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アップルは、最新のApple M3チップを搭載するモバイルノート「MacBook Air」を3月に発売した。15インチのモデルをアップルから借りて、1か月間ほど試した筆者の体験をレポートする。
■AppleシリコンはAI対応。生成AI系アプリケーションの動作が快適
AppleシリコンにはM1チップの頃から機械学習(Machine Learning)モデル、言い換えればAIモデルの処理に特化するNeural Engineが統合されている。アップルは「M3チップファミリー(上位のPro/Maxを含む)のNeural Engineによる処理は、M1チップファミリー(M1 Pro/Max/Ultraを含む)よりも最大60パーセント速くなる」と説明している。
Apple M3チップのパフォーマンスは、筆者の仕事道具であるアプリケーションの使用感にも違いを生むのだろうか。そこで、画像編集アプリケーション「Luminar Neo」によるAI画像加工のスピード感を、M1搭載MacBook Airと比べてみた。
Luminar Neoが搭載する「スーパーシャープ」は、写真全体の被写体ブレをAIにより自動補正する機能だ。AI処理をオンデバイスで実行するため、クラウドとの通信コンディション等に左右されることなく、マシンのパフォーマンスを体感できる。
デジタルカメラで撮影した複数のJPEGファイルを用意して、Luminar Neoに取り込んでからスーパーシャープをかけた。M1搭載機よりもM3搭載機の方が、のきなみ約1〜2秒ほど処理時間が短かった。クラウドによるAI処理を行うAdobe Photoshopのテキストプロンプト入力による「生成塗りつぶし」も試したが、やはり処理スピードはわずかながらM3搭載機の方が速かった。
Appleシリコンを搭載したMac同士で大きな差は出なかったが、これからの時代はAI処理を組み込むアプリケーションの種類と数が増えそうだ。AI対応を早々に実現したAppleシリコン搭載のMacも、今から買うのであれば最新のM3チップを搭載するモデルを選ぶのが賢明だと思う。
なおmacOS 14には、オンデバイスによる処理に対応する様々な “AI機能” がプリインストールされている。たとえばブラウザの「Safari」には、ウェブページを構成するテキストを素速く外国語に翻訳したり、語彙を調べる機能がある。「写真」アプリは被写体の動物や植物をAI検索で調べられる。
アクセシビリティ設定メニューの中には、ユーザーが自分の声に近い合成音声をMacでつくり、タイピングしたテキストを「パーソナルボイス」に発声させて読ませる機能がある。元は発話に障がいを持つ方々もMacなどAppleデバイスを快適に使えるように設けられた機能だが、ここから広く応用されるユースケースに発展する可能性もある。
■酸化皮膜コーティングのボディは指紋が目立ちにくい
MacBook Airは、とにかく取り回しのよいモバイルノートだ。今回の15インチモデルは、本体を閉じた状態でフット込みのサイズが約1.2cm、質量は約1.51kg。バッグのノートPC用スリットからスムーズに出し入れできる。
M3搭載MacBook Airは、すべてのサイズとカラバリのモデルに指紋の付着を減らす酸化皮膜シールが採用されている。その恩恵は、特にミッドナイトのMacBook Airでは顕著。M2搭載機に比べて指紋が格段に目立たなくなった。
指紋がまったく付かないわけではないが、クリーニングクロス等を使えば、力一杯こすらなくても楽に拭き取れる。打ち合わせやプレゼンテーションなど、仕事の現場でMacを「人に見られる」機会が多くある方は、M3搭載MacBook Airであれば相手に清潔な印象を与えられるだろう。
M2とM3のMacBook Airは、スペックシートに記載されている本体サイズがまったく同じだ。そのため、筆者の手もとにあったM2搭載機用の本体ケースがM3搭載機にも装着できた。キズを徹底的にブロックしたい方は、やはりケースがあると安心だろう。
Appleシリコンは高い電力効率を備えていることから、内蔵バッテリーによる駆動時も電源アダプター使用時と比べてパフォーマンスが落ちない。内蔵バッテリーによる連続駆動はワイヤレスインターネットで約15時間、Apple TVアプリの動画再生で約18時間、という公称スペックはM2搭載機から変わっていない。筆者は1日に2〜3時間、数時間のインターバルを挟みながら1日半は充電を足さなくても残量ゼロになることはなかった。
■静かなファンレス設計。夏場には “熱さ対策” も必要
15インチのMacBook Airはゆったりサイズなので、 “膝(ひざ)打ちタイピング” が抜群に安定する。今回は比較的涼しい季節に試用したため、筆者が1時間以上膝打ちタイピングを続けても、MacBook Airの本体はほんのりと温まる程度だった。
とはいえM3搭載MacBook Airは冷却ファンがない、いわゆるファンレス設計のモバイルノートだ。以前にM1のMacBook Airを夏前後の季節に、陽射しのある自宅の仕事部屋などで長時間使っていると本体が熱くなった。暑い場所での膝打ちタイピングはMacBookとユーザーの身体の両方に負荷がかかるため、おすすめできない使い方だ。
したがって暑い時期は、できればモバイルノート用のパソコンスタンドなどを使って、テーブルから(もちろん膝からも)少し離せる環境を整えたい。アップルは周辺温度が10度〜35度の通気の良い場所で、安定した作業台の上に置いてMacBookを使うことを推奨している。
初代AppleシリコンのM1チップを搭載するMacBook Airや、それ以前のIntel製SoCを搭載するMacBookのユーザーは、M3搭載MacBook Airに買い換えればなおのこと快適さを実感できると思う。13インチのM2搭載MacBook Airも引き続き併売されるが、M3チップの将来性と指紋ヨゴレに強いことをなどを考えれば、ここは頑張ってM3搭載機を選ぶべきだろう。
