• ブランド
    特設サイト
ガジェット 公開日 2023/03/20 13:02

大量解雇を避けるアップル、理由は社内の士気低下や企業イメージへの悪影響か

AR/VRヘッドセットの売れ行きにもダメージ?
Gadget Gate
多根清史
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
MetaやGoogle、マイクロソフトといったハイテク大手が大規模なレイオフ(一時解雇)を次々と打ち出しているなか、アップルのみそうした動きは見られない。なぜ解雇しないのかといえば、それは従業員の士気に致命的なダメージをもたらすばかりか、会社そのものに否定的な印象を与えかねない恐れがあるから、との分析が報じられている。

アップルの社内事情に詳しいBloombergのMark Gurman記者によると、アップルは他のハイテク企業よりはるかに収益性が高く、前四半期だけで300億ドルを稼ぎ出している。さらに現在、1650億ドルもの巨大な資金を抱えているため、レイオフを正当化するのは難しいとのことだ。

アップルがレイオフを避けたがっていることは、ティム・クックCEO自らが申し出た減給にも現れているという。2022年度の報酬は9940万ドルだったが、2023年には大幅に減らすべきだと報酬委員会に率先して提案していた(減給後も4900万ドルあるが)。またクック氏は前回の決算説明会で、従業員の解雇は最後の手段だと述べていたこともある。

もしアップルがレイオフに踏み切ったとしたら、どういった事態となるのか。同社のトップは業界で最も戦術的に優れた頭脳の持ち主だと見なされている。そのためレイオフは「彼らが戦略的な失敗を犯した」こと、あるいは「世界経済は人々が危惧しているよりも悪い状態にある」ことを示す恐れがあり、業界や経済に様々な波紋を及ぼす可能性があるというわけだ。

そうした景気の悪化を招くことは、年内に発売が噂されるAR/VRヘッドセットにとっても望ましくはないだろう。同製品の開発に関わった元アップルのエンジニアは「売れないかもしれないのに、製品を出荷すべきとの大きなプレッシャー」が掛かっていたと述べていた。近い将来に引退をほのめかしていたクック氏にとって、AR/VRヘッドセットは花道を飾る製品となるかもしれず、失敗に終わらせたくはないはずだ。

アップルが表立った解雇を避けるために行った施策として、いくつか紹介されていることが非常に興味深い。これまで年2回支給していたコーポレート部門のボーナスを延期したり(手元資金を少しでも長く持って運用するため)、「画面付きHomePod」などのプロジェクトを延期して予算をより緊急性の高いものに振り向けたり、契約社員の採用担当者を解雇したり、出張予算を大幅に削るというぐあいだ。

しかし、この世に絶対と言い切れるものはない。クック氏はレイオフを「最後の手段」と言いつつも、完全に可能性を否定していなかった。アップルが大規模な解雇を行えば、ハイテク業界どころか世界経済に激震が走りかねないが、今後の展開を注視したいところだ。

Source: Bloomberg
via: Wccftech

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 「Amazon プライムデー」本セールが7月16日0時からついにスタート!安くなるものを事前チェック!
2 ヨドバシやビック、Amazonプライムデーより安い超特価セール実施中!見比べないと損をする
3 【レビューあり】Amazonプライムセール、JBLの人気サウンドバー「BAR 1000/800」が激安!
4 Amazonプライムデー先行セールで「半額」「半額以下」で買えちゃうイヤホン・ヘッドホン
5 Amazonプライムデー、FireTV Stick 4K/4K Maxが過去セール超えの大幅割引中
6 Amazonプライムデー、オーディオテクニカのTWS、ヘッドホン、マイクが多数お買い得に!
7 Amazonプライムデー、読み放題・聴き放題などサブスクも無料に! 登録すべきキャンペーンまとめ
8 Prime Videoの有料チャンネル「アニメタイムズ」が60日間無料。7/17まで
9 ノジマとオーディオスクエアのシナジーで“テレビの音の最適解”を案内。存在感を増すネットワーク&HDMI対応アンプ
10 <ポタフェス>FIIOやiFi audioに「本邦初公開」多数/Noble Audio「FoKus TRIUMPH」は今夏発売
7/16 10:43 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.193
オーディオアクセサリー大全2024~2025
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2024~2025
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.21 2023 WINTER
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.21
プレミアムヘッドホンガイド Vol.31 2024 SPRING
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.31(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2023受賞製品お買い物ガイド(2023年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2023年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX