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公開日 2019/09/07 06:05
<IFA>5Gの先頭へ、ファーウェイが新SoC「Kirin 990」発表。“世界初” 多数で技術力アピール
搭載スマホはまもなく発表
独ベルリンで開催されている「IFA 2019」においてファーウェイは、新SoC「Kirin 990 5G」「Kirin 990」を発表した。プレゼンを行ったのはファーウェイコンシューマービジネスグループのCEO、リチャード・ユー氏だ。
同社はこれまで、世界初の商用5Gモデムなどを展開してきたが、今回発表した「Kirin 990 5G」には、2G/3G/4G/5Gモデム、8コアCPU、16コアGPU、2+1コアNPU、さらにはISPの最新バージョン、LPDDR 4Xメモリ、UFS 3.0/2.1、オーディオ処理プロセッサー、4K/HDR対応映像処理プロセッサー、セキュリティエンジンなどが、すべて1チップに収められている。製造は7nm+EUVプロセスで行われ、これも世界初という。
ユー氏は、これまで同社のフラグシップSoCだった「Kirin 980」について、世界初のデュアルNPU搭載SoCだったことを振り返った。
「2年前、私がこのIFAの会場で、SoCにAIチップを搭載すると言ったとき、その意味を正確に理解していた方は少なかったようです。ですが今では、写真撮影やショッピング、健康、旅行、アートなど、様々な場所でAIが使われています。そして、今後もこの流れは加速していきます」。
そしてユー氏は、これまではデバイスに搭載されたAIとクラウドAIがそれぞれ非同期で動作する、いわば「Mobile AI 1.0」だったのに対し、今後はこれに5Gが加わることで「Mobile AI 2.0」の時代になる、と宣言した。
具体的には、5Gの通信速度を活用することで、スタンドアローンのAIだけでなく、クラウド上のAIリソースもリアルタイムに活用する状態を指している。
ユー氏はまた、Kirin 990 5Gは他社のSoC+5Gモデムを足した面積よりも36%小さく、その小さい面積に103億以上のトランジスターを集積している、とアピールする。
また、ただ単に5Gに対応しただけでなく、ダウンリンクは最高2.3Gbps、アップリンクは最高1.25Gbpsを実現した。ユー氏はゲームや音楽、映画などをダウンロードし、4Gと比べ、いかに速くダウンロードできるかをデモした。
5Gはまだ基地局が整備されておらず、また電波が届く範囲も一般的に狭いとされる。このため電波が弱い場所への対策が重要となるが、ファーウェイはこれについても研究を進め、こういった電波が弱い環境でのアップリンクスピードを5.8倍に高めたという。
また5Gでもうひとつ問題となっているのが、高速移動時の通信速度だ。これも同社は研究を進めており、120km/hで移動時に、ダウンリンクのスピードを19%高速化させたとのことだ。
さらに、5G通信時の消費電力の小ささもアピール。Snapdragon 855と5Gモデムを組み合わせた場合に比べ、消費電力を44%抑えられると説明した。
AI性能にも言及。この2年でAI性能を12倍にも高めたとのことで、他社製品と比べてもその性能差は顕著だ、とユー氏は指摘した。
そのAI処理を司るNPUは、「Da Vinci」アーキテクチャーが採用されている。パワフルな処理を行う「ビッグコア」と、超低消費電力でAI処理を行う「タイニーコア」を組み合わせたアーキテクチャーだ。この工夫により、AI処理のエネルギー効率は24倍程度に高まったという。
このAI処理性能を使ったイメージデモ動画も再生された。5人組が楽器を演奏しているところを撮影すると、AIがそれぞれの演奏者と楽器部分を判別。そのうち消したい人物を消したり、背景をまったく別のものに差し替えたり、特定の人物を大きくしたり、といったことが自在に行える。
そのほか、CPU部は2つのビッグコア(Cortex A76ベースの2.86GHz)、2つのミドルコア(Cortex A76ベースの2.36GHz)、そして4つのリトルコア(Cortex A55ベースの1.95GHz)によって構成されることも紹介。さらにGPU部は、Mali-G76 GPUを16コア使った世界初の製品であることも強調された。
ゲームプレイ時の快適性を高めるため、システムバスとDDRメモリ間に「スマートキャッシュ」を搭載したことも紹介。これによりGPUとメモリー間の帯域を削減できるほか、メモリーの消費電力も抑えられるという。
また、搭載されたISPは同社として第5世代のものになり、一眼カメラ並みのノイズリダクション性能を実現。さらに動画についても、世界初のデュアルドメイン動画NR機能を搭載したという。
