公開日 2017/11/07 10:45
「iPhone X」VS「Galaxy Note 8」、最新有機ELスマホの画質の違いを見比べる
<山本敦のAV進化論 第148回>
この秋、注目の有機ELディスプレイを搭載するふたつのスマホが発売された。「iPhone X」と「Galaxy Note 8」だ。サムスンのGalaxyシリーズにとって、有機ELはすでに使い慣れたディスプレイデバイスと言えるかもしれないが、今回アップルのiPhoneに初めて本格的に採用されたことで、今後スマホの画質に関する興味が一般に広がりそうだ。
■有機ELの強みとは
有機ELディスプレイは発色やコントラストの面で、液晶に比べて画質の優位性があると言われている。有機素子に電圧をかけて光らせる自発光方式のディスプレイなので、液晶のようにバックライトを必要としない。画面の一部分を最小の電力消費で発光させることもできるので、Galaxy Note 8が搭載する、待機時画面に時計などを常時表示する「Always on Display」のような芸当が可能になる。
バックライトが不要で、スマホなどデバイスの本体が薄く・軽くできたり、折り曲げ加工にも強いディスプレイであることから、2013年に発売された「LG G Flex」のような湾曲型ディスプレイを搭載する一風変わったデザインの端末も生まれてくる。
スマホの場合もテレビと同様に、同じ有機ELディスプレイを採用していても画づくりや画質調整機能などの有無で大きな違いが出てくるはずだ。今回は最新機種のiPhone XとGalaxy Note 8を用意し、それぞれの画質の違いを紹介したいと思う。
■iPhone X 対 Galaxy Note 8:ディスプレイまわりのスペック比較
最初に両モデルのディスプレイまわりのスペックを表にして比較しながら確認しておこう。
端末のサイズが違うので映像視聴体験にも若干の違いが発生するだろう。今回の検証はあくまで画質の違いに目を向け、それぞれの特徴を浮き彫りにすることを目的としたい。
■静止画を比較する
まずはじめに静止画の比較から行った。ソニーのデジタルカメラ「α6300」と「NEX-6」で撮影した静止画像を各端末に読み込み、iPhoneは「写真」、Galaxyは「ギャラリー」アプリで再生している。
ディスプレイの自動調整機能はどちらもオフにした。Galaxy Note 8はディスプレイ設定に「画面モード」として複数のモードから選択したり、詳細のカスタマイズもできるようになっているが、今回はプリセットの中から「標準」を選んでいる。iPhone Xは「True Tone」をオフにした。
端末を撮影した写真は、色や明るさの再現性という観点からは参考程度にしかならないかもしれないが、カメラの絞り値とシャッタースピードを固定して撮ったものを掲載している。
トマトを撮影した写真は、上にGalaxy、下にiPhoneを並べた状態がわかりやすいと思う。下のiPhoneの方が彩度が高く、艶っぽく色鮮やかに見える。一方で上のGalaxyは赤色を落ち着いたトーンにまとめている。
人物の写真も、ふたつのディスプレイを上下に並べて見比べると違いが明らかだ。上のGalaxyは肌の赤みが若干強いように感じるものの、明部・暗部の階調がしっかり残っていて、肌の質感に活き活きとしたリアリティが乗る。シャツの黒色も引き締まっていて実物の色に近い。下のiPhoneは肌がややテカリ気味。背景も明部のディテール描写が控え気味だ。
屋外の風景写真は白い建物の輪郭や、空に浮かぶ雲の立体感、手前の木の葉の輪郭や奥行き感などに注目した。コントラストが強めなのはGalaxyの方だ。暗い室内で撮影した写真も、ふたつの端末を縦に並べると、下のiPhoneは明るく鮮やか。上のGalaxyは落ち着きがありながらメリハリのある画という違いが出た。
写真を拡大表示すると、iPhone Xはベゼルを狭くデザインし、5.8型ディスプレイを目一杯大きく使いながら、本体をコンパクトなサイズにまとめていることがよくわかる。本体を縦に構えた際の最上部に、True Depthカメラやフロントカメラ、スピーカーなどを配置した、富士額のような出っ張りがあり、拡大表示時にここがデッドスペースになってしまうのが残念だ。動画を拡大再生した時にも同様の影響が現れる。
これに比べると、Galaxy Note 8は拡大表示の際にも不自然に見切れるところはないが、エッジスクリーンの曲面部分には当然ながら歪みが発生するし、光の反射で見えづらくなる。
■有機ELの強みとは
有機ELディスプレイは発色やコントラストの面で、液晶に比べて画質の優位性があると言われている。有機素子に電圧をかけて光らせる自発光方式のディスプレイなので、液晶のようにバックライトを必要としない。画面の一部分を最小の電力消費で発光させることもできるので、Galaxy Note 8が搭載する、待機時画面に時計などを常時表示する「Always on Display」のような芸当が可能になる。
バックライトが不要で、スマホなどデバイスの本体が薄く・軽くできたり、折り曲げ加工にも強いディスプレイであることから、2013年に発売された「LG G Flex」のような湾曲型ディスプレイを搭載する一風変わったデザインの端末も生まれてくる。
スマホの場合もテレビと同様に、同じ有機ELディスプレイを採用していても画づくりや画質調整機能などの有無で大きな違いが出てくるはずだ。今回は最新機種のiPhone XとGalaxy Note 8を用意し、それぞれの画質の違いを紹介したいと思う。
■iPhone X 対 Galaxy Note 8:ディスプレイまわりのスペック比較
最初に両モデルのディスプレイまわりのスペックを表にして比較しながら確認しておこう。
Galaxy Note 8 | iPhone X | |
サイズ | 約6.3型 Super AMOLED | 約5.8型 Super Retina HD |
最大解像度 | 1,440×2,960 | 1,125×2436 |
アスペクト比 | 18.5対9 | 2.16対1 |
画素密度 | 521ppi | 458ppi |
HDR | ◯ | ◯ |
色域 | 非公開 | DCI-P3 |
輝度 | 非公開 | 625カンデラ |
画面の形状 | 左右エッジが緩やかにカーブするエッジスクリーン採用 | フラット |
特徴機能 | 画面の一部を常時点灯させるAlways on Display | 3D Touch搭載 |
端末のサイズが違うので映像視聴体験にも若干の違いが発生するだろう。今回の検証はあくまで画質の違いに目を向け、それぞれの特徴を浮き彫りにすることを目的としたい。
■静止画を比較する
まずはじめに静止画の比較から行った。ソニーのデジタルカメラ「α6300」と「NEX-6」で撮影した静止画像を各端末に読み込み、iPhoneは「写真」、Galaxyは「ギャラリー」アプリで再生している。
ディスプレイの自動調整機能はどちらもオフにした。Galaxy Note 8はディスプレイ設定に「画面モード」として複数のモードから選択したり、詳細のカスタマイズもできるようになっているが、今回はプリセットの中から「標準」を選んでいる。iPhone Xは「True Tone」をオフにした。
端末を撮影した写真は、色や明るさの再現性という観点からは参考程度にしかならないかもしれないが、カメラの絞り値とシャッタースピードを固定して撮ったものを掲載している。
トマトを撮影した写真は、上にGalaxy、下にiPhoneを並べた状態がわかりやすいと思う。下のiPhoneの方が彩度が高く、艶っぽく色鮮やかに見える。一方で上のGalaxyは赤色を落ち着いたトーンにまとめている。
人物の写真も、ふたつのディスプレイを上下に並べて見比べると違いが明らかだ。上のGalaxyは肌の赤みが若干強いように感じるものの、明部・暗部の階調がしっかり残っていて、肌の質感に活き活きとしたリアリティが乗る。シャツの黒色も引き締まっていて実物の色に近い。下のiPhoneは肌がややテカリ気味。背景も明部のディテール描写が控え気味だ。
屋外の風景写真は白い建物の輪郭や、空に浮かぶ雲の立体感、手前の木の葉の輪郭や奥行き感などに注目した。コントラストが強めなのはGalaxyの方だ。暗い室内で撮影した写真も、ふたつの端末を縦に並べると、下のiPhoneは明るく鮮やか。上のGalaxyは落ち着きがありながらメリハリのある画という違いが出た。
写真を拡大表示すると、iPhone Xはベゼルを狭くデザインし、5.8型ディスプレイを目一杯大きく使いながら、本体をコンパクトなサイズにまとめていることがよくわかる。本体を縦に構えた際の最上部に、True Depthカメラやフロントカメラ、スピーカーなどを配置した、富士額のような出っ張りがあり、拡大表示時にここがデッドスペースになってしまうのが残念だ。動画を拡大再生した時にも同様の影響が現れる。
これに比べると、Galaxy Note 8は拡大表示の際にも不自然に見切れるところはないが、エッジスクリーンの曲面部分には当然ながら歪みが発生するし、光の反射で見えづらくなる。