ。その筐体はサウンドバー部とサブウーファー部に分かれていてる。

サウンドバー部の正面にはグラウンドレベル7ch分のスピーカーが搭載されている。フロントL/Rおよびセンターの3ch分のユニットには同軸構成のトゥイーターを備えることで、40kHzまでのハイレゾ再生に対応する。アトモス再生用のイネーブルドスピーカー2ch分は、サウンドバー部の上部両端に搭載。天井に音を放射して反射させ、高さ方向の再現を行う。

なお、7.1.2chの全てのスピーカーユニット(フロント3chについてはウーファー+トゥイーター)が独立したアンプで駆動されており、サウンドバーだけで12ch分のアンプを搭載している。サブウーファーはワイヤレス接続に対応しており、こちらもΣ磁気回路を搭載した最新仕様となっている。サウンドバーとは思えない、実にゴージャスなスピーカー構成だ。

ブースでは、Dolby Atmos対応が大々的に打ち出された

外見からは見えないが左右にイネーブルドスピーカーを内蔵

7.1chサラウンドについては、前方のスピーカーのみでサラウンド音場を再現するソニーの独自技術「S-Force PRO フロントサラウンド」を採用。本機がユニークなのは、このバーチャルサラウンド技術とイネーブルドスピーカーを併用してドルビーアトモス再生を行う点だ。

「HT-ST5000では、まずはフラットな空間をフロントスピーカーとS-Force PRO フロントサラウンドによって作り上げ、その上にイネーブルドスピーカーによる高さ方向の音をブレンドしていく、という音作りを行いました。本機の音作りは、ソニー・ピクチャーズのサウンドエンジニアの協力も得て調整を行っています」(鈴木氏)。

すべてのソースを7.1.2chへアップコンバートして再生する3Dサラウンド機能も搭載。一方で、ハイレゾ音源の再生などを想定したMUSICモードでは、ステレオ再生を行うこともできる。

サウンドバーである以上当然だが、テレビと組み合わせを考えた設計が施されている。

「本機のデザインには2つのポイントがあり、設計にあたってはテレビチームともコミュニケーションをとっています。1つめはテレビの画面を隠さないサイズで、従来のHT-ST9と比べて高さを8mm低くしています。もうひとつはソニーのテレビと組み合わせたときにマッチするデザインにしたことです。本機はテレビと共通のデザイナーが担当しており、コンセプトもテレビと揃えています」(鈴木氏)。

「CES 2017」のブースでデモが行われているHT-ST5000のシステム

ソニーはこれまでドルビーアトモス/DTS:Xに対応したホームシアター製品をラインナップしていなかった。しかし今回のCESでは、ドルビーアトモス対応のHT-ST5000、そしてアトモス/DTS:X対応のAVアンプ「STR-DN1080」が発表された。なぜイマーシブオーディオに対応した製品が、今回のCESで一挙に発表されたのだろうか。

同社はドルビーアトモスの登場以前から、高さ方向まで再現する3D音響の開発を進めており、実際にAVアンプ等に搭載されていた。よって製品開発の下地はすでに整っていたようだ。そこにドルビーアトモスやDTS:Xに対応したBDソフトが少しずつ出そろいはじめたことで、より手軽にイマーシブオーディオを楽しめるサウンドバーを投入するに至ったという。

サウンドバーのラインナップは、ハイレゾ対応の「HT-ST9」が従来の頂点だった。ハイレゾ再生に加えて、ドルビーアトモスによるイマーシブオーディオへの対応を実現した「HT-ST5000」はこの上位の位置付で、新しいトップエンド機となるという。サウンドバーのトップエンドの更新は約2年ぶりとなる。

ハイレゾ再生にも対応する

ブースで実際に確認したHT-ST5000のサウンドだが、一聴して、音の広がりをしっかりと再現してサラウンド感を明確に伝えてくれる基本性能の高さがわかる。ここにドルビーアトモスによる高さ方向の音が加わると、映像の場所に居合わせるような臨場感がさらに増す。もちろん高さ方向の再現は、天井の反射を使ったイネーブルドスピーカーによるもの。しかしそのサウンドは、横方向の広がりだけの従来のサウンドバーとは別次元。本機のサラウンド再現が、サウンドバーの新境地に到達していることは間違いない。

音の良さやハイレゾ対応によって、すでに高い評価を得ているソニーのサウンドバー。そこにドルビーアトモスによるイマーシブオーディオが加わり、その魅力はさら際立つものとなった。HT-ST5000の日本での登場が楽しみだ。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 「オーディオケーブル」って本当に音が変わるの? 特徴や選び方を紹介
2 読み放題「Kindle Unlimited」が3ヶ月199円。フリーレン・路傍のフジイなど小学館の人気マンガ祭も
3 デノンらしい単刀直入で誠実なサウンド。万能プリメイン「PMA-3000NE」の先には幸せなオーディオ人生が待っている
4 ダイヤル付ケース、ChatGPT連携…Nothingの技術と遊び心が詰まった「CMF Buds Pro 2」にワクワクが止まらない!
5 【ミニレビュー】ティグロンの“仮想アースつき”オーディオボード「TMB-DR20E」
6 モバイルバッテリーの寿命っていつまで? 「目で判断する」と危ない理由
7 骨伝導イヤホンの常識変える名機が誕生!Shokzの新フラグシップ機「OpenRun Pro 2」レビュー
8 「AirPods 4」のノイキャンや音質、装着感を現地で試した!「想像を超える」消音効果
9 ディスクユニオン×『ぼっち・ざ・ろっく!』コラボグッズが登場。キャリングバッグや完熟マンゴーLPボックスなど
10 ソニー、「Xperia 5 V」後継機を今期は発売しないことをアナウンス。Xperia 1 VI/10 VIが好調
9/17 10:23 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.194
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.21 2023 WINTER
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.21
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2023受賞製品お買い物ガイド(2023年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2023年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX