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公開日 2020/01/24 18:25
新4K8K衛星放送の普及が年末急拡大。視聴可能機器は300万台を突破、7月の五輪時に500万台普及へ
A-PABが発表
■東京五輪後に新メディアとして定着させる
一般社団法人 放送サービス高度化推進協会(A-PAB)は、2019年12月1日の放送開始から1年が経過した新4K8K衛星放送について、昨年末時点での関連機器の出荷台数や販売現場の状況について発表を行った。
新4K8K衛星放送の視聴可能機器の出荷台数(JEITA)は、2019年12月末累計で312.9万台に達した。冒頭、あいさつに立った同協会理事長・福田俊男氏は「前回の会見で目標として掲げた300万台を達成することができた。昨年1年間、開始から半年は低空飛行でスタートして展望も開けなかったが、6月に大手メーカー各社から商品が揃い、少しずつ右肩上がりになった。後半には、ラグビーワールドカップをはじめとする盛沢山の国際大会が続き、今年の東京オリンピックへと期待が高まってきている」と上昇基調へ手応えを示した。
「ホップ・ステップ・ジャンプと順調に来たとは言えない。しかし、300万台は通過点として大変重みがある数字。よくここまでたどり着いたが、BS受信可能世帯数からみると普及率はまだ一桁に過ぎず、早く二桁に乗せていきたい」と気を引き締めた。「新しいメディアとして、無理なく、しかし、できるだけ早く普及してほしい矛盾にジレンマもある。早く、焦らずに普及を図り、定着したメディアにしたい」と力を込めた。
1月19日にスタートした話題のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」も4Kで放送され評判を集めるなど、「東京オリンピックまでいろいろな形で普及が進んでいくことを期待しており、今年中にはホップ・ステップ・ジャンプの“ジャンプ”のところまで行きたい。東京オリンピック後にきちんと定着しているかがひとつの鍵になる」との見解を示した。
■新チューナー内蔵テレビが普及への屋台骨
続いて、同協会理事・木村政孝氏が詳細な視聴機器販売台数の動向と販売現場の状況について説明した。
視聴可能機器の屋台骨となるのが新チューナー内蔵テレビ。2019年12月末累計で194.4万台に達し、12月単月では過去最高となる30.5万台を記録した。「店頭での実販状況では、8月に前年同月比1.8倍、9月には同2.3倍を記録した。特に9月には、品不足や台風の影響による納品遅れがあり、量販店でも10月以降の反動を警戒していたが、その後もほぼ横ばいに推移することができ、12月は実に同3.9倍にまでなった。前年の20モデルから約100モデルに新チューナー内蔵テレビが拡大し、選択肢が大幅に増えたことも影響している」と分析した。
外付け新チューナーは2019年12月末累計で23万台。4月から10月までは、8月を除き1,000台から2,000台で推移していたが、11月には8,000台、12月には5,000台と伸長。「4K対応テレビで、そろそろ外付け新チューナーを買い足そうかというアクションも期待できる」と今後の伸長を予測する。
新チューナー内蔵録画機は2019年12月末累計で31.5万台となった。4K対応テレビは2019年12月末累計で635万台、これに対し、外付け新チューナーと新チューナー内蔵録画機の合計が54.5万台となり、単純計算で、4K対応テレビに対する構成比は8.6%になる。「調査では15%くらいが外付け新チューナーや新チューナー内蔵録画機を購入して視聴すると予測されており、まだまだ伸長の余地がある」との見方を示した。なお、CATVの新チューナー内蔵STBは2019年12月末累計で64万台(一般社団法人 日本ケーブルテレビ連盟)となった
「7月の東京オリンピックへ向けて、一里塚として早く500万台の普及を達成したい。そのためにはあと187万台、月平均では27万台になる。決して容易な数字ではないが、新チューナー内蔵テレビが月20万台で土台となればなんとかできる」と訴える木村氏は、最後に、量販店を巡回している時に販売店から伺った、これからの普及加速を予感させるというお客様の言葉を披露した。
『うちのテレビは壊れていないが、かなり古くなった。東京オリンピックを見るなら、やはり新しいテレビにしたい。画面サイズももっと大きくしたいし、これから10年使うことを考えれば、やはり4Kですよね』。
■普及拡大を裏付ける購入や操作への相談が増加
続いて同協会4K8K推進センター長・宇佐美雄司氏が、コールセンターの状況と衛星放送用受信環境整備状況について説明した。
コールセンターへの相談状況は、2019年12月は対前月比27%増となる314件。「これからテレビを買いに行くんだけど」「4K対応テレビを使っているが新4K衛星放送を見るにはチューナーを買い足せばいいのか」「新チューナーを内蔵したテレビがあると聞いたが」といった受信機の購入に対する相談が増加。「受信機購入後の操作方法に対する相談も多くなっている」と市場の活況を裏付ける内容だ。
受信機関連の相談についての詳細な内訳では、上位から順に、「新4K8K衛星放送を視聴するには4K8Kチューナーが必要か」37.3%、「4K8K受信機器の操作方法について」17.8%、「4K8K受信不良について」11.4%、「2KのTVで新4K8K衛星放送を見られるのか」8.6%、「4K8Kチューナー・TV・録画機の価格について」7.0%となっている。「録画機に対する相談が増えてきており、ニーズの高まりを感じる」と分析する。
電波漏洩対策については、先週末段階での申込件数が約240件、うち交付決定件数が230件、本日1月24日受付分をもって本年度の申請は締め切りとなった。
なお、新4K8K衛星放送に対する相談は、新4K8K衛星放送コールセンターまで。0570-048-001(ナビダイヤル、通話料以内、平日9:00から17:00)
一般社団法人 放送サービス高度化推進協会(A-PAB)は、2019年12月1日の放送開始から1年が経過した新4K8K衛星放送について、昨年末時点での関連機器の出荷台数や販売現場の状況について発表を行った。
新4K8K衛星放送の視聴可能機器の出荷台数(JEITA)は、2019年12月末累計で312.9万台に達した。冒頭、あいさつに立った同協会理事長・福田俊男氏は「前回の会見で目標として掲げた300万台を達成することができた。昨年1年間、開始から半年は低空飛行でスタートして展望も開けなかったが、6月に大手メーカー各社から商品が揃い、少しずつ右肩上がりになった。後半には、ラグビーワールドカップをはじめとする盛沢山の国際大会が続き、今年の東京オリンピックへと期待が高まってきている」と上昇基調へ手応えを示した。
「ホップ・ステップ・ジャンプと順調に来たとは言えない。しかし、300万台は通過点として大変重みがある数字。よくここまでたどり着いたが、BS受信可能世帯数からみると普及率はまだ一桁に過ぎず、早く二桁に乗せていきたい」と気を引き締めた。「新しいメディアとして、無理なく、しかし、できるだけ早く普及してほしい矛盾にジレンマもある。早く、焦らずに普及を図り、定着したメディアにしたい」と力を込めた。
1月19日にスタートした話題のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」も4Kで放送され評判を集めるなど、「東京オリンピックまでいろいろな形で普及が進んでいくことを期待しており、今年中にはホップ・ステップ・ジャンプの“ジャンプ”のところまで行きたい。東京オリンピック後にきちんと定着しているかがひとつの鍵になる」との見解を示した。
■新チューナー内蔵テレビが普及への屋台骨
続いて、同協会理事・木村政孝氏が詳細な視聴機器販売台数の動向と販売現場の状況について説明した。
視聴可能機器の屋台骨となるのが新チューナー内蔵テレビ。2019年12月末累計で194.4万台に達し、12月単月では過去最高となる30.5万台を記録した。「店頭での実販状況では、8月に前年同月比1.8倍、9月には同2.3倍を記録した。特に9月には、品不足や台風の影響による納品遅れがあり、量販店でも10月以降の反動を警戒していたが、その後もほぼ横ばいに推移することができ、12月は実に同3.9倍にまでなった。前年の20モデルから約100モデルに新チューナー内蔵テレビが拡大し、選択肢が大幅に増えたことも影響している」と分析した。
外付け新チューナーは2019年12月末累計で23万台。4月から10月までは、8月を除き1,000台から2,000台で推移していたが、11月には8,000台、12月には5,000台と伸長。「4K対応テレビで、そろそろ外付け新チューナーを買い足そうかというアクションも期待できる」と今後の伸長を予測する。
新チューナー内蔵録画機は2019年12月末累計で31.5万台となった。4K対応テレビは2019年12月末累計で635万台、これに対し、外付け新チューナーと新チューナー内蔵録画機の合計が54.5万台となり、単純計算で、4K対応テレビに対する構成比は8.6%になる。「調査では15%くらいが外付け新チューナーや新チューナー内蔵録画機を購入して視聴すると予測されており、まだまだ伸長の余地がある」との見方を示した。なお、CATVの新チューナー内蔵STBは2019年12月末累計で64万台(一般社団法人 日本ケーブルテレビ連盟)となった
「7月の東京オリンピックへ向けて、一里塚として早く500万台の普及を達成したい。そのためにはあと187万台、月平均では27万台になる。決して容易な数字ではないが、新チューナー内蔵テレビが月20万台で土台となればなんとかできる」と訴える木村氏は、最後に、量販店を巡回している時に販売店から伺った、これからの普及加速を予感させるというお客様の言葉を披露した。
『うちのテレビは壊れていないが、かなり古くなった。東京オリンピックを見るなら、やはり新しいテレビにしたい。画面サイズももっと大きくしたいし、これから10年使うことを考えれば、やはり4Kですよね』。
■普及拡大を裏付ける購入や操作への相談が増加
続いて同協会4K8K推進センター長・宇佐美雄司氏が、コールセンターの状況と衛星放送用受信環境整備状況について説明した。
コールセンターへの相談状況は、2019年12月は対前月比27%増となる314件。「これからテレビを買いに行くんだけど」「4K対応テレビを使っているが新4K衛星放送を見るにはチューナーを買い足せばいいのか」「新チューナーを内蔵したテレビがあると聞いたが」といった受信機の購入に対する相談が増加。「受信機購入後の操作方法に対する相談も多くなっている」と市場の活況を裏付ける内容だ。
受信機関連の相談についての詳細な内訳では、上位から順に、「新4K8K衛星放送を視聴するには4K8Kチューナーが必要か」37.3%、「4K8K受信機器の操作方法について」17.8%、「4K8K受信不良について」11.4%、「2KのTVで新4K8K衛星放送を見られるのか」8.6%、「4K8Kチューナー・TV・録画機の価格について」7.0%となっている。「録画機に対する相談が増えてきており、ニーズの高まりを感じる」と分析する。
電波漏洩対策については、先週末段階での申込件数が約240件、うち交付決定件数が230件、本日1月24日受付分をもって本年度の申請は締め切りとなった。
なお、新4K8K衛星放送に対する相談は、新4K8K衛星放送コールセンターまで。0570-048-001(ナビダイヤル、通話料以内、平日9:00から17:00)