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公開日 2018/07/27 07:00

ノイズ対策に“革命”をもたらしたアクティブアースの新モデル!テロス「QNR Mini 3.1/QNR 3.1」レビュー

「GNR」をコンパクトかつリーズナブル化
福田雅光
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電源ノイズ低減器
TELOS AUDIO DESIGN
Quantum Noise Resonator 3.1
¥215,000(税別/写真左)

アクティブアース発生器
TELOS AUDIO DESIGN
Grounding Noise Reducer Mini 3.1
¥255,000(税別/写真右)

Profile 昨年、世界初のアクティブアースとして、オーディアクセサリー市場で大きな話題を呼んだテロスのGrounding Noise Reducer。内部にCPUを搭載し、接続した機器との電位差を解析した上で最適化するという、それまでのアースの世界にはなかったアイデアとその効果で数々のオーディオファンの度肝を抜いてきた。テロスを主宰するジェフ・リン氏は、もともと台北にてオーディオショップを営んでいた経歴を持つ。「どんなに機器が素晴らしくても、環境によってその実力は引き出されない」というオーディオ機器の宿命に挑むべく、GNRは開発されたそうだ。そして、今回オーディオファンの前に姿を現したのが、GNRを小型化した内容を持つ「Grounding Noise Reducer Mini 3.1」と「Quantum Noise Resonator 3.1」という2つの製品。より求めやすい価格で登場した本機は、またしてもリスニングルームに革命をもたらすアイテムだ。

アースに対する台湾の新たな解答

テロスから昨年、バーチャルアースとは異なる新方式を採用した「Grounding Noise Reducer(GNR)」が登場した。CPUを搭載し、アース電位を適正に改善するというものである。電子回路を使うため電源を用いるというアクティブ方式を採用。オーディオ機器のシャーシアースに1本のケーブルで接続する使用方法は、パッシブ型のバーチャルアースと同じであるが、驚くのはオーディオシステムのアース電位が0V近くまで大きく変化することである。バーチャルアースでは、音は変化してもアース電位は変化しないのが普通だ。したがって、テロスの目指しているものは、機器の回路動作の基本的なところに置かれていて、バーチャルアースとは異なる。これは画期的な新しい提案だ。

テロスの技術チームは、オーディオシステムにとって問題となる電位差を解決するために、前述の通りCPUを採用した。アースの基準値となる高精度な電圧を、このCPUを使って計算して生成する機能を持つ製品を完成させたのである。これは世界に前例のない技術として、筆者は注目する。

増幅回路の動作は一体何を基準にしているのか、これを一般の人に説明するのはとても難しい。前回の製品でシャーシ電圧が低下する効果を見て、筆者はおそらくこんな変化がありそうだ、と想像した。テストしてみると、やはりダイナミックレンジが拡大されている。これはすごい技術である。

増幅回路の設計上の基準はアースが0Vであることを前提に動作が考えられている。ところが、機器を電源に接続すると、そうは行かないのが実状だ。機器単独で言えば、パワーアンプでのアース電位は5V、プリアンプでは2V、CDプレーヤーは1Vといったアース電位を持ってしまうのだ。

この機器をラインケーブルで接続すると、平均化されて2.5Vといったように共通した電位になる(値はあくまでも例えばの話である)。これは常々気にしてきたことであったが、解決の難しい問題であるのも事実だった。信号電位を1Vから5Vに増幅する回路は、実際はどのようになっているのか。信号電圧とアース電位の差しか、エネルギーとして実感できていないのではないだろうか。

テロスの技術チームが、この問題点に対して開発提案したことこそ、CPUを使いアースの基準値となる高精度な電圧を計算して生成することだったのである。この仕組みは技術的にどのような方法なのか、正直に言うと筆者もまだ理解できていない。むろん、回路の詳細は公表できなくて当然だろう。

そんなテロスから、 GNRに続く新しい製品が登場した。Grounding Noise Reducer Mini 3.1(GNR Mini 3.1)と、Quantum Noise Resonator 3.1(QNR 3.1)という名前で、GNRをコンパクト化、シンプル化した製品である。これは、回路機能こそGNRと共通しているが、そこに搭載された機能を分割して独立させた内容である。これによって、最高級モデルは2種類の機能で構成されていることが明らかになった。なお、テロスでは2モデルに共通する特徴として、ノイズを量子化レベル(つまりデジタル変換)で解析して、光へと変換するという点にあると説明している。

GNR Mini 3.1の内部には、上位のGNRに搭載された基幹技術であるCPU Calculation Moduleを搭載。テロスオリジナルのQuantum Fuseyやノイズコンバージョンデバイス、OFCトランスフォーマーなどのパーツ類もGNRと同様のものとなる

QNR 3.1は、上位GNRには2つ搭載された、Noise Elimination Deviceを抜き出した構成。電源が孕むノイズを光エネルギーに変換して放出するのがメインの機能となる

今回は、GNR Mini 3.1とそれに追加する形でQNR 3.1をテストしてみた。なお、接続ケーブルは筆者がバーチャルアースで常用している、他社のアース用に開発されたものを使い、プリアンプ(ラックスマン「C-700f」)のアース端子に接続している。

次ページ格段に改善された解像度の繊細性の表現

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