公開日 2016/10/20 11:19
DynamicMotionの同軸2Wayハイブリッドイヤホン「DM200H」を、人気DAP3機種で聴く
【特別企画】注目イヤホン × 10万円以下のDAP 3機種
BAドライバー/ダイナミックドライバーによる同軸2ウェイ構成という世界初機構を実現したDynamicMotionのイヤホン「DM200H」。本機を10万円以下のポータブルハイレゾプレーヤー3機種と組み合わせて試聴して、その相性を探ってみた。
■世界初、同軸2ウェイ型ハイブリッドイヤホン「DM200H」
今年6月、ひとつの興味深いイヤホンが登場した。それが今回紹介するDynamicMotion「DM200H」(関連ニュース)である。本機はバランスド・アーマチュアドライバー(以下BAドライバー)とダイナミックドライバーを同軸上に配置する「Bulls Eye Driver」を採用した、世界初の同軸2ウェイ型ハイブリッドイヤホンだ。
ホームオーディオの世界でも高音・低音用ユニットを同軸配置することによる優れた位相特性を狙った素晴らしいスピーカーが存在するが、まさかイヤホンでこの方式を採用してくるメーカーが出てくるとは予想外であった。
この革新的なイヤホンを生み出したDynamicMotionは、1982年の創業以来、長年にわたってダイナミックドライバーの開発を行ってきたブランドだ。ダイナミックドライバー関連技術で多くの特許も取得しており、自社で開発・生産したドライバーを数多くのメーカーにOEM供給してきた実績がある。
そこで培った技術を投入する形で自社製イヤホンを開発し、コンシューマー市場に参入したのが2013年。国内では高品位なオーディオケーブル/アクセサリーを展開しているメーカーのサエクが取り扱うこともあり、筆者も個人的に注目してきた。
「Bulls Eye Driver」については、断面図を見てもらうと分かりやすい。ネオジウムマグネットを採用したダイナミック型ドライバーの中央に穴を設け、そこにBAドライバーを配置している。
2種類のドライバーを搭載するハイブリッド型の構成は、主にミドルクラス以上のイヤホンで採用例は多いが、必然的にドライバーの配置が揃わず、一般的にサウンドイメージや音色の統一感が得づらいなどが弱点として挙げられる。
しかし、同軸に配置できれば“点音源”再生が可能になり、正確な音場再現と音像定位が期待できる。同時に、感度の高さや繊細な表現力が得意のBAドライバーと、低音の力強さが特徴のダイナミックドライバーのそれぞれ能力が最大限発揮できるところもポイントだろう。そう、DynamicMotionはとんでもない製品を投入してきたのだ。
インピーダンスは24Ω、再生周波数特性は5Hz〜40kHzと広帯域をカバーしている。音の響きを左右するハウジング部は素材にアルミを使い、人間工学とコンピューターにより空気の流れをシミュレートした構造を持つ。また、ハウジングの内側と下部にはポートが設けられている。このポートで背圧を調整することで音調を整えているとのことだが、恐らく低域の調整を行っているのではないかと推測する。
付属ケーブルには、サエクがDM200Hのドライバー特性とマッチングを図ったものが採用されているが、こうした配慮は嬉しいところ。このケーブルは、導体の中央にケブラー繊維を配置して強度を持たせつつ導通特性にも配慮している。プラグ形状はL字型の3.5mmステレオミニを採用している。
■10万円以下で買えるDAP3機種と組み合わせて試聴
それでは試聴に入ろう。今回は、続々と新製品が登場している10万円以下の価格帯のポータブルプレーヤー(DAP)から特に人気のモデルを選定。Astell&Kern「AK70」、ONKYO「DP-X1」、SONY「NW-A35」の3機種を組み合わせてみた。
試聴音源は以下のとおり。プレーヤーの価格帯も考えて、アニソンやJ-POPを主に聴いた。
(1)MP3:アニソン
・fripSide『infinite synthesis 3』(MP3 44.1kHz/320kbps)から「Run into the light」
(2)CDリッピング音源:アニソン
・RADWIMPS『君の名は。』(FLAC 44.1kHz/16bit)から「前々前世[movie ver.]」
(3)ハイレゾ音源:J-Pop
・宇多田 ヒカル『Fantome』(FLAC 96kHz/24bit)から「道」
まずは、3つのプレーヤーで聴いた上での、DM200Hそのものの印象について述べておきたい。
■世界初、同軸2ウェイ型ハイブリッドイヤホン「DM200H」
今年6月、ひとつの興味深いイヤホンが登場した。それが今回紹介するDynamicMotion「DM200H」(関連ニュース)である。本機はバランスド・アーマチュアドライバー(以下BAドライバー)とダイナミックドライバーを同軸上に配置する「Bulls Eye Driver」を採用した、世界初の同軸2ウェイ型ハイブリッドイヤホンだ。
ホームオーディオの世界でも高音・低音用ユニットを同軸配置することによる優れた位相特性を狙った素晴らしいスピーカーが存在するが、まさかイヤホンでこの方式を採用してくるメーカーが出てくるとは予想外であった。
この革新的なイヤホンを生み出したDynamicMotionは、1982年の創業以来、長年にわたってダイナミックドライバーの開発を行ってきたブランドだ。ダイナミックドライバー関連技術で多くの特許も取得しており、自社で開発・生産したドライバーを数多くのメーカーにOEM供給してきた実績がある。
そこで培った技術を投入する形で自社製イヤホンを開発し、コンシューマー市場に参入したのが2013年。国内では高品位なオーディオケーブル/アクセサリーを展開しているメーカーのサエクが取り扱うこともあり、筆者も個人的に注目してきた。
「Bulls Eye Driver」については、断面図を見てもらうと分かりやすい。ネオジウムマグネットを採用したダイナミック型ドライバーの中央に穴を設け、そこにBAドライバーを配置している。
2種類のドライバーを搭載するハイブリッド型の構成は、主にミドルクラス以上のイヤホンで採用例は多いが、必然的にドライバーの配置が揃わず、一般的にサウンドイメージや音色の統一感が得づらいなどが弱点として挙げられる。
しかし、同軸に配置できれば“点音源”再生が可能になり、正確な音場再現と音像定位が期待できる。同時に、感度の高さや繊細な表現力が得意のBAドライバーと、低音の力強さが特徴のダイナミックドライバーのそれぞれ能力が最大限発揮できるところもポイントだろう。そう、DynamicMotionはとんでもない製品を投入してきたのだ。
インピーダンスは24Ω、再生周波数特性は5Hz〜40kHzと広帯域をカバーしている。音の響きを左右するハウジング部は素材にアルミを使い、人間工学とコンピューターにより空気の流れをシミュレートした構造を持つ。また、ハウジングの内側と下部にはポートが設けられている。このポートで背圧を調整することで音調を整えているとのことだが、恐らく低域の調整を行っているのではないかと推測する。
付属ケーブルには、サエクがDM200Hのドライバー特性とマッチングを図ったものが採用されているが、こうした配慮は嬉しいところ。このケーブルは、導体の中央にケブラー繊維を配置して強度を持たせつつ導通特性にも配慮している。プラグ形状はL字型の3.5mmステレオミニを採用している。
■10万円以下で買えるDAP3機種と組み合わせて試聴
それでは試聴に入ろう。今回は、続々と新製品が登場している10万円以下の価格帯のポータブルプレーヤー(DAP)から特に人気のモデルを選定。Astell&Kern「AK70」、ONKYO「DP-X1」、SONY「NW-A35」の3機種を組み合わせてみた。
試聴音源は以下のとおり。プレーヤーの価格帯も考えて、アニソンやJ-POPを主に聴いた。
(1)MP3:アニソン
・fripSide『infinite synthesis 3』(MP3 44.1kHz/320kbps)から「Run into the light」
(2)CDリッピング音源:アニソン
・RADWIMPS『君の名は。』(FLAC 44.1kHz/16bit)から「前々前世[movie ver.]」
(3)ハイレゾ音源:J-Pop
・宇多田 ヒカル『Fantome』(FLAC 96kHz/24bit)から「道」
まずは、3つのプレーヤーで聴いた上での、DM200Hそのものの印象について述べておきたい。