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昨年iPhone 14シリーズに搭載された「衛星経由の緊急SOS」機能は、Wi-Fiや携帯電話の電波が届かない場所で窮地に陥った人々を何度も救ってきた。11月半ばに米国およびカナダで有効になった直後、アラスカの人里離れた場所で立ち往生した男性が助けを求めたり、ときには谷に転落した男女が衝突検出+衛星通信の合わせ技で一命を取り留めたこともあった。
そして新たに、本機能が米ユタ州で深い渓谷に閉じ込められた若者達が救助隊に連絡を取る命綱になったと報じられている。
地元ニュースのKUTVによると、3人のBYU(ブリガムヤング大学)学生がスロット・キャニオン(幅の狭い渓谷/現地では「スクイーズ」と呼称)をハイキングしていたという。救助に当たったエメリー郡保安官事務所の状況報告によると、そこは歩くのに丸一日かかり、夜間は特に難しくて危険な場所だそうだ。
彼ら3人は、渓谷につき下調べしてから当日に臨んだものの、途中で深い水溜まりにはまり込んでしまったという。ユタ州の冬は雨が多いため地形が一部変わり、想定していたよりも遙かに困難な道のりになったそうだ。
結局3人は数時間も水に浸かって立ち往生し、うち1人は低体温症の症状を呈してきた。その後、一行は胸まで水がある場所にたどり着き、仲間の肩に乗って手を伸ばしたものの、水溜まりの上にまでは手が届かなかったとのこと。それでも懸垂下降(ロープを使って高所から降りる方法)で壁に貼り付き、水からは出られたようだ。
が、そこからは身動きが取れなくなった。3人が取り残された場所は、奥行き約500フィート(約150m)の切り立った岩壁だったため、携帯電話の電波が届かず、通常の電話をかけることもできなかった。
そのとき、3人はiPhone 14を使って衛星経由の緊急SOSにより助けを求めることにした。約20分ごとに衛星が渓谷の上に来たため、iPhoneをかざすことで911(緊急通報サービス)にテキストメッセージが送れたそうだ。
このテキスト情報をもとに、渓谷内の保安官事務所は彼らの居場所を突き止めることができた。最終的にはヘリコプターで駆けつけた救助隊員は、1人ずつ吊り上げて安全な場所に運ぶのに成功したのである。
とはいえ、現場に到着するまでは無事に救出できるかどうか分からなかったようだ。幸いそこには救助隊員を降ろす場所があり、要救助者も安全に吊り上げられるところにいた。ヘリコプターのうち2機は夜間ホイスト(本体が着陸できない山岳地域等で、空中停止したまま要救助者や隊員を吊り上げる)の認定を受けていたため、救助はスムーズに行われた。
救助後、3人の学生はiPhone 14の衛星経由の緊急SOS機能を賞賛し、同じような小旅行を計画している人には、非常用毛布や予備の衣服などに加えて衛星機能付きのスマートフォンも持っていくよう勧めている。
衛星経由の緊急SOS機能は、すべてのiPhone 14ユーザーが利用できる。もっとも、記事執筆時点で利用できる地域は米国、カナダ、フランス、ドイツ、アイルランドおよび英国のみ。アップルと提携する衛星通信サービスプロバイダGlobalstarの日本法人はすでに存在していることから、国内でも早期の提供を望みたいところだ。
Source: KUTV
via: 9to5Mac
そして新たに、本機能が米ユタ州で深い渓谷に閉じ込められた若者達が救助隊に連絡を取る命綱になったと報じられている。
地元ニュースのKUTVによると、3人のBYU(ブリガムヤング大学)学生がスロット・キャニオン(幅の狭い渓谷/現地では「スクイーズ」と呼称)をハイキングしていたという。救助に当たったエメリー郡保安官事務所の状況報告によると、そこは歩くのに丸一日かかり、夜間は特に難しくて危険な場所だそうだ。
彼ら3人は、渓谷につき下調べしてから当日に臨んだものの、途中で深い水溜まりにはまり込んでしまったという。ユタ州の冬は雨が多いため地形が一部変わり、想定していたよりも遙かに困難な道のりになったそうだ。
結局3人は数時間も水に浸かって立ち往生し、うち1人は低体温症の症状を呈してきた。その後、一行は胸まで水がある場所にたどり着き、仲間の肩に乗って手を伸ばしたものの、水溜まりの上にまでは手が届かなかったとのこと。それでも懸垂下降(ロープを使って高所から降りる方法)で壁に貼り付き、水からは出られたようだ。
が、そこからは身動きが取れなくなった。3人が取り残された場所は、奥行き約500フィート(約150m)の切り立った岩壁だったため、携帯電話の電波が届かず、通常の電話をかけることもできなかった。
そのとき、3人はiPhone 14を使って衛星経由の緊急SOSにより助けを求めることにした。約20分ごとに衛星が渓谷の上に来たため、iPhoneをかざすことで911(緊急通報サービス)にテキストメッセージが送れたそうだ。
このテキスト情報をもとに、渓谷内の保安官事務所は彼らの居場所を突き止めることができた。最終的にはヘリコプターで駆けつけた救助隊員は、1人ずつ吊り上げて安全な場所に運ぶのに成功したのである。
とはいえ、現場に到着するまでは無事に救出できるかどうか分からなかったようだ。幸いそこには救助隊員を降ろす場所があり、要救助者も安全に吊り上げられるところにいた。ヘリコプターのうち2機は夜間ホイスト(本体が着陸できない山岳地域等で、空中停止したまま要救助者や隊員を吊り上げる)の認定を受けていたため、救助はスムーズに行われた。
救助後、3人の学生はiPhone 14の衛星経由の緊急SOS機能を賞賛し、同じような小旅行を計画している人には、非常用毛布や予備の衣服などに加えて衛星機能付きのスマートフォンも持っていくよう勧めている。
衛星経由の緊急SOS機能は、すべてのiPhone 14ユーザーが利用できる。もっとも、記事執筆時点で利用できる地域は米国、カナダ、フランス、ドイツ、アイルランドおよび英国のみ。アップルと提携する衛星通信サービスプロバイダGlobalstarの日本法人はすでに存在していることから、国内でも早期の提供を望みたいところだ。
Source: KUTV
via: 9to5Mac