• ブランド
    特設サイト
公開日 2014/09/19 20:09

ソニー、メガネ型ウェアラブル「SmartEyeglass」は年内に開発者向け発売。SDKも公開

映画等ではなく「情報」を表示する端末
ファイル・ウェブ編集部
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
ソニーは、メガネ型ウェアラブル端末「SmartEyeglass」のソフトウェア開発用SDKを本日9月19日から提供開始した。2014年度内にはSmartEyeglass本体を開発者に向けて発売予定。コンシューマー向けの発売時期は未定で、価格は「未定だがHMZ-T3Wの価格(10万円)から大きく外れることはないのでは」とのこと。

メガネ型ウェアラブル端末「SmartEyeglass」

今年のCESや、IFAにも参考出展されていたモデル(関連ニュース)。シースルータイプの各種センサー内蔵メガネ型デバイスと、タッチセンサー&バッテリー内蔵コントローラーの2ピース構成。Android4.1以上のスマートフォンとBluetoothもしくはWi-Fiでワイヤレス接続して、アプリによって様々な機能を提供するスタイルを採る。

今年のCESや、IFAにも参考出展されていた


有線接続されたメガネ型デバイスとコントローラーで構成

メガネ部には各種センサーのほかカメラも内蔵する。


右側のくぼんだ部分はタッチ操作パネルになっている。

NFCに対応。スピーカーも内蔵する。

映画等ではなく「情報」を表示する端末。敢えての単色ディスプレイ採用

コンシューマー向けのメガネ型ウェアラブル端末はGoogle Glassやエプソン“MOVERIO”など各社から登場しているが、ソニーの「SmartEyeglass」の大きな特徴は、映画などのコンテンツを観るためではなく“情報を見るための製品”と位置づけられていること。目の前の風景にタイムリーに情報を表示させることで、日常生活を便利にすることをコンセプトとしている。


SmartEyeglassの概要とコンセプト
そのため、敢えてディスプレイ表示はカラーではなく「緑単色」(256階調)のみとした。これは、最大1,000cd/m2の高輝度を実現しつつ消費電力を抑えられるメリットがあるため。外光下でも高い視認性を確保するという。消費電力は使用アプリ等によっても異なるが、輝度500nit/Bluetooth通信時の場合、2.5〜3時間程度の連続使用が可能とのこと。

ディスプレイは敢えて緑単色に。こちらはIFAでのデモの一例。顔認識や、GPS機能と連動した現在位置情報表示などが行われた。

ディスプレイは解像度419×138ピクセルで、4m先に80インチのスクリーンが表示されるイメージ。独自のホログラム導光板技術を採用しているのが特徴のひとつで、これによりレンズ部を薄くできるほか、シースルー性を高く設定できるという。現在は85%以上のシースルー性を確保。レンズ部は現在3mmだが、0.1mm程度も実現可能という。

独自のホログラム導光板技術を採用している。

スポーツやコンサート会場での情報表示や、SNS/スケジュールの表示、ナビゲーションなどの表示を想定。既にソフトウェア開発を行っている(株)ゼンリンデータコム「いつもNAVI for SmartEyeglass」や、(株)ケイ・オプティコム/(株)ACCESSのランナー向けアプリ「グラッソン」、ユークリッドラボ(株)の周辺ソーシャルメディア情報配信アプリ「Localive(ロカライブ)」などが参考展示された。

ケイ・オプティコム/ACCESSのランナー向けアプリ「グラッソン」。走行情報や応援メッセージなどを表示できる。10/26開催の大阪マラソンにて、SmartEyeglassを装着してフルマラソンを走破する実証実験が行われる予定。


ゼンリンデータコム「いつもNAVI for SmartEyeglass」。目的地に光の柱を表示し直感的に分かりやすいナビを行うモードを用意した。コントローラー部のマイクを使い、目的地の音声入力も可能。


