公開日 2017/09/15 11:09
USB 3.0に完全対応! 画期的USBアイソレーター「iGalvanic 3.0」を聴く
空間の緻密さ、位相表現の正確さが際立つ
■USB3.0への完全対応を実現 ― ノイズを徹底的に抑え込むガルバニック・アイソレーター
USB関連アイテムを数多く手がけているイギリスのiFIオーディオ。その中で実はこれまでに製品化されていなかったものがUSBアイソレーターである。電源ラインとの分離やリジェネレートなど、ノイズ源に対してのアプローチは行われてきたが、純粋なアイソレーターとしての機能性は実装されていなかった。そしてこの度、待望のガルバニック・アイソレーター「iGalvanic 3.0」がリリースされる運びとなったのである。
ここまでアイソレーターの発売が遅れたのはUSB 3.0規格に対応するためであったという。PCからのノイズを遮断するため、DAC側にデジタル・アイソレーターを採用する手法が多用されているが、その中で最も利用されているのが、デジタル・アイソレーター汎用チップを用いたガルバニック絶縁であろう。入力となる一次側と出力の二次側の間での直流電流の絶縁を行う構造であり、トランスによる磁気エネルギー変換やフォトカプラによる光変換などでアイソレートを実現している。
しかしながら従来の汎用チップではデータ転送速度が最大150Mbps程度であり、これまでのソリューションを使った場合、狭い伝送路を活用するために行われるSerDes(シリアライズ/デシリアライズ)アプローチによるボトルネックも発生し、USB3.0規格の5Gbpsというハイスピードな伝送レートを満たすことはできない。
この点を解消すべく、iFIオーディオでは母体であるAMRのテクノロジーを駆使して遅延のないUSB絶縁技術を開発。その詳細は明らかにされていないものの、iGalvanic 3.0はこの技術を取り入れ、5Gbpsを実現するUSB 3.0に完全対応した初のガルバニック・アイソレーターとして誕生したのだ。
本機は信号ラインのみならず、電力やアースラインを含む完全絶縁を実現しており、USB高速伝送アプリケーション使用時におけるノイズの混入やアースループの遮断に効果を発揮。ノイズのない正確な高速伝送を可能としている。また、一次/二次側共に信号の再生成やリクロック、DCオフセットを除去して信号のバランス伝送を実現するRegenerate2、REclock2、REbalance2テクノロジーも搭載。768kHz/32bit PCM&DSD 22.6MHzの信号伝送にも問題なく使用できる。
電源はUSBバスパワーで動作するが、ディスクリート構成のTI製超低ノイズ・高電流リニアレギュレーターによって圧倒的な低ノイズ環境を実現。さらにグラウンドリンク機能を使い、使用環境に合わせてISO(フルアイソレート)/DC-RF(DCからRFへのソフトグランドリンク:アースのない環境でのハムを回避)/RF(RFソフトグランドリンク:RFアースを持たない環境でオーディオデータ欠落を回避)の3モードから選択できる。筆者宅環境ではDC-RFモード以外でプツプツと音が途切れる状態となったが、音質云々ではなく、最適な動作環境を探るために活用すればよいだろう。
試聴においては本機を挿入する以前に比べ、圧倒的に解像度、S/Nの点で優位であり、中低域における曖昧さがなくなる。音場はクリアで立体感も増し、空間の緻密さ、位相表現の正確さがより際立ってくるようだ。色づけのない精緻でストイックなサウンドを得ることができた。
iGalvanicの接続は極めてシンプル。パソコンとUSB DACの間に挿入する本機だが、最大の特徴のひとつが高速伝送に対応するUSB3.0の規格にフル対応を果たした初の製品であること。これにより、7つのフローを持っていた従来のUSB 2.0規格と比べ、iGalvanicは「USB信号伝送 - アイソレーション - 信号受信」という極めてシンプルなフローを実現。より効果的なアイソレーションを行うことを可能とした。また、USB 3.0に対応した外づけストレージや、従来の規格では伝送ができなかった外付けBDドライブでも使用が可能となっている点も、本機の大きな魅力である。
USB関連アイテムを数多く手がけているイギリスのiFIオーディオ。その中で実はこれまでに製品化されていなかったものがUSBアイソレーターである。電源ラインとの分離やリジェネレートなど、ノイズ源に対してのアプローチは行われてきたが、純粋なアイソレーターとしての機能性は実装されていなかった。そしてこの度、待望のガルバニック・アイソレーター「iGalvanic 3.0」がリリースされる運びとなったのである。
ここまでアイソレーターの発売が遅れたのはUSB 3.0規格に対応するためであったという。PCからのノイズを遮断するため、DAC側にデジタル・アイソレーターを採用する手法が多用されているが、その中で最も利用されているのが、デジタル・アイソレーター汎用チップを用いたガルバニック絶縁であろう。入力となる一次側と出力の二次側の間での直流電流の絶縁を行う構造であり、トランスによる磁気エネルギー変換やフォトカプラによる光変換などでアイソレートを実現している。
しかしながら従来の汎用チップではデータ転送速度が最大150Mbps程度であり、これまでのソリューションを使った場合、狭い伝送路を活用するために行われるSerDes(シリアライズ/デシリアライズ)アプローチによるボトルネックも発生し、USB3.0規格の5Gbpsというハイスピードな伝送レートを満たすことはできない。
この点を解消すべく、iFIオーディオでは母体であるAMRのテクノロジーを駆使して遅延のないUSB絶縁技術を開発。その詳細は明らかにされていないものの、iGalvanic 3.0はこの技術を取り入れ、5Gbpsを実現するUSB 3.0に完全対応した初のガルバニック・アイソレーターとして誕生したのだ。
本機は信号ラインのみならず、電力やアースラインを含む完全絶縁を実現しており、USB高速伝送アプリケーション使用時におけるノイズの混入やアースループの遮断に効果を発揮。ノイズのない正確な高速伝送を可能としている。また、一次/二次側共に信号の再生成やリクロック、DCオフセットを除去して信号のバランス伝送を実現するRegenerate2、REclock2、REbalance2テクノロジーも搭載。768kHz/32bit PCM&DSD 22.6MHzの信号伝送にも問題なく使用できる。
電源はUSBバスパワーで動作するが、ディスクリート構成のTI製超低ノイズ・高電流リニアレギュレーターによって圧倒的な低ノイズ環境を実現。さらにグラウンドリンク機能を使い、使用環境に合わせてISO(フルアイソレート)/DC-RF(DCからRFへのソフトグランドリンク:アースのない環境でのハムを回避)/RF(RFソフトグランドリンク:RFアースを持たない環境でオーディオデータ欠落を回避)の3モードから選択できる。筆者宅環境ではDC-RFモード以外でプツプツと音が途切れる状態となったが、音質云々ではなく、最適な動作環境を探るために活用すればよいだろう。
試聴においては本機を挿入する以前に比べ、圧倒的に解像度、S/Nの点で優位であり、中低域における曖昧さがなくなる。音場はクリアで立体感も増し、空間の緻密さ、位相表現の正確さがより際立ってくるようだ。色づけのない精緻でストイックなサウンドを得ることができた。
iGalvanicの接続は極めてシンプル。パソコンとUSB DACの間に挿入する本機だが、最大の特徴のひとつが高速伝送に対応するUSB3.0の規格にフル対応を果たした初の製品であること。これにより、7つのフローを持っていた従来のUSB 2.0規格と比べ、iGalvanicは「USB信号伝送 - アイソレーション - 信号受信」という極めてシンプルなフローを実現。より効果的なアイソレーションを行うことを可能とした。また、USB 3.0に対応した外づけストレージや、従来の規格では伝送ができなかった外付けBDドライブでも使用が可能となっている点も、本機の大きな魅力である。