• ブランド
    特設サイト
ガジェット 公開日 2024/09/10 16:24

Audible、オーディオブック読み上げに声優・ナレーターの「音声クローン」を採用

米国でナレーターや声優を募集するとのこと。
Gadget Gate
Munenori Taniguchi
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
米Amazonのオーディオブック事業であるAudibleは、オーディオブックの読み上げに使用する音声AIを強化学習させるため、米国のオーディオブックナレーターのグループに協力を依頼すると発表した。AIの強化に協力した声優・ナレーターには、「タイトルごとに」ロイヤルティ支払いが行われるとのことだが、期待される収入額がどの程度かは不明だ。

すでにAudibleでは、今年5月時点でも4万冊をAIナレーションで製作しており、Google PlayやApple Booksにも、やはりAI生成の音声を活用したオーディオブックがあるようだ。また、Kindle向けに電子書籍を自作公開するクリエイターには、合成音声によるオーディオブックの作成ツールも配布している。このようなツールは、AIや合成音声のオーディオブックを低コストで作れるため、クリエイターにとってはありがたいものと言えるだろう。

しかし、ナレーターや声優を生業としている人々は、この流れに危機感を覚えるはずだ。2023年には、X(Twitter)ユーザーでナレーターのRamon de Ocampo氏が、フォロワーに対し、Audibleに合成音声で作られたオーディオブックを表示除外できるフィルターの追加を要求するよう呼びかけていた。

今回の発表でAudibleは、AIの強化プログラムに参加するナレーター・声優は、自身の声で強化したAI音声で作成されたオーディオブックそれぞれの売り上げに関して、ロイヤルティを受け取るとしている。自分の声を習得したAIがオーディオブック制作に使われ、そのオーディオブックが数多く聴かれれば、声を提供した人には報酬が支払われるとのことだ。

ただ、声を提供する人が増え、AIの声の数が十分に多くなれば、新規でAI音声を鍛える必要はなくなるかもしれない。そうなれば結局、ナレーターや声優はこの仕事で食べていくことはできなくなりそうに思える。その点については、Audibleは、「オーディオ化されていない書籍は膨大にある」とし「Audibleでより多くの書籍を配信する方法を模索する中で、著者、ナレーター、出版社、リスナーの利益を慎重にバランスさせることに注力している」と述べている。

ちなみに、掲示板サイトRedditでは、この話題に対して様々な意見が寄せられている。それはたとえば「AIが読み上げるオーディオブックを聴きたいとは思わない」、「素晴らしいストーリーと優れたナレーターの組み合わせは魔法のようだが、AIで人間的な要素をなくしてしまうと、魔法が台無しになってしまう」といったものだが、一方で「10年や20年後には、本だけでなくさまざまな場面でAIのナレーションを聞くようになり、最終的には気に入るようになる」との意見もある。ただ、全体的には、やはり否定的な意見のほうが多いようだ。

余談だが、AI音声の採用は、ビデオゲームの登場人物の吹き替えでも始まっている。今年7月には全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)に加入している声優らが、AI音声採用の流れに抗議して複数のゲーム開発企業を相手にストライキを行っていた。オーディオブックでも同様の流れになるのかどうかが気になるところだ。

Source: Audible
via: The Verged

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 「AirPods 4」のノイキャンや音質、装着感を現地で試した!「想像を超える」消音効果
2 ソニー、「Xperia 5 V」後継機を今期は発売しないことをアナウンス。Xperia 1 VI/10 VIが好調
3 <IFA>Anker、新オープン型完全ワイヤレス「AeroFit 2」。特殊構造で小さくたためるヘッドホン「Space One Pro」も
4 ティアック、“音楽愛好家のためのDSD/PCM録音再生機” 「SD-550HR」
5 ソニー、Xperia 1 VIの買い替えがお得!「Go to 1キャンペーン」で1万円キャッシュバック
6 【moraアニソンTOP10】山田尚子監督作『きみの色』主題歌がトップ! 「ロリ神レクイエム」収録のしぐれうい新AL配信
7 JBL初のAVアンプ2機種&ディスプレイ搭載TWS「TOUR PRO 3」登場。ハーマン秋の新製品発表会開催
8 マランツ、ミドルクラスのHDMI搭載プリメイン「MODEL 60n」。上位モデルの高音質化技術を多数継承
9 「AirPods Pro 2」に “オールインワン” の聴覚サポート機能。今秋アップデートで追加
10 <IFA>ヤマハ、欧州向けDolby Atmos対応サウンドバーを紹介。AVアンプやアナログプレーヤーも展示
9/12 10:50 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.194
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.21 2023 WINTER
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.21
プレミアムヘッドホンガイド Vol.31 2024 SPRING
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.31(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2023受賞製品お買い物ガイド(2023年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2023年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX