HOME > ニュース > モバイル/PCニュース
公開日 2022/06/22 15:05
GPU相場が下降中、暗号通貨の価格下落でマイニング需要に陰り【Gadget Gate】
PCゲーマーには良い傾向
暗号通貨で起こっている価格下落が止まらない状況は、大量のコンピューターリソースを注ぎ込み、取り引きに必要な計算を肩代わりしているマイニング業者にとっても、大きな負担となりつつある。そして高性能なゲーム向けGPUを使ったマイニングの需要や収益性も低下した結果、高性能GPU製品がふたたび市場に出回り始めるようになりつつあるようだ。
PCハードウェア系サイトTom's Hardwareは、eBayにおけるGPU価格が5月だけで約15%下落したことを報告している。これは今に始まったことではなく、2021年末から2022年初頭のピーク価格に達してから、数か月にわたって毎月約10〜15%の下落が続いているという。
GPU(Graphic Processing Unit)は、名前のとおりコンピューターによるグラフィックの描画を高速化するため設計された特殊なプロセッサー。多くのデータストリームを並行処理し、画像や動画を高速にレンダリングすることが可能で、主にゲーム分野に必須の要素だ。
しかし、その極端に高い計算能力はグラフィック描画だけでなく、暗号マイニングにも威力を発揮することから、マイニング業者はこれを大量に使用したデータセンターを構築して「採掘」と呼ばれる計算処理を行ってきた。
Tom's Hardwareによれば、高性能かつ人気の高いNVIDIA RTX 30シリーズは、主にミッドレンジを構成する3050、3060、3070シリーズの需要がいまだ高止まり傾向で、希望小売価格をわずかに上回っている。一方、上位のラインナップを形成する3080 Ti、3090、3090 TiといったGPUは、もともと高かった希望小売価格よりも低い価格帯にまで降りてきているとのこと。AMDのRadeon RX 6000シリーズも、やはり希望小売価格を下回っている。
また6月前半だけで、eBayにおける価格は平均10%低下したとのこと。これは一部のマイナーらが、暗号通貨の下落とエネルギーコストの上昇によってマイニング用機材を維持できなくなり、売却したためと考えられている。
ただ、マイニングに使われていた中古GPUは長期間高負荷でぶん回されてきた可能性があり、やはり新品に比べれば不安要素があることは否めない。価格の安い中古GPUが市場に出てきたからといって、安易に飛びつくのは避けた方が良さそうだ。
さらに、もうしばらくはGPU購入を待つべきと考えるもうひとつの理由として、新しい世代となるNVIDIA RTX 40シリーズが間もなく発売されると言われていること挙げられる。そうなれば、現行世代の新品や中古品はさらに価格が下がるはずだ。
ゲーミングPCの更新を検討しているのなら、果報を寝て待つか、それとも待たずに動くか。まずは懐具合と相談してみるのが良さそうだ。
ちなみに暗号通貨のマイニング業者らは、Bitcoinの採掘では主に専用のASICシステムを使用している。一方でProof of Work(PoW)型ブロックチェーンを採用するEthereum、DogeCoin、Zcashなどの暗号通貨は汎用GPUを採掘に使用できる。
Bloombergは、Ethereumのマイニング業者だけで2021年に150億ドルをGPU製品に費やしていると伝えていた。ただ、Ethereumは現在PoWよりも効率的で資源消費が少ないProof of Steak(PoS)アルゴリズムへの移行を準備中であり、さらにGPU需要が減少することが予想されている。
Source: Tom’s Hardware(1), (2)
via: Decrypt
※この記事は、現在プレオープン中のテック/ガジェット系メディア「Gadget Gate」から転載したものです。
PCハードウェア系サイトTom's Hardwareは、eBayにおけるGPU価格が5月だけで約15%下落したことを報告している。これは今に始まったことではなく、2021年末から2022年初頭のピーク価格に達してから、数か月にわたって毎月約10〜15%の下落が続いているという。
GPU(Graphic Processing Unit)は、名前のとおりコンピューターによるグラフィックの描画を高速化するため設計された特殊なプロセッサー。多くのデータストリームを並行処理し、画像や動画を高速にレンダリングすることが可能で、主にゲーム分野に必須の要素だ。
しかし、その極端に高い計算能力はグラフィック描画だけでなく、暗号マイニングにも威力を発揮することから、マイニング業者はこれを大量に使用したデータセンターを構築して「採掘」と呼ばれる計算処理を行ってきた。
Tom's Hardwareによれば、高性能かつ人気の高いNVIDIA RTX 30シリーズは、主にミッドレンジを構成する3050、3060、3070シリーズの需要がいまだ高止まり傾向で、希望小売価格をわずかに上回っている。一方、上位のラインナップを形成する3080 Ti、3090、3090 TiといったGPUは、もともと高かった希望小売価格よりも低い価格帯にまで降りてきているとのこと。AMDのRadeon RX 6000シリーズも、やはり希望小売価格を下回っている。
また6月前半だけで、eBayにおける価格は平均10%低下したとのこと。これは一部のマイナーらが、暗号通貨の下落とエネルギーコストの上昇によってマイニング用機材を維持できなくなり、売却したためと考えられている。
ただ、マイニングに使われていた中古GPUは長期間高負荷でぶん回されてきた可能性があり、やはり新品に比べれば不安要素があることは否めない。価格の安い中古GPUが市場に出てきたからといって、安易に飛びつくのは避けた方が良さそうだ。
さらに、もうしばらくはGPU購入を待つべきと考えるもうひとつの理由として、新しい世代となるNVIDIA RTX 40シリーズが間もなく発売されると言われていること挙げられる。そうなれば、現行世代の新品や中古品はさらに価格が下がるはずだ。
ゲーミングPCの更新を検討しているのなら、果報を寝て待つか、それとも待たずに動くか。まずは懐具合と相談してみるのが良さそうだ。
ちなみに暗号通貨のマイニング業者らは、Bitcoinの採掘では主に専用のASICシステムを使用している。一方でProof of Work(PoW)型ブロックチェーンを採用するEthereum、DogeCoin、Zcashなどの暗号通貨は汎用GPUを採掘に使用できる。
Bloombergは、Ethereumのマイニング業者だけで2021年に150億ドルをGPU製品に費やしていると伝えていた。ただ、Ethereumは現在PoWよりも効率的で資源消費が少ないProof of Steak(PoS)アルゴリズムへの移行を準備中であり、さらにGPU需要が減少することが予想されている。
Source: Tom’s Hardware(1), (2)
via: Decrypt
※この記事は、現在プレオープン中のテック/ガジェット系メディア「Gadget Gate」から転載したものです。