公開日 2015/04/09 10:52
音楽ファンのための “ネットオーディオ” 完全ガイド【第9回】「PCオーディオで楽しむ(3)色々な再生ソフト」
PCオーディオの“要”である再生ソフトについて考える
“音楽を楽しむ”ためのネットオーディオの基礎知識を紹介していく「音楽ファンのための “ネットオーディオ” 完全ガイド」。PCオーディオ編の「その1」ではPCオーディオのそもそもの概念を、「その2」ではUSB-DACの活用方法を取り上げた。「その3」となる今回は、PCオーディオに不可欠な再生ソフトについて、そのポイントを紹介していく。
どのような再生ソフトを使うかは
PCオーディオを楽しむ上で大事な要素となる
PC上でデジタルファイル音源を再生するには何らかの再生ソフトが必要です。そして再生ソフトこそ、「再生機器としてのPC」の心臓部と言えるものです。外部DACと接続するにしても、PCをトランスポートとして扱うために重要です。どのような再生ソフトを使うかはPCオーディオに取り組むうえで非常に大きな問題となります。
有償無償を含めて数多くの再生ソフトがありますが、ここでは各ソフトの音質の良し悪しを言うまえに、まずは基本を押さえたいと思います。使用する再生ソフトを選ぶ際、音質云々以前の問題として、以下の3点が重要になります。
(1)自分のライブラリとの整合性
例えば、FLACでライブラリを構築しているとしましょう。この場合、FLACの再生に対応しないソフトは最初から選択肢から外れることになります。仮にどうしても「iTunes」(FLACには非対応)を使いたいということになれば、コーデックは基本的にAIFFやALACを使うなど、ソフトの仕様に合わせてライブラリを構築する必要があります。
また、いわゆるハイレゾ音源を再生するためには、PCと接続するDACだけではなく再生ソフトの側もハイレゾ再生に対応している必要があります。既にあるライブラリに合わせてソフトを選ぶべきか、それともソフトに合わせてライブラリを構築すべきかは難しい問題です。基本的にはコーデックの時と同様、ユーザーの方向性に合わせて柔軟に選択すればよいでしょう。
ただ、「特定のソフトでしかうまく機能しないライブラリ」を構築するのは危険だと考えられます。別のソフトに乗り換えようと思った際に支障が出るのはもちろん、ソフトの仕様変更やサポート終了に伴って、最悪ライブラリ全体の再構築が必要になる可能性も捨てきれません。もしそうなってしまえば悲惨の一言です。これもまた「ライブラリの破綻の種」の一つだと言えます。
お気に入りのソフトに合わせてライブラリを作り込むにしても、あくまで音源そのものには普遍性を、すなわち使用するソフトを変えてもきちんと機能するだけの柔軟性を持たせるべきと筆者は考えます。
(2)ライブラリ統合型か、再生特化型か
再生ソフトには大きく分けて2つの種類があります。便宜的にそれらを「ライブラリ統合型」と「再生特化型」と呼びます。
ライブラリ統合型とは、ソフトの中にいったん音源のデータを取り込んでライブラリを構築し、そのうえで音源の再生を行うソフトを指します。「Windows Media Player」や「iTunes」といったメジャーなソフトもライブラリ統合型に該当します。ここでは一例として「JRiver Media Center」を見てみましょう。
第6回の時点で出来上がったライブラリがソフト内に表示されています。何度も言っている通り、ここで表示されているのが「タグベースのライブラリ」となります。ライブラリ統合型のソフトはタグの編集やCDのリッピングといった機能を持つ場合が多く、音源/ライブラリの管理から音楽再生までを一手に担うことができます。
ライブラリ統合型のソフトで音源を再生する際は、ソフト内のライブラリの中から、タグに基づいた柔軟な選曲が可能です。基本的に選曲から再生まで一つのソフトの中で完結しますが、もちろん個々のファイルから直接再生することもできます。
連載目次 |
第1回「まず『音源』ありき」 第2回「タグについて理解しよう」 第3回「コーデックの基礎知識」 第4回「ライブラリを構築する」 第5回「音源の入手方法(1) CDのリッピング」 第6回「音源の入手方法(2) 配信サイトからのダウンロード」 第7回「PCオーディオで楽しむ(1) 基礎知識」 第8回「PCオーディオで楽しむ(2) USB-DACを活用する」 第9回「PCオーディオで楽しむ(3) 色々な再生ソフト」 第10回「PCオーディオで楽しむ(4) オーディオルームとPCの親和性」 第11回「ネットワークオーディオで楽しむ(1) 基礎知識」 第12回「ネットワークオーディオで楽しむ(2) サーバー」 第13回「ネットワークオーディオで楽しむ(3) プレーヤー」 第14回「ネットワークオーディオで楽しむ(4) コントロール」 第15回「様々な再生方法」 |
どのような再生ソフトを使うかは
PCオーディオを楽しむ上で大事な要素となる
PC上でデジタルファイル音源を再生するには何らかの再生ソフトが必要です。そして再生ソフトこそ、「再生機器としてのPC」の心臓部と言えるものです。外部DACと接続するにしても、PCをトランスポートとして扱うために重要です。どのような再生ソフトを使うかはPCオーディオに取り組むうえで非常に大きな問題となります。
有償無償を含めて数多くの再生ソフトがありますが、ここでは各ソフトの音質の良し悪しを言うまえに、まずは基本を押さえたいと思います。使用する再生ソフトを選ぶ際、音質云々以前の問題として、以下の3点が重要になります。
(1)自分のライブラリとの整合性
例えば、FLACでライブラリを構築しているとしましょう。この場合、FLACの再生に対応しないソフトは最初から選択肢から外れることになります。仮にどうしても「iTunes」(FLACには非対応)を使いたいということになれば、コーデックは基本的にAIFFやALACを使うなど、ソフトの仕様に合わせてライブラリを構築する必要があります。
また、いわゆるハイレゾ音源を再生するためには、PCと接続するDACだけではなく再生ソフトの側もハイレゾ再生に対応している必要があります。既にあるライブラリに合わせてソフトを選ぶべきか、それともソフトに合わせてライブラリを構築すべきかは難しい問題です。基本的にはコーデックの時と同様、ユーザーの方向性に合わせて柔軟に選択すればよいでしょう。
ただ、「特定のソフトでしかうまく機能しないライブラリ」を構築するのは危険だと考えられます。別のソフトに乗り換えようと思った際に支障が出るのはもちろん、ソフトの仕様変更やサポート終了に伴って、最悪ライブラリ全体の再構築が必要になる可能性も捨てきれません。もしそうなってしまえば悲惨の一言です。これもまた「ライブラリの破綻の種」の一つだと言えます。
お気に入りのソフトに合わせてライブラリを作り込むにしても、あくまで音源そのものには普遍性を、すなわち使用するソフトを変えてもきちんと機能するだけの柔軟性を持たせるべきと筆者は考えます。
(2)ライブラリ統合型か、再生特化型か
再生ソフトには大きく分けて2つの種類があります。便宜的にそれらを「ライブラリ統合型」と「再生特化型」と呼びます。
ライブラリ統合型とは、ソフトの中にいったん音源のデータを取り込んでライブラリを構築し、そのうえで音源の再生を行うソフトを指します。「Windows Media Player」や「iTunes」といったメジャーなソフトもライブラリ統合型に該当します。ここでは一例として「JRiver Media Center」を見てみましょう。
第6回の時点で出来上がったライブラリがソフト内に表示されています。何度も言っている通り、ここで表示されているのが「タグベースのライブラリ」となります。ライブラリ統合型のソフトはタグの編集やCDのリッピングといった機能を持つ場合が多く、音源/ライブラリの管理から音楽再生までを一手に担うことができます。
ライブラリ統合型のソフトで音源を再生する際は、ソフト内のライブラリの中から、タグに基づいた柔軟な選曲が可能です。基本的に選曲から再生まで一つのソフトの中で完結しますが、もちろん個々のファイルから直接再生することもできます。