公開日 2012/03/19 11:23
部分的な防音でもここまで楽しめる! DAIKEN製品を活用したシアタールーム作りを徹底レポート
“音のDAIKEN”製品はどう活用された!?
音に対する研究を長年積み重ねてきた“音のDAIKEN”の製品を使って防音/調音の悩みを解決していく「防音/調音クリニック」。今回は、「予算の問題などもありフルでの防音は諦めざるを得なかった」というMさんが登場。フルパッケージでない場合に、DAIKENの防音/調音アイテムはどのように活用できるのかを見ていこう。
■防音リフォームを決意も予算の問題が… |
「オーディビジュアルに長年凝っており、その時代の最大サイズのテレビを買っていました。29インチでも非常に分厚かった思い出もあります」というMさん。築30年以上という戸建てに住み、以前はその一角にある4.5畳の部屋で50インチの薄型テレビとコンパクトな5.1chシステムを使って映画などを楽しんでいたユーザーだ。
しかし、部屋が狭いこと、そしてその狭さゆえに部屋の音の響きも今ひとつでサラウンド感を楽しめないことが不満だった。家屋の構造や近隣住宅との関係上、大きな音量を出せないという不満もあり、リフォームを決意。4.5畳の部屋2つをつなげて約9畳のシアタールームを作ろうと考えたのだという。
そんなMさんからの相談を受けてシアタールームのプランニングなどを担当したのは、以前の記事でも登場したホームシアターショップ「ホームシアター工房」の田中店長。部屋の狭さとそれに起因する様々な問題の解決、さらに音漏れへの対策について相談がされたが、やはり今回も完成までには紆余曲折があったようだ。
まず、そもそもMさん宅は築30年以上ということで元々の壁の性能が近年のものとは大きく異なっており、例えば土壁で音が抜けやすかったりなどといった問題があった。こうした状態からしっかりした遮音・防音を図ろうとした場合、重量のある建材を使用し、それに伴って家屋全体について補強する必要も考えられるなど、工事がかなり大掛かりになってしまう可能性が高い。
そうした状況下で、Mさんは防音をメインにホームシアター工房へ相談。しかし話を進めるうちにAV関連以外でのMさんの事情が色々と変わってしまい、当初よりも予算を抑えざるを得ない状況になってしまったのだという。そのため防音に対してもプラン変更を余儀なくされた。前回の記事に登場した防音/調音タイプ別一覧表で言えば、「戸建て・持ち家・防音・工事あり」から「戸建て・持ち家・調音・工事あり」へとプランが変わったとも言える。
そこで田中店長は、天井にDAIKENの「リビングトーン」を使用し、左右の壁へ「オトピタ01」を貼って防音と調音を図る手法を提案。「シアタールームとして考えたときに、吸音は広い面で行ったほうが有利です。そのため天井にDAIKEN製品を使用し、あとはオトピタ01などで調整しようと考えました」と、その狙いを語る。こうして、壁は従来のものを活かすなど、予算を抑えつつもホームシアター用途にふさわしい部屋作りが進められることとなった。
また、田中店長は「後から『もう少しどうにかしたい』と思っても、さすがに天井や壁を後から直すのは難しいため、工事の段階でリビングトーンを入れました。天井を変えるだけでも音がだいぶ変わりますのでオススメですよ」ともコメント。最初に天井面で部屋全体を吸音しておき、カーテンやソファなどが入った段階で、今度は壁面に対策を施して音の響きの細部を詰めていく方法をとったのだと語る。
なお、今回使用された「リビングトーン」は生活音の吸音に効果的な天井材。表面にピン穴加工を施して吸音効果をアップさせたことなどによって室内音の響きを抑えることにより、会話やテレビの音が聞き取りやすくなるという。「リビングトーン9」(全3柄)と、防湿性能も付与した「リビングトーン12」(全4柄)とをラインナップしており、部屋のイメージにも合わせやすいようデザインにも配慮している。
また「オトピタ01」は、これまでの本企画でも紹介してきたようにビス留めや接着が不要な音調吸音材。カラーバリエーションとしてブラックとベージュを用意しており、Mさん宅では壁の色に合わせてブラックが使用された。