数々の「世界初」が詰まり、5Gの実用化に向けて大幅に性能を高めてきた「Kirin 990」。これを搭載したスマートフォン「Mate 30」シリーズは、現地時間9月19日、独ミュンヘンで初披露される。
同社はこれまで、世界初の商用5Gモデムなどを展開してきたが、今回発表した「Kirin 990 5G」には、2G/3G/4G/5Gモデム、8コアCPU、16コアGPU、2+1コアNPU、さらにはISPの最新バージョン、LPDDR 4Xメモリ、UFS 3.0/2.1、オーディオ処理プロセッサー、4K/HDR対応映像処理プロセッサー、セキュリティエンジンなどが、すべて1チップに収められている。製造は7nm+EUVプロセスで行われ、これも世界初という。
ユー氏は、これまで同社のフラグシップSoCだった「Kirin 980」について、世界初のデュアルNPU搭載SoCだったことを振り返った。
「2年前、私がこのIFAの会場で、SoCにAIチップを搭載すると言ったとき、その意味を正確に理解していた方は少なかったようです。ですが今では、写真撮影やショッピング、健康、旅行、アートなど、様々な場所でAIが使われています。そして、今後もこの流れは加速していきます」。
そしてユー氏は、これまではデバイスに搭載されたAIとクラウドAIがそれぞれ非同期で動作する、いわば「Mobile AI 1.0」だったのに対し、今後はこれに5Gが加わることで「Mobile AI 2.0」の時代になる、と宣言した。
具体的には、5Gの通信速度を活用することで、スタンドアローンのAIだけでなく、クラウド上のAIリソースもリアルタイムに活用する状態を指している。
ユー氏はまた、Kirin 990 5Gは他社のSoC+5Gモデムを足した面積よりも36%小さく、その小さい面積に103億以上のトランジスターを集積している、とアピールする。
また、ただ単に5Gに対応しただけでなく、ダウンリンクは最高2.3Gbps、アップリンクは最高1.25Gbpsを実現した。ユー氏はゲームや音楽、映画などをダウンロードし、4Gと比べ、いかに速くダウンロードできるかをデモした。
5Gはまだ基地局が整備されておらず、また電波が届く範囲も一般的に狭いとされる。このため電波が弱い場所への対策が重要となるが、ファーウェイはこれについても研究を進め、こういった電波が弱い環境でのアップリンクスピードを5.8倍に高めたという。
また5Gでもうひとつ問題となっているのが、高速移動時の通信速度だ。これも同社は研究を進めており、120km/hで移動時に、ダウンリンクのスピードを19%高速化させたとのことだ。
さらに、5G通信時の消費電力の小ささもアピール。Snapdragon 855と5Gモデムを組み合わせた場合に比べ、消費電力を44%抑えられると説明した。
AI性能にも言及。この2年でAI性能を12倍にも高めたとのことで、他社製品と比べてもその性能差は顕著だ、とユー氏は指摘した。
そのAI処理を司るNPUは、「Da Vinci」アーキテクチャーが採用されている。パワフルな処理を行う「ビッグコア」と、超低消費電力でAI処理を行う「タイニーコア」を組み合わせたアーキテクチャーだ。この工夫により、AI処理のエネルギー効率は24倍程度に高まったという。
このAI処理性能を使ったイメージデモ動画も再生された。5人組が楽器を演奏しているところを撮影すると、AIがそれぞれの演奏者と楽器部分を判別。そのうち消したい人物を消したり、背景をまったく別のものに差し替えたり、特定の人物を大きくしたり、といったことが自在に行える。
そのほか、CPU部は2つのビッグコア(Cortex A76ベースの2.86GHz)、2つのミドルコア(Cortex A76ベースの2.36GHz)、そして4つのリトルコア(Cortex A55ベースの1.95GHz)によって構成されることも紹介。さらにGPU部は、Mali-G76 GPUを16コア使った世界初の製品であることも強調された。
ゲームプレイ時の快適性を高めるため、システムバスとDDRメモリ間に「スマートキャッシュ」を搭載したことも紹介。これによりGPUとメモリー間の帯域を削減できるほか、メモリーの消費電力も抑えられるという。
また、搭載されたISPは同社として第5世代のものになり、一眼カメラ並みのノイズリダクション性能を実現。さらに動画についても、世界初のデュアルドメイン動画NR機能を搭載したという。
数々の「世界初」が詰まり、5Gの実用化に向けて大幅に性能を高めてきた「Kirin 990」。これを搭載したスマートフォン「Mate 30」シリーズは、現地時間9月19日、独ミュンヘンで初披露される。