• ブランド
    特設サイト
公開日 2016/04/27 13:28

話題の音楽再生ソフト「Roon」は音も良い? RoonReady機器でネットワーク再生を検証

DLNAとの比較試聴も
佐々木 喜洋
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
Roonは海外を中心に人気を集めている音楽再生ソフトウェアだ。その魅力のひとつは、単なるPCやMacのソフトウエアにとどまらず、大きなネットワーク・システムの中核となり得ることである。2016年1月に開催されたCESでも「RoonReady」という言葉が展示機器のキーワードのひとつとなっていたことは記憶に新しい。RoonReadyとは、簡単に言えば「Roonに対応するネットワークオーディオ機器」のことだ。


つい最近Roonは待望のバージョン1.2のアップデートを果たし、さらに自由度の高いシステムに生まれ変わった。本稿ではこのバージョン1.2を用いて、Roonのネットワーク対応オーディオシステムとしての魅力を解説していく。また後半では実際に試聴を行ってRoonシステムを音質と構成の両面から検証を試みる。

Roonの基本構成 - 3つのモジュールによる拡張性

まずRoonのソフトウェア構成の基本から見ていくことにしよう。

ユーザーから見るとRoonは、iTunesのような音楽再生ソフトウエアである。しかし内部的には大きく分けて3つのモジュールから構成されている。「Control(操作部)」、「Core(中核部)」、「Output(出力部)」である。

Coreはライブラリ管理と音源の読み込みを行い、さらにRoonの機能の多くをつかさどる文字通りの中核部分だ。Roonにおいてはあるシステム内にCoreは一つのみ存在できる。これであちこちにライブラリが散在することを防いでいる。Controlは画面操作を担当し、OutputはDACを接続する出力部分である。

Roonにおける楽曲データの流れの基本は、Controlで指示した楽曲をCoreが読みこんで、そのデータをOutputに送り、音楽が再生されると言うことになる。

Roonの構成イメージ(Roon Labs公式サイトより)

RoonではOutputにUSB-DACを接続すればUSBオーディオとして手軽に使えるし、Outputをネットワーク上の別の機器に拡張することもできる。このネットワーク接続先が別のPCやMacである場合はそれを「RoonBridge」と呼び、オーディオ機器でこのネットワーク機能に対応したものは「RoonReady」と言う。

またControlをネットワークに切り離して、タブレットで操作することもできる。これを「RoonRemote」と言う。RoonRemoteは単なるリモコンではなく、Outputを兼ね備えることでさらに自由な使い方ができる。

このほかに、Controlをタブレットなどで行うのを前提としてサーバー化した「RoonServer」と言う構成がある。静音PCなどでオーディオ専用PCを組みたい人には、この構成が向いているだろう。

簡単にまとめると、Roonには下記の構成が可能である。


Roon(標準) = 【Control】 + 【Core】 + 【Output】

RoonRemote = 【Control】 + 【Output】

RoonBridge(PCなど) = 【Output】

RoonReady(オーディオ機材) = 【Output】

RoonServer = 【Core】 + 【Output】



オーディオに特化した独自の通信技術「RAAT」を採用

Roonでは出力先を「ゾーン」という概念で表す。Outputは、このゾーンを統括している。RoonではMPDのように楽曲をキューに入れて管理するが、このキューはゾーンごとに設けられている。つまりゾーンが異なれば別々にキューを持つことができ、別の楽曲を再生することができるわけだ。

「Zoon」を表示したとこと。再生先はZoonとして複数指定でき、各ゾーンで個別かつ同時に楽曲を再生できる

RoonRemoteは、先に述べたとおりControlだけではなくOutputをも備えているため、AndroidタブレットからCoreで管理する曲を再生することもできる(なお、iOS機器は現時点でOutputには非対応)。たとえばMac miniではスピーカーでリスニングルームにクラシックを流しながら、子供は同じ部屋でタブレットからヘッドホンでロックを聴くことができる。Roonはそれらを同時に再生することができ、さらに必要ならば、「グループ化」という機能でゾーン同士を連結して曲を同期することもできる。この自由さがRoonの特徴だ。

同期と言っても単に同時に鳴らすというレベルではなく、Roonは高い次元で通信データをオーディオ的に制御している。これは「RAAT(Roon Advanced Audio protcol)」というRoonの中心となる高度な通信技術によるものだ。RAATでは、384kHzのPCM音源やDSD音源も取り扱うことができる。

Roonではこのように使い勝手の良さという意味でのユーザーエクスペリエンスの高さと、高音質のオーディオ技術を高い次元で両立するところに開発の主眼が置かれていると言う。

次ページ最新のRoonReady機器を使ってRoonの機能と音質を検証

1 2 3 4 5 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 楽天ブラックフライデーでJBLの超人気サウンドバー「BAR 1000/800」が激安!プロも驚く革新的モデルはどんな音を鳴らす?
2 評論家が厳選!マランツ「MODEL M1」でPolk Audio/KEF/TAD/Harbethのスピーカーを鳴らす
3 ビクター新ワイヤレスヘッドホン「HA-S99N」速攻レビュー! 評論家が「もう驚きでしかない」と高評価した魅力とは?
4 ボーズ、McIntosh Groupを買収。マッキントッシュ、ソナス・ファベールが傘下に
5 レグザが100型クラス大画面4Kテレビを拡充する理由とは? 目黒蓮の特別コメントも
6 パナソニック「2023年度 優秀ご販売店様謝恩会」を開催。21店が栄誉に輝く
7 山之内 正氏によるエソテリック×アキュフェーズ×マランツ比較試聴会、「ハイエンドオーディオ&アクセサリーショウ2024」で開催
8 オーディオファイル待望の物量投入型プリメインアンプ!デノン「PMA-3000NE」をクオリティチェック
9 B&Wの音は “信頼に値する重要な指標”。音元出版の新試聴室に「802 D4」が導入されたワケ
10 新開発ユニットを巧みに操る懐深いサウンド。ELAC「Debut 3.0」フロア型/ブックシェルフ型を聴く
11/22 10:41 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.194
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX