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公開日 2018/07/20 07:30
ドルビーアトモス × ゲームで味わう“未確認浮遊快感”。『ANUBIS M∀RS』体験レポート
激しい動きのゲームとドルビーアトモスは相性抜群
(株)コナミデジタルエンタテインメントと(株)Cygamesが共同開発しているPlaystation 4/Playstation VR/Steam(PC)用ゲーム『ANUBIS ZONE OF THE ENDERS:M∀RS』(以下、『ANUBIS M∀RS』)。
2003年発売のPlaystation 2専用ゲーム『ANUBIS ZONE OF THE ENDERS』(以下、『ANUBIS』)を4K解像度でリマスターしたこのタイトルは、Steam版では音響に「Dolby Atmos®(ドルビーアトモス)」も採用。国内のゲームタイトルでは2番目の採用となるこのオブジェクトベース・サラウンドで、さらなる表現力のパワーアップを図っている。
今回、本作でドルビーアトモス制作環境のセットアップなどを担当したドルビージャパンの近藤氏、ならびにCygames広報の西尾氏にお招きいただき、実際に『ANUBIS M∀RS』をドルビーアトモス環境で体感することができたので、その模様をレポートする。
■『ANUBIS』ファンが集った渾身のリマスター作品
『ANUBIS』は、人型メカ“オービタルフレーム”「ジェフティ」を操作し、敵との戦いや探索を行っていくロボットアクションゲーム。“未確認浮遊快感”というキャッチコピー通り、浮遊するような滑らかな飛行とスピーディーな動作により、爽快感あふれる操作が楽しめる。
作り込まれたディテール、ストーリーやキャラクターなども魅力的で、決して大きく宣伝された訳ではないにも関わらず、コアなファンを多数獲得。2012年にはPlaystation 3/Xbox 360用タイトルとしてリマスター版が発売された。
2度目のリマスターとなる『ANUBIS M∀RS』は、テクスチャーを4K対応で再度作り直し、さらにSteam版ではドルビーアトモスにも対応。タイトルの“M∀RS”という表記には、主な舞台となる“火星”に加えて“VR”の意味も込められており、その名の通りジェフティのコクピットからの視点を楽しめるVRモードも搭載する。
西尾氏によれば、『ANUBIS M∀RS』はCygamesからコナミに提案するかたちで実現したといい、「Cygames社内は社長含めて『ANUBIS』のファンばかり。それだけに、現段階で最高の環境で制作するという思いがこもっている」と語っていた。
『ANUBIS M∀RS』の製作には、リマスター作品としては極めて長い期間を要したそうだが、それは音響の製作についても同様だ。ステレオ収録のみだった『ANUBIS』の音声をドルビーアトモス対応させるにあたり、ジェフティを操作するインタラクティブシーンの音は、後述するシステム側で処理。会話などカットシーン用の音源は、大元の音声素材をスタジオに持ち込んで再編集を行った。
そうした作業を経て、『ANUBIS M∀RS』では、インタラクティブシーン、カットシーンのほとんどがドルビーアトモスに対応。“おまけモード”として収録されている、コナミのシューティングゲーム『グラディウス』のセルフパロディ『ZORADIUS』まで、ドルビーアトモス対応という徹底ぶりだ。なお余談ではあるが、VRモードでは同じ音響素材を用い、チャンネルベースのイマーシブサラウンド「Auro-3D」で出力されるという。
同じくANUBISのファンという近藤氏は「どえらいものを作ってしまったな、という感想。PS2当時の“思い出”そのままの姿を、今の最新技術でアップデートできているのは素晴らしく、衝撃的」と語っていた。
■実は“ゲームと親和性が高い”ドルビーアトモス
また近藤氏からは、ドルビーアトモスのビデオゲームに導入に関して近況も語られた。映画はもちろん、スポーツやコンサートのライブ配信でも採用例を増やしつつあるというドルビーアトモスだが、ビデオゲームに導入するハードルは、他のコンテンツに比べても高くないという。
その理由を近藤氏は、「そもそもビデオゲームの内部処理では、上下左右の立体的な座標で音を扱っている。ドルビーアトモスも音声に位置情報を持たせてレンダリングするという仕組みのため、親和性が高い」と説明した。
また、ビデオゲームへのドルビーアトモス導入を後押しする取り組みとして、マイクロソフトが同社の家庭用ゲーム機・Xbox One、ならびにWindows 10を、システムレベルからドルビーアトモスに対応させたことも注目だ(Windows 10は、昨年配信の大型アップデート「Fall Creators Update」にて対応)。
Xbox One/Windows どちらにおいても、アプリ『Dolby Access』をインストールすることでDobly Atmos対応機器へのHDMI出力が可能となる。また¥1,650の有料オプションを購入することで、ヘッドホンへのバーチャル出力を有効にすることもできる。
