HOME > ニュース > Gadgetニュース
ガジェット 公開日 2024/07/05 17:54
Nothingが目指すテクノロジーの未来とは。「Phone(2a) SE」発売記念イベントが原宿で開催
INFOBARデザイナーを交えたトークショーを開催
Nothing Japanは、「Nothing Phone (2a) Special Edition」を7月8日より日本国内にて発売する。また、これを記念したデザインイベントが東京・原宿の「クレインズ6142」にて7月5日、6日の2日間にかけて開催される。
「Nothing Phone (2a) Special Edition」[以下:(2a)SE]は、同社廉価スマホ「Phone (2a)」の限定カラーモデル。日本市場ではおサイフケータイ対応の12RAM+256GBモデルが、同社ウェブサイトにて55,800円で限定販売される。
機能性はベースモデルと同じまま、色の三原色であるレッド、イエロー、ブルーを独自に配色。それぞれの色を用いた製品はあったが、3色が1つの製品に配色されるのは今回が初めてだという。
記念デザインイベントでは、(2a)SEをはじめとしたNothing製品が展示されるほか、Special Editionの100台限定先行販売も行われる。
■INFOBARデザイナーを交えたトークショーを開催
本日7月5日、デザインイベントオープンにあたってNothing CEOのカール・ペイ氏、Nothing Japan マネージングディレクターの黒住吉郎氏、そして「INFOBAR」などのプロダクトで知られるデザイナー・深澤直人氏によるトークショーが開催された。
黒住氏から「テクノロジー製品における愛されるデザインとは」というテーマが投げかけられると、深澤氏は「(携帯電話は)かつては1つのモデルが数百万台売れればヒットだったが、iOS/Androidという2大OSの登場によって、何億人もの人が同じモデルを使う時代になった。そんな中『みんな同じじゃつまんないよね』という波が来ているところに、カールさんが新しい魅力を持ち込んだ」とコメント。
「IINFOBARはリリースから20年ほど経つが、未だに根強い人気があって、最近だとINFOBAR型のApple Watchケースが一瞬で売り切れたりした。そういうギミックや楽しいアイディアがトレンドを産んでいくのだと思う」とも語った。
また、カール氏は「昔のようにテクノロジーが面白いものではなくなってきていたから、もう一度テクノロジーを面白くしよう、という思いでNothingを立ち上げた。このミッション達成のために、デザインをツールとして使っている」と説明。
着想のためには映画など、プロダクト以外からもアイディアを取り込んでいる中、特に心に残っているのが、これまでのソニー製品が展示されているソニーミュージアムの写真だという。
カール氏は「10年後にはNothingもこうやって展示できたらいいなと思っている」としつつ、「ソニーは『エンジニアの夢を叶える会社』をミッションとして唱えていたが、Nothingは『デザイナーの夢を叶える会社』にしたい。そのため社内でデザインチームが力を持っていて、アイコニックなデザインプロダクトを作れると思っている」と想いを語る。
また、NothingはスマホやイヤホンにChatGPTを導入するなど、AIとの連携にも力を入れている。黒住氏は「最近はAIが身近になってきたが、それがどう生活に溶け込んでくるか、まだ実感はないと思う」とし、AIがプロダクトにどのような影響をもたらすか、を両名に投げかける。
カール氏は「ビル・ゲイツが本の中で『将来のコンピューターはもっと使いやすいものになっていく』と語っていたが、そこには3つの要素があると思っている。1つはコンピューターがユーザー情報をより適切にパッケージ化し、活用すること。2つ目はユーザー自身も知らないことに気づいて手助けしてくれること。そういった技術の進化でUIが変わっていく時、どれだけ使いやすいデザインにできるかが3つ目」だとコメント。