■AppleシリコンはAI対応。生成AI系アプリケーションの動作が快適
AppleシリコンにはM1チップの頃から機械学習(Machine Learning)モデル、言い換えればAIモデルの処理に特化するNeural Engineが統合されている。アップルは「M3チップファミリー(上位のPro/Maxを含む)のNeural Engineによる処理は、M1チップファミリー(M1 Pro/Max/Ultraを含む)よりも最大60パーセント速くなる」と説明している。
Apple M3チップのパフォーマンスは、筆者の仕事道具であるアプリケーションの使用感にも違いを生むのだろうか。そこで、画像編集アプリケーション「Luminar Neo」によるAI画像加工のスピード感を、M1搭載MacBook Airと比べてみた。
Luminar Neoが搭載する「スーパーシャープ」は、写真全体の被写体ブレをAIにより自動補正する機能だ。AI処理をオンデバイスで実行するため、クラウドとの通信コンディション等に左右されることなく、マシンのパフォーマンスを体感できる。
デジタルカメラで撮影した複数のJPEGファイルを用意して、Luminar Neoに取り込んでからスーパーシャープをかけた。M1搭載機よりもM3搭載機の方が、のきなみ約1〜2秒ほど処理時間が短かった。クラウドによるAI処理を行うAdobe Photoshopのテキストプロンプト入力による「生成塗りつぶし」も試したが、やはり処理スピードはわずかながらM3搭載機の方が速かった。
Appleシリコンを搭載したMac同士で大きな差は出なかったが、これからの時代はAI処理を組み込むアプリケーションの種類と数が増えそうだ。AI対応を早々に実現したAppleシリコン搭載のMacも、今から買うのであれば最新のM3チップを搭載するモデルを選ぶのが賢明だと思う。
なおmacOS 14には、オンデバイスによる処理に対応する様々な “AI機能” がプリインストールされている。たとえばブラウザの「Safari」には、ウェブページを構成するテキストを素速く外国語に翻訳したり、語彙を調べる機能がある。「写真」アプリは被写体の動物や植物をAI検索で調べられる。
アクセシビリティ設定メニューの中には、ユーザーが自分の声に近い合成音声をMacでつくり、タイピングしたテキストを「パーソナルボイス」に発声させて読ませる機能がある。元は発話に障がいを持つ方々もMacなどAppleデバイスを快適に使えるように設けられた機能だが、ここから広く応用されるユースケースに発展する可能性もある。
■酸化皮膜コーティングのボディは指紋が目立ちにくい
MacBook Airは、とにかく取り回しのよいモバイルノートだ。今回の15インチモデルは、本体を閉じた状態でフット込みのサイズが約1.2cm、質量は約1.51kg。バッグのノートPC用スリットからスムーズに出し入れできる。
M3搭載MacBook Airは、すべてのサイズとカラバリのモデルに指紋の付着を減らす酸化皮膜シールが採用されている。その恩恵は、特にミッドナイトのMacBook Airでは顕著。M2搭載機に比べて指紋が格段に目立たなくなった。
指紋がまったく付かないわけではないが、クリーニングクロス等を使えば、力一杯こすらなくても楽に拭き取れる。打ち合わせやプレゼンテーションなど、仕事の現場でMacを「人に見られる」機会が多くある方は、M3搭載MacBook Airであれば相手に清潔な印象を与えられるだろう。
M2とM3のMacBook Airは、スペックシートに記載されている本体サイズがまったく同じだ。そのため、筆者の手もとにあったM2搭載機用の本体ケースがM3搭載機にも装着できた。キズを徹底的にブロックしたい方は、やはりケースがあると安心だろう。
Appleシリコンは高い電力効率を備えていることから、内蔵バッテリーによる駆動時も電源アダプター使用時と比べてパフォーマンスが落ちない。内蔵バッテリーによる連続駆動はワイヤレスインターネットで約15時間、Apple TVアプリの動画再生で約18時間、という公称スペックはM2搭載機から変わっていない。筆者は1日に2〜3時間、数時間のインターバルを挟みながら1日半は充電を足さなくても残量ゼロになることはなかった。
■静かなファンレス設計。夏場には “熱さ対策” も必要
15インチのMacBook Airはゆったりサイズなので、 “膝(ひざ)打ちタイピング” が抜群に安定する。今回は比較的涼しい季節に試用したため、筆者が1時間以上膝打ちタイピングを続けても、MacBook Airの本体はほんのりと温まる程度だった。
とはいえM3搭載MacBook Airは冷却ファンがない、いわゆるファンレス設計のモバイルノートだ。以前にM1のMacBook Airを夏前後の季節に、陽射しのある自宅の仕事部屋などで長時間使っていると本体が熱くなった。暑い場所での膝打ちタイピングはMacBookとユーザーの身体の両方に負荷がかかるため、おすすめできない使い方だ。
したがって暑い時期は、できればモバイルノート用のパソコンスタンドなどを使って、テーブルから(もちろん膝からも)少し離せる環境を整えたい。アップルは周辺温度が10度〜35度の通気の良い場所で、安定した作業台の上に置いてMacBookを使うことを推奨している。
初代AppleシリコンのM1チップを搭載するMacBook Airや、それ以前のIntel製SoCを搭載するMacBookのユーザーは、M3搭載MacBook Airに買い換えればなおのこと快適さを実感できると思う。13インチのM2搭載MacBook Airも引き続き併売されるが、M3チップの将来性と指紋ヨゴレに強いことをなどを考えれば、ここは頑張ってM3搭載機を選ぶべきだろう。