昨年、ゲーム業界最大の見本市「E3 2017」にて、4K UHD出力に対応したXbox Oneの上位モデル「Xbox One X」についてプレゼンが行われた際も、ドルビーアトモスをサポートしていることが大きくフィーチャーされていた。
2003年発売のPlaystation 2専用ゲーム『ANUBIS ZONE OF THE ENDERS』(以下、『ANUBIS』)を4K解像度でリマスターしたこのタイトルは、Steam版では音響に「Dolby Atmos®(ドルビーアトモス)」も採用。国内のゲームタイトルでは2番目の採用となるこのオブジェクトベース・サラウンドで、さらなる表現力のパワーアップを図っている。
今回、本作でドルビーアトモス制作環境のセットアップなどを担当したドルビージャパンの近藤氏、ならびにCygames広報の西尾氏にお招きいただき、実際に『ANUBIS M∀RS』をドルビーアトモス環境で体感することができたので、その模様をレポートする。
■『ANUBIS』ファンが集った渾身のリマスター作品
『ANUBIS』は、人型メカ“オービタルフレーム”「ジェフティ」を操作し、敵との戦いや探索を行っていくロボットアクションゲーム。“未確認浮遊快感”というキャッチコピー通り、浮遊するような滑らかな飛行とスピーディーな動作により、爽快感あふれる操作が楽しめる。
作り込まれたディテール、ストーリーやキャラクターなども魅力的で、決して大きく宣伝された訳ではないにも関わらず、コアなファンを多数獲得。2012年にはPlaystation 3/Xbox 360用タイトルとしてリマスター版が発売された。
2度目のリマスターとなる『ANUBIS M∀RS』は、テクスチャーを4K対応で再度作り直し、さらにSteam版ではドルビーアトモスにも対応。タイトルの“M∀RS”という表記には、主な舞台となる“火星”に加えて“VR”の意味も込められており、その名の通りジェフティのコクピットからの視点を楽しめるVRモードも搭載する。
西尾氏によれば、『ANUBIS M∀RS』はCygamesからコナミに提案するかたちで実現したといい、「Cygames社内は社長含めて『ANUBIS』のファンばかり。それだけに、現段階で最高の環境で制作するという思いがこもっている」と語っていた。
『ANUBIS M∀RS』の製作には、リマスター作品としては極めて長い期間を要したそうだが、それは音響の製作についても同様だ。ステレオ収録のみだった『ANUBIS』の音声をドルビーアトモス対応させるにあたり、ジェフティを操作するインタラクティブシーンの音は、後述するシステム側で処理。会話などカットシーン用の音源は、大元の音声素材をスタジオに持ち込んで再編集を行った。
そうした作業を経て、『ANUBIS M∀RS』では、インタラクティブシーン、カットシーンのほとんどがドルビーアトモスに対応。“おまけモード”として収録されている、コナミのシューティングゲーム『グラディウス』のセルフパロディ『ZORADIUS』まで、ドルビーアトモス対応という徹底ぶりだ。なお余談ではあるが、VRモードでは同じ音響素材を用い、チャンネルベースのイマーシブサラウンド「Auro-3D」で出力されるという。
同じくANUBISのファンという近藤氏は「どえらいものを作ってしまったな、という感想。PS2当時の“思い出”そのままの姿を、今の最新技術でアップデートできているのは素晴らしく、衝撃的」と語っていた。
■実は“ゲームと親和性が高い”ドルビーアトモス
また近藤氏からは、ドルビーアトモスのビデオゲームに導入に関して近況も語られた。映画はもちろん、スポーツやコンサートのライブ配信でも採用例を増やしつつあるというドルビーアトモスだが、ビデオゲームに導入するハードルは、他のコンテンツに比べても高くないという。
その理由を近藤氏は、「そもそもビデオゲームの内部処理では、上下左右の立体的な座標で音を扱っている。ドルビーアトモスも音声に位置情報を持たせてレンダリングするという仕組みのため、親和性が高い」と説明した。
また、ビデオゲームへのドルビーアトモス導入を後押しする取り組みとして、マイクロソフトが同社の家庭用ゲーム機・Xbox One、ならびにWindows 10を、システムレベルからドルビーアトモスに対応させたことも注目だ(Windows 10は、昨年配信の大型アップデート「Fall Creators Update」にて対応)。
Xbox One/Windows どちらにおいても、アプリ『Dolby Access』をインストールすることでDobly Atmos対応機器へのHDMI出力が可能となる。また¥1,650の有料オプションを購入することで、ヘッドホンへのバーチャル出力を有効にすることもできる。
昨年、ゲーム業界最大の見本市「E3 2017」にて、4K UHD出力に対応したXbox Oneの上位モデル「Xbox One X」についてプレゼンが行われた際も、ドルビーアトモスをサポートしていることが大きくフィーチャーされていた。