深澤氏は「(自身が)カリフォルニアにいた際、アップルがグラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)を開発して、UIで一歩リードした。これは劇的な変化だったが、当たり前に使える感覚があったので、そこまで劇的に変わった印象がなかった。AIも同じで、世の中はすでにどっぷりAIに浸かっている状態で、『これからAIはどうなるか』の予測を立てるような段階ではないのだが、一般の方には実感しづらいため不安材料などが語られるのではないか」と語る。
さらに「開発されたAIを一番最初に使うのはエンジニア自身、つまり開発者が一番のユーザー。なので開発者によっては変なAIも出てくるかもしれないが、変わり者がいるのは人間も同じで、何が有用かを人間の心で考えつつ、逆にAIを味方にして考えていかないといけない時代になったと思っている」と述べた。
これに対し、カール氏は「確かに『AIが仕事を奪う』といった恐怖感はあると思うが、だからこそ作る側の企業が透明性を持って、何を作っているのか正直に伝えるべき。これまでの人類の技術開発と同様、AIも『人間を助けるためのもの』であって、人間を作っているわけではない。ここは他の企業も伝えた方が良いと思う」とAIに対する考え方を語った。
最後に「デザインに関わってきて嬉しかったこと」を聞かれると、深澤氏は「人と一緒に集まって作ることにフォーカスしていると、何かが生まれてくる瞬間がある。そういう時が一番幸せ」だと回答。
カール氏は「誕生の喜びの裏にはキャッシュフローや人材管理といった産みの苦しみもあって、なんでそこまでしてやるの? と思うこともあるが、道を歩いている時、自分の作ったものを使っている人を見かけた時には喜びを感じる。それがやめられない理由」とコメント。
最後に「日本には我々のことを歓迎してもらえていると思っている。日本以外では『透明ってどうなの』『価格を下げたらどうか』などの厳しいコメントがある中、日本からは好意的なコメントが多く寄せられている。これからも頑張って、道でユーザーを見かける機会を得たい」と意気込みを述べた。
トークショー終了後には、参加者に対していち早く(2a)SEの販売を実施。フロアにはすぐさま長蛇の列が生まれ、多くの方が笑顔と共にこの新製品を持ち帰っていた。
黒住氏は「日本のユーザーは特にNothingを好意的に捉えてくれている。それはNothingのフィロソフィーやデザインを深く理解してくれるからではないか」とも語っていた。イベントは2日間限定となっているので、気になる方はぜひ足を運んでみていただきたい。
「Nothing Phone (2a) Special Edition」[以下:(2a)SE]は、同社廉価スマホ「Phone (2a)」の限定カラーモデル。日本市場ではおサイフケータイ対応の12RAM+256GBモデルが、同社ウェブサイトにて55,800円で限定販売される。
機能性はベースモデルと同じまま、色の三原色であるレッド、イエロー、ブルーを独自に配色。それぞれの色を用いた製品はあったが、3色が1つの製品に配色されるのは今回が初めてだという。
記念デザインイベントでは、(2a)SEをはじめとしたNothing製品が展示されるほか、Special Editionの100台限定先行販売も行われる。
■INFOBARデザイナーを交えたトークショーを開催
本日7月5日、デザインイベントオープンにあたってNothing CEOのカール・ペイ氏、Nothing Japan マネージングディレクターの黒住吉郎氏、そして「INFOBAR」などのプロダクトで知られるデザイナー・深澤直人氏によるトークショーが開催された。
黒住氏から「テクノロジー製品における愛されるデザインとは」というテーマが投げかけられると、深澤氏は「(携帯電話は)かつては1つのモデルが数百万台売れればヒットだったが、iOS/Androidという2大OSの登場によって、何億人もの人が同じモデルを使う時代になった。そんな中『みんな同じじゃつまんないよね』という波が来ているところに、カールさんが新しい魅力を持ち込んだ」とコメント。
「IINFOBARはリリースから20年ほど経つが、未だに根強い人気があって、最近だとINFOBAR型のApple Watchケースが一瞬で売り切れたりした。そういうギミックや楽しいアイディアがトレンドを産んでいくのだと思う」とも語った。
また、カール氏は「昔のようにテクノロジーが面白いものではなくなってきていたから、もう一度テクノロジーを面白くしよう、という思いでNothingを立ち上げた。このミッション達成のために、デザインをツールとして使っている」と説明。
着想のためには映画など、プロダクト以外からもアイディアを取り込んでいる中、特に心に残っているのが、これまでのソニー製品が展示されているソニーミュージアムの写真だという。
カール氏は「10年後にはNothingもこうやって展示できたらいいなと思っている」としつつ、「ソニーは『エンジニアの夢を叶える会社』をミッションとして唱えていたが、Nothingは『デザイナーの夢を叶える会社』にしたい。そのため社内でデザインチームが力を持っていて、アイコニックなデザインプロダクトを作れると思っている」と想いを語る。
また、NothingはスマホやイヤホンにChatGPTを導入するなど、AIとの連携にも力を入れている。黒住氏は「最近はAIが身近になってきたが、それがどう生活に溶け込んでくるか、まだ実感はないと思う」とし、AIがプロダクトにどのような影響をもたらすか、を両名に投げかける。
カール氏は「ビル・ゲイツが本の中で『将来のコンピューターはもっと使いやすいものになっていく』と語っていたが、そこには3つの要素があると思っている。1つはコンピューターがユーザー情報をより適切にパッケージ化し、活用すること。2つ目はユーザー自身も知らないことに気づいて手助けしてくれること。そういった技術の進化でUIが変わっていく時、どれだけ使いやすいデザインにできるかが3つ目」だとコメント。
深澤氏は「(自身が)カリフォルニアにいた際、アップルがグラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)を開発して、UIで一歩リードした。これは劇的な変化だったが、当たり前に使える感覚があったので、そこまで劇的に変わった印象がなかった。AIも同じで、世の中はすでにどっぷりAIに浸かっている状態で、『これからAIはどうなるか』の予測を立てるような段階ではないのだが、一般の方には実感しづらいため不安材料などが語られるのではないか」と語る。
さらに「開発されたAIを一番最初に使うのはエンジニア自身、つまり開発者が一番のユーザー。なので開発者によっては変なAIも出てくるかもしれないが、変わり者がいるのは人間も同じで、何が有用かを人間の心で考えつつ、逆にAIを味方にして考えていかないといけない時代になったと思っている」と述べた。
これに対し、カール氏は「確かに『AIが仕事を奪う』といった恐怖感はあると思うが、だからこそ作る側の企業が透明性を持って、何を作っているのか正直に伝えるべき。これまでの人類の技術開発と同様、AIも『人間を助けるためのもの』であって、人間を作っているわけではない。ここは他の企業も伝えた方が良いと思う」とAIに対する考え方を語った。
最後に「デザインに関わってきて嬉しかったこと」を聞かれると、深澤氏は「人と一緒に集まって作ることにフォーカスしていると、何かが生まれてくる瞬間がある。そういう時が一番幸せ」だと回答。
カール氏は「誕生の喜びの裏にはキャッシュフローや人材管理といった産みの苦しみもあって、なんでそこまでしてやるの? と思うこともあるが、道を歩いている時、自分の作ったものを使っている人を見かけた時には喜びを感じる。それがやめられない理由」とコメント。
最後に「日本には我々のことを歓迎してもらえていると思っている。日本以外では『透明ってどうなの』『価格を下げたらどうか』などの厳しいコメントがある中、日本からは好意的なコメントが多く寄せられている。これからも頑張って、道でユーザーを見かける機会を得たい」と意気込みを述べた。
トークショー終了後には、参加者に対していち早く(2a)SEの販売を実施。フロアにはすぐさま長蛇の列が生まれ、多くの方が笑顔と共にこの新製品を持ち帰っていた。
黒住氏は「日本のユーザーは特にNothingを好意的に捉えてくれている。それはNothingのフィロソフィーやデザインを深く理解してくれるからではないか」とも語っていた。イベントは2日間限定となっているので、気になる方はぜひ足を運んでみていただきたい。