• ブランド
    特設サイト
ガジェット 公開日 2023/06/13 16:21

中国での「Vision Pro」商標登録、アップルのライバル・ファーウェイが取得済み

訴訟コストを考えれば「中国抜き」もあり得そう
Gadget Gate
多根清史
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
今月初め、アップル初のAR/VRヘッドセットがようやく正式発表となった。数年前から噂されてきたこともあり、「Reality Pro」など様々な名称が予想されていたが、結局のところ「Apple Vision Pro」に落ち着いている。

が、このブランド名が中国では使えなくなるリスクが浮上している。なぜなら、かつてアップルとスマートフォン市場で競合していたHUAWEI(ファーウェイ)が「Vision Pro」を現地で商標登録しているからだ。

テック系情報サイトGizmochinaが中国商標網(中国商標局が提供する データベース)を検索したところ、2019年5月16日時点でファーウェイが「Vision Pro」の商標登録に成功していたという。これはアップルの製品発表よりも、4年以上先行している格好だ。

ファーウェイの商標登録番号は38242888で、国際分類は9級に該当。この商標権の存続期間は2021年11月28日から2031年11月27日迄で、液晶テレビ、ヘッドマウント・VR機器、無線機器などの製品およびサービスに対して使用が認められている。まさに、Apple Vision Proが属しているカテゴリーである。

なお、ファーウェイが「Vision Pro」の商標を登録したことは、アップルとは直接の関係がなさそうだ。ファーウェイには「Vision」という言葉を含む2つの製品ラインがあり、1つは昨年末に発売した映画鑑賞用のARグラス「Vision Glass」で、もう1つは液晶テレビ「Huawei Vision Smart Screen」シリーズである。

つまり「Vision Pro」商標は、自社のARグラスないしテレビに将来的にハイエンドモデルを追加することを見越して登録された可能性があるわけだ。

こうした状況のもと、アップルが採りうるシナリオはいくつか考えられる。まず、中国市場向けにヘッドセットの製品名を変えることだ。これは最もシンプルで直接的な解決方法であり、法的紛争のリスクを回避できる。ただし、全世界でブランド名を統一するアップルの戦略にはそぐわないかもしれない。

もう1つの可能性は、アップルがファーウェイと交渉して中国で「Vision Pro」の商標を使うことだ。これは複雑で時間がかかるかもしれないが、米国以外では製品発売が2024年後半になることから、可能性がなくはないはずだ。

アップルが現地で商標権を持つ企業にライセンス料を支払って「専用使用権」(使用許可よりも強力な権利)を設定した前例はある。それこそが「iPhone」であり、愛知県に拠点のある電気機器メーカー・アイホン株式会社の持つライセンスに基づいている事実はアップルも公称していることだ。

最後に、アップルが中国でヘッドセットを発売しないという選択肢である。同社にとって中国市場は世界最大の市場の1つでもあり、少なからず機会損失となるだろう。

しかし、そもそもVision Proの初期出荷台数は10万台程度に留まるとの予想もある。当分はニッチ市場の域を出ないとみられるため、法的リスクや訴訟コストと秤にかければ、少なくとも第1世代製品では「中国抜き」もあり得そうだ。

Source: Gizmochina

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 楽天ブラックフライデーでJBLの超人気サウンドバー「BAR 1000/800」が激安!プロも驚く革新的モデルはどんな音を鳴らす?
2 評論家が厳選!マランツ「MODEL M1」でPolk Audio/KEF/TAD/Harbethのスピーカーを鳴らす
3 ビクター新ワイヤレスヘッドホン「HA-S99N」速攻レビュー! 評論家が「もう驚きでしかない」と高評価した魅力とは?
4 ボーズ、McIntosh Groupを買収。マッキントッシュ、ソナス・ファベールが傘下に
5 レグザが100型クラス大画面4Kテレビを拡充する理由とは? 目黒蓮の特別コメントも
6 パナソニック「2023年度 優秀ご販売店様謝恩会」を開催。21店が栄誉に輝く
7 山之内 正氏によるエソテリック×アキュフェーズ×マランツ比較試聴会、「ハイエンドオーディオ&アクセサリーショウ2024」で開催
8 オーディオファイル待望の物量投入型プリメインアンプ!デノン「PMA-3000NE」をクオリティチェック
9 B&Wの音は “信頼に値する重要な指標”。音元出版の新試聴室に「802 D4」が導入されたワケ
10 新開発ユニットを巧みに操る懐深いサウンド。ELAC「Debut 3.0」フロア型/ブックシェルフ型を聴く
11/22 10:41 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.194
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX