公開日 2013/05/21 10:30
【レビュー】SHURE「SE846」を聴く ー イヤホンリスニングに革新をもたらすサウンド
待望のフラグシップを徹底レビュー
2010年7月にSHUREのハイエンドイヤホンとして「SE535」が発売され、前機種の「SE530」から着脱式ケーブルを新たに採用し話題を集めた。続いて2011年秋には限定版の「SE 535 Special Edition」が登場。日本のユーザーからのニーズを汲み上げることで開発されたという本機は、ノズルの中に周波数フィルターを搭載して高域特性を高めたプレミアムモデルとして人気を博している。
このSE535シリーズを超える上位機種として、今回フラグシップモデルの「SE846」が発表された。SE535を超えるハイエンド機については、昨年末に米国SHURE本社でイヤホン製品の開発に関わるマット・エングストローム氏とショーン・サリバン氏の両名が来日した際、インタビューでもその開発計画をほのめかしていたが(関連記事)、ついにその実体が明らかになった格好だ。当サイト読者の中には、「春のヘッドフォン祭」(関連記事)のSHUREブースで、既に本機を試聴された方もいるのではないだろうか。
今回、7月中頃を予定している発売を前に、一足早くSE846を試聴・ハンドリングできる機会を得た。なお、今回試した実機は外観細部が最終仕様ではないため、記事中で紹介している撮影写真については参考としてご覧いただければと思う。
■SE846がSEシリーズにもたらした「3つの革新」
SE535から進化したポイントは大きく3つある。1つめのポイントは、SEシリーズとして初めて4基のバランスド・アーマチュア型Microドライバーを搭載したこと。SE535は高域用ユニット1基、低域用ユニットが2基という2ウェイ・3ドライバー構成だったが、SE846はこれに中域用ユニットを加えた3ウェイ・4ドライバー構成になる。各ユニットはSE846のため新規に開発された。再生周波数帯域はSE535の「18Hz〜19kHz」、SE535 Special Editionの「18Hz〜19.5kHz」に対して、SE846では「15Hz〜20kHz」に拡張されている。感度はSE535シリーズが119dB、SE846は114dBとなる。
2つめのポイントとなるのが、独自開発によるローパスフィルターの採用。10枚のステンレスプレートにレーザーカッティングで、経路長4インチの長いアコースティック・ローパスフィルターを成形。10枚のプレートを溶接して貼り合わせた、極小サイズのユニットをドライバー・アセンブリー・ユニットの前面に配置している。
デュアルで配置された低域用マイクロドライバーの音声は、ローパスフィルターを通過することで75Hz付近から自然にロールオフし、歪みや音色の変化のないピュアな低音を生成。中・高域のユニットからのサウンドはステンレスプレートに空けられた穴をそのまま通過し、ノズルに伝達する手前で、ローパスフィルターを経由してきた低域のサウンドと合流して、耳へ送られる仕組みを採用した。
SHUREではSE846のため、長い開発期間をかけて、アコースティックなローパスフィルターを開発。コンパクトな筐体サイズを保ったまま「イヤホンで本物のサブウーファーの豊かな低域再生を可能にした」ことを、本機の大きな特長として掲げている。
3つめのポイントが「ノズルインサート」と呼ばれるイヤホン内部のパーツを交換することで、音の違いが楽しめるギミックを採用したことだ。5月に開催されたSE846の新製品発表会で、SHURE本社のエングストローム氏が「型番末尾の数字が“5”から“6”にステップアップした理由は、ノズルインサートの交換機能が加わったことから」と説明したように、今後同社から発売されるSEシリーズの上位モデルにも波及しそううな、重要な機能が搭載されたファーストモデルがこのSE846になる。
ユーザーが自分の手で簡単に交換できるノズルインサートは、出荷時にデフォルトで装着されているニュートラルな特性の「バランス」、1kHzから8kHzのレスポンスが+2.5dBの「ブライト」、同帯域が-2.5dBの「ウォーム」という3種類が同梱されている。レポートの中で、ノズルインサートの交換方法や、交換による音の違いについても報告したいと思う。
このSE535シリーズを超える上位機種として、今回フラグシップモデルの「SE846」が発表された。SE535を超えるハイエンド機については、昨年末に米国SHURE本社でイヤホン製品の開発に関わるマット・エングストローム氏とショーン・サリバン氏の両名が来日した際、インタビューでもその開発計画をほのめかしていたが(関連記事)、ついにその実体が明らかになった格好だ。当サイト読者の中には、「春のヘッドフォン祭」(関連記事)のSHUREブースで、既に本機を試聴された方もいるのではないだろうか。
今回、7月中頃を予定している発売を前に、一足早くSE846を試聴・ハンドリングできる機会を得た。なお、今回試した実機は外観細部が最終仕様ではないため、記事中で紹介している撮影写真については参考としてご覧いただければと思う。
■SE846がSEシリーズにもたらした「3つの革新」
SE535から進化したポイントは大きく3つある。1つめのポイントは、SEシリーズとして初めて4基のバランスド・アーマチュア型Microドライバーを搭載したこと。SE535は高域用ユニット1基、低域用ユニットが2基という2ウェイ・3ドライバー構成だったが、SE846はこれに中域用ユニットを加えた3ウェイ・4ドライバー構成になる。各ユニットはSE846のため新規に開発された。再生周波数帯域はSE535の「18Hz〜19kHz」、SE535 Special Editionの「18Hz〜19.5kHz」に対して、SE846では「15Hz〜20kHz」に拡張されている。感度はSE535シリーズが119dB、SE846は114dBとなる。
2つめのポイントとなるのが、独自開発によるローパスフィルターの採用。10枚のステンレスプレートにレーザーカッティングで、経路長4インチの長いアコースティック・ローパスフィルターを成形。10枚のプレートを溶接して貼り合わせた、極小サイズのユニットをドライバー・アセンブリー・ユニットの前面に配置している。
デュアルで配置された低域用マイクロドライバーの音声は、ローパスフィルターを通過することで75Hz付近から自然にロールオフし、歪みや音色の変化のないピュアな低音を生成。中・高域のユニットからのサウンドはステンレスプレートに空けられた穴をそのまま通過し、ノズルに伝達する手前で、ローパスフィルターを経由してきた低域のサウンドと合流して、耳へ送られる仕組みを採用した。
SHUREではSE846のため、長い開発期間をかけて、アコースティックなローパスフィルターを開発。コンパクトな筐体サイズを保ったまま「イヤホンで本物のサブウーファーの豊かな低域再生を可能にした」ことを、本機の大きな特長として掲げている。
3つめのポイントが「ノズルインサート」と呼ばれるイヤホン内部のパーツを交換することで、音の違いが楽しめるギミックを採用したことだ。5月に開催されたSE846の新製品発表会で、SHURE本社のエングストローム氏が「型番末尾の数字が“5”から“6”にステップアップした理由は、ノズルインサートの交換機能が加わったことから」と説明したように、今後同社から発売されるSEシリーズの上位モデルにも波及しそううな、重要な機能が搭載されたファーストモデルがこのSE846になる。
ユーザーが自分の手で簡単に交換できるノズルインサートは、出荷時にデフォルトで装着されているニュートラルな特性の「バランス」、1kHzから8kHzのレスポンスが+2.5dBの「ブライト」、同帯域が-2.5dBの「ウォーム」という3種類が同梱されている。レポートの中で、ノズルインサートの交換方法や、交換による音の違いについても報告したいと思う。