ユークリッドラボが開発する、現在地周辺や指定場所に関するSNS情報を表示させる「Localive」。イベントや事件・事故情報などを表示できる。

ソニーが開発する顔認証のデモも行われた。

なお、メガネ型デバイスには加速度センサー/ジャイロ/電子コンパス/照度センサー/カメラを内蔵。コントローラーにはマイクやスピーカー、バッテリーを内蔵する。

カメラ部は静止画撮影時の有効画素数約300万画素で、動画は640×480ピクセル(約31万画素)、15fps程度の撮影が可能。歩きながら写真や動画を撮影し、スマホにワイヤレス転送する…という使い方も可能だ。


着けやすいデザインとかけ心地、見やすさを重視


つるの部分は金属製で軽やかなデザイン。

視力矯正用アタッチメントも用意を検討している。
また、コンシューマー向けの導入を狙うため、着けやすい自然な外観と見やすさ、かけ心地を重視した。前述のとおり、ホログラム導光板技術によりレンズを薄型化し、透明度の向上も実現。光学エンジンも小型なため、メガネ型端末部は約77gと軽量になっている。コントローラー部は約44g。襟元などにつけやすいよう、クリップを備えている。

コントローラー部はクリップで服に留めることができる。

また、Google Glassのように片眼ではなく、両眼式とすることで自然な見やすさを重視。情報は通常視野の正面下方領域に表示させることで、視線の移動を少なくした。普段使いの眼鏡の上からは掛けられないので、近視の方向けのアタッチメントも用意することを検討中という。


“かける価値がある”と思ってもらえるような存在を目指す

本日開催された説明会には、デバイスソリューション事業本部 SIG準備室の統括部長 武川 洋氏が登壇した。


ソニー 武川 洋氏
2000年からメガネ型ウェアラブル端末開発をスタートし、2012年3月からは北米大手映画館チェーンに字幕表示用メガネを導入するなどの実績を持つソニー。「SmartEyeglass」は今年1月のCESで民生用プロトタイプを初公開。先日のIFAでは6日間で約5,000人が体験し「見やすい」「シースルーがいい」「デザインが普通の眼鏡に近いので違和感がない」などの感想が得られたという。

2012年3月からは北米大手映画館チェーンに字幕表示用メガネを導入するなどの実績を持つ。

しかし時計型などと比べ、メガネ型はどうしても装着するハードルが高くなる。これについて武川氏は「SmartEyeglassをつけることでこんなに楽しくなるんだ! というメリットを実感してもらうことが突破のカギになると思う。そのために、アプリのデベロッパーとも連携して本当に利便性の高い体験を提供できるようにしたい」と語る。

コンシューマー向け発売までに用意するアプリの数は未定。「デベロッパーの数やアプリの数は多ければ多いほど良い。うまく料理していただけるところに、できるだけ多く扱ってもらえれば。しかし、数も重要だが、SmartEyeglassというデバイスが本当に生きるアプリ、“かける価値がある”と思ってもらえるようなアプリが揃って欲しい」(武川氏)。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 レコードプレーヤーは “2強” テクニクス「SL-1500C」&デノン「DP-3000NE」がつばぜり合い<ハイファイオーディオ売れ筋ランキング10月>
2 評論家も驚く実力派サウンドバーがこの価格? JBL「BAR 1000/800」がAmazonブラックフライデーで激安!
3 【プロレビュー有】老舗デノンの技術が結集! “音が良いサウンドバー”代表選手「DHT-S218」の魅力に迫る!
4 Amazonブラックフライデー、Shanlingの多機能プレーヤー・iBassoのUSB-DAC/アンプも狙い目
5 Hey! Say! JUMP、全曲サブスク解禁。最新アルバム「H+」含む全349曲が聴き放題に
6 独自技術を結集したPolk Audioの最高峰「R700」に迫る徹底レビュー
7 Bang & Olufsen、ANCを強化した完全ワイヤレスイヤホン「Beoplay Eleven」
8 【レビューあり】「ビクター史上、最高傑作」から高コスパ機まで。どれを買うべき?ビクター製イヤホン2024年モデル総まとめ
9 「Sonos Ace」レビュー。美しいデザインに高いノイキャン性能、そして音質…完成度の高さにVGP審査員が唸った
10 「今、売れているオーディオアクセサリー」<売れ筋ランキング10月 番外編>
11/28 10:35 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.195
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX