公開日 2016/11/29 10:40
シュアのコンデンサー型イヤホン「KSE1500」のデジタル入力を、「AK380」で試す
アナログ入力とは別方向の最高峰サウンド
■KSE1500のデジタル入力に今、注目したい理由
世界初の密閉カナル型コンデンサーイヤホンとして登場したシュア「KSE1500」。シュアのサウンドを、ハイエンドオーディオで定評のあるコンデンサー型システムによって突き進めた本機は、ポータブルシステムの革命ともいえる孤高の世界観を備えている。
本機はコンデンサー型イヤホンと、その薄い振動膜に電荷を与えるための高いバイアス電圧を供給するアンプユニットで構成される。このアンプユニットは、アナログ入力に加えてUSB入力(USB-DAC)も搭載する。本機の詳細な音質レポートは、こちらの記事でも行ったのだが、今回はKSE1500のUSBデジタル入力に、改めてフォーカスを当てたい。
なぜ今、本機のUSBデジタル接続に注目したいのか。KSE1500の発売当時は、ポータブル環境でデジタル接続を行うというとスマートフォンがメインだった。しかし2016年夏、高級ハイレゾプレーヤーの先駆者 Astell&Kernは、最新世代ハイレゾプレーヤーをUSBオーディオ出力にアップデート対応させた。これにより、「AK380」を筆頭とするAKシリーズをトランスポートとして、KSE1500とUSBデジタル接続することが可能になった。
AKシリーズ以外にもAndroid OS搭載のハイレゾDAPは少なくなく、KSE1500とUSBデジタル接続ができるものも存在する。しかし、ハイレゾDAP市場のけん引役たるAKシリーズがUSBデジタル出力に対応したとなると、その影響力は大きい。しかも、約50万円の旗艦機「AK380」からエントリー機「AK70」に至るまで、新世代ラインナップ全モデルがUSBデジタル出力に対応したのだ。
KSE1500のUSB入力は、対応スペックが96kHz/24bitまでということもあり、アナログ入力に比べると使用頻度や注目度はこれまで低かったかもしれない。デジタル入力はスマートフォン用という割り切った見方も多かったはずだ。
しかし、AKシリーズのような音質に特化したプレーヤーからのデジタル出力が可能になれば、事情は変わる。デジタル接続ではAKシリーズ上位機のデュアルDACの恩恵は受けられないが、一方でノイズ対策を徹底したトランスポートからのデジタル信号を、ある意味でよりシュアらしい音の個性を備えるKSE1500のデジタル入力と組み合わせられる。アナログ入力とは異なった方向の、最高峰サウンドを狙うことができるのだ。
また、デジタル出力を使う上で、KSE1500の4バンドパラメトリックEQにも注目してみたい。アナログ入力でも本機能を使うことはできるが、A/D変換を伴ってのデジタル処理となる。デジタル入力ならば、変換なくEQ調整が行えるのだ。原音忠実を重視する方々はEQを敬遠する傾向にあるようだが、使い方次第でEQは自分好みの音質を追求する重要なツールとなることも、KSE1500を通じて今回紹介したい。
世界初の密閉カナル型コンデンサーイヤホンとして登場したシュア「KSE1500」。シュアのサウンドを、ハイエンドオーディオで定評のあるコンデンサー型システムによって突き進めた本機は、ポータブルシステムの革命ともいえる孤高の世界観を備えている。
本機はコンデンサー型イヤホンと、その薄い振動膜に電荷を与えるための高いバイアス電圧を供給するアンプユニットで構成される。このアンプユニットは、アナログ入力に加えてUSB入力(USB-DAC)も搭載する。本機の詳細な音質レポートは、こちらの記事でも行ったのだが、今回はKSE1500のUSBデジタル入力に、改めてフォーカスを当てたい。
なぜ今、本機のUSBデジタル接続に注目したいのか。KSE1500の発売当時は、ポータブル環境でデジタル接続を行うというとスマートフォンがメインだった。しかし2016年夏、高級ハイレゾプレーヤーの先駆者 Astell&Kernは、最新世代ハイレゾプレーヤーをUSBオーディオ出力にアップデート対応させた。これにより、「AK380」を筆頭とするAKシリーズをトランスポートとして、KSE1500とUSBデジタル接続することが可能になった。
AKシリーズ以外にもAndroid OS搭載のハイレゾDAPは少なくなく、KSE1500とUSBデジタル接続ができるものも存在する。しかし、ハイレゾDAP市場のけん引役たるAKシリーズがUSBデジタル出力に対応したとなると、その影響力は大きい。しかも、約50万円の旗艦機「AK380」からエントリー機「AK70」に至るまで、新世代ラインナップ全モデルがUSBデジタル出力に対応したのだ。
KSE1500のUSB入力は、対応スペックが96kHz/24bitまでということもあり、アナログ入力に比べると使用頻度や注目度はこれまで低かったかもしれない。デジタル入力はスマートフォン用という割り切った見方も多かったはずだ。
しかし、AKシリーズのような音質に特化したプレーヤーからのデジタル出力が可能になれば、事情は変わる。デジタル接続ではAKシリーズ上位機のデュアルDACの恩恵は受けられないが、一方でノイズ対策を徹底したトランスポートからのデジタル信号を、ある意味でよりシュアらしい音の個性を備えるKSE1500のデジタル入力と組み合わせられる。アナログ入力とは異なった方向の、最高峰サウンドを狙うことができるのだ。
また、デジタル出力を使う上で、KSE1500の4バンドパラメトリックEQにも注目してみたい。アナログ入力でも本機能を使うことはできるが、A/D変換を伴ってのデジタル処理となる。デジタル入力ならば、変換なくEQ調整が行えるのだ。原音忠実を重視する方々はEQを敬遠する傾向にあるようだが、使い方次第でEQは自分好みの音質を追求する重要なツールとなることも、KSE1500を通じて今回紹介したい。