公開日 2016/08/15 10:16
AKG「N40」との相性は?人気ハイレゾDAP 5機種と組み合わせレビュー
ウォークマンやDP-X1、AK70、DX80とのマッチングは?
AKG待望のミドルクラスイヤホン「N40」は、中高域を担当するバランスド・アーマチュア型(以下、BA)ドライバー1基と、低域を担当する8mmダイナミック型ドライバーを組み合わせた、ハイブリッド2ウェイ構成を採用。ハイブリッド高級機の代表格でもあるフラグシップイヤホン「K3003」との間を埋める久々の本格派モデルだ。
K3003では対応していなかったリケーブル(音質面では接点が少ない直結式の方が純度の高いサウンドを期待できるが、ケーブル切断の際、結構高額な修理費がかかってしまうことなど、デメリットも少なからずあった)を実現し、ネットワークを使わないアコースティックなサウンドチューニングによる高鮮度でシームレスなサウンド性を継承した、戦略的ともいえる仕様を誇る。
さらに標準的なサウンドが得られるREFERENCEの他、高域をクリアに表現するHIGH BOOST、ベースやキックドラム帯域の低域を増強するBASS BOOSTの3種類のフィルターを用意したメカニカル・チューニング・フィルターや、振動板の背圧を最適化するベンチレーション・システムなど、機能面・音質面ともにK3003の流れを汲む仕様は、K3003に手が届かなかったというリスナーにとっては非常に魅力的なものとして映るだろう。
イヤホン本体はNシリーズの流れを継承したシンプルかつモダンな意匠を取り入れているが、MMCXプラグを採用した耳かけ式のハイブリッドシース採用リケーブル(リモコン付きケーブルも同梱)によって将来的な発展性を含め非常にユーザーライクにまとめられている。
今回はこのN40を、市場で人気の高いハイレゾ対応DAP 5機種と組み合わせ。フィルター交換等も行いながら、サウンド、そして楽曲とのマッチングを確認していこう。基本的なサウンド傾向を確認する上で、クラシック楽曲はレヴァイン指揮/シカゴ交響楽団『惑星』〜木星(CDリッピング:44.1kHz/16bit)を採用。ジャズ音源ではオスカー・ピーターソン・トリオ『プリーズ・リクエスト』〜ユー・ルック・グッド・トゥ・ミー(同:44.1kHz/16bit)、さらにロック音源としてデイヴ・メニケッティ『メニケッティ』〜メッシン・ウィズ・ミスター・ビッグ(同:44.1kHz/16bit)を用いた。
■SONY「NW-A25」
ハイレゾ対応DAPの入門機として幅広い支持を集めているのがソニー「NW-A20」シリーズだ。ハイレゾに対応する独自のフルデジタルアンプS-Master HXを積み、192kHz/24bitまでのネイティブ再生を可能としている。アルミダイキャストフレームや高純度無鉛高音質ハンダ、POSCAP、厚膜銅箔プリント基板など、数々の高音質対策を小さなボディに施したこともあり、低価格でありながらもハイレゾ領域の自然な空間性を感じられる素性の良いサウンド性を獲得している。
N40との組み合わせでもナチュラルで穏やかなサウンドを得ることができるが、低域の音像は太めでどっしりとした傾向だ。クラシックの管弦楽器はすっきりと爽やかな浮き立ちであり、ローエンドはおとなしくゆったりと響かせる。長時間のリスニングでも疲れにくい音色傾向であるといえるだろう。
ジャズピアノは軽やかでアタックの丸みがあるマイルドな音色だ。ウッドベースは太くどっしりとした胴鳴りを響かせ、弦のたわみはむっちりとした艶を持つ。ロックにおいてもリズム隊はふっくらとした傾向で、エレキギターの歪み感もリッチに響く。ボーカルはハスキーな輪郭感も穏やかに表現し、ボディの厚みのある存在感のある描写となる。空間性は素直で、シンバルの余韻もきれいに表現。N40の持つ高域方向の音色との相性は良さそうだ。
ビリー・ジョエル「ピアノマン」(『ピアノマン』96kHz/24bit)ではベース部のゆったりとした響きが穏やかなリズムのビートとマッチしており、ピアノのすっきりとしたハーモニクスも耳当たり良くまとめてくれる。声の質感も素直で伸びやかだ。メカニカル・チューニング・フィルターはHIGH BOOSTをセットするとピアノの響きもより鮮度が高く澄んだものとなる。ボーカルも肉付きの良さはそのままに、ハキハキとした輪郭の明瞭感がより向上した。
K3003では対応していなかったリケーブル(音質面では接点が少ない直結式の方が純度の高いサウンドを期待できるが、ケーブル切断の際、結構高額な修理費がかかってしまうことなど、デメリットも少なからずあった)を実現し、ネットワークを使わないアコースティックなサウンドチューニングによる高鮮度でシームレスなサウンド性を継承した、戦略的ともいえる仕様を誇る。
さらに標準的なサウンドが得られるREFERENCEの他、高域をクリアに表現するHIGH BOOST、ベースやキックドラム帯域の低域を増強するBASS BOOSTの3種類のフィルターを用意したメカニカル・チューニング・フィルターや、振動板の背圧を最適化するベンチレーション・システムなど、機能面・音質面ともにK3003の流れを汲む仕様は、K3003に手が届かなかったというリスナーにとっては非常に魅力的なものとして映るだろう。
イヤホン本体はNシリーズの流れを継承したシンプルかつモダンな意匠を取り入れているが、MMCXプラグを採用した耳かけ式のハイブリッドシース採用リケーブル(リモコン付きケーブルも同梱)によって将来的な発展性を含め非常にユーザーライクにまとめられている。
今回はこのN40を、市場で人気の高いハイレゾ対応DAP 5機種と組み合わせ。フィルター交換等も行いながら、サウンド、そして楽曲とのマッチングを確認していこう。基本的なサウンド傾向を確認する上で、クラシック楽曲はレヴァイン指揮/シカゴ交響楽団『惑星』〜木星(CDリッピング:44.1kHz/16bit)を採用。ジャズ音源ではオスカー・ピーターソン・トリオ『プリーズ・リクエスト』〜ユー・ルック・グッド・トゥ・ミー(同:44.1kHz/16bit)、さらにロック音源としてデイヴ・メニケッティ『メニケッティ』〜メッシン・ウィズ・ミスター・ビッグ(同:44.1kHz/16bit)を用いた。
【目次】 ・SONY「NW-A25」¥OPEN(予想実売価格23,000円前後) ・SONY「NW-ZX100」¥OPEN(予想実売価格67,000円前後) ・iBasso Audio「DX80」¥OPEN(予想実売価格49,800円前後) ・ONKYO「DP-X1」¥OPEN(予想実売価格69,800円前後) ・Astell&Kern「AK70」¥OPEN(直販サイト価格69,800円) |
■SONY「NW-A25」
ハイレゾ対応DAPの入門機として幅広い支持を集めているのがソニー「NW-A20」シリーズだ。ハイレゾに対応する独自のフルデジタルアンプS-Master HXを積み、192kHz/24bitまでのネイティブ再生を可能としている。アルミダイキャストフレームや高純度無鉛高音質ハンダ、POSCAP、厚膜銅箔プリント基板など、数々の高音質対策を小さなボディに施したこともあり、低価格でありながらもハイレゾ領域の自然な空間性を感じられる素性の良いサウンド性を獲得している。
N40との組み合わせでもナチュラルで穏やかなサウンドを得ることができるが、低域の音像は太めでどっしりとした傾向だ。クラシックの管弦楽器はすっきりと爽やかな浮き立ちであり、ローエンドはおとなしくゆったりと響かせる。長時間のリスニングでも疲れにくい音色傾向であるといえるだろう。
ジャズピアノは軽やかでアタックの丸みがあるマイルドな音色だ。ウッドベースは太くどっしりとした胴鳴りを響かせ、弦のたわみはむっちりとした艶を持つ。ロックにおいてもリズム隊はふっくらとした傾向で、エレキギターの歪み感もリッチに響く。ボーカルはハスキーな輪郭感も穏やかに表現し、ボディの厚みのある存在感のある描写となる。空間性は素直で、シンバルの余韻もきれいに表現。N40の持つ高域方向の音色との相性は良さそうだ。
ビリー・ジョエル「ピアノマン」(『ピアノマン』96kHz/24bit)ではベース部のゆったりとした響きが穏やかなリズムのビートとマッチしており、ピアノのすっきりとしたハーモニクスも耳当たり良くまとめてくれる。声の質感も素直で伸びやかだ。メカニカル・チューニング・フィルターはHIGH BOOSTをセットするとピアノの響きもより鮮度が高く澄んだものとなる。ボーカルも肉付きの良さはそのままに、ハキハキとした輪郭の明瞭感がより向上した。