公開日 2015/12/15 12:00
第4世代に進化したMONITOR AUDIOのスピーカー「ゴールド・シリーズ」を聴く
優れたポテンシャルを持つ新たなゴールド・シリーズ
モニターオーディオの核心
着実なリファインを遂げた第4世代モデル
英国モニターオーディオの核となる上位モデルである「ゴールド・シリーズ」が今年春に第4世代へとモデルチェンジを遂げた。
C-CAMリボントゥイーターや、ユニット表面の独自処理であるRST(リジッド・サーフェス・テクノロジー)など、ドライバーはもちろん、キャビネットやネットワークに至るまで、同社オリジナルの技術にさらに磨きがかけられている。
そんな「ゴールド・シリーズ」のトップモデルである「GOLD300」が本年度の「オーディオ銘機賞2016」において、見事銀賞を受賞した。そこで、本誌試聴室のレファレンス・スピーカーのひとつでもある、同モデルの魅力について、藤岡 誠氏のレポートをお届けしよう。
優れたポテンシャルを持つ新たなゴールド・シリーズ
ご存じの方も多いと思うが、イギリスのモニターオーディオの輸入元が、これまでの(株)ハイ・ファイ・ジャパンから現在の(株)ナスペックに移った。余りにも突然だったので私は驚いた。それというのも、ここで紹介する「ゴールド・シリーズ」をハイ・ファイ・ジャパンのプレゼンテ―ションで試聴したのが6月中旬。その1カ月後に“移るかも知れない"という情報があり、8月の10日にナスペックが「2015年9月1日からモニターオーディオの取り扱いを開始する」旨の連絡が入った。
今回紹介する「ゴールド・シリーズ」は私にとって、以上のような経緯があったのだが、とにかく同シリーズのブックシェルフ型とトールボーイ型スピーカーは、いずれも優れたポテンシャルを備えていることは間違いない。
前書きが長くなったが、今回は「オーディオ銘機賞2016」で銀賞を受賞した「GOLD 300」を中心に、この優れたシリーズ内の製品を簡単に紹介することにしよう。
●「ゴールド・シリーズ」について
最高峰プラチナム・シリーズに匹敵する上質なドライバーを搭載
さて、モニターオーディオの「ゴールド・シリーズ」は、ホームシアター/サラウンド用にも適する豊富なラインアップを擁しているが、ここでは2chステレオ用のシステムに限定して紹介する。
ブックシェルフ型は「GOLD50」と「GOLD100」の2機種。フロア型も2機種の展開で、「GOLD200」と本機「GOLD300」である。いずれの製品も、ここに採用されているユニットやキャビネットは、最高峰の「プラチナム・シリーズ」に匹敵するほど上質である。
例えば、C-CAM(セラミック・コート・アルミ/マグネシウム合金)のリボン型トゥイーターはとても魅力的だし、ミッドレンジやウーファーの振動板もC-CAMの振動板で、無数の小さくてランダムなディンプル(くぼみ)を成形し、センターキャップを排除したコンケーブ形状による最新のRST(リジッド・サーフェス・テクノロジー)を採用して剛性をアップするなどの新機軸がシリーズ内のすべての機種に採用されている。
●「GOLD 300」の技術的魅力
ユニットの特性を熟知し、最高の可能性を引き出す
本機「GOLD 300」はシリーズ内に2機種あるトールボーイ型の上位モデルで3ウェイ構成。キャビネットは20mm厚のMDF材で、背面ダクトのバスレフ方式である。底部にはスパイクを用いた高さ調整可能のダイキャストの台座があり、本体を高精度でサポートしている。この台座によってかなり安定度が高まっている。
本体のサイズは、横210×高さ1060×奥行き330mmで重量は27.2kg。使用ユニットは前述したように、リボン型トゥイーターを含めてすべてC-CAM振動板を採用している。ミッドレンジは10cmのRSTコーン型。この下部の2個のウーファーは16.5cm口径で、もちろんRSTコーン型で並列駆動されている。
興味深いのはミッドレンジとトゥイーターの2.3kHzという意外に低いクロスオーバーである。リボン型トゥイーターはもっと高い周波数でクロスさせるのが一般的だが、つまりはモニターオーディオのリボン型トゥイーターがワイドレンジである証明ともいえそうだ。
逆に、ミッドレンジはわずか2.3kHz〜790Hzの間を担当させている。こうしたクロスオーバー周波数の設定は、使用ユニットの特性を熟知した上で最高の可能性を引き出そうという同社のノウハウの一つともいえそうだ。
また、特記する必要があるのは、各ユニットの取り付け技法だ。特段に珍しいわけではないが、ユニットは背面のバッフルから伸びたボルトで適度なテンションを加えられて、強固に固定されていることだ。結果的に前後バッフルの不要振動も抑えることになり、後述する音質・音調にも関わりがあろうことは容易に見当がつくのである。前面グリルは磁石による着脱が可能。入力はバイワイヤリング仕様となっている。
着実なリファインを遂げた第4世代モデル
英国モニターオーディオの核となる上位モデルである「ゴールド・シリーズ」が今年春に第4世代へとモデルチェンジを遂げた。
C-CAMリボントゥイーターや、ユニット表面の独自処理であるRST(リジッド・サーフェス・テクノロジー)など、ドライバーはもちろん、キャビネットやネットワークに至るまで、同社オリジナルの技術にさらに磨きがかけられている。
そんな「ゴールド・シリーズ」のトップモデルである「GOLD300」が本年度の「オーディオ銘機賞2016」において、見事銀賞を受賞した。そこで、本誌試聴室のレファレンス・スピーカーのひとつでもある、同モデルの魅力について、藤岡 誠氏のレポートをお届けしよう。
優れたポテンシャルを持つ新たなゴールド・シリーズ
ご存じの方も多いと思うが、イギリスのモニターオーディオの輸入元が、これまでの(株)ハイ・ファイ・ジャパンから現在の(株)ナスペックに移った。余りにも突然だったので私は驚いた。それというのも、ここで紹介する「ゴールド・シリーズ」をハイ・ファイ・ジャパンのプレゼンテ―ションで試聴したのが6月中旬。その1カ月後に“移るかも知れない"という情報があり、8月の10日にナスペックが「2015年9月1日からモニターオーディオの取り扱いを開始する」旨の連絡が入った。
今回紹介する「ゴールド・シリーズ」は私にとって、以上のような経緯があったのだが、とにかく同シリーズのブックシェルフ型とトールボーイ型スピーカーは、いずれも優れたポテンシャルを備えていることは間違いない。
前書きが長くなったが、今回は「オーディオ銘機賞2016」で銀賞を受賞した「GOLD 300」を中心に、この優れたシリーズ内の製品を簡単に紹介することにしよう。
●「ゴールド・シリーズ」について
最高峰プラチナム・シリーズに匹敵する上質なドライバーを搭載
さて、モニターオーディオの「ゴールド・シリーズ」は、ホームシアター/サラウンド用にも適する豊富なラインアップを擁しているが、ここでは2chステレオ用のシステムに限定して紹介する。
ブックシェルフ型は「GOLD50」と「GOLD100」の2機種。フロア型も2機種の展開で、「GOLD200」と本機「GOLD300」である。いずれの製品も、ここに採用されているユニットやキャビネットは、最高峰の「プラチナム・シリーズ」に匹敵するほど上質である。
例えば、C-CAM(セラミック・コート・アルミ/マグネシウム合金)のリボン型トゥイーターはとても魅力的だし、ミッドレンジやウーファーの振動板もC-CAMの振動板で、無数の小さくてランダムなディンプル(くぼみ)を成形し、センターキャップを排除したコンケーブ形状による最新のRST(リジッド・サーフェス・テクノロジー)を採用して剛性をアップするなどの新機軸がシリーズ内のすべての機種に採用されている。
●「GOLD 300」の技術的魅力
ユニットの特性を熟知し、最高の可能性を引き出す
本機「GOLD 300」はシリーズ内に2機種あるトールボーイ型の上位モデルで3ウェイ構成。キャビネットは20mm厚のMDF材で、背面ダクトのバスレフ方式である。底部にはスパイクを用いた高さ調整可能のダイキャストの台座があり、本体を高精度でサポートしている。この台座によってかなり安定度が高まっている。
本体のサイズは、横210×高さ1060×奥行き330mmで重量は27.2kg。使用ユニットは前述したように、リボン型トゥイーターを含めてすべてC-CAM振動板を採用している。ミッドレンジは10cmのRSTコーン型。この下部の2個のウーファーは16.5cm口径で、もちろんRSTコーン型で並列駆動されている。
興味深いのはミッドレンジとトゥイーターの2.3kHzという意外に低いクロスオーバーである。リボン型トゥイーターはもっと高い周波数でクロスさせるのが一般的だが、つまりはモニターオーディオのリボン型トゥイーターがワイドレンジである証明ともいえそうだ。
逆に、ミッドレンジはわずか2.3kHz〜790Hzの間を担当させている。こうしたクロスオーバー周波数の設定は、使用ユニットの特性を熟知した上で最高の可能性を引き出そうという同社のノウハウの一つともいえそうだ。
また、特記する必要があるのは、各ユニットの取り付け技法だ。特段に珍しいわけではないが、ユニットは背面のバッフルから伸びたボルトで適度なテンションを加えられて、強固に固定されていることだ。結果的に前後バッフルの不要振動も抑えることになり、後述する音質・音調にも関わりがあろうことは容易に見当がつくのである。前面グリルは磁石による着脱が可能。入力はバイワイヤリング仕様